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肺がんはどこに転移しやすい?代表的な転移先と進行の特徴肺がん2026/01/23(金)

肺がんの転移とは

肺がんは、がん細胞が血液やリンパの流れに乗って他の臓器に広がりやすいという特徴を持っています。

肺は全身から血液が集まる臓器です。二酸化炭素を放出し、新たな酸素を受け取るガス交換を担っています。また、リンパ系という主に免疫機能を担うネットワークが張りめぐらされているため、がんが他の臓器にひろがりやすいと考えられています。

がん細胞がたどりついた臓器で定着することを「転移」といいます。転移したがんが小さいうちは症状がまったくないことがほとんどです。これを「無症候性転移」と呼びます。転移による症状は、肺がんが転移した場所と、その大きさによって変わってきます。

血液を介した転移を「血行性転移」、リンパの流れを介した転移を「リンパ行性転移」といいます。これとは別に、もともと発生した場所でそのまま増大し、近隣の臓器に病変がひろがることがありますが、転移ではなく「浸潤」といいます。

がんの再発率は治療で変わる?再発を防ぐための治療方針と重要なポイント

がんの再発率は治療内容や治療後の管理によって変わるのかを解説します。再発リスクを下げるために重要な治療方針や、治療後に意識したいポイントをわかりやすくまとめた記事です。

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肺がんが転移しやすい5つの主要部位

肺がんは特定の臓器に転移しやすい傾向があります。

ここでは、代表的な5つの転移先とその特徴について詳しく解説します。

1. 反対側の肺への転移

肺がんは、同側や反対側の肺に転移することが多いです。肺内での転移は血行性転移の頻度が高く、がん細胞が血液の流れに乗って肺の別の部分に到達します。

転移した病変が小さいうちは症状がなく、画像検査で偶然見つかることもあります。進行すると、咳や息苦しさなどの呼吸器症状が現れることがあります。

2. 骨への転移

骨は肺がんの転移先として頻度が高い部位です。

骨に転移した場合、転移した場所に痛みが起こることがあります。とくに背骨などに転移した場合、骨折により脊髄を圧迫し、手足の麻痺にいたることがあります。このような骨折を「病的骨折」と呼びます。

骨転移による痛みは持続的で、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。早期に発見し、適切な治療を行うことが重要です。

3. 脳への転移

脳への転移は、肺がん患者さんにとって注意が必要な転移先の一つです。

脳に転移すると、頭痛や吐き気のほか、脳卒中のような症状や、けいれん発作を起こすことがあります。脳を包む膜にがんがひろがると、意識がぼんやりする、頭痛や吐き気といった髄膜炎のような症状が出ることもあります。

脳転移は日々の生活に大きな影響を与えるため、症状が見られる場合はその症状に対する治療が優先されます。

4. 肝臓への転移

肝臓も肺がんの転移先として知られています。肝臓に転移した場合には黄疸が出ることもあります。

肝臓は症状が出にくい臓器ですが、進行すると疲労感や倦怠感、食欲不振などの症状が現れることがあります。肝転移が大きくなると、腹痛や背部痛を伴うこともあります。

5. 副腎への転移

副腎は腎臓の上に左右ひとつずつある小さな臓器です。肺がんは副腎にも転移しやすい傾向があります。

副腎への転移は比較的よくみられますが、自覚症状はほとんどありません。画像検査で偶然発見されることが多く、腹痛や背部痛などが出ることもあります。

リンパ節転移の特徴と進行パターン

リンパ行性転移では、肺がんは最初に近くのリンパ管に侵入した後、リンパの流れに乗って、次のリンパ節に転移します。

つまり病変の一番近いリンパ節、肺門リンパ節、縦隔リンパ節、反対側のリンパ節の順にひろがります。リンパ節転移の範囲によって、がんのステージが決まり、治療方針が大きく変わります。

肺内のリンパ節に転移がある場合はステージ2となり、手術が可能なことが多いです。同じ側の縦隔リンパ節や肺門リンパ節に転移がある場合はステージ3Aとなり、手術と化学・放射線療法が検討されます。反対側の縦隔リンパ節や鎖骨上リンパ節に転移がある場合はステージ3Bとなり、手術適応が限られ、化学・放射線療法が中心となります。

リンパ節転移は、がんの進行度を評価する上で重要な指標となります。

転移による症状と早期発見の重要性

転移したがんが大きくなると、転移した臓器による症状が現れます。

自覚症状がないまま知らないうちに転移したがんが大きくなっていて、突然症状として現れ肺がんと診断されることもあります。肺を覆う胸膜にがんがひろがると、胸に水がたまって息苦しさを感じるようになることがあります。また、心臓の周囲に水がたまると息苦しくてあお向けで寝ることができないというような症状が出る場合もあります。

転移については無症状であっても、画像検査などによる定期的なチェックが必要です。転移の検査は、がん治療と同時に行うことも、また治療の合間にも行うことが可能です。

肺がんの再発では、がんが他の臓器にも見られることが多いため、薬物療法を中心とした全身療法が基本となります。再発をできるだけ早く見つけるためには、治療が終わっても医師の指示どおりに通院し、定期的に検査を受けることが何よりも大切です。

再発がほとんど見られなくなる5年間くらいは定期的に検査をし、再発をチェックします。定期検査の日でなくても、再発が疑われる症状が見られたら、受診するようにしてください。

出典日本肺癌学会「患者さんのための肺がんガイドブック2024年版」より作成

小細胞肺がんと非小細胞肺がんの転移の違い

肺がんは、大きく「小細胞肺がん」と「非小細胞肺がん」に分類されます。

それぞれ転移のしやすさや広がり方が異なります。

小細胞肺がんの転移特性

小細胞肺がんは、増殖が非常に速く、早期に全身へ転移しやすい悪性度の高い肺がんです。とくに血行性の転移を起こしやすく、診断時には既に他の臓器へ広がっていることが少なくありません。

脳への転移リスクが高いため、予防的な全脳照射が検討されることがあります。進行も早く、診断から13~14か月程度で亡くなる方が多いというデータもあります。

非小細胞肺がんの転移特性

非小細胞肺がんは、進行速度は比較的緩やかですが、進行に伴いリンパ節や遠隔臓器への転移を引き起こす可能性があります。

転移経路はリンパ行性転移と血行性転移に分かれ、初期には肺周囲のリンパ節に広がり、進行すると血液の流れに乗り全身に転移する傾向があります。ステージに応じた治療方針が重要であり、早期発見であれば手術による根治も期待できます。

ICVS東京クリニックにおける肺がん免疫療法

進行肺がんや再発肺がんに対して、新たな治療の選択肢があります。

ICVS東京クリニックでは、主にステージⅣの進行がんや再発がんの患者さんに対して、次世代免疫療法である「HITV療法」を提供しています。この療法は、従来の手術、抗がん剤、放射線治療では治癒が難しい肺がんに対し、がんの消失を目指すものです。

HITV療法の特徴

HITV療法の特徴は、免疫システムの重要な役割を担う樹状細胞を利用し、高精度でがん細胞の情報を免疫系に伝えることです。

樹状細胞を腫瘍内または腫瘍に栄養を供給する血管内に直接投与し、免疫系を刺激します。これにより、CTL(キラーT細胞)が活性化され、肺がん細胞を効率的に攻撃します。また、治療は微細ながん細胞にも対応可能であり、転移や再発を防ぐ効果が期待されます。

オーダーメイドの治療計画

肺がんの状態や治療歴、体力、生活背景は、患者さんごとに異なります。

ICVS東京クリニックでは、PET-CTや血液検査などの情報をもとに事前診断を行い、HITV療法を軸としたオーダーメイドの治療計画をご提案しています。患者さんごとの病状に合わせた治療を行い、専門医とチームが連携して安全で精度の高い治療を提供します。

治療そのものだけでなく、患者さんやご家族のお気持ち、生活の質(QOL)にも配慮しながら進めていきます。

自由診療についてのご説明

HITV療法は自由診療であり、日本国内での法的承認を受けていないため、治療前に詳細な説明を行い、患者の理解と納得を得た上で施術を進めています。

治療内容・流れ・考えられるリスクや副作用については、事前に十分な説明を行い、ご理解・ご納得いただいたうえで治療を行っています。

まとめ

肺がんは、反対側の肺、骨、脳、肝臓、副腎、リンパ節などに転移しやすい特徴があります。

転移したがんが小さいうちは症状がないことが多く、画像検査で偶然見つかることもあります。転移した臓器や大きさによって、痛み、頭痛、吐き気、黄疸、息苦しさなどの症状が現れることがあります。

転移については無症状であっても、画像検査などによる定期的なチェックが必要です。早期発見と適切な治療により、症状の緩和や生活の質の向上が期待できます。

「もう治療がない」と感じている方、「他の選択肢があるのか知りたい」と思われている方も、まずは医療相談・事前診断からご相談いただけます。ICVS東京クリニックは、肺がんに対する免疫療法を専門的に行う医療機関として、患者さんの立場に寄り添いながら、治療の可能性を一緒に考えていきます。

著者情報

ICVS東京クリニック 理事長 蓮見 賢一郎

 

【経歴】

埼玉医科大学卒業。

東京大学医科学研究所を経て、現在は米国法人 蓮見国際研究財団理事長。

世界各国で『国際がんワクチン・シンポジウム』を開催し、がん免疫療法の啓蒙と研究活動を推進している。

米国Thomas Jefferson 大学 Kimmel Cancer Center に研究講座を開設、同大学の客員教授。

ブルガリアPleven 医科大学より、がん免疫療法の研究活動に対して名誉博士号授与。

その他、米国Maryland 州立大学、ドイツ Erlangen 大学との共同研究や、マレーシア国民大学(UKM)との臨床試験を行っている。

乳癌が肺転移した場合の余命は?進行状況で変わる見通しを解説がん2026/01/23(金)

乳がんの肺転移とは

乳がんが肺に転移した状態は、医学的には「遠隔転移」と呼ばれます。

これは、乳房で発生したがん細胞が血液やリンパの流れに乗って肺組織に到達し、そこで増殖を始めた状態を指します。肺は血流が豊富な臓器であるため、乳がん細胞が到達しやすく、転移が起こりやすい部位の一つとされています。

肺転移が確認された場合、病期分類ではステージⅣと診断されます。

ただし、ステージⅣという診断が即座に「治療の終わり」を意味するわけではありません。近年の医療技術の進歩により、転移があっても長期にわたって生活の質を保ちながら治療を続けられる方が増えています。

肺転移の症状は初期段階では現れにくいことが特徴です。

進行すると、咳や息切れ、呼吸困難といった呼吸器症状が現れることがあります。ただし、これらの症状は他の呼吸器疾患でも見られるため、定期的な画像検査による早期発見が重要となります。

余命に影響を与える要因

肺転移が確認された場合の予後は、複数の要因によって大きく変わります。

まず重要なのが、がん細胞の性質です。乳がんには「ホルモン受容体陽性」「HER2陽性」「トリプルネガティブ」といった異なるサブタイプがあり、それぞれ治療への反応性や進行速度が異なります。

ホルモン受容体陽性の乳がんは、比較的緩やかに進行する傾向があります。

一方、トリプルネガティブ型は進行が速いことが知られていますが、免疫療法など新しい治療法の開発も進んでいます。HER2陽性の場合は、分子標的薬による効果的な治療が可能となっており、予後の改善が報告されています。

転移の範囲も重要な要因です。

肺のみに転移が限局している場合と、肝臓や骨、脳など複数の臓器に転移している場合では、治療戦略も予後も大きく異なります。また、転移病巣の数や大きさ、増殖速度なども考慮すべき要素となります。

患者さんの全身状態も予後を左右します。

年齢、体力、基礎疾患の有無、免疫機能の状態などが総合的に評価されます。良好な全身状態を保っている方は、より積極的な治療を受けられる可能性が高く、結果として予後の改善につながることが期待できます。

生存率のデータと実際の見通し

統計的なデータを見ると、乳がんステージⅣの5年生存率は約40%前後とされています。

ただし、この数字はあくまで平均値であり、個々の患者さんの状況によって大きく異なることを理解しておく必要があります。実際には、5年以上、10年以上と長期にわたって生活されている方も少なくありません。

