
悪性リンパ腫ステージ4は、がんがリンパ節にとどまらず、骨髄や肝臓、肺などの遠隔臓器にも広がった最も進行した状態を指します。
この段階では、がん細胞が全身に広く転移している状態ですが、適切な治療を行うことで症状の緩和や病状のコントロールが期待できます。
悪性リンパ腫は、白血球の一部であるリンパ球ががん化した病気です。リンパ系は免疫機能を担う重要な役割を持ち、リンパ節、脾臓、骨髄などに広がっています。ステージ4では、これらの臓器を超えて、リンパ系ではない部位へのびまん性浸潤が認められる状態となります。
ステージ4と診断されても、悪性リンパ腫は治療によって寛解が得られる可能性のある疾患です。病型や患者さまの全身状態によって治療方針は異なりますが、化学療法や分子標的薬などの治療選択肢があります。
悪性リンパ腫は、大きく「ホジキンリンパ腫」と「非ホジキンリンパ腫」の2つに分類されます。
ホジキンリンパ腫は日本人には稀で、全体の約10%程度です。リード・シュテルンベルク細胞という特徴的な細胞がみられ、主に連続したリンパ節に広がります。一方、非ホジキンリンパ腫は日本人の悪性リンパ腫のうち90%以上を占め、多様な種類があります。
非ホジキンリンパ腫は、もととなったリンパ球の種類によってさらに分類されます。
細かく分類すると、悪性リンパ腫は100近くの種類に分類することができます。病型によって進行の速さや治療への反応が大きく異なるため、正確な診断が重要です。

悪性リンパ腫を、進行の速さによって3つに分類する方法もあります。
この分類は、リンパ腫を治療しなかった場合の進行の速さを示したものです。高悪性度のものが必ずしも治療が難しいわけではなく、むしろ治療への反応が良好なケースも少なくありません。
ステージ4では、がんがリンパ節を超えて臓器や皮膚、骨髄、血液中など、全身に広く転移している状態です。
主な症状としては、精神症状や頭痛・悪心・嘔吐などの頭蓋内圧亢進症状が挙げられます。また、発熱、寝汗、体重減少などの全身症状が現れることがあり、これらは専門的に「B症状」と呼ばれています。
これらの症状は、体内でがんが進行しているサインです。症状の程度は患者さまによって異なり、発生した部位や転移した部位によっても症状は変わってきます。

悪性リンパ腫は全身のどこにでも発生する可能性があります。脳や皮膚、目、鼻腔、甲状腺、肺、胃、腸、骨髄、肝臓など、発生した部位によって異なる症状が現れます。
例えば、脳に発生した場合は精神症状や頭痛が、消化管に発生した場合は腹痛や消化不良が見られることがあります。
悪性リンパ腫の診断には、さまざまな検査が行われます。
まず、リンパ節の腫れや症状が疑われる場合、血液検査を行い、白血球数やリンパ球の異常を確認します。しかし、血液検査だけでは確定診断が難しいため、リンパ節生検が重要な検査となります。
リンパ節生検では、腫れているリンパ節の一部または全体を採取し、顕微鏡でがん細胞の有無や特徴を調べます。切除は麻酔下で行われるため、痛みは伴いません。この検査により、悪性リンパ腫かどうかの特定、および病型分類を行います。
がんの広がりを評価するために、以下の検査が行われます。
これらの検査結果を総合的に評価して、悪性リンパ腫のタイプや進行度(ステージ)を診断し、最適な治療方針を決定します。
悪性リンパ腫ステージ4の治療は、病型や患者さまの全身状態に基づいて検討します。
治療の中心は薬物療法と放射線療法です。基本的には手術は行いませんが、リンパ節以外の臓器にリンパ腫がある場合は、手術を行うこともあります。

悪性リンパ腫の治療では、抗がん剤や分子標的薬を組み合わせて投与する多剤併用療法が治療の中心となります。
非ホジキンリンパ腫の患者さまに対する初回治療には、CHOP療法(シクロフォスファミド・ドキソルビシン・ビンクリスチン・プレドニゾロン)、R-CHOP療法(CHOP療法にリツキシマブを併用)、Pola-R-CHP療法(ポラツズマブ ベドチンを併用)などがあります。
ホジキンリンパ腫に対する初回治療には、ABVD療法(ドキソルビシン・ブレオマイシン・ビンブラスチン・ダカルバジン)やA-AVD療法(ブレンツキシマブ ベドチンを併用)などがあります。
これらの治療の多くは一般的に外来通院で行います。再発をした患者さまでは、初回治療として用いた治療とは違う抗がん剤を組み合わせた治療を用いることが多いです。
ゆっくり進行するタイプの悪性リンパ腫で病変が狭い限られた範囲にある場合は、放射線単独で治療できる場合もあります。
リンパ腫を治す目的以外にも、一時的に症状を緩和して苦痛を和らげる目的や、造血幹細胞移植前に放射線治療を行うことがあります。
骨髄などから造血細胞のもとになる造血幹細胞を取り出し、患者さまに移植する方法です。
造血幹細胞移植には、患者さま本人の造血幹細胞をあらかじめ採取、冷凍保存しておき、大量化学療法という強力な抗がん剤治療に引き続いてそれを体に戻す「自家移植」と、提供者(ドナー)から造血幹細胞移植を提供してもらう「同種移植」があります。リンパ腫の治療では、自家造血幹細胞移植が主となっています。
悪性リンパ腫の予後は、細胞の種類と発見されたときのステージが関連しています。
5年生存率は、がんの治療効果を比較するために使われる目安で、その病気になった人が5年後に生きている確率です。生存率が高い場合は治療効果が得られやすいがんと考えられます。
悪性リンパ腫全体の5年生存率は、男性で66.4%、女性で68.6%、全体では67.5%となっています。2002~2006年のデータでは男性で52.5%、女性で60.5%と報告されており、治療の効果は年々向上していると考えられます。
ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に分けた進行度別の5年生存率は以下の通りです。
出典
(2009~2011年のデータ)より作成
ただし、これらの数値はあくまで統計的な目安です。悪性リンパ腫は種類が多く、それぞれ病気の特徴が異なることや、同じ病気であっても発生した部位が異なる場合もあるため、個々の患者さまの予後は病型や治療への反応によって大きく異なります。

