
「ステージ4と言われた。でも転移は1か所だけ。まだ何かできることはあるのだろうか」――そんな思いを抱えながら、この記事にたどり着いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、転移が1か所にとどまっている状態(寡転移)は、複数箇所に広がっている場合とは異なる治療アプローチが検討できる段階です。標準治療だけでなく、免疫細胞療法などを組み合わせることで、より積極的な治療計画を立てられる可能性があります。
転移の数・部位・患者さまの体の状態によって選択肢は大きく異なります(個人差があります)が、まず「どんな考え方で治療を選ぶか」を知っておくことが、次の一歩につながります。この記事では、寡転移の基本的な考え方から、免疫療法との組み合わせ方まで、具体的に解説します。
がんが遠隔臓器へ広がった状態を「ステージ4(Ⅳ期)」と呼びます。この言葉を聞いたとき、多くの患者さまやご家族は大きな衝撃を受けられます。しかし、ステージ4のなかでも「転移が1か所」という状況は、転移が多発している状態とは、治療の考え方が異なります。
実際に「転移が1か所しか見つかっていない」と診断されたとき、患者さまからよく聞かれるのが「たった1か所なのに、なぜステージ4なのか」という疑問です。これは、がんのステージ分類が「転移の数」ではなく「遠隔転移の有無」によって決まるためです。肺・肝臓・骨など原発巣から離れた臓器に1か所でも転移が確認されれば、ステージ4と診断されます。
一方で、医療の現場では転移の数や広がりによって、実際の治療方針は大きく変わります。「ステージ4=手の施しようがない」という思い込みは、現在の医療においては必ずしも正確ではありません。転移が限られた範囲にとどまっている場合、より積極的な局所治療や免疫療法との組み合わせが選択肢として挙がることがあります。
「あきらめないでほしい」という言葉は簡単ですが、実際に何ができるのかを具体的に知ることが、患者さまとご家族にとって本当の意味での支えになると私たちは考えています。
ステージ4と聞いて「もう治療できない」「緩和ケアしかない」と感じてしまう方は少なくありません。しかし、これは必ずしも正確な認識ではありません。進行がん・再発がんに対する治療の選択肢は、この数十年で大きく広がっています。
特に免疫を活用したがん治療の分野は近年、研究と臨床の両面で著しく発展しています。標準治療(手術・放射線・抗がん剤)が効果を発揮しにくい状況であっても、免疫細胞療法を組み合わせることで新たな治療の可能性が開ける場合があります(個人差があります)。
転移が1か所か、複数か、あるいは全身に広がっているかによって、担当医が提案する治療の方向性は変わります。また、転移先が肺なのか肝臓なのか骨なのか、原発巣の種類は何か(肺がん・大腸がん・乳がんなど)によっても、最適なアプローチは異なります。
だからこそ、「転移が1か所」という情報は、次の治療を検討するうえで重要な手がかりになります。この状況でどのような選択肢があるか、次のセクションで整理していきましょう。
医療の世界では、転移の数が限られている状態を「寡転移(oligometastasis)」と呼ぶことがあります。一般的には転移巣が3〜5か所以内を目安とすることが多く、転移が1か所の場合は、この寡転移の中でも特に限局した状態です。
「寡転移」とは、がんの転移が少数の部位にとどまっており、局所療法(手術・放射線など)で転移巣を制御できる可能性がある状態を指します。転移が1か所の場合、この考え方に基づいた積極的な局所治療が検討される場合があります。
転移が広範囲に及ぶ場合、全身療法(抗がん剤・分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬など)が中心になります。一方、転移が限られた1か所であれば、その部位に対して外科手術や放射線療法などの局所治療を行いながら、全身の免疫状態を整える療法を組み合わせるという戦略が選択肢に加わります。
がんの種類・原発巣の状態・患者さまの全身状態・これまでの治療歴によって、実際に選べる治療は大きく異なります。寡転移という概念はあくまで考え方の枠組みであり、すべての患者さまに同じ治療が適応されるわけではありません。個別の状況に応じた治療計画の検討が不可欠です。
画像検査(CTやPETなど)で確認できる転移が1か所であっても、画像に映らない微小ながん細胞が体内に存在する可能性は否定できません。これを「微小転移」と呼びます。局所治療で見えている転移巣を制御しながら、全身の免疫力でがん細胞を攻撃するというアプローチは、この微小転移への対応としても理にかなっています。