近年の治療技術の進歩は目覚ましく、新しい薬剤や治療法の開発により、予後は着実に改善しています。

特に分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤といった新しい治療法の登場により、従来の治療では効果が限定的だった症例でも、良好な経過をたどるケースが増えています。

「余命」という言葉は、医療現場でも慎重に扱われます。

なぜなら、統計上の平均値が個人の経過を正確に予測するものではないからです。同じステージⅣの診断を受けた方でも、がんの性質、治療への反応、全身状態などによって、実際の経過は大きく異なります。

重要なのは、数字に過度にとらわれることなく、今できる最善の治療を選択し、生活の質を保ちながら前向きに治療に取り組むことです。

標準治療の選択肢

肺転移を伴う乳がんの治療は、全身療法が中心となります。

手術や放射線治療といった局所療法ではなく、全身に作用する薬物療法によって、がん細胞の増殖を抑制し、症状をコントロールすることを目指します。

ホルモン療法

ホルモン受容体陽性の乳がんでは、ホルモン療法が第一選択となることが多いです。

閉経前の方には「タモキシフェン」や「LH-RHアゴニスト」、閉経後の方には「アロマターゼ阻害剤」などが使用されます。これらの薬剤は、がん細胞の増殖を促す女性ホルモンの働きを抑えることで効果を発揮します。

ホルモン療法は比較的副作用が少なく、長期間継続できることが利点です。

化学療法

抗がん剤による治療は、がん細胞の分裂を直接阻害します。

「パクリタキセル」「ドセタキセル」「カペシタビン」「エリブリン」など、複数の薬剤が使用されます。がんの性質や治療歴、全身状態に応じて、最適な薬剤が選択されます。

化学療法には吐き気や脱毛、白血球減少などの副作用が伴うことがありますが、支持療法の進歩により、以前よりも管理しやすくなっています。

分子標的療法

HER2陽性の乳がんでは、「トラスツズマブ」「ペルツズマブ」「T-DM1」といった分子標的薬が効果を発揮します。

これらの薬剤は、がん細胞表面のHER2タンパクを標的として作用し、高い治療効果が報告されています。化学療法と併用することで、さらに効果が高まることが知られています。

免疫チェックポイント阻害剤

トリプルネガティブ乳がんでは、「ペムブロリズマブ」などの免疫チェックポイント阻害剤が使用されることがあります。

この治療法は、患者さん自身の免疫システムを活性化させ、がん細胞を攻撃する力を高めます。化学療法と併用することで、効果が期待できるケースがあります。

次世代免疫療法という選択肢

標準治療に加えて、近年注目されているのが次世代免疫療法です。

ICVS東京クリニックで提供されている「HITV療法」は、樹状細胞を活用した免疫細胞療法の一つです。樹状細胞は免疫システムの司令塔として機能し、がん細胞の情報を他の免疫細胞に伝える重要な役割を担っています。

HITV療法では、患者さん自身の樹状細胞を体外で培養・活性化させた後、CTガイド下で腫瘍内または腫瘍に栄養を供給する血管内に直接投与します。

これにより、がん細胞の情報が高精度に免疫システムに伝達され、CTL(キラーT細胞)が活性化されます。活性化されたCTLは、体内を巡回しながらがん細胞を認識し、攻撃・排除することを目指します。

この治療法の特徴は、腫瘍そのものを「ワクチン」のように機能させることです。

画像では確認できない微細ながん細胞に対しても、免疫システムが作用することが期待されます。そのため、転移や再発の予防という観点からも注目されています。

HITV療法は、患者さん一人ひとりの病状に合わせたオーダーメイドの治療計画に基づいて実施されます。

PET-CTや血液検査などの詳細な事前診断を行い、最適な治療方針を検討します。また、標準治療との併用も可能であり、相乗効果が期待できる場合もあります。

ただし、HITV療法は日本国内において医薬品医療機器等法上の承認を受けていない治療法であり、保険適用外の自由診療となります。

治療内容、想定されるリスクや副作用については、事前に十分な説明を受け、理解と納得の上で治療を進めることが重要です。

生活の質を保つための緩和ケア

緩和ケアは、終末期のケアではありません。

むしろ、診断の早い段階から積極的に取り入れることで、治療中の苦痛を軽減し、生活の質を向上させることができます。痛みや呼吸困難といった身体的症状への対応だけでなく、不安や抑うつといった精神的な苦痛にも対処します。

肺転移による呼吸器症状には、適切な薬物療法や酸素療法が有効です。

また、リハビリテーションによって呼吸機能を維持し、日常生活動作を保つことも重要です。栄養管理や感染予防など、全身状態を良好に保つための支援も緩和ケアの一環となります。

精神的なサポートも欠かせません。

がんという病気と向き合う中で、不安や恐怖を感じることは自然なことです。医療チームや家族、患者会などのサポートを活用しながら、心の健康を保つことが、治療を続ける上で大きな力となります。

まとめ

乳がんが肺に転移した場合の予後は、がんの性質、転移の範囲、全身状態など、複数の要因によって大きく変わります。

統計上の数字はあくまで参考値であり、個々の患者さんの経過は異なります。近年の治療技術の進歩により、ステージⅣの診断を受けても、長期にわたって生活の質を保ちながら治療を続けられる方が増えています。

標準治療に加えて、次世代免疫療法という選択肢も登場しています。

ICVS東京クリニックのHITV療法は、樹状細胞を活用した免疫細胞療法として、がんの消失を目指す治療法です。患者さん一人ひとりの病状に合わせたオーダーメイドの治療計画に基づいて実施されます。

「もう治療がない」と感じている方も、あきらめる必要はありません。

医療相談や事前診断を通じて、新しい治療の可能性を探ることができます。専門医とともに、あなたに最適な治療法を見つけていきましょう。

ICVS東京クリニックでは、肺転移を伴う乳がんに対する免疫療法を専門的に提供しています。

まずは医療相談から、治療の可能性について一緒に考えていきませんか。

著者情報

ICVS東京クリニック 理事長 蓮見 賢一郎

 

【経歴】

埼玉医科大学卒業。

東京大学医科学研究所を経て、現在は米国法人 蓮見国際研究財団理事長。

世界各国で『国際がんワクチン・シンポジウム』を開催し、がん免疫療法の啓蒙と研究活動を推進している。

米国Thomas Jefferson 大学 Kimmel Cancer Center に研究講座を開設、同大学の客員教授。

ブルガリアPleven 医科大学より、がん免疫療法の研究活動に対して名誉博士号授与。

その他、米国Maryland 州立大学、ドイツ Erlangen 大学との共同研究や、マレーシア国民大学(UKM)との臨床試験を行っている。

がん治療で自由診療は必要?保険診療との違いと検討すべき理由がん2026/01/22(木)

がん治療における自由診療とは・・・保険診療との根本的な違い

がんと診断された瞬間から、患者さんとご家族は多くの選択を迫られます。

その中でも特に重要なのが、「どのような治療を選ぶか」という問題です。日本の医療制度では、がん治療は大きく「保険診療」と「自由診療」に分かれます。保険診療は国が定めた治療法であり、費用の一部を公的医療保険が負担します。一方、自由診療は保険適用外の治療であり、全額自己負担となります。

この違いは単なる費用の問題だけではありません。治療の選択肢、最新技術へのアクセス、そして何より患者さん一人ひとりに合った治療を受けられるかどうかに直結します。

保険診療の特徴と限界・・・標準治療が持つ意味

保険診療で提供される治療は「標準治療」と呼ばれます。

これは科学的根拠に基づき、有効性と安全性が確認された治療法です。手術、放射線療法、化学療法などが含まれ、日本全国どこでも同じ費用で受けることができます。患者さんの自己負担は原則1~3割で、高額療養費制度により経済的負担も軽減されます。

しかし、標準治療には限界もあります。国内で承認されている治療法のみが対象となるため、海外で効果が認められている最新の治療法や医薬品があっても、日本で未承認の場合は保険適用されません。また、審美目的の治療や、患者さん個別の状況に合わせた特殊な治療法も対象外となります。

免疫チェックポイント阻害薬とは?仕組みと治療で期待できる効果を解説

免疫チェックポイント阻害薬の基本的な仕組みや、がん治療において期待される効果について解説します。従来の治療との違いや、治療を検討する際に知っておきたいポイントをまとめた記事です。

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自由診療の可能性・・・最新技術と個別化医療へのアクセス

自由診療は、保険診療の枠を超えた治療の選択肢を提供します。

最大の特徴は、国内未承認の最新技術や医薬品を使用できることです。欧米で既に承認され効果が証明されている治療法でも、日本での承認には時間がかかります。実際、米国や欧州で承認されているがん領域の医薬品のうち、日本で未承認または適応外のものは年々増加しています。

ICVS東京クリニックで提供している「HITV療法」は、まさにこうした自由診療の一例です。免疫システムの司令塔である樹状細胞を活用し、がん細胞を効率的に攻撃・排除することを目指します。この治療法は、抗がん剤や放射線治療とは異なるアプローチであり、ステージⅣの進行がんや再発がんに対して新たな選択肢となります。

自由診療では、患者さん一人ひとりの状態に合わせたオーダーメイド治療が可能です。がんの種類や進行度、これまで受けてきた治療、体調や生活背景は患者さんごとに異なります。画一的な治療ではなく、事前診断と丁寧なカウンセリングを通じて、その方に合った治療計画を一緒に考えていくことができます。

自由診療を検討すべき理由・・・治療の選択肢を広げる意義

なぜ自由診療を検討する必要があるのでしょうか。

第一に、標準治療では効果が見られない場合や、再発・転移により治療の選択肢が限られてきた場合、自由診療は新たな可能性を開きます。がんは非常に複雑な疾患であり、すべての患者さんに同じ治療が効くわけではありません。標準治療で十分な効果が得られない場合、別のアプローチを検討することは合理的な選択です。

第二に、最新の医療技術へのアクセスです。医療は日々進化しており、特にがん免疫療法の分野では革新的な治療法が次々と登場しています。これらの最新治療を早期に受けられることは、患者さんにとって大きなメリットとなります。

第三に、患者さん自身が納得して治療を選べることです。「もう治療がないと言われた」「別の選択肢があるなら知りたい」「再発や進行に不安を感じている」――こうした思いを抱える患者さんが、一度立ち止まり、冷静に次の一歩を考える場として、自由診療は重要な役割を果たします。

自由診療の費用と現実的な考え方

自由診療の最大のデメリットは、費用が全額自己負担となることです。

治療内容によっては数百万円以上の出費になるケースもあります。高額療養費制度などの医療費負担軽減制度も対象外となるため、経済的な準備が必要です。ただし、年間の医療費が一定額を超えた場合には「医療費控除」の対象となり、確定申告により10~20%ほどの還付金を受け取れることもあります。

費用を抑えるための工夫として、複数の医療機関で相談し治療費や内容を比較すること、分割払いやデンタルローンを活用すること、治療内容の明細を確認することなどが挙げられます。また、民間のがん保険の中には、自由診療特約を付帯できるものもあり、こうした保険を活用することで経済的負担を軽減できる可能性があります。

HITV療法という選択・・・免疫の力を引き出すアプローチ

ICVS東京クリニックで提供しているHITV療法は、免疫システムの司令塔である樹状細胞を用いた治療です。

樹状細胞は、がん細胞の情報を学習し、その情報をCTL(キラーT細胞)に伝える役割を持ちます。その結果、体内で誘導されたCTLが、がん細胞を効率的に攻撃・排除することを目指します。この治療は、抗がん剤や放射線治療とは異なるアプローチであり、「これまでとは違う治療の可能性を知りたい」と考える患者さんにとって、一つの選択肢となります。

HITV療法の特長は、CTガイド下で樹状細胞を腫瘍へ直接投与する独自の方法にあります。リアルタイムのCT画像を確認しながら行うため、狙った場所へ正確に投与できる体制が整えられています。また、腫瘍そのものを「免疫細胞の生産拠点」として活用する「腫瘍のワクチン化」という考え方も、HITV療法の大きな特長です。これにより、画像では捉えにくい血液中の微細ながん細胞にも免疫が働くことが期待されています。