ICVS東京クリニックでは、ステージⅣを含む進行がん・再発がんに特化した免疫療法を行う専門クリニックとして、悪性リンパ腫の患者さまに対しても治療の選択肢をご提案しています。
当院では、標準治療だけでは十分な効果が得られなかったケースを含め、慎重な診断のもとで治療方針を検討しています。「治すことを決してあきらめない」という理念のもと、患者さま一人ひとりの状態に応じた治療を目指しています。
当院で行っているHITV療法は、免疫システムの司令塔である樹状細胞を活用する免疫細胞療法です。
悪性リンパ腫においても、患者さまご自身の免疫機能に着目し、がん細胞を認識・攻撃する免疫反応を引き出すことを目的としています。HITV療法では、CTガイド下で樹状細胞を体内へ正確に投与する独自の技術を採用しています。
また、院内に完備した国際的GMP基準に準拠した細胞培養加工施設(CPC)を用いた高品質な細胞培養体制を整えており、免疫療法の特性を最大限に引き出すことを目指しています。
本治療は、日本国内において未承認医療であり、健康保険の適用外となる自由診療です。治療の適応可否については、事前診断にて慎重に判断いたします。
悪性リンパ腫の治療においては、病型・進行度・これまでの治療歴・全身状態などにより、適した治療方針が大きく異なります。
ICVS東京クリニックでは、臨床経験豊富な専門医が、画像検査や血液検査、治療経過を総合的に評価し、患者さまごとにオーダーメイドの治療計画をご提案します。
治療そのものだけでなく、患者さまご本人やご家族の不安や負担にも配慮し、生活の質(QOL)を大切にした診療を心がけています。治療開始前には、期待できる効果だけでなく、リスクや副作用についても丁寧にご説明し、十分にご理解・ご納得いただいたうえで治療を進めていきます。
悪性リンパ腫ステージ4は、がんが全身に広がった進行した状態ですが、適切な治療によって症状の緩和や病状のコントロールが期待できます。
治療の選択肢は多様で、化学療法、放射線治療、造血幹細胞移植など、病型や患者さまの状態に応じた治療が行われます。近年では、治療の効果が年々向上しており、5年生存率も改善傾向にあります。
再発や進行により治療選択に悩まれている方、標準治療後の次の選択肢を検討されている方に対して、ICVS東京クリニックでは医療相談・事前診断・セカンドオピニオンを通じて、現状を整理するお手伝いを行っています。
治療のパートナーとして、患者さま一人ひとりと向き合いながら、最善と考えられる医療を追求し続けることが、当院の使命です。
悪性リンパ腫でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
ICVS東京クリニックでは、進行がん・再発がんに特化した免疫療法を提供しており、患者さま一人ひとりに合わせた治療計画をご提案いたします。まずは医療相談や事前診断から、一歩踏み出してみませんか。
ICVS東京クリニック 理事長 蓮見 賢一郎

埼玉医科大学卒業。
東京大学医科学研究所を経て、現在は米国法人 蓮見国際研究財団理事長。
世界各国で『国際がんワクチン・シンポジウム』を開催し、がん免疫療法の啓蒙と研究活動を推進している。
米国Thomas Jefferson 大学 Kimmel Cancer Center に研究講座を開設、同大学の客員教授。
ブルガリアPleven 医科大学より、がん免疫療法の研究活動に対して名誉博士号授与。
その他、米国Maryland 州立大学、ドイツ Erlangen 大学との共同研究や、マレーシア国民大学(UKM)との臨床試験を行っている。

大腸がん末期という言葉を耳にすると、多くの方が不安を感じるかもしれません。
医学的には、大腸がんが進行して他の臓器(肝臓・肺・腹膜など)に遠隔転移している状態を「末期」と呼びます。これは大腸がんのステージⅣに相当し、根治手術(がんをすべて切除する手術)が困難な段階です。
ただし、末期がんとステージⅣは必ずしもイコールではありません。ステージⅣでも、状態によっては積極的な治療(手術、抗がん剤、放射線療法など)が可能な場合もあります。一方で末期がんは、がんの制御が困難となり、主に緩和ケア(症状緩和と生活の質向上)が治療の中心となる状態を指します。
大腸がんは、早期発見であれば完治が期待できるがんのひとつです。しかし、進行するまで自覚症状が出にくく、発見された時点で転移や再発が見つかるケースも少なくありません。
末期の大腸がんでは、がんの進行や転移に伴い、心身にさまざまな負担が現れます。
進行度や患者さまの体力、治療状況によって個人差はありますが、代表的な症状をご紹介します。
腫瘍が腸を圧迫することで、持続的または間欠的な腹痛が起こります。
便秘と下痢の繰り返し、血便(特に直腸がんの場合は鮮血便)が見られることがあります。がんが進行しても症状が軽いケースもあり、「知らないうちに進んでいた」ということも少なくありません。
腫瘍が腸管をふさぐことで、激しい腹痛、嘔吐、便秘などの腸閉塞症状が現れることもあります。