寡転移の治療方針は、消化器外科・呼吸器外科・放射線科・腫瘍内科など複数の専門分野にまたがることが多く、主治医だけでなく複数の専門医が連携して治療計画を立てる「集学的治療」の考え方が重要です。また、免疫細胞療法などの自由診療を加える場合は、担当医ときちんと情報を共有することが大切です。

転移が1か所にとどまっている場合、どのような治療の組み合わせが考えられるでしょうか。ここでは代表的なアプローチを整理します。あくまでも一般的な情報であり、患者さまの状況によって最適な方法は異なります(個人差があります)。
転移が1か所の場合、その部位に対して局所的な治療を行うことが検討されます。
局所療法のメリット
局所療法の注意点
転移が1か所であっても、全身へのアプローチが必要な場合があります。抗がん剤・分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬などの薬物療法は、血液を介して全身に作用します。これらの標準治療を継続しながら、免疫細胞療法を組み合わせる選択肢を検討する患者さまも増えています。
特に標準治療で十分な効果が得られなかった場合や、副作用が強く治療継続が難しい場合に、免疫細胞療法への関心が高まります。免疫細胞療法は、患者さま自身の免疫細胞を活用するアプローチであるため、標準治療と並行して行えるケースが多いとされています。
「転移が1か所しかないのに、これ以上できることはないと言われた」という状況であれば、セカンドオピニオン(別の専門医への相談)を検討することも選択肢のひとつです。診断・治療方針の幅を広げるために、複数の専門家の意見を聞くことは、患者さまの権利であり、がん治療においては特に重要です。
⚠ ご注意ください
免疫細胞療法を含む自由診療は、保険診療と異なり全額自己負担となります。また、すべての患者さまに同じ効果が期待できるわけではなく、個人差があります。治療を検討される場合は、現在の主治医にも情報を共有し、十分な説明を受けたうえで判断されることをおすすめします。
がんに対する免疫細胞療法の中でも、樹状細胞を活用した治療法は、患者さま自身の免疫システムにがん細胞を攻撃させるという考え方に基づいています。樹状細胞は「免疫の司令塔」とも呼ばれる細胞で、がん細胞の特徴(抗原)をT細胞(免疫の戦闘部隊)に教える役割を担っています。
抗がん剤や放射線は、がん細胞を直接攻撃するアプローチです。一方、樹状細胞療法は免疫細胞ががんを認識・攻撃できるよう「教育」するアプローチで、全身に散らばったがん細胞にも免疫が働きかける可能性があるとされています(個人差があります)。転移が1か所であっても、画像に映らない微小ながん細胞に対するアプローチとして位置づけられます。
一般的な免疫細胞療法では、点滴などで全身に免疫細胞を投与します。これに対し、ICVS東京クリニックが独自開発したHITV療法では、CTの画像を見ながら、腫瘍の内部へ直接、樹状細胞を投与するという方法をとっています。これにより、投与した部位における免疫応答をより直接的に促すことを目指しています。
転移が1か所の場合、その転移巣に対してCTガイド下で樹状細胞を直接投与し、局所での免疫活性化をはかりながら全身の免疫を高めていく――というアプローチが、HITV療法の基本的な考え方です。
HITV療法は、手術・放射線・抗がん剤などの標準治療を否定するものではありません。標準治療と並行して、あるいは標準治療が困難な場合の選択肢として位置づけられます。担当医と十分に相談したうえで、現在の治療計画にどう組み込めるかを検討することが重要です。
また、日帰り外来通院で対応可能なため、入院が難しい患者さまや、現在の治療を継続しながら追加したいと考えている患者さまにとって、負担の少ない形で受けやすい治療です(個人の状態により異なります)。
東京都千代田区に位置するICVS東京クリニックは、2008年の開院以来、免疫細胞療法(HITV療法)に特化した専門クリニックとして、国内外の進行がん・再発がん患者さまの治療にあたってきました。

「治す」ことをあきらめず、患者さまとご家族の力となるために。
まずはご状況をお聞かせください。医師が丁寧にご説明いたします。
診療時間:9:00〜12:00 / 13:00〜17:00(土・日・祝休診)|完全予約制
理事長 蓮見賢一郎 先生からのコメント
「転移が1か所と言われた患者さまから、『まだ何かできることはないか』というご相談を多くいただきます。私たちは、がんで苦しんでおられる患者さまやご家族の力となり、支えになるために尽くしたいと考えています。治療が始まった瞬間から、医師は患者さまのパートナーです。HITV療法が適応になるかどうかを含め、まずはご状況をお聞かせください。どんな困難な状況に陥っても、最良のガイドとなるべく尽力いたします。」