自由診療を選ぶ際の注意点・・・科学的根拠と安全性の確認

自由診療を選択する際には、慎重な確認が必要です。

最も重要なのは、治療法の科学的根拠と安全性を確認することです。一部の自由診療はまだ研究途上であり、確立された科学的な根拠が不足している場合があります。患者さんが未検証の治療法を選ぶ際には、その効果やリスクについて慎重に考慮する必要があります。

また、自由診療においては医師や治療機関によって治療の基準や手法が異なる場合があります。これにより、患者さんが効果的な治療を選ぶのが難しくなり、結果として治療の不確実性が生じることも考えられます。患者さんが自由診療を選択する際には、医師とのコミュニケーションを重視し、治療法の科学的な根拠やリスクを十分に理解することが重要です。

ICVS東京クリニックでは、治療のメリットだけでなく、自由診療であること、未承認医療であること、想定されるリスクや副作用、費用や治療の流れについても、事前にしっかり説明を受けた上で判断できる環境が整えられています。治療を無理に勧めるのではなく、まずは相談し、現状を整理し、納得したうえで選択する――そのプロセスを大切にしています。

保険診療と自由診療の併用・・・混合診療の原則と例外

日本では原則として、保険診療と自由診療を併用する「混合診療」は禁止されています。

これは、保険診療と自由診療を同時に行うと、保険適用の薬剤でも全額自費となってしまうためです。ただし、一部の例外として「先進医療」や「患者申出療養」などの制度があり、これらを利用することで保険診療と自由診療を組み合わせることが可能になります。

先進医療には、強度変調放射線治療(IMRT)に加えて、がんの部位に高精度な照射をすることができる粒子線治療があります。その中には「陽子線」や「重粒子線」治療などがあり、公的医療保険適用対象となる症例も広がりつつあります。また、がん薬物療法でも「遺伝子パネル検査」をはじめ、患者さんのゲノム(全遺伝子情報)を調べ、変異に合った薬を探す「がんゲノム医療」が保険診療になっています。

がん治療の未来と個別化医療の進展

がん治療は今後も発展し続けていきます。

特に注目されているのが「個別化医療」です。これは、がんが発生した部位ではなく、がん細胞の遺伝子変異や分子標的に基づいて治療が行われる「臓器横断的な治療」です。特定の遺伝子変異をターゲットにした薬物療法が開発され、異なる臓器に発生するがんであっても、同じ遺伝子変異を持つがんには同じ薬や治療法を使用できるようになってきました。

免疫療法の分野でも、効果が証明されて保険適用になっている免疫チェックポイント阻害剤が登場しています。PD-1抗体(ニボルマブ)、PD-L1阻害薬、CTLA-4モノクローナル抗体(イピリムマブ)などは、がん細胞の免疫抑制シグナルの伝達を阻害することで、T細胞の活性化抑制を解除し、抗腫瘍効果を示します。これらの治療は「がんゲノム検査」を経て適応を検討され、多くの臓器のがんで保険適応が広がっています。

こうした医療の進化により、今後はさらに多くの治療法が保険適用となり、患者さんの選択肢が広がることが期待されます。同時に、自由診療として提供される最新技術も進化し続け、標準治療では対応できない患者さんに新たな希望をもたらすでしょう。

まとめ・・・患者さん一人ひとりに合った治療選択を

がん治療において、自由診療は必ずしもすべての患者さんに必要なわけではありません。

しかし、標準治療で十分な効果が得られない場合や、最新の治療法を検討したい場合、患者さん個別の状況に合わせた治療を受けたい場合には、自由診療は重要な選択肢となります。費用は全額自己負担となり経済的な負担は大きいですが、その分「しっかり噛める」「美しく見える」「他の歯を守る」という長期的な健康と生活の質を支える価値がある治療です。

ICVS東京クリニックでは、がん免疫療法における臨床治療と研究開発に取り組み、HITV療法を専門に行う施設として世界中のがん研究者や臨床現場とのネットワークを持ち、先進のがん免疫治療への研鑽を続けています。院内には国際的GMP基準に沿った細胞培養加工施設(CPC)を完備し、専任の経験豊富な細胞培養士により適切に管理・処置されています。

がん治療で悩んでいる方は、まずは信頼できる医療機関でカウンセリングを受け、費用や支払い方法も含めてしっかり説明を聞いてみてください。治療を無理に勧めるのではなく、まずは相談し、現状を整理し、納得したうえで選択する――そのプロセスを大切にすることが、最善の結果につながります。

がん治療における自由診療について、もっと詳しく知りたい方、HITV療法について相談したい方は、ぜひICVS東京クリニックまでお気軽にお問い合わせください。専門スタッフが丁寧にご相談に応じます。

著者情報

ICVS東京クリニック 理事長 蓮見 賢一郎

 

【経歴】

埼玉医科大学卒業。

東京大学医科学研究所を経て、現在は米国法人 蓮見国際研究財団理事長。

世界各国で『国際がんワクチン・シンポジウム』を開催し、がん免疫療法の啓蒙と研究活動を推進している。

米国Thomas Jefferson 大学 Kimmel Cancer Center に研究講座を開設、同大学の客員教授。

ブルガリアPleven 医科大学より、がん免疫療法の研究活動に対して名誉博士号授与。

その他、米国Maryland 州立大学、ドイツ Erlangen 大学との共同研究や、マレーシア国民大学(UKM)との臨床試験を行っている。

免疫療法の副作用とは?起こりやすい症状と注意すべきポイントがん2026/01/22(木)

免疫療法とは・・・がん治療における新たな選択肢

がんと診断され、治療法を検討する中で「免疫療法」という言葉を耳にされた方も多いのではないでしょうか。

免疫療法は、私たちの体に備わっている免疫の力を活用してがん細胞を攻撃する治療法です。従来の抗がん剤や放射線治療とは異なるアプローチで、体の免疫システムそのものを強化し、がん細胞を排除することを目指します。

免疫システムの中心的な役割を果たすのが「T細胞(Tリンパ球)」です。T細胞はがん細胞を攻撃する性質を持っていますが、がん細胞がT細胞にブレーキをかけることで、免疫ががん細胞を排除しきれないことがあります。免疫療法は、このブレーキを解除したり、免疫の力を強化したりすることで、がん細胞への攻撃力を高めます。

しかし、どんな治療にも副作用のリスクは存在します。免疫療法も例外ではありません。治療を受ける前に、どのような副作用が起こりうるのか、どう対処すればよいのかを知っておくことが大切です。

がんの再発率は治療で変わる?再発を防ぐための治療方針と重要なポイント

がんの再発率は治療内容や治療後の管理によって変わるのかを解説します。再発リスクを下げるために重要な治療方針や、治療後に意識したいポイントをわかりやすくまとめた記事です。

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免疫療法で起こりやすい副作用の種類

免疫療法における副作用は、治療の種類によって異なります。

免疫チェックポイント阻害薬による副作用

現在、効果が証明されている免疫療法の中心は「免疫チェックポイント阻害薬」です。オプジーボ(ニボルマブ)やキイトルーダ(ペムブロリズマブ)などが代表的な薬剤として知られています。

これらの薬は、がん細胞がT細胞にかけているブレーキを解除することで、免疫の力を保ちます。ただし、免疫が活性化されることで、全身にさまざまな副作用が起こる可能性があります。

皮膚症状として、発疹やかゆみ、皮膚の乾燥などが現れることがあります。消化器症状では、下痢や腹痛、吐き気などが報告されています。また、内分泌系の異常として、甲状腺機能の変化や副腎機能の低下が見られることもあります。

重要なのは、これらの副作用がいつ、どのように現れるか予測がつきにくいという点です。個人差が大きく、治療開始後すぐに症状が出る方もいれば、数ヶ月経ってから現れる方もいます。

樹状細胞を用いた免疫療法の副作用

ICVS東京クリニックで行っているHITV療法のように、樹状細胞を活用した免疫療法では、比較的副作用が軽度であることが知られています。

樹状細胞は免疫システムの司令塔として、がん細胞の情報をCTL(キラーT細胞)に伝える役割を持ちます。この治療法では、患者さん自身の細胞を使用するため、体への負担が少ないと考えられています。

主な副作用としては、投与部位の軽い痛みや腫れ、一時的な発熱などが報告されていますが、多くの場合は自然に軽快します。抗がん剤のような脱毛や強い吐き気といった副作用は、ほとんど見られません。

副作用が現れたときの対処法

副作用が現れた場合、適切な対処が重要です。

早期発見と報告の重要性

免疫療法の副作用は、早期に発見して対処することで、重症化を防ぐことができます。体調の変化を感じたら、些細なことでも医療スタッフに報告してください。

「こんなことで相談してもいいのだろうか」と遠慮される方もいらっしゃいますが、患者さんご自身が感じる違和感は、医師にとって貴重な情報です。発熱、倦怠感、食欲不振、皮膚の変化、排便の異常など、いつもと違うと感じたら、すぐに連絡しましょう。

医療機関での対応

副作用の種類や程度に応じて、医療機関では適切な対応を行います。

軽度の副作用であれば、症状を和らげる薬の処方や経過観察で対応できることが多いです。皮膚症状には保湿剤やステロイド外用薬、消化器症状には整腸剤や止瀉薬などが使用されます。

重度の副作用が現れた場合は、免疫療法を一時中断し、ステロイド薬などで免疫の過剰な反応を抑える治療が行われることもあります。ICVS東京クリニックでは、専門医療スタッフがチームとして連携し、患者さん一人ひとりの状態に合わせた対応を行っています。

日常生活での注意点

治療中は、体調管理に特に気を配る必要があります。

十分な休息と睡眠を確保し、バランスの取れた食事を心がけてください。免疫力を維持するためには、栄養状態を良好に保つことが大切です。また、感染症予防のため、手洗いやうがいを徹底し、人混みを避けるなどの対策も有効です。

適度な運動も推奨されますが、無理は禁物です。体調に合わせて、散歩などの軽い運動から始めるとよいでしょう。

治療を安全に進めるために知っておくべきこと

免疫療法を安全に受けるためには、いくつかの重要なポイントがあります。

治療前の十分な説明と理解

治療を始める前に、医師から十分な説明を受けることが不可欠です。

免疫療法のメリットだけでなく、想定される副作用やリスク、費用、治療の流れについても、しっかりと理解した上で判断することが大切です。ICVS東京クリニックでは、事前診断と丁寧なカウンセリングを通して、患者さん一人ひとりに合った治療計画を一緒に考えていきます。

疑問や不安があれば、遠慮なく質問してください。納得した上で治療を選択することが、安心して治療を続けるための第一歩です。

副作用に対応できる医療体制の確認

免疫療法は、副作用に十分に対応できる体制が整っている医療機関で受けることが重要です。

特に免疫チェックポイント阻害薬を使用する場合、全身にさまざまな副作用が起こる可能性があるため、複数の診療科が連携して対応できる環境が望ましいとされています。また、緊急時にすぐに対応できる体制が整っているかも確認しておきましょう。

ICVS東京クリニックでは、医師だけでなく、専任の細胞培養士や医療スタッフがチームとして連携し、治療を支えています。院内には国際的GMP基準に準拠した細胞培養加工施設(CPC)があり、樹状細胞は厳格な管理のもとで培養されています。

定期的な検査とモニタリング

治療中は、定期的な血液検査や画像検査を通して、体の状態を継続的にモニタリングします。

これにより、副作用の兆候を早期に発見し、適切な対応を取ることができます。検査結果について不明な点があれば、医師に説明を求めることも大切です。自分の体の状態を理解することで、治療への不安も軽減されるでしょう。

免疫療法の選択・・・標準治療との関係

免疫療法を検討する際、標準治療との関係を理解しておくことも重要です。

「効果が証明された免疫療法」の多くは、特定のがんの種類に対して保険診療で受けることができます。メラノーマ(悪性黒色腫)、非小細胞肺がん、腎細胞がん、胃がん、食道がん、肝細胞がんなど、治療が行えるがんの種類は免疫チェックポイント阻害薬によって異なります。