食欲不振や消化吸収機能の低下により、急速に体重が減少します。
がん性悪液質や全身性の炎症によって、強いだるさや疲労が日常生活に影響を及ぼします。慢性的な出血や栄養不足により、息切れ、めまい、疲労感が強くなる貧血症状も見られます。
肝臓転移により胆汁の流れが滞り、皮膚や目が黄色く変色する黄疸が現れることがあります。
肺転移によって咳、呼吸苦、胸の痛みが起こることもあります。これらの症状は、患者さまごとに異なる場合があり、進行の度合いや治療の状況によっても変化します。
大腸がんの生存率は、がんの進行度(ステージ)によって大きく異なります。
ステージⅣの大腸がんでは、5年生存率はおよそ18%前後とされています。抗がん剤治療を行った場合の中央値生存期間は約20〜30ヶ月、治療なしの場合は数ヶ月以内で進行することもあります。
ただし、最近はがんと共に「数年単位で生活できる」時代になってきています。

末期大腸がんでは、がんを完全に治すことが難しいため、「がんの進行を抑えながら生活の質を保つ」ことが治療の目標になります。
しかし、「ただ待つだけ」ではなく、できる治療は多くあります。延命や症状緩和、生活の質の維持を目指す治療は、決して無意味ではありません。
抗がん剤治療(化学療法)では、大腸がんではFOLFOXやFOLFIRIなどの薬剤がよく使われ、分子標的薬(アバスチンやエルプラット)との併用が一般的です。これにより、がんの進行を一定期間抑えることができます。
免疫療法として、MSI-Hという遺伝子異常を持つタイプでは、免疫チェックポイント阻害剤(ニボルマブなど)が効果を発揮する可能性があります。
緩和ケアは、痛みや呼吸困難、食事の問題、精神的不安などに対して導入されます。訪問医療や在宅ケアと併用することで、穏やかな生活を支えることが可能です。
ICVS東京クリニックでは、ステージⅣの進行大腸がんや再発大腸がんに対し、がんの消失を目指す次世代免疫療法「HITV療法」を専門的に行っています。
HITV療法(Human Initiated Therapeutic Vaccine)は、免疫システムの司令塔である「樹状細胞」を活用した、独自のがん免疫細胞療法です。大腸がんに対するHITV療法の特長は、樹状細胞をCTガイド下で腫瘍へ直接投与する点にあります。
腫瘍内に直接投与された樹状細胞は、患者さまご自身の大腸がんが持つ複数の抗原情報を高精度に学習し、その情報をもとにCTL(キラーT細胞)を体内で強力に誘導します。これにより、腫瘍そのものが免疫細胞を生み出す「ワクチン化」、血液中を巡る微細ながん細胞への継続的な攻撃、転移・再発の抑制といった作用が期待されます。
同クリニックは、がん免疫療法の臨床・研究に長年携わってきた医師が中心となり、2008年に設立された専門医療機関です。国内外の研究機関・医療機関と連携しながら、大腸がんを含む進行がん・再発がんに対する治療に研鑽を重ねています。
末期がんであっても、自宅で穏やかに過ごせる方もたくさんいます。
以下の工夫が大切です。

食事を無理に取らせない、食べたいときに少量ずつという姿勢が重要です。
睡眠と休息の確保、便通の調整や痛みの管理も欠かせません。家族や医療者と定期的に意思疎通することで、患者さまの状態に合わせたケアが可能になります。
家族の「寄り添い」が大きな精神的支えになります。
患者さまの気持ちを尊重しながら、過ごしやすい環境づくりを心がけましょう。治療したいのに「できることがない」と診断された方、併用できる治療を探している方など、セカンドオピニオンも納得のいく決断をするうえで有効です。
ICVS東京クリニックでは、治療を一方的に進めることはありません。
事前診断・医療相談を通じて、治療の目的・期間・費用の目安を丁寧に説明し、患者さまご本人とご家族が納得したうえで治療を検討していただくことを大切にしています。
免疫療法は短期間で結果が出る治療ではないからこそ、「今の状態で本当に適応があるのか」「どこまでを目標とするのか」を明確にしたうえで進めていきます。
大腸がんの進行度、転移の有無、これまでの治療歴、全身状態は、患者さま一人ひとり異なります。
同クリニックでは、事前診断や詳細なカウンセリングを通じて、HITV療法を軸とした個別の治療計画をオーダーメイドでご提案します。また、患者さまご本人だけでなく、ご家族のお気持ちにも配慮し、生活の質(QOL)を大切にした診療を心がけています。
大腸がん末期と診断されても、「もう治療がない」と感じる必要はありません。
標準治療後の再発が不安な方、進行大腸がんと診断され今後の選択肢を探している方、副作用をできるだけ抑えながら治療を受けたい方には、さまざまな選択肢があります。
ICVS東京クリニックでは、「延命ではなく、救命を目指す」という理念のもと、免疫の力を最大限に引き出す治療に取り組んでいます。治すことをあきらめず、患者さまのパートナーとして寄り添う医療を提供しています。
まずは医療相談・事前診断を通じて、ご自身の状況でどのような可能性があるのかを確認してみてください。
自分らしい生き方を大切にしながら、信頼できる医師とともに治療方針を考えていきましょう。
ICVS東京クリニック 理事長 蓮見 賢一郎

埼玉医科大学卒業。
東京大学医科学研究所を経て、現在は米国法人 蓮見国際研究財団理事長。
世界各国で『国際がんワクチン・シンポジウム』を開催し、がん免疫療法の啓蒙と研究活動を推進している。
米国Thomas Jefferson 大学 Kimmel Cancer Center に研究講座を開設、同大学の客員教授。
ブルガリアPleven 医科大学より、がん免疫療法の研究活動に対して名誉博士号授与。
その他、米国Maryland 州立大学、ドイツ Erlangen 大学との共同研究や、マレーシア国民大学(UKM)との臨床試験を行っている。

70代で「悪性リンパ腫」と診断されたとき、多くの方が生存率や治療の可能性について不安を感じられます。
年齢を重ねた状態でのがん治療は、若い世代とは異なる配慮が必要です。
しかし、治療法の進歩により、高齢者であっても適切な治療を選択することで、予後を改善できる可能性があります。
この記事では、70代の悪性リンパ腫における生存率の実態、治療によって変わる予後、そして専門医に相談すべきタイミングについて、医療現場の視点から詳しく解説します。
悪性リンパ腫は、血液がんの一種で、リンパ系の細胞ががん化する病気です。
リンパ系は免疫系の一部であり、リンパ節・リンパ管・脾臓などから構成されています。
悪性リンパ腫は高齢者に多く、70歳代が発症のピークとされています。男女比は3:2と男性のほうが多く、高齢化に伴って年々増加傾向がみられます。

悪性リンパ腫は、組織学的に「ホジキンリンパ腫」と「非ホジキンリンパ腫」に分類されます。
日本人の90%以上は非ホジキンリンパ腫です。
非ホジキンリンパ腫は、さらに100種類以上のサブタイプに分類され、がん化しているリンパ球の種類によって、B細胞リンパ腫・T細胞リンパ腫・NK細胞リンパ腫に分けられます。
非ホジキンリンパ腫は、進行速度によって「高悪性度」「中悪性度」「低悪性度」に分類されます。
高悪性度リンパ腫は急速に進行しますが、化学療法によく反応し、治癒する可能性が高いとされています。
中悪性度リンパ腫は中程度の速さで進行し、低悪性度リンパ腫はゆっくりと進行する特徴があります。
出典
より作成
70代の悪性リンパ腫患者さまにとって、生存率は大きな関心事です。
年齢が進むと生存率に変化があるのか、治療によってどの程度改善が期待できるのかを理解することが重要です。

悪性リンパ腫、特に非ホジキンリンパ腫では、若い人に比べ、年齢層が上昇するごとに完全奏効率は低下する傾向があります。
若い人では68%の完全奏効率が、高齢者では45%であり、全生存率も加齢とともに低下するとの報告があります。
これは、高齢の患者さまの場合には合併症や臓器機能の低下、薬物代謝・排せつの遅延などから治療への配慮が必要であるため、若い人と同等の治療強度で治療できず、弱い治療を行う傾向にあることが原因として考えられます。
ただし、合併症がない場合では、70歳以下の患者さまと71歳以上の患者さまで生存の差はないと報告されています。
2012年から2015年診断症例の5年純生存率を見ると、部位によって大きな差があります。
男性では前立腺94.3%から膵臓10.7%、女性では甲状腺92.7%から膵臓10.2%まで、部位によって生存率は大きく異なります。
また、1993年からの生存率を純生存率の年次推移として改めて集計した結果、多くの部位で生存率が向上していることが確認されています。
出典
Ubie「高齢者の場合、余命(生存率)はどのくらいですか?」
(2010年報告)より作成
悪性リンパ腫の治療は、病型・進行度・これまでの治療歴・全身状態などにより、適した治療方針が大きく異なります。
標準治療だけでは十分な効果が得られなかったケースを含め、慎重な診断のもとで治療の選択肢を検討することが重要です。
悪性リンパ腫の標準治療としては、化学療法や分子標的薬などが用いられます。
これらの治療によって寛解が得られる一方、再発や治療抵抗性が課題となるケースも少なくありません。
抗がん剤・分子標的薬は共に有効な治療ですが、耐性化という問題を避けては通れません。そのため微小がんが体内に残り、それが新たな再発や再燃といった問題を引き起こします。

免疫療法、特に免疫細胞療法は、標準治療の弱点とされる微小がんに対して、高い排除能力を有していると考えられます。
ICVS東京クリニックでは、免疫システムの司令塔である「樹状細胞」を活用したHITV療法を提供しています。
HITV療法では、CTガイド下で樹状細胞を体内へ正確に投与する独自の技術を採用しており、院内に完備した国際的GMP基準に準拠した細胞培養加工施設を用いた高品質な細胞培養体制を整えています。
臨床経験豊富な専門医が、画像検査や血液検査、治療経過を総合的に評価し、患者さまごとにオーダーメイドの治療計画を提案することが重要です。
治療そのものだけでなく、患者さまご本人やご家族の不安や負担にも配慮し、生活の質を大切にした診療を心がけることが求められます。
治療開始前には、期待できる効果だけでなく、リスクや副作用についても丁寧に説明し、十分に理解・納得いただいたうえで治療を進めていくことが大切です。
悪性リンパ腫の治療において、適切なタイミングで専門医に相談することは、予後を大きく左右します。
どのような状況で相談すべきか、具体的なタイミングを理解しておくことが重要です。
標準治療を終えた後、次の治療選択に悩まれている方は、早めに専門医に相談することをおすすめします。
再発や進行により治療選択に悩まれている方、標準治療後の次の選択肢を検討されている方に対して、医療相談・事前診断・セカンドオピニオンを通じて、現状を整理するお手伝いを行っています。
再発を繰り返している場合、従来の治療法だけでは十分な効果が得られない可能性があります。
このような状況では、免疫療法など新たな治療選択肢を検討することが有効な場合があります。
「抗がん剤治療が難しくなってきた」「再発を繰り返している」「他院では治療の選択肢がないと言われた」といった状況の方でも、まずは相談する価値があります。
高齢者の治療では、延命だけでなく、生活の質を維持することも重要な視点です。
治療による身体的負担を抑えながら、日常生活を維持したいと考える方にとって、免疫療法は選択肢の一つとなります。
患者さまご本人やご家族の不安にも丁寧に向き合い、治療内容・期間・費用についても十分な説明と納得を大切にする姿勢が求められます。