一方、樹状細胞を用いた免疫療法の多くは、現時点では自由診療として提供されています。ICVS東京クリニックのHITV療法も、日本国内における医薬品医療機器等法において未承認であり、保険適用外の自由診療となります。

自由診療として行われる免疫療法を考える場合には、治療効果・安全性・費用について慎重な確認が必要です。担当医に相談し、必要に応じてセカンドオピニオンを聞くことも検討してください。

免疫療法は、抗がん剤や放射線治療などの標準治療と組み合わせることで、その働きを助け、治癒を早める可能性があると期待されています。治療の選択肢を広げるためにも、主治医とよく相談しながら、最適な治療計画を立てることが大切です。

まとめ・・・安心して治療を受けるために

免疫療法は、がん治療における新たな選択肢として期待されています。

しかし、どんな治療にも副作用のリスクは存在します。免疫療法においても、治療の種類によってさまざまな副作用が起こる可能性があることを理解しておく必要があります。

大切なのは、副作用について正しい知識を持ち、早期に発見して適切に対処することです。体調の変化を感じたら、すぐに医療スタッフに報告してください。また、副作用に十分に対応できる体制が整っている医療機関で治療を受けることも重要です。

ICVS東京クリニックでは、がんの消失を目指し、樹状細胞を用いたHITV療法を専門に行っています。専門性の高い医療スタッフによる連携治療と、患者さん一人ひとりに適した治療計画のご提案を通して、安心して治療を受けていただける環境を整えています。

「もう治療がないと言われた」「別の選択肢があるなら知りたい」「再発や進行に不安を感じている」・・・そうした患者さんが、一度立ち止まり、冷静に次の一歩を考える場として、私たちのクリニックをご利用いただければと思います。

治療を無理に勧めるのではなく、まずは相談し、現状を整理し、納得した上で選択する・・・そのプロセスを大切にしています。

がんと向き合う患者さんやご家族の力となり、支えになるために尽くしてまいります。

ご不明な点やご相談がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

著者情報

ICVS東京クリニック 理事長 蓮見 賢一郎

 

【経歴】

埼玉医科大学卒業。

東京大学医科学研究所を経て、現在は米国法人 蓮見国際研究財団理事長。

世界各国で『国際がんワクチン・シンポジウム』を開催し、がん免疫療法の啓蒙と研究活動を推進している。

米国Thomas Jefferson 大学 Kimmel Cancer Center に研究講座を開設、同大学の客員教授。

ブルガリアPleven 医科大学より、がん免疫療法の研究活動に対して名誉博士号授与。

その他、米国Maryland 州立大学、ドイツ Erlangen 大学との共同研究や、マレーシア国民大学(UKM)との臨床試験を行っている。

免疫チェックポイント阻害薬とは?仕組みと治療で期待できる効果を解説がん2026/01/22(木)

がん治療の選択肢として、近年大きな注目を集めている「免疫チェックポイント阻害薬」。

この治療法は、私たちの体が本来持っている免疫の力を活かし、がん細胞を攻撃するという画期的なアプローチです。従来の抗がん剤や放射線治療とは異なる仕組みで、がんに立ち向かう可能性を広げています。

しかし、「免疫チェックポイント阻害薬とは何か」「どのような仕組みで効果を発揮するのか」「どんな患者さんに適しているのか」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

本記事では、免疫チェックポイント阻害薬の基本的な仕組みから、期待できる治療効果、副作用への対応まで、がん免疫療法の研究と臨床に長年携わってきた立場から、わかりやすく解説いたします。

免疫チェックポイント阻害薬とは?基本的な仕組みを理解する

免疫チェックポイント阻害薬は、体内の免疫システムが持つ「ブレーキ機能」を解除することで、がん細胞への攻撃力を高める治療薬です。

免疫システムの「ブレーキ」とは

私たちの体には、細菌やウイルス、そしてがん細胞などの異物を排除する免疫システムが備わっています。

その中心的な役割を担うのが「T細胞」という免疫細胞です。T細胞は、がん細胞を見つけると攻撃を開始しますが、同時に正常な細胞まで傷つけないよう、「免疫チェックポイント」と呼ばれる抑制機構も持っています。

この仕組みは、本来は自己免疫疾患を防ぐための大切な機能です。しかし、がん細胞はこの仕組みを巧みに利用し、T細胞にブレーキをかけることで、免疫からの攻撃を逃れているのです。

がん細胞が免疫から逃れる巧妙な戦略

がん細胞の表面には、T細胞のアンテナ(受容体)に結合する分子が存在します。

この結合により、T細胞は「異物を攻撃するな」という命令を受け取り、活動を停止してしまいます。代表的な免疫チェックポイント分子として、「CTLA-4」や「PD-1」、そしてそのリガンドである「PD-L1」などが知られています。

免疫チェックポイント阻害薬は、これらの分子に結合し、がん細胞からの「攻撃するな」という命令をブロックします。その結果、T細胞は再び活性化し、がん細胞への攻撃を再開できるようになるのです。

出典日本がん免疫学会「抗体療法・免疫チェックポイント阻害剤」(2019年6月)より作成

免疫チェックポイント阻害薬の種類と対象となるがん

現在、日本で承認されている免疫チェックポイント阻害薬には、主に3つのタイプがあります。

抗CTLA-4抗体

CTLA-4は、T細胞が活性化される初期段階で働く抑制分子です。抗CTLA-4抗体は、この分子の働きを阻害することで、T細胞の活性化を促進します。

主にメラノーマ(悪性黒色腫)の治療に使用されており、他の免疫チェックポイント阻害薬と組み合わせて使用されることもあります。

抗PD-1抗体

PD-1は、T細胞の表面に発現する受容体で、がん細胞からの抑制シグナルを受け取る役割を持ちます。

抗PD-1抗体は、この受容体をブロックすることで、T細胞の攻撃力を維持します。非小細胞肺がん、腎細胞がん、ホジキンリンパ腫、頭頸部がん、胃がん、食道がん、肝細胞がんなど、幅広いがん種に対して使用されています。

抗PD-L1抗体

PD-L1は、がん細胞や一部の免疫細胞の表面に発現する分子で、T細胞のPD-1と結合して抑制シグナルを送ります。抗PD-L1抗体は、このPD-L1をブロックすることで、T細胞の活性を保ちます。

非小細胞肺がん、悪性胸膜中皮腫、子宮頸がんなどの治療に使用されています。

治療が行えるがんの種類

2025年10月現在、標準治療として診療ガイドラインに記載され、保険診療で受けることができる免疫チェックポイント阻害薬の対象がんは拡大を続けています。

それぞれの薬剤によって適応となるがんの種類が異なるため、担当医との相談が重要です。また、単独で使用する場合と、他の免疫チェックポイント阻害薬や細胞障害性抗がん剤と組み合わせて使用する場合があります。

出典国立がん研究センター がん情報サービス「免疫療法 もっと詳しく」(2025年10月)より作成

 

抗がん剤の副作用はなぜ起こる?仕組みと治療継続のために知っておきたいこと

抗がん剤治療で起こる副作用の仕組みをわかりやすく解説し、治療を続けるために知っておきたい対策や考え方をまとめています。副作用への不安を軽減したい方に役立つ内容です。

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免疫チェックポイント阻害薬で期待できる治療効果

免疫チェックポイント阻害薬の最大の特徴は、従来の治療法とは異なるアプローチでがんに立ち向かうことです。

長期的な効果の持続性

免疫チェックポイント阻害薬による治療では、一部の患者さんで長期間にわたり効果が持続するケースが報告されています。

これは、免疫システムが「がん細胞を記憶する」という特性によるものと考えられます。一度活性化した免疫細胞は、がん細胞を認識し続けることができるため、治療終了後も効果が続く可能性があるのです。

幅広いがん種への適用可能性

免疫チェックポイント阻害薬は、がん細胞そのものを直接攻撃するのではなく、免疫システムを活性化するという仕組みのため、さまざまながん種に対して効果を発揮する可能性があります。

近年の研究では、腸内細菌が免疫チェックポイント阻害薬の効果に影響を与えることも明らかになってきています。特に、ルミノコッカス科に属する細菌が豊富に存在する患者さんでは、治療効果が高い傾向にあることが報告されています。

効果が得られやすい患者さんの特徴

免疫チェックポイント阻害薬の効果には個人差があります。

一般的に、がん組織内にT細胞が多く集積している「炎症性のがん」では効果が得られやすい傾向にあります。また、PD-L1の発現レベルが高い患者さんでは、抗PD-1抗体や抗PD-L1抗体の効果が期待できる可能性があります。

ただし、これらはあくまで傾向であり、個々の患者さんの状態によって効果は異なります。担当医との十分な相談のもと、治療方針を決定することが重要です。

出典国立がん研究センター「腸内細菌は樹状細胞を介して腸から離れたがんの免疫環境に影響」(2025年7月)より作成

免疫チェックポイント阻害薬の副作用と対処法

免疫チェックポイント阻害薬は、自分の免疫を活性化させる治療法であるため、従来の抗がん剤とは異なる副作用が現れる可能性があります。

免疫関連有害事象(irAE)とは

免疫チェックポイント阻害薬による副作用は、「免疫関連有害事象(irAE)」と呼ばれます。

これは、活性化した免疫が過剰に働くことで、正常な組織や臓器にも影響を及ぼすことによって起こります。症状には個人差が大きく、いつ、どんな副作用が起こるかの予測が難しいため、自宅でのセルフチェックが重要です。

主な副作用の種類と症状

免疫関連有害事象は、さまざまな臓器に現れる可能性があります。

内分泌・代謝障害では、頭痛、全身倦怠感、食欲低下、体重減少、多汗、頻脈または徐脈、のどの渇き、多飲、多尿などの症状が見られることがあります。

肝・胆・膵障害では、全身倦怠感、皮膚や目が黄色くなる、尿の色が濃くなるなどの症状に注意が必要です。

腎障害では、尿が減った、出ない、むくみ、腰や背中の痛みなどが現れることがあります。

消化管障害では、下痢、腹痛、吐き気、嘔吐などの症状が見られます。

肺障害では、たん、咳、呼吸困難、息切れ、発熱などに注意が必要です。

皮膚障害では、皮疹やかゆみが現れることがあります。

神経・筋・関節障害では、頭痛、めまい、けいれん、筋力低下、しびれ、まぶたが重い、手足に力が入らない、関節痛などの症状が見られることがあります。

副作用への対処と早期発見の重要性

免疫関連有害事象は、治療直後から現れるものだけでなく、治療が終了してから数週間から数か月経過後に現れるものもあります。

副作用が現れた場合には早期の治療が必要となるため、自身の身体の異常にいち早く気付くことが大切です。日々の体調を記録し、普段と異なる症状がある場合には、すぐに医師や薬剤師、看護師へ相談してください。

適切な対処により、多くの副作用は管理可能です。重要なのは、症状を我慢せず、早めに医療チームに伝えることです。

ICVS東京クリニックにおけるがん免疫療法へのアプローチ

ICVS東京クリニックでは、免疫チェックポイント阻害薬とは異なるアプローチで、がん免疫療法に取り組んでいます。

樹状細胞を用いたHITV療法

当クリニックが専門とする「HITV療法」は、免疫システムの司令塔である樹状細胞を活用した治療法です。

樹状細胞は、がん細胞の情報を学習・獲得し、高い攻撃力を持つCTL(キラーT細胞)にその情報を伝達する役目を持ちます。その情報に基づき、体内に誘導されたCTLが効率的にがん細胞を攻撃・排除します。

免疫チェックポイント阻害薬との違い

免疫チェックポイント阻害薬が「免疫のブレーキを解除する」アプローチであるのに対し、HITV療法は「免疫のアクセルを踏む」アプローチと言えます。

樹状細胞を腫瘍へ直接投与することで、抗原性の高いがん情報により高精度ながん攻撃が可能となります。また、がん腫瘍自体を免疫細胞の生産工場に変える「腫瘍のワクチン化」という考え方も、HITV療法の大きな特長です。

個別化された治療計画

がんの種類や進行度、これまで受けてきた治療、体調や生活背景は、患者さんごとに大きく異なります。

ICVS東京クリニックでは、画一的な治療は行わず、事前診断と丁寧なカウンセリングを通して、その方に合った治療計画を一緒に考えていきます。治療のメリットだけでなく、自由診療であること、未承認医療であること、想定されるリスクや副作用、費用や治療の流れについても、事前にしっかり説明を受けた上で判断できる環境が整えられています。

まとめ:免疫チェックポイント阻害薬とがん免疫療法の可能性

免疫チェックポイント阻害薬は、がん治療における画期的な選択肢として、多くの患者さんに希望をもたらしています。

免疫システムのブレーキを解除することで、体が本来持っている力を活かしてがんと闘う――この治療法は、従来の抗がん剤や放射線治療とは異なるアプローチで、長期的な効果が期待できる可能性があります。

一方で、効果には個人差があり、副作用への適切な対処も重要です。免疫関連有害事象は、早期発見と適切な管理により、多くの場合コントロール可能です。日々の体調変化に注意を払い、医療チームとの密なコミュニケーションを保つことが大切です。

がん免疫療法は、免疫チェックポイント阻害薬だけでなく、樹状細胞を用いたHITV療法など、さまざまなアプローチが研究・開発されています。それぞれの治療法には特徴があり、患者さんの状態に応じた選択が重要です。

「もう治療がないと言われた」「別の選択肢があるなら知りたい」「再発や進行に不安を感じている」――そうした患者さんが、一度立ち止まり、冷静に次の一歩を考える。そのプロセスを大切にしていただきたいと思います。

ICVS東京クリニックでは、がん免疫療法に関する相談を受け付けています。

治療を無理に勧めるのではなく、まずは相談し、現状を整理し、納得したうえで選択する――そのお手伝いをさせていただきます。がん治療で悩んでいる方は、お気軽にお問い合わせください。

著者情報

ICVS東京クリニック 理事長 蓮見 賢一郎

 

【経歴】

埼玉医科大学卒業。

東京大学医科学研究所を経て、現在は米国法人 蓮見国際研究財団理事長。

世界各国で『国際がんワクチン・シンポジウム』を開催し、がん免疫療法の啓蒙と研究活動を推進している。

米国Thomas Jefferson 大学 Kimmel Cancer Center に研究講座を開設、同大学の客員教授。

ブルガリアPleven 医科大学より、がん免疫療法の研究活動に対して名誉博士号授与。

その他、米国Maryland 州立大学、ドイツ Erlangen 大学との共同研究や、マレーシア国民大学(UKM)との臨床試験を行っている。

大腸がんはステージで何が変わる?治療内容と予後の違いを医師が解説大腸がん2026/01/08(木)

大腸がんのステージとは何か

大腸がんと診断された際、まず知ることになるのが「ステージ」という言葉です。

ステージとは、がんの進行度を示す指標のことで、治療方針を決定する上で極めて重要な情報となります。大腸がんのステージは0からⅣまでの5段階に分類され、数字が大きくなるほど進行したがんであることを示しています。

ステージの判定には、3つの重要な要素が考慮されます。第一に、がんが大腸の壁にどれだけ深く入り込んでいるか(**深達度**)、第二に、周囲のリンパ節への転移の有無と程度、第三に、肝臓や肺など他の臓器への遠隔転移の有無です。これらの要素を総合的に評価することで、患者さま一人ひとりの状態を正確に把握し、最適な治療計画を立てることができます。

大腸がんは、早期に発見できれば高い確率で完治が期待できる疾患です。しかし、進行するまで自覚症状が出にくいという特徴があるため、定期的な検診が非常に重要となります。

ステージ0からⅢまでの特徴と治療法

ステージ0:最も早期の段階

 

ステージ0は、がんが大腸の粘膜内にとどまっている最も早期の状態です。

この段階では、内視鏡治療によってがんを完全に切除できることがほとんどです。内視鏡治療は開腹手術と比較して体への負担が少なく、入院期間も短くて済みます。病変が完全に取り切れていることが確認されれば、それで治療が完了となります。

ステージⅠ:早期がんの段階

 

ステージⅠでは、がんが固有筋層までにとどまっている状態です。大腸の壁への浸潤が浅い場合は内視鏡治療が選択されますが、浸潤が深い場合はリンパ節転移の可能性を考慮し、手術治療が必要となります。手術方法には、お腹を切る開腹手術と、腹腔鏡を用いた手術があり、患者さまの状態や病変の位置によって選択されます。

ステージⅡ:進行がんの初期段階

 

ステージⅡは、がんが固有筋層を超えて周囲に広がっているものの、リンパ節転移がない状態です。この段階では手術治療が標準となります。ただし、腸閉塞を起こしていた場合や、多臓器浸潤を認めた場合など、再発リスクが高いと判断される場合には、手術後に再発予防のための補助化学療法が推奨されることがあります。

ステージⅢ:リンパ節転移を伴う段階

 

ステージⅢは、がんの深さに関わらず、リンパ節への転移が認められる状態です。

手術治療では、がんが存在する腸管とともに、転移の可能性があるリンパ節を郭清します。手術後は、再発予防を目的とした補助化学療法が強く推奨されます。化学療法には複数の選択肢があり、患者さまの全身状態や副作用のリスクを考慮しながら、最適な治療法を選択していきます。

ステージⅣの治療戦略

ステージⅣは、肝臓や肺、腹膜などへの遠隔転移が認められる段階です。

この段階の治療は、転移巣が切除可能かどうかによって大きく方針が異なります。原発巣と転移巣の両方が切除可能な場合は、両方を手術で切除することが検討されます。大腸がんは、たとえステージⅣであっても、切除によって根治が望める可能性がある疾患です。

一方、転移巣が切除不能な場合は、化学療法や放射線治療が中心となります。原発巣による症状がない場合、原発巣を切除せずに化学療法を先行する治療が標準治療として確立されています。これは、原発巣切除に伴う合併症のリスクや、化学療法開始の遅れによる不利益を避けるためです。

ステージⅣの治療では、がんの制御だけでなく、生活の質(QOL)を維持することも重要な目標となります。症状緩和のための緩和治療も並行して行われ、患者さまとご家族が納得できる治療を選択していくことが大切です。

出典

国立がん研究センター「ステージ4大腸がんの新たな標準治療を検証」

(2021年2月)より作成

ステージ別の生存率と予後

大腸がんの治療効果を判断する重要な指標として、5年生存率があります。

5年生存率とは、診断から5年後に生存している確率を示すもので、大腸がんの場合、再発の96.5%が5年以内に起こることから、5年間再発がなければ完治に近いと考えられています。

ステージ0では5年相対生存率が94.0%と非常に高く、ステージⅠでは91.6%となっています。ステージⅡでは84.8%、ステージⅢaでは77.7%、ステージⅢbでは60.0%と、進行するにつれて生存率は低下していきます。

ステージⅣになると、5年相対生存率は18.7%まで低下します。特に結腸がんの場合は16.5%とさらに低くなります。しかし、これはあくまで統計的な数値であり、個々の患者さまの状態や治療への反応によって予後は大きく異なります。

近年の治療技術の進歩により、ステージⅣであっても長期生存される方が増えています。特に、免疫療法などの新しい治療法の開発により、治療の選択肢は広がり続けています。

出典

大腸癌研究会「患者さんのための大腸癌治療ガイドライン 2022年版」

(大腸癌全国登録2000~2004年度データ)より作成

術後の経過観察と補助化学療法

定期検査の重要性

 

手術後は、再発の早期発見のために定期的な検査が必要です。

再発の約80%以上が術後3年以内に起こり、5年を超えての再発は1%以下とされています。そのため、術後3年までは3か月に1回、3年以降は6か月に1回、術後5年間を目安に定期検査を行います。検査内容には、腫瘍マーカーの測定、CT検査、大腸内視鏡検査などが含まれます。

補助化学療法の役割

 

術後補助化学療法は、再発を予防するために行う抗がん剤治療です。基本的にはステージⅢが適応となりますが、ステージⅡでも再発リスクが高いと判断される場合には推奨されます。

治療開始時期は術後1~2か月頃までが目安です。使用される抗がん剤には複数の選択肢があり、点滴による5FU+ロイコボリン療法や、内服薬であるカペシタビン、TS-1などがあります。さらに、オキサリプラチンを併用することで、より高い再発予防効果が期待できます。

治療期間は原則6か月間ですが、ステージⅡや比較的進行していないステージⅢでは、3か月間でも再発予防効果にほとんど差がないという報告もあり、副作用のリスクを考慮して3か月間で終了することも検討されます。

出典

日本臨床外科学会「大腸癌手術後について」

(大腸癌研究会プロジェクト研究1991~1996年症例)より作成

ICVS東京クリニックの免疫療法という選択肢

進行大腸がんや再発大腸がんに対して、標準治療以外の選択肢を探している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ICVS東京クリニックでは、ステージⅣの進行大腸がんや再発大腸がんに対し、「延命ではなく、がんの消失を目指す」という理念のもと、次世代免疫療法「**HITV療法**」を専門的に提供しています。

HITV療法の特徴

 

HITV療法は、免疫システムの司令塔である樹状細胞を活用した免疫細胞療法です。

最大の特徴は、樹状細胞をCTガイド下で腫瘍へ直接投与する点にあります。腫瘍内に直接投与された樹状細胞は、患者さまご自身の大腸がんが持つ複数の抗原情報を高精度に学習し、その情報をもとにCTL(キラーT細胞)を体内で強力に誘導します。

これにより、腫瘍そのものが免疫細胞を生み出す「ワクチン化」、血液中を巡る微細ながん細胞への継続的な攻撃、転移・再発の抑制といった作用が期待されます。

専門性の高い医療体制

 

ICVS東京クリニックは、がん免疫療法の臨床・研究に長年携わってきた医師が中心となり、2008年に設立された専門医療機関です。国内外の研究機関・医療機関と連携しながら、進行がん・再発がんに対する治療に研鑽を重ねています。

院内には、国際的GMP基準に準拠した細胞培養加工施設(CPC)を完備しており、専任の細胞培養士が樹状細胞および活性化T細胞を厳格に管理・培養しています。また、CT画像を用いて腫瘍の位置をリアルタイムで確認しながら投与を行う高精度な技術により、治療効果の向上を図っています。

オーダーメイドの治療計画

 

大腸がんの進行度、転移の有無、これまでの治療歴は、患者さま一人ひとり異なります。

当院では、事前診断や詳細なカウンセリングを通じて、HITV療法を軸とした個別の治療計画をオーダーメイドでご提案します。患者さまご本人だけでなく、ご家族のお気持ちにも配慮し、生活の質(QOL)を大切にした診療を心がけています。

「もう治療がない」と感じておられる患者さまやご家族に対し、治すことをあきらめず、患者さまのパートナーとして寄り添う医療を提供しています。まずは、医療相談や事前診断を通じて、現在の状態にHITV療法が適応となるかどうかを一緒に検討いたします。

まとめ

大腸がんのステージは、治療方針と予後を決定する重要な指標です。

ステージ0からⅠの早期がんでは、内視鏡治療や手術によって高い確率で完治が期待できます。ステージⅡからⅢでは、手術とともに補助化学療法を組み合わせることで、再発リスクを低減させることができます。ステージⅣの進行がんであっても、転移巣の状態によっては切除が可能であり、また化学療法や免疫療法などの選択肢があります。

大腸がんは、早期発見できれば予後が良好な疾患です。定期的な検診を受けることで、早期発見・早期治療につながります。また、進行がんや再発がんと診断された場合でも、標準治療に加えて免疫療法などの新しい治療法が選択肢となる可能性があります。

治療を選択する際は、ご自身の状態や希望を主治医にしっかりと伝え、納得できる治療を選ぶことが大切です。ICVS東京クリニックでは、進行大腸がん・再発大腸がんでお悩みの患者さまに対し、HITV療法という選択肢をご提案しています。まずは医療相談を通じて、ご自身の状況でどのような可能性があるのかを確認してみてください。

大腸がんと向き合う患者さまへ、最善の治療選択をサポートいたします。

著者情報

ICVS東京クリニック 理事長 蓮見 賢一郎

 