ICVS東京クリニックは、ステージⅣを含む進行がん・再発がんに特化した免疫療法を行う専門クリニックとして、悪性リンパ腫の患者さまに対する治療を提供しています。
当院の理念は「治すことを決してあきらめない」というものであり、患者さま一人ひとりの状態に応じた治療方針を検討しています。
当院で行っているHITV療法は、免疫システムの司令塔である樹状細胞を活用する免疫細胞療法です。
悪性リンパ腫においても、患者さまご自身の免疫機能に着目し、がん細胞を認識・攻撃する免疫反応を引き出すことを目的としています。
HITV療法では、CTガイド下で樹状細胞を体内へ正確に投与する独自の技術や、院内に完備した国際的GMP基準に準拠した細胞培養加工施設を用いた高品質な細胞培養体制を整えています。
これにより、免疫療法の特性を最大限に引き出すことを目指しています。
本治療は、日本国内において未承認医療であり、健康保険の適用外となる自由診療です。
治療の適応可否については、事前診断にて慎重に判断いたします。
治療開始前には、期待できる効果だけでなく、リスクや副作用についても丁寧にご説明し、十分にご理解・ご納得いただいたうえで治療を進めていきます。
再発や進行により治療選択に悩まれている方、標準治療後の次の選択肢を検討されている方に対して、当院では医療相談・事前診断・セカンドオピニオンを通じて、現状を整理するお手伝いを行っています。
治療のパートナーとして、患者さま一人ひとりと向き合いながら、最善と考えられる医療を追求し続けることが、ICVS東京クリニックの使命です。
70代で悪性リンパ腫と診断されても、適切な治療を選択することで予後を改善できる可能性があります。
年齢による生存率の違いは存在しますが、合併症がない場合には若い世代と生存の差はないとの報告もあります。
標準治療だけでは十分な効果が得られなかったケースにおいても、免疫療法という選択肢があります。
ICVS東京クリニックでは、樹状細胞を活用したHITV療法を通じて、進行がん・再発がんの患者さまに対する治療を提供しています。
「まだできることがあるかもしれない」と思われた方は、まずは医療相談や事前診断から一歩踏み出してみてください。
治療の選択肢を広げ、生活の質を維持しながら、前向きに治療に取り組むことが大切です。
一人で抱え込まず、専門医に相談することが、より良い予後への第一歩となります。
ICVS東京クリニック 理事長 蓮見 賢一郎

埼玉医科大学卒業。
東京大学医科学研究所を経て、現在は米国法人 蓮見国際研究財団理事長。
世界各国で『国際がんワクチン・シンポジウム』を開催し、がん免疫療法の啓蒙と研究活動を推進している。
米国Thomas Jefferson 大学 Kimmel Cancer Center に研究講座を開設、同大学の客員教授。
ブルガリアPleven 医科大学より、がん免疫療法の研究活動に対して名誉博士号授与。
その他、米国Maryland 州立大学、ドイツ Erlangen 大学との共同研究や、マレーシア国民大学(UKM)との臨床試験を行っている。

甲状腺がんと診断されたとき、多くの患者さんが最初に気になるのは「生存率」ではないでしょうか。
甲状腺がんは、他のがんと比較して比較的進行が緩やかで、治療成績が良好ながんとして知られています。年間の診断数は約16,500人で、女性に多く見られる特徴があります。5年生存率は約95%と非常に高く、男性で91%、女性で96%という優れた治療成績を示しています。
しかし、甲状腺がんにも複数の種類があり、それぞれ性質や進行速度が異なります。最も多い乳頭がんは10年生存率が約90%以上と予後が良好ですが、未分化がんのように進行が速く悪性度の高いタイプも存在します。また、再発や遠隔転移を繰り返すケースでは、標準治療だけでは十分な効果が得られにくい場合もあるのです。
治療方法の選択は、がんの種類・進行度・患者さんの状態によって大きく変わります。手術、放射線治療、薬物療法といった標準治療に加え、近年では免疫療法など新しい治療選択肢も登場しています。
甲状腺がんは、がん細胞の形や増殖の仕方によっていくつかの種類に分類されます。
それぞれの特徴を理解することが、適切な治療選択の第一歩となります。

甲状腺がんの約90%を占める最も一般的なタイプです。非常にゆっくり進行する「おとなしい」性質を持ち、生命に関わることはまれです。リンパ節への転移が多く見られるものの、適切な治療により良好な予後が期待できます。ただし、ごく一部の乳頭がんは再発を繰り返したり、悪性度の高い未分化がんに変化したりすることがあるため、継続的な経過観察が重要です。
甲状腺がんの約5%を占めます。良性の甲状腺腫瘍との区別が難しいことが少なくありません。乳頭がんと比べるとリンパ節転移は起こりにくいものの、肺や骨などへの遠隔転移を起こしやすい傾向があります。遠隔転移がない場合、治療後の経過は比較的良好とされています。
甲状腺がんの約1~2%を占める比較的まれなタイプです。乳頭がんや濾胞がんと比べると進行が速く、リンパ節や肺、肝臓などへの転移を起こしやすい性質があります。10年生存率は75%と、他のタイプより低くなります。髄様がんの一部は遺伝性で、生まれつきの遺伝子変異が原因で発症することがあります。
甲状腺がんの約1~2%を占める非常にまれなタイプですが、進行が極めて速く、悪性度が高いのが特徴です。甲状腺周囲の臓器に広がりやすく、肺や骨などへの遠隔転移も起こしやすい性質があります。1年生存率は20%以下と予後が厳しいため、早期の積極的な治療が必要となります。
甲状腺がんの治療は、がんの種類・進行度・患者さんの状態に応じて選択されます。

甲状腺がん治療の基本は手術です。手術の方針は大きく2つあります。1つは甲状腺を全摘出して生涯ホルモン療法を行う方法、もう1つは甲状腺を温存してなるべく術後の補助療法を行わない方法です。がんの大きさ・位置・転移の有無などを総合的に判断し、患者さん一人ひとりに最適な術式を選択します。
近年では、低リスクの乳頭がんに対しては経過観察という選択肢も検討されるようになっています。1cm以下の微小な乳頭がんの場合、通常は一生涯大きくならずに経過することが多いため、慎重な経過観察を選択することも可能です。
甲状腺がんに対して特徴的な治療法として、放射性ヨード内服療法があります。海藻類などに含まれるヨードが体内では甲状腺だけに取り込まれる性質を応用した治療で、ヨードに放射能をつけてカプセルに入れて内服します。甲状腺がん細胞を選択的に攻撃できるため、全身への影響を抑えながら治療効果を得ることができます。
遠隔転移がある場合や、放射性ヨード治療が効かない場合には、分子標的薬による治療が選択されることがあります。ただし、甲状腺がんに対する従来の抗がん剤治療の有効性はあまり高くないとされています。近年では、免疫チェックポイント阻害薬など新しいタイプの薬剤も研究が進められています。
標準治療だけでは十分な効果が得られにくいケースに対して、免疫療法が注目されています。
免疫療法は、患者さん自身の免疫システムを活性化させてがん細胞を攻撃する治療法です。抗がん剤や放射線治療のような強い副作用が出にくいとされ、体力に不安のある方でも治療を受けられる可能性があります。

ICVS東京クリニックでは、甲状腺がんを含む進行がん・再発がんに対し、「延命ではなく、救命を目指す」という理念のもと、HITV療法という次世代免疫療法に取り組んでいます。
HITV療法は、免疫システムの司令塔である「樹状細胞」を活用した治療法です。樹状細胞は、がん細胞の情報を他の免疫細胞に伝える重要な役割を担っています。患者さんご自身の腫瘍が持つ情報を免疫に正確に伝えることで、がん細胞を効率的に攻撃する免疫反応の誘導を目指します。
HITV療法の大きな特徴は、CTガイド下で樹状細胞を腫瘍内、または腫瘍に栄養を与える主要血管内へ直接投与する独自技術です。この方法により、樹状細胞の機能を最大限に引き出すことを重視しています。腫瘍そのものを免疫反応の起点(ワクチン化)とする考え方に基づいた治療アプローチです。
院内には国際的GMP基準に準拠した細胞培養加工施設(CPC)を完備し、専任の培養士が高品質な樹状細胞の培養・管理を行っています。治療の基盤となる免疫細胞の品質を厳格に保つことで、安全性と効果の両立を目指しています。
生存率を上げるためには、適切な治療選択が不可欠です。
甲状腺がんの治療において、画一的な治療は適切ではありません。がんの種類・進行度・転移の有無・患者さんの年齢や全身状態・これまでの治療歴など、さまざまな要素を総合的に判断する必要があります。
ICVS東京クリニックでは、事前診断で提供いただくPET-CTなどの画像データや血液検査、治療履歴をもとに、専門医が慎重に適応を判断します。患者さん一人ひとりの状態・病状・生活背景を考慮したオーダーメイドの治療計画をご提案しています。

免疫療法は、すべての甲状腺がん患者さんに適応となるわけではありません。現在の病状、腫瘍の大きさ・数、これまでの治療歴などをもとに、HITV療法が適応となるかどうかを医師が慎重に判断します。
いきなり治療を勧めるのではなく、事前診断を通して客観的に判断することを大切にしています。受けられるかわからない治療だからこそ、まずは専門医による適切な評価が必要です。
免疫療法は、短期間で結果が見える治療ではありません。そのため、治療開始前の段階から治療の目的・見込まれる経過・リスクや副作用・費用面まで丁寧にご説明し、十分なご理解とご納得をいただくことを何よりも大切にしています。
治療が始まったその瞬間から、私たちは患者さまのパートナーです。甲状腺がんという病気と向き合う中で、不安や迷いを抱える患者さま・ご家族に寄り添いながら、最良の治療選択をともに考え、支え続ける医療を提供してまいります。
甲状腺がんの生存率は、がんの種類や進行度によって大きく異なります。
乳頭がんのような予後良好なタイプでは、適切な治療により10年生存率が90%以上と非常に高い治療成績が得られています。一方で、未分化がんのように悪性度の高いタイプや、再発・遠隔転移を繰り返すケースでは、標準治療だけでは十分な効果が得られにくい場合もあります。
生存率を上げるためには、以下のポイントが重要です。
甲状腺がんの治療は、一人ひとりの状況に応じた個別化医療が重要です。標準治療に加え、免疫療法という新しい選択肢も登場しています。ICVS東京クリニックでは、「延命ではなく、救命を目指す」という理念のもと、患者さまとともに最良の治療選択を考え、支え続ける医療を提供しています。
甲状腺がんと診断されたとき、不安や迷いを感じるのは当然のことです。しかし、適切な治療選択と継続的なサポートにより、多くの患者さんが良好な予後を得ています。まずは専門医に相談し、ご自身に最適な治療法を見つけることから始めてみてください。
事前診断を通じて、HITV療法が適応となるかどうかを専門医が丁寧に判断いたします。治療の可能性について、まずはお気軽にご相談ください。
ICVS東京クリニック 理事長 蓮見 賢一郎

埼玉医科大学卒業。
東京大学医科学研究所を経て、現在は米国法人 蓮見国際研究財団理事長。
世界各国で『国際がんワクチン・シンポジウム』を開催し、がん免疫療法の啓蒙と研究活動を推進している。
米国Thomas Jefferson 大学 Kimmel Cancer Center に研究講座を開設、同大学の客員教授。
ブルガリアPleven 医科大学より、がん免疫療法の研究活動に対して名誉博士号授与。
その他、米国Maryland 州立大学、ドイツ Erlangen 大学との共同研究や、マレーシア国民大学(UKM)との臨床試験を行っている。