【経歴】

埼玉医科大学卒業。

東京大学医科学研究所を経て、現在は米国法人 蓮見国際研究財団理事長。

世界各国で『国際がんワクチン・シンポジウム』を開催し、がん免疫療法の啓蒙と研究活動を推進している。

米国Thomas Jefferson 大学 Kimmel Cancer Center に研究講座を開設、同大学の客員教授。

ブルガリアPleven 医科大学より、がん免疫療法の研究活動に対して名誉博士号授与。

その他、米国Maryland 州立大学、ドイツ Erlangen 大学との共同研究や、マレーシア国民大学(UKM)との臨床試験を行っている。

悪性リンパ腫とはどんな病気?初期症状と免疫治療を考えるタイミング悪性リンパ腫2026/01/08(木)

悪性リンパ腫とは何か?基本を知る

悪性リンパ腫は、血液のがんの一種です。

白血球の一つである「リンパ球」ががん化して増殖する病気で、体のさまざまな部位にしこりを作ることが特徴的です。日本の成人では最も頻度が多いがんの一つであり、女性よりも男性にやや多く見られます。

悪性リンパ腫には100種類以上のタイプがあります。大きく分けると「ホジキンリンパ腫」と「非ホジキンリンパ腫」の2つに分類されます。日本人の悪性リンパ腫の90%以上は非ホジキンリンパ腫といわれており、進行の早さによってさらに細かく分類されています。

低悪性度リンパ腫は年単位でゆっくり進行します。

中~高悪性度リンパ腫は月単位で進行し、高悪性度リンパ腫は週から日単位で急速に進行するため、早期の診断と治療が重要です。

見逃してはいけない初期症状

悪性リンパ腫の初期症状は軽微で、他の疾患と混同されやすい特徴があります。

最も特徴的な症状は、リンパ節の腫れやしこりです。特に首、脇の下、足の付け根(鼠径部)などのリンパ節に腫れを自覚することが多く、触ってもゴムのような感触で痛みを伴わないことが特徴です。風邪や感染症によるリンパ節の腫れは症状が改善すると消えますが、悪性リンパ腫の場合は数週間以上腫れが継続します。

B症状と呼ばれる全身症状

 

悪性リンパ腫が進行すると、「B症状」と呼ばれる特徴的な全身症状が現れることがあります。

B症状には、原因不明の発熱(37℃台の微熱や38℃以上の発熱が周期的に起こる)、体重減少(数か月で10%以上の体重が減少)、激しい寝汗(盗汗)の3つがあります。これらの症状は悪性リンパ腫の約20%の患者さんにみられ、治療をしなければ改善しません。

早期発見のためのセルフチェック

悪性リンパ腫は早期発見と早期治療で完治可能な病気です。

毎日、入浴時や着替えをする際に、首、わきの下、足の付け根などにあるリンパ節が腫れていないか確認する習慣をつけることが大切です。リンパ節の腫れを見つけたら、できるだけ速やかに医療機関を受診しましょう。

リンパ節の腫れの特徴

 

悪性リンパ腫によるリンパ節の腫れには特徴があります。

痛みを伴わないことが多く、触るとゴムのような弾力がある感触です。赤みや発疹が現れることもありますが、硬すぎず柔らかすぎないことが特徴です。数週間以上腫れが継続する場合には要注意となります。

こんな症状があれば受診を

 

発熱や発汗(特に夜間)、原因不明の体重減少、だるさの持続、皮膚のかゆみがある場合は、医療機関を受診することが大切です。

また、免疫不全や自己免疫疾患などの基礎疾患をお持ちの方は、悪性リンパ腫になる可能性が高いため、定期的な診察を受けて早期発見に努めましょう。多くの悪性リンパ腫には自覚症状がないため、健康診断のレントゲン検査や腹部エコーなどで発見されることもあります。

標準治療の選択肢と効果

悪性リンパ腫の治療では、病型や進行度に応じた標準治療が行われます。

急性の白血病や悪性リンパ腫、胚細胞腫瘍などは薬物療法の効果が特に高いがんであり、薬物療法のみで治療することがあります。治療効果を高めるために、作用の仕組みの異なる何種類かの薬を組み合わせて治療することもあります。

化学療法と分子標的薬

悪性リンパ腫は血液やリンパ系に由来するがんであり、化学療法や分子標的薬などの治療によって寛解が得られることが多い病気です。

しかし、再発や治療抵抗性が課題となるケースも少なくありません。病型によって治療法は異なりますが、多くの場合、複数の抗がん剤を組み合わせた化学療法が行われます。

CAR-T細胞療法と二重特異性抗体

 

最近の免疫治療の進歩は目覚ましく、特に悪性リンパ腫に対しては生命予後を大幅に改善させています。

CAR-T細胞療法は、自分のT細胞を体の外に取り出してがん細胞を攻撃するCAR-T細胞に変えて増やし、再び体に戻してがんを治療する方法です。一部の血液・リンパのがんの治療で使用されていますが、治療ができる施設は限られており、治療費が高額です。また、CD3とCD20を標的とする二重特異性抗体の出現は、B細胞リンパ腫治療に大きな進歩をもたらしています。

出典

CareNet「リンパ腫・骨髄腫に対する新たな免疫治療/日本臨床腫瘍学会」

より作成

免疫療法を考えるタイミング

免疫療法は、免疫の力を利用してがんを攻撃する治療法です。

標準治療だけでは十分な効果が得られなかったケース、再発や進行により治療選択に悩まれている方、標準治療後の次の選択肢を検討されている方に対して、免疫療法という選択肢があります。

免疫チェックポイント阻害薬

 

効果が証明された免疫療法として、免疫チェックポイント阻害薬があります。

T細胞の表面には「異物を攻撃するな」という命令を受け取るためのアンテナがあり、がん細胞もアンテナを持ってT細胞のアンテナに結合して命令を送ります。免疫チェックポイント阻害薬は、T細胞やがん細胞のアンテナに作用して、免疫にブレーキがかかるのを防ぎます。ホジキンリンパ腫などの一部の悪性リンパ腫に対して保険診療で受けることができます。

樹状細胞を活用したHITV療法

 

ICVS東京クリニックで行っているHITV療法は、免疫システムの司令塔である樹状細胞を活用する免疫細胞療法です。

悪性リンパ腫においても、患者さまご自身の免疫機能に着目し、がん細胞を認識・攻撃する免疫反応を引き出すことを目的としています。HITV療法では、CTガイド下で樹状細胞を体内へ正確に投与する独自の技術を採用しており、院内に完備した国際的GMP基準に準拠した細胞培養加工施設(CPC)を用いた高品質な細胞培養体制を整えています。

免疫療法を検討すべきケース

 

抗がん剤治療が難しくなってきた方、再発を繰り返している方、他院では治療の選択肢がないと言われた方でも、免疫療法という選択肢があります。

ただし、本治療は日本国内において未承認医療であり、健康保険の適用外となる自由診療です。治療の適応可否については、事前診断にて慎重に判断されます。悪性リンパ腫の治療においては、病型・進行度・これまでの治療歴・全身状態などにより、適した治療方針が大きく異なります。

ICVS東京クリニックのオーダーメイド診療

ICVS東京クリニックは、ステージⅣを含む進行がん・再発がんに特化した免疫療法専門クリニックです。

臨床経験豊富な専門医が、画像検査や血液検査、治療経過を総合的に評価し、患者さまごとにオーダーメイドの治療計画を提案します。治療そのものだけでなく、患者さまご本人やご家族の不安や負担にも配慮し、生活の質(QOL)を大切にした診療を心がけています。

治療開始前の丁寧な説明

 

治療開始前には、期待できる効果だけでなく、リスクや副作用についても丁寧に説明し、十分に理解・納得いただいたうえで治療を進めていきます。

「治すことを決してあきらめない」という理念のもと、患者さま一人ひとりの状態に応じた治療方針を検討しています。治療のパートナーとして、患者さま一人ひとりと向き合いながら、最善と考えられる医療を追求し続けることが、ICVS東京クリニックの使命です。

医療相談・事前診断・セカンドオピニオン

 

再発や進行により治療選択に悩まれている方、標準治療後の次の選択肢を検討されている方に対して、医療相談・事前診断・セカンドオピニオンを通じて、現状を整理するお手伝いを行っています。

まだできることがあるかもしれないと思われた方は、まずは医療相談や事前診断から一歩踏み出してみてください。悪性リンパ腫の治療は、身体だけでなく心にも大きな負担がかかります。治療が始まった瞬間から医師がパートナーとして寄り添うことを大切にしています。

まとめ:早期発見と適切な治療選択が重要

悪性リンパ腫は、早期発見と早期治療で完治可能な病気です。

首や脇の下、足の付け根などのリンパ節の腫れ、原因不明の発熱や体重減少、激しい寝汗などの症状に気づいたら、速やかに医療機関を受診することが大切です。標準治療だけでは十分な効果が得られなかったケースや、再発・進行により治療選択に悩まれている方には、免疫療法という選択肢もあります。

ICVS東京クリニックでは、樹状細胞を活用したHITV療法による免疫細胞療法を提供しており、患者さま一人ひとりの状態に応じたオーダーメイドの治療計画を提案しています。治療のパートナーとして、最善と考えられる医療を追求し続けることが、私たちの使命です。

一人で抱え込まず、まずは医療相談や事前診断から一歩を踏み出してみてください。

著者情報

ICVS東京クリニック 理事長 蓮見 賢一郎

 

【経歴】

埼玉医科大学卒業。

東京大学医科学研究所を経て、現在は米国法人 蓮見国際研究財団理事長。

世界各国で『国際がんワクチン・シンポジウム』を開催し、がん免疫療法の啓蒙と研究活動を推進している。

米国Thomas Jefferson 大学 Kimmel Cancer Center に研究講座を開設、同大学の客員教授。

ブルガリアPleven 医科大学より、がん免疫療法の研究活動に対して名誉博士号授与。

その他、米国Maryland 州立大学、ドイツ Erlangen 大学との共同研究や、マレーシア国民大学(UKM)との臨床試験を行っている。

がんの再発率は治療で変わる?再発を防ぐための治療方針と重要なポイントがん2026/01/08(木)

がんの治療を終えた後、多くの患者さんやご家族が最も心配されるのが「再発」です。

「治療は成功したと言われたけれど、本当に大丈夫だろうか」「再発を防ぐために、何かできることはあるのだろうか」・・・そんな不安を抱えている方も少なくないのではないでしょうか。

がんの再発率は、がんの種類や進行度(ステージ)、そして選択した治療法によって大きく変わります。適切な治療方針を選び、術後の補助療法を受けることで、再発リスクを大幅に下げることが可能です。

この記事では、がんの再発率と治療の関係について、最新の医学的知見をもとに詳しく解説します。

がんの再発率とは?ステージ別の再発リスク

がんの再発率は、治療後にがんが再び現れる確率を示す指標です。

再発には「局所再発」と「遠隔転移」があります。局所再発は、元のがんがあった場所やその周辺で再びがんが発生すること、遠隔転移は、がん細胞が血液やリンパの流れに乗って別の臓器に移動し、そこで増殖することを指します。

大腸がんのステージ別再発率

 

大腸がんを例に見てみましょう。

ステージⅠでは再発率は約3.7%と低く、ほとんどの患者さんが治癒します。ステージⅡになると再発率は約13.3%に上昇し、ステージⅢでは約30.8%とさらに高くなります。

このように、がんの進行度が進むほど再発リスクは高まります。

出典

日本臨床外科学会「大腸癌手術後について」

(大腸癌研究会プロジェクト研究1991~1996年症例)より作成

再発が起こりやすい時期

 

再発する時期にも特徴があります。

大腸がんの場合、術後3年以内に約80%以上の再発が起こります。術後5年を超えての再発は1%以下と言われており、多くの場合、治療後の早い段階で再発が判明します。

そのため、術後3年までは3か月に1回、3年以降は6か月に1回、術後5年間を目安に定期検査を行うことが推奨されています。

出典

日本臨床外科学会「大腸癌手術後について」

より作成

治療法によって再発率は変わるのか

結論から申し上げると、治療法の選択は再発率に大きく影響します。

手術でがんを完全に切除できたとしても、目に見えない微小ながん細胞が残っている可能性があります。これらの微小ながん細胞が後に増殖することで再発が起こるのです。

手術の範囲と再発リスク

 