「50代になって、大腸がんのリスクが高まると聞いたけれど、実際の進行速度はどうなのだろう」
そんな不安を抱えている方は少なくありません。大腸がんは日本人の罹患率・死亡率ともに高い主要ながんの一つであり、特に50代以降で発症リスクが加速することが知られています。
しかし、大腸がんの進行速度は一律ではありません。年齢、がんのタイプ、生活習慣、遺伝的背景など、さまざまな要因によって進み方は大きく異なります。50代という年代は、まさに大腸がんの発症リスクが高まる時期であり、同時に早期発見・早期治療によって治癒が期待できる重要な時期でもあります。
本記事では、放射線診断専門医・IVR専門医として長年がん治療に携わってきた経験をもとに、50代における大腸がんの進行速度の特徴、進行を左右する要因、そして治療で変わるポイントについて詳しく解説します。
大腸がんの進行速度を理解するためには、まず大腸がんがどのように発生し、成長していくかを知る必要があります。

大腸がんの多くは、大腸の粘膜にできる「ポリープ」が徐々に大きくなり、がん化することで発生します。正常な粘膜からポリープが形成され、それががんへと変化するまでには、一般的に数年から十数年という長い時間がかかります。
大腸の壁は、内側から順に粘膜、粘膜下層、固有筋層、漿膜下層、漿膜の5つの層に分かれています。がんは最初、粘膜の表面で発生し、時間とともに深い層へと浸潤していきます。粘膜や粘膜下層までにとどまっているものを「早期がん」、それより深く筋層まで到達したものを「進行がん」と定義します。
50代は大腸がんの罹患が増えてくる年代です。国立がん研究センターによると、大腸がんにかかる割合は40歳代から増加し始め、50歳代で加速し、高齢になるほど高くなります。
50代における大腸がんの進行速度には、いくつかの特徴があります。まず、この年代では免疫力が徐々に低下し始め、細胞の修復能力も若い頃と比べて衰えてきます。そのため、同じタイプの大腸がんでも、若い頃より進行が早まる可能性が指摘されています。
一方で、50代は健康診断や人間ドックを受ける機会も多く、検査で早期に発見されれば治療開始も早くできる年代です。早期がんであれば、内視鏡によるポリープ切除や外科手術で根治が期待できます。
出典
国立がん研究センターがん情報サービス「大腸がん(結腸がん・直腸がん)」
より作成
大腸がんの進行速度を決定する最も重要な要因の一つが「悪性度」です。悪性度とは、がん細胞の増殖速度や浸潤・転移の能力を示す指標であり、顕微鏡でがん細胞の形や構造を観察することで判定されます。
悪性度の高いがんは細胞分裂が速く、周囲の組織に浸潤しやすく、リンパ節や他の臓器への転移も起こりやすい傾向があります。一方、悪性度の低いがんは比較的ゆっくりと成長し、転移のリスクも低いとされています。
50代で発見される大腸がんの中には、悪性度の高いタイプも含まれますが、定期的な検診によって早期発見できれば、進行を抑え込むことが可能です。
大腸がんの進行速度は、がん細胞そのものの性質だけでなく、患者さんの生活習慣や体質、遺伝的背景など、多様な要因によって左右されます。

食生活の欧米化は、日本人の大腸がん罹患率増加の主要な原因とされています。動物性脂質や加工肉の過剰摂取、食物繊維の不足は、大腸の粘膜に慢性的な炎症を引き起こし、がんの発生リスクを高めます。
また、肥満、運動不足、飲酒、喫煙などの生活習慣も、大腸がんのリスクを高める要因です。これらの習慣は、体内の炎症反応を促進し、免疫機能を低下させることで、がん細胞の増殖を許しやすくします。
逆に、食物繊維を多く含む食事、適度な運動、禁煙、節酒などの健康的な生活習慣は、大腸がんの発症リスクを低減し、仮にがんが発生した場合でも進行を遅らせる可能性があります。
50代になると、免疫システムの機能が徐々に低下し始めます。免疫細胞は、体内で日々発生する異常な細胞を監視し、排除する役割を担っていますが、免疫力が低下すると、がん細胞の増殖を抑制する力が弱まります。
また、細胞のDNA修復能力も加齢とともに衰えるため、遺伝子変異が蓄積しやすくなり、がん化のリスクが高まります。このため、50代では若い頃と比べて、同じタイプのがんでも進行が速くなる可能性が指摘されています。
大腸がんの約5〜10%は、遺伝性の疾患が関与していると考えられています。家族性大腸腺腫症やリンチ症候群などの遺伝性疾患がある場合、大腸がんの発症リスクが著しく高まります。
また、家族に大腸がんの患者さんがいる場合、遺伝的要因だけでなく、共通の生活習慣や環境要因も影響している可能性があります。家族歴がある方は、若い年代から定期的な検診を受けることが推奨されます。
潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患がある方は、大腸の粘膜に慢性的な炎症が続くため、大腸がんの発症リスクが高くなることが知られています。炎症が長期間続くことで、粘膜の細胞に遺伝子変異が蓄積し、がん化しやすくなります。
炎症性腸疾患をお持ちの方は、定期的な内視鏡検査によって、早期の段階でがんや前がん病変を発見することが重要です。