手術では、がんそのものだけでなく、周囲のリンパ節も含めて切除します。

リンパ節への転移がある場合、適切な範囲のリンパ節郭清を行うことで再発リスクを下げることができます。ただし、手術の範囲が広すぎると患者さんの負担が大きくなるため、がんの進行度に応じた適切な範囲の手術が重要です。

術後補助化学療法の重要性

 

手術後に行う抗がん剤治療を「術後補助化学療法」と言います。

これは、手術で取り切れなかった可能性のある微小ながん細胞を攻撃し、再発を予防するための治療です。大腸がんの場合、基本的にはステージⅢが適応となりますが、ステージⅡでも再発リスクが高いと判断される場合には推奨されます。

術後補助化学療法を行うことで、再発率を大幅に下げることができます。

胆道がんにおけるS-1補助療法の効果

 

胆道がんでは、S-1という抗がん剤を用いた補助療法の有効性が証明されています。

国立がん研究センターが中心となって行った大規模臨床試験では、胆道がん根治手術後の患者さん440人を対象に、S-1補助療法を行うグループと術後経過観察のみのグループを比較しました。その結果、3年生存割合は経過観察群で67.6%、S-1群で77.1%と、S-1群で有意に生存期間が延長することが示されました。

この結果により、S-1補助療法が胆道がん根治手術後の標準治療として確立されました。

出典

国立がん研究センター「S-1補助療法が胆道がん根治手術後の標準治療となることを証明」

(2023年2月1日)より作成

再発を防ぐための治療方針

再発を防ぐためには、がんの種類や進行度に応じた適切な治療方針を選ぶことが不可欠です。

リスク評価に基づく個別化治療

 

すべての患者さんに同じ治療を行うのではなく、個々のリスクを評価して治療を選択します。

大腸がんのステージⅡでも、腸閉塞をきたしていた場合、多臓器浸潤を認めた場合、腸に穴が開いていた場合、細胞レベルの悪性度が高い場合、摘出されたリンパ節が12個未満の場合、がんの近くの静脈やリンパ管にがん細胞の浸潤がある場合は、「ハイリスクステージⅡ」と呼ばれ、術後化学療法が推奨されます。

出典

日本臨床外科学会「大腸癌手術後について」

より作成

標準治療と先進医療の組み合わせ

 

標準治療である手術や化学療法に加えて、免疫療法などの先進医療を組み合わせることで、さらに高い治療効果が期待できる可能性があります。

免疫療法は、患者さん自身の免疫システムを活性化させ、がん細胞を攻撃する治療法です。ICVS東京クリニックでは、樹状細胞を用いた「HITV療法」という免疫療法を専門に行っており、ステージⅣの進行がんや再発がんに対しても、治癒を目指した治療を提供しています。

定期的なフォローアップの重要性

 

治療後の定期検査は、再発の早期発見に欠かせません。

腫瘍マーカー、CT検査、大腸内視鏡検査などを定期的に行うことで、万が一再発した場合でも早期に発見し、適切な治療を開始することができます。再発した場合でも、再発部位とその数によっては、再手術や薬物療法によって治癒できることもあります。

再発予防のために患者さんができること

医療機関での治療だけでなく、日常生活での取り組みも再発予防に役立ちます。

生活習慣の見直し

 

バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠は、免疫力を維持するために重要です。

喫煙や過度の飲酒は避け、ストレスを溜めないよう心がけることも大切です。これらの生活習慣の改善は、がんの再発リスクを下げるだけでなく、全身の健康状態を向上させることにもつながります。

定期検査を欠かさない

 

主治医の指示に従い、定期検査を必ず受けましょう。

「体調が良いから大丈夫」と自己判断で検査をスキップすることは避けてください。再発は自覚症状がないうちに進行していることもあるため、定期的なチェックが早期発見の鍵となります。

がん発症予防・再発予防としての免疫療法

 

ICVS東京クリニックでは、がん発症予防・再発予防を目的とした「preHITV療法」も提供しています。

これは、がんの治療を終えた方や、がんのリスクが高い方を対象とした予防的な免疫療法です。樹状細胞を活用して免疫システムを強化し、微小ながん細胞の増殖を抑えることを目指します。

まとめ

がんの再発率は、がんの種類や進行度、そして選択する治療法によって大きく変わります。

適切な手術と術後補助化学療法を組み合わせることで、再発リスクを大幅に下げることが可能です。また、個々の患者さんのリスクを評価し、必要に応じて免疫療法などの先進医療を取り入れることで、さらに高い治療効果が期待できます。

治療後の定期検査を欠かさず、生活習慣を見直すことも再発予防には重要です。

ICVS東京クリニックでは、患者さんお一人おひとりに適した治療計画をご提案し、延命ではなく救命を目指した治療を行っています。がんの再発予防や治療について、ご不安なことがあれば、ぜひ一度ご相談ください。

詳しい治療内容や相談予約については、ICVS東京クリニックの公式サイトをご覧ください。

著者情報

ICVS東京クリニック 理事長 蓮見 賢一郎

 

【経歴】

埼玉医科大学卒業。

東京大学医科学研究所を経て、現在は米国法人 蓮見国際研究財団理事長。

世界各国で『国際がんワクチン・シンポジウム』を開催し、がん免疫療法の啓蒙と研究活動を推進している。

米国Thomas Jefferson 大学 Kimmel Cancer Center に研究講座を開設、同大学の客員教授。

ブルガリアPleven 医科大学より、がん免疫療法の研究活動に対して名誉博士号授与。

その他、米国Maryland 州立大学、ドイツ Erlangen 大学との共同研究や、マレーシア国民大学(UKM)との臨床試験を行っている。

甲状腺がん末期の症状とは?進行期にみられる変化と治療の考え方を解説甲状腺がん2026/01/07(水)

甲状腺がん末期とは?進行期の定義と特徴

甲状腺がんの「末期」という言葉には、医学的には明確な定義があります。

一般的に、甲状腺がんが周囲の組織に深く浸潤したり、リンパ節や遠隔臓器(肺・骨・肝臓・脳など)に転移した状態を指します。これは病期分類でいうと、多くの場合「ステージⅣ」に相当する段階です。

甲状腺がんには複数の種類があり、それぞれで進行の速さや悪性度が大きく異なります。最も多い「乳頭がん」は進行が緩やかで、10年生存率が90%以上と予後が良好です。一方で、「未分化がん」は非常に進行が早く、診断後の平均余命が4~6か月程度と厳しい状況になります。

甲状腺がんの種類によって、末期の症状や治療の選択肢も変わってきます。

「濾胞がん」は血行性転移(肺や骨への転移)が起こりやすく、「髄様がん」はカルシトニンを産生する特殊ながんで、遺伝性の場合もあります。それぞれの特性を理解することが、適切な治療選択につながるのです。

末期の甲状腺がんで現れる主な症状

進行した甲状腺がんでは、さまざまな症状が出現します。

局所的な症状

 

首の腫れや痛みは、最も分かりやすい症状の一つです。甲状腺がんが大きくなると、首の前部に固いしこりとして触れるようになります。さらに進行すると、周囲の組織への浸潤により、嚥下障害(飲み込みにくさ)や声のかすれ(嗄声)が生じることがあります。

声帯を動かす「反回神経」ががんに侵されると、声が出にくくなったり、声質が変わったりします。気管が圧迫されれば、呼吸困難感や息苦しさを感じるようになるでしょう。血痰が出ることもあり、これは気管への浸潤を示唆する重要なサインです。

転移による症状

 

甲状腺がんが遠隔臓器に転移すると、転移先の臓器に応じた症状が現れます。

肺転移では、咳が続いたり、血痰が出たり、呼吸が苦しくなったりします。骨転移では、転移した部位に痛みが生じ、場合によっては病的骨折(わずかな力で骨が折れる状態)を起こすこともあります。脳転移が起これば、頭痛・めまい・意識障害などの神経症状が出現する可能性があります。

全身症状

 

がんが進行すると、全身に影響が及びます。体重減少・倦怠感・発熱などの症状が現れることがあります。これらは、がん細胞が体のエネルギーを消費したり、免疫システムが活性化したりすることで生じる症状です。

特に未分化がんでは、甲状腺の腫脹(腫れ)や痛み、発熱などが急速に進行し、数週間から数か月の間に症状が悪化することもあります。

甲状腺がん末期の診断方法

進行した甲状腺がんの診断には、複数の検査を組み合わせて行います。

画像検査

 

超音波検査は、甲状腺がんの大きさや周囲組織への広がり、リンパ節転移の有無を確認するために最も基本的な検査です。さらに詳しく調べるために、造影剤を用いたCTやMRI検査が実施されます。これらの検査により、気管・食道・血管などへの浸潤の程度を正確に把握できます。

遠隔転移の評価には、PET-CT検査が有用です。全身のがん細胞の分布を一度に確認でき、治療方針の決定に重要な情報を提供します。骨転移が疑われる場合には、骨シンチグラフィーで転移の範囲を詳しく調べることができます。

血液検査

 

甲状腺がんの種類によっては、血液検査で特定の腫瘍マーカーを測定します。

「髄様がん」では、カルシトニンやCEA(癌胎児性抗原)が診断や経過観察の指標となります。また、サイログロブリンという物質は、甲状腺がんの再発を示すマーカーとして参考にされることがあります。ただし、これらは甲状腺がんに特有のものではないため、他の検査結果と合わせて総合的に判断する必要があります。

甲状腺がん末期の治療選択肢

進行した甲状腺がんの治療は、がんの種類・進行度・患者さまの全身状態を総合的に考慮して選択します。

手術療法

 

可能であれば、手術によるがんの切除が検討されます。甲状腺全摘出術やリンパ節郭清が行われることが多く、場合によっては気管や食道の一部を切除することもあります。手術の目的は、根治を目指す場合と、症状を和らげる姑息的な目的の場合があります。

ただし、未分化がんや広範な浸潤がある場合には、手術が困難なこともあります。その場合は、他の治療法を中心に考えていくことになります。

放射線療法

 

放射線治療には、外部照射と放射性ヨウ素内用療法の2種類があります。

外部照射は、手術が難しい局所進行がんや、骨転移による痛みの緩和に用いられます。放射性ヨウ素(RAI)治療は、ヨウ素を取り込む性質を持つ乳頭がんや濾胞がんの遠隔転移に対して効果的です。特に肺転移などでは、長期的な制御が期待できる場合もあります。

ただし、未分化がんや髄様がんは放射性ヨウ素を取り込まないため、この治療法は適用できません。

薬物療法

 

分子標的薬は、進行した甲状腺がんに対する重要な治療選択肢です。レンバチニブ(レンビマ)やソラフェニブは、進行性の乳頭がん・濾胞がん・髄様がんに使用され、がんの進行を遅らせる効果が期待できます。これらの薬剤は、血管新生や細胞増殖に関わる経路を阻害することで、腫瘍の成長を抑制します。

未分化がんに対しては、ドキソルビシンやシスプラチンなどの化学療法が試みられることもありますが、効果は限定的です。副作用として、高血圧・手足症候群・倦怠感・下痢などが現れることがあるため、適切な管理が必要です。

免疫療法という選択肢

 

近年、免疫療法が進行がん治療の新たな選択肢として注目されています。

ICVS東京クリニックでは、「HITV療法」という次世代免疫療法を提供しています。これは、免疫システムの司令塔である「樹状細胞」を活用し、患者さまご自身の腫瘍情報を免疫に伝えることで、がん細胞を効率的に攻撃する免疫反応の誘導を目指す治療法です。

CTガイド下で樹状細胞を腫瘍内、または腫瘍に栄養を与える主要血管内へ直接投与する独自技術により、樹状細胞の機能を最大限に引き出すことを重視しています。院内に国際的GMP基準に準拠した細胞培養加工施設を完備し、専任の培養士が高品質な樹状細胞の培養・管理を行っています。