大腸がんは、早期に発見できれば治療の選択肢が広がり、治癒の可能性が高まります。
しかし、早期の段階では自覚症状がほとんどないため、定期的な検査が極めて重要です。
大腸がんの検査には、主に「便潜血検査」と「内視鏡検査」の2種類があります。
便潜血検査は、便に血液が混じっているかを調べる簡便な検査で、自宅で採取した便を提出するだけで実施できます。しかし、便潜血検査の精度には限界があり、大腸がんの約4割を見逃してしまうといわれています。
一方、内視鏡検査は、肛門から内視鏡を挿入して大腸の内部を直接観察する検査です。精度が高く、ポリープやがんを発見した場合、その場で組織を採取したり、小さなポリープであれば切除したりすることも可能です。
内視鏡検査を1回受けるだけで、大腸がんでの死亡確率を7割減らせるという報告もあります。特に問題がなければ4〜5年に1回の検査で十分ですが、ポリープが多く見つかった場合は、検査頻度を高める必要があります。
出典
アフラック「見つかりにくく、40代・50代からリスクが増える大腸がん」
より作成
50代は大腸がんのリスクが高まる年代であり、定期的な検査が特に重要です。症状がなくても、少なくとも1度は内視鏡検査を受けることをお勧めします。
また、以下のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。
これらの症状は、痔などの良性の病気でも起こりますが、自己判断せず、消化器科や胃腸科を受診することが大切です。
早期がんの段階で発見できれば、内視鏡による切除や腹腔鏡手術など、体への負担が少ない治療で根治が期待できます。早期がんであれば、ほぼ完治できる可能性が高く、治療後の生活の質も保たれます。
一方、進行がんになると、手術の範囲が広がり、抗がん剤治療や放射線治療が必要になることもあります。転移がある場合は、治療が長期化し、体への負担も大きくなります。
早期発見は、治療の選択肢を広げ、患者さんの負担を軽減し、治癒の可能性を高める最も重要な要素です。

大腸がんの治療法は、がんの進行度、転移の有無、患者さんの全身状態などによって異なります。
大腸がんの標準治療には、主に「手術」「抗がん剤治療」「放射線治療」の3つがあります。
早期がんの場合、内視鏡による切除や外科手術で腫瘍を取り除くことが第一選択となります。腫瘍が小さく、転移がなければ、手術だけで根治が期待できます。
進行がんの場合は、手術で腫瘍を切除した後、再発予防のために抗がん剤治療を行うことがあります。また、直腸がんの場合は、手術前に放射線治療を行い、腫瘍を縮小させてから手術を行うこともあります。
転移がある場合は、手術に加えて、抗がん剤治療や分子標的薬を用いた治療が行われます。肝臓や肺への転移であれば、転移巣を切除することで治癒が期待できる場合もあります。
標準治療を受けても再発や転移を繰り返すケースや、「これ以上の治療が難しい」と告げられるケースも少なくありません。そのような状況において、免疫の力を活用した治療が注目されています。
ICVS東京クリニックでは、ステージⅣの進行大腸がんや再発大腸がんに対し、がんの消失を目指す次世代免疫療法「HITV療法」を専門的に行っています。
HITV療法は、免疫システムの司令塔である樹状細胞を活用した免疫細胞療法です。患者さんご自身の体から得た免疫細胞を用い、CT画像で確認しながら腫瘍へ直接投与することにより、がん細胞の情報を正確に免疫に伝え、体内でがんを攻撃する仕組みを引き出します。
大腸がんに対するHITV療法の特長は、樹状細胞をCTガイド下で腫瘍へ直接投与する点にあります。腫瘍内に直接投与された樹状細胞は、患者さんご自身の大腸がんが持つ複数の抗原情報を高精度に学習し、その情報をもとにCTL(キラーT細胞)を体内で強力に誘導します。
これにより、腫瘍そのものが免疫細胞を生み出す「ワクチン化」、血液中を巡る微細ながん細胞への継続的な攻撃、転移・再発の抑制といった作用が期待されます。
大腸がんの進行度、転移の有無、これまでの治療歴、全身状態は、患者さま一人ひとり異なります。ICVS東京クリニックでは、事前診断や詳細なカウンセリングを通じて、HITV療法を軸とした個別の治療計画をオーダーメイドでご提案します。
また、患者さまご本人だけでなく、ご家族のお気持ちにも配慮し、生活の質(QOL)を大切にした診療を心がけています。
進行大腸がん・再発大腸がんにおいて、「もう治療がない」と感じておられる患者さまやご家族は少なくありません。ICVS東京クリニックでは、治すことをあきらめず、患者さまのパートナーとして寄り添う医療を提供しています。
50代における大腸がんの進行速度は、がんのタイプ、悪性度、生活習慣、免疫力、遺伝的背景など、多様な要因によって左右されます。
一般的に、大腸がんは数年から十数年かけて進行するとされていますが、50代では免疫力の低下や細胞修復能力の衰えにより、進行が早まる可能性もあります。
しかし、大腸がんは早期に発見できれば治癒の可能性が高いがんです。定期的な検診、特に内視鏡検査を受けることで、早期の段階でがんやポリープを発見し、進行を食い止めることができます。
また、治療法も進歩しており、標準治療に加えて、免疫療法など新たな選択肢も広がっています。進行・再発大腸がんに対しても、あきらめずに治療の可能性を探ることが大切です。
50代は、大腸がんのリスクが高まる年代であると同時に、早期発見・早期治療によって未来を変えられる年代でもあります。不安を感じたら、まずは医療機関を受診し、専門医に相談してください。
ICVS東京クリニックでは、進行大腸がん・再発大腸がんに対する免と疫療法を専門的に行っています。医療相談や事前診断を通じて、現在の状態にHITV療法が適応となるかどうかを一緒に検討いたします。まずはお気軽にご相談ください。
ICVS東京クリニック 理事長 蓮見 賢一郎

埼玉医科大学卒業。
東京大学医科学研究所を経て、現在は米国法人 蓮見国際研究財団理事長。
世界各国で『国際がんワクチン・シンポジウム』を開催し、がん免疫療法の啓蒙と研究活動を推進している。
米国Thomas Jefferson 大学 Kimmel Cancer Center に研究講座を開設、同大学の客員教授。
ブルガリアPleven 医科大学より、がん免疫療法の研究活動に対して名誉博士号授与。
その他、米国Maryland 州立大学、ドイツ Erlangen 大学との共同研究や、マレーシア国民大学(UKM)との臨床試験を行っている。
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何卒よろしくお願いいたします。