甲状腺がん末期の予後とケア

甲状腺がんの予後は、がんの種類によって大きく異なります。

がんの種類別予後

 

乳頭がんや濾胞がんなどの分化型甲状腺がんは、比較的予後が良好です。ステージⅣであっても、5年生存率は73.2%と報告されています。進行が緩やかなため、適切な治療を受けることで長期的な生存が期待できる場合も多いのです。

一方、未分化がんは非常に予後が厳しく、診断後1年以内に多くの方が亡くなってしまいます。5年生存率も7%程度と低く、早期からの緩和ケアが重要になります。

緩和ケアの重要性

 

進行したがんでは、痛みや呼吸困難などのさまざまな症状が出現します。

緩和ケアは、こうした身体的な苦痛を和らげるだけでなく、精神的な不安やストレスにも対応します。患者さまご本人だけでなく、ご家族の心理的サポートも含めた包括的なケアを提供することで、療養生活の質を維持・向上させることができます。

気分が落ち込んだり、不安になったりすることは自然なことです。そんな時こそ、緩和ケアチームや医療スタッフに相談することが大切です。痛みのコントロール、栄養管理、心理的サポートなど、多角的なアプローチで患者さまとご家族を支えます。

生活の質を保つために

 

治療を受けながらも、できる限り自分らしい生活を送ることは可能です。体調に合わせた活動、趣味の継続、家族や友人との時間を大切にすることで、心の安定にもつながります。

医療チームと十分にコミュニケーションを取りながら、ご自身の希望や価値観を伝えていくことが重要です。治療の目的や見通し、リスクや副作用、費用面まで丁寧に説明を受け、納得した上で治療を選択していくことが、後悔のない療養生活につながります。

ICVS東京クリニックの甲状腺がん治療へのアプローチ

ICVS東京クリニックでは、「延命ではなく、救命を目指す」という理念のもと、甲状腺がんの治療に取り組んでいます。

オーダーメイドの治療計画

 

当院では、画一的な治療は行いません。

事前診断で提供いただくPET-CTなどの画像データや血液検査、治療履歴をもとに、専門医が慎重に適応を判断します。患者さま一人ひとりの状態・病状・生活背景を考慮したオーダーメイドの治療計画をご提案することで、最良の治療選択を目指します。

再発や遠隔転移を繰り返すケース、標準治療のみでは十分な効果が得られにくいケースに対しても、免疫療法の可能性を検討する場を提供しています。

治療開始前の丁寧な説明

 

免疫療法は、短期間で結果が見える治療ではありません。

そのため当院では、治療開始前の段階から治療の目的・見込まれる経過・リスクや副作用・費用面まで丁寧にご説明し、十分なご理解とご納得をいただくことを何よりも大切にしています。わからないことや不安なことがあれば、遠慮なくお尋ねください。

患者さまのパートナーとして

 

治療が始まったその瞬間から、私たちは患者さまのパートナーです。

甲状腺がんという病気と向き合う中で、不安や迷いを抱える患者さま・ご家族に寄り添いながら、最良の治療選択をともに考え、支え続ける医療を提供してまいります。一人で悩まず、まずはご相談ください。

まとめ

甲状腺がん末期の症状は、がんの種類や進行度によって大きく異なります。

局所的な症状としては、首の腫れ・痛み・嚥下障害・声のかすれ・呼吸困難などがあり、転移による症状としては、咳・血痰・骨痛・神経症状などが現れることがあります。全身症状として、体重減少や倦怠感も見られます。

治療法には、手術・放射線療法・薬物療法・免疫療法などがあり、患者さまの状態に合わせて選択されます。特に、ICVS東京クリニックが提供するHITV療法は、樹状細胞を活用した次世代免疫療法として、進行がん・再発がんに対する新たな選択肢となっています。

甲状腺がんの予後は、乳頭がんや濾胞がんでは比較的良好ですが、未分化がんでは厳しい状況になります。いずれの場合も、緩和ケアを積極的に活用し、生活の質を保ちながら治療を進めることが大切です。

治療の選択に迷ったり、不安を感じたりした時は、医療チームとしっかりコミュニケーションを取り、納得のいく治療を選んでいきましょう。ICVS東京クリニックでは、患者さま一人ひとりに寄り添い、最良の治療選択をともに考えるパートナーとして、支え続けてまいります。

甲状腺がんでお悩みの方、治療の選択肢を広げたい方は、ぜひ一度ICVS東京クリニックにご相談ください。専門医が丁寧にお話を伺い、最適な治療計画をご提案いたします。

著者情報

ICVS東京クリニック 理事長 蓮見 賢一郎

 

【経歴】

埼玉医科大学卒業。

東京大学医科学研究所を経て、現在は米国法人 蓮見国際研究財団理事長。

世界各国で『国際がんワクチン・シンポジウム』を開催し、がん免疫療法の啓蒙と研究活動を推進している。

米国Thomas Jefferson 大学 Kimmel Cancer Center に研究講座を開設、同大学の客員教授。

ブルガリアPleven 医科大学より、がん免疫療法の研究活動に対して名誉博士号授与。

その他、米国Maryland 州立大学、ドイツ Erlangen 大学との共同研究や、マレーシア国民大学(UKM)との臨床試験を行っている。

抗がん剤の副作用はなぜ起こる?仕組みと治療継続のために知っておきたいことがん2026/01/07(水)

抗がん剤治療と副作用・・・多くの患者さんが抱える不安

がんと診断されたとき、多くの方が「抗がん剤治療」という言葉に不安を感じます。

「髪が抜けるのではないか」「吐き気で苦しむのではないか」・・・そんな心配を抱えながら治療に臨む方は少なくありません。実際に、抗がん剤治療には副作用が伴うことが多く、その症状や程度は患者さんによって異なります。

しかし、なぜ抗がん剤には副作用が起こるのでしょうか。その仕組みを理解することで、治療への不安を少しでも軽減し、前向きに向き合うことができるかもしれません。

この記事では、抗がん剤の副作用が起こるメカニズムから、具体的な症状、そして治療を継続するために知っておきたい情報まで、医療現場の視点から詳しく解説します。

抗がん剤の副作用が起こる仕組み

抗がん剤の副作用は、薬剤ががん細胞だけでなく正常な細胞にも影響を与えることによって起こります。

細胞分裂の盛んな細胞が影響を受けやすい

 

従来から存在する抗がん剤(細胞障害性抗がん剤)は、細胞の分裂を障害することでがん細胞を攻撃します。がん細胞は通常の細胞よりも活発に分裂するため、抗がん剤の標的となりやすいのです。

しかし、正常な細胞の中にも分裂が盛んなものがあります。消化管の粘膜、骨髄の造血細胞、毛根の細胞などがその代表例です。これらの細胞も抗がん剤の影響を受けてしまうため、副作用として様々な症状が現れます。

脳の嘔吐中枢への刺激

 

吐き気や嘔吐は、抗がん剤が脳の嘔吐中枢を刺激することで起こります。また、消化管の粘膜が直接ダメージを受けることも、これらの症状の原因となります。

現在では、吐き気止めの薬(制吐剤)が発達しており、予防的に使用することで症状をかなり抑えることができるようになっています。

副作用の出現時期には一定のパターンがある

 

抗がん剤の副作用には、症状が出てくる時期がある程度決まっています。治療直後にはアレルギー反応が、治療から1~2週間程度の期間には吐き気や食欲低下、だるさ、口内炎、下痢などが、2週間以降には脱毛や手足のしびれ、皮膚の異常などが現れることが多いです。

出典一般社団法人がん患者支援協会「抗がん剤の副作用について」より作成

抗がん剤の主な副作用とその特徴

抗がん剤による副作用は多岐にわたります。ここでは、特に患者さんの生活に影響を与えやすい副作用について詳しく解説します。

血液毒性・・・感染症や出血のリスク

 

骨髄における造血機能が抑制されることで、白血球減少、好中球減少、血小板減少、貧血などが起こります。

白血球減少では、細菌などで感染しやすい状態になります。白血球減少自体に自覚症状はありませんが、感染を起こした場合にその症状が現れます。

好中球減少では、熱が出たり、口や肛門の周りに痛みを伴うびらんが発生したりすることがあります。重度の感染症を起こすリスクもあるため、注意が必要です。

血小板減少では、出血が起こりやすく、血が止まりにくくなります。あおあざができやすくなったり、手足に点状出血がみられたりすることがあります。

貧血では、立ち眩み、息切れ、めまい、ふらつき、頭痛、胸の痛みなどの症状が起こります。

消化器毒性・・・日常生活への影響が大きい症状

 

消化管の粘膜は細胞分裂が盛んなため、抗がん剤の影響を受けやすい部位です。

吐き気・嘔吐は、脳の嘔吐中枢が刺激されることや、消化管の働きが乱れることによって起こります。現在では制吐剤の発達により、予防的に使用することで症状をかなり抑えることができます。

食欲不振は、吐き気や倦怠感、味覚の変化などが複合的に影響して起こります。何日にもわたり食欲不振が続く場合は、医療機関に相談することが大切です。

下痢は、腸の運動が活発になり水分が十分に吸収される前に排泄される早発性下痢と、腸の粘膜が傷付けられることにより起こる遅発性下痢があります。

口内炎は、口の粘膜が抗がん剤によってダメージを受けるために起こります。痛みが強く、食事も口からとることができないほどになることもあります。

脱毛・・・外見の変化による心理的影響

 

毛根の細胞は活発に分裂するため、抗がん剤の影響を受けやすいです。髪の毛だけでなく、眉毛やまつ毛、体毛も抜けることがあります。

治療が終われば徐々に再び生えてきますが、治療中の外見の変化は患者さんの心理的負担となることがあります。

末梢神経障害・・・日常動作への影響

 

手や足の指先がピリピリとしびれたり、感覚が鈍くなったりします。物がつかみにくくなったり、ボタンがかけにくくなったりするなど、日常生活に支障をきたすこともあります。

症状の出方や程度には個人差があり、治療終了後も症状が残る場合があります。

抗がん剤の種類による副作用の違い

抗がん剤には複数の種類があり、それぞれ作用の仕組みや副作用の特徴が異なります。

細胞障害性抗がん剤

 

細胞障害性抗がん剤は、がん細胞の分裂や増殖を直接妨げる薬剤です。がん細胞のDNAやRNAの合成を阻害したり、細胞分裂に必要な構造を破壊したりします。

分裂が盛んな血液細胞や消化器官の細胞、毛根などの正常な細胞も影響を受けやすく、骨髄抑制や脱毛、吐き気といった副作用が生じることがあります。

分子標的薬

 

分子標的薬は、がん細胞に特有の分子や異常な信号伝達経路を狙って作用する抗がん剤です。正常細胞への影響を抑えながらがん細胞を標的にすることを目指しています。

従来の抗がん剤に比べて副作用が軽い傾向がありますが、皮膚症状や高血圧、肝機能障害などの副作用が現れることもあります。発熱、吐き気、寒気、だるさ、皮膚の発疹などが一般的です。

免疫チェックポイント阻害剤

 

免疫チェックポイント阻害剤は、がん細胞が免疫から逃れる仕組みを抑え、患者さんの免疫システムを活性化してがん細胞を攻撃する薬剤です。

免疫のブレーキをブロックして活性化させるため、免疫が働き過ぎることによる副作用が現れる可能性があります。この免疫に関与した副作用は「免疫関連有害事象(irAE)」と呼ばれ、皮膚、消化管、肝臓、肺、ホルモン産生臓器に比較的多く現れます。

出典ファイザー株式会社「がん治療~薬物療法とは(抗がん剤など)|がんを学ぶ」より作成

抗がん剤治療を継続するために知っておきたいこと

抗がん剤治療は、副作用との向き合い方が治療継続の鍵となります。

副作用は個人差が大きい

 

抗がん剤の副作用は、患者さん一人ひとりの体質や、使用する薬の種類、投与量、治療期間によって大きく異なります。同じ薬を使っても、症状の出方や程度は人それぞれです。

また、抗がん剤単独の治療では30~40%のがんに対して効果があるとされていますが、これは逆に言えば、60~70%のがんには効かない可能性があるということです。使ってみなければ効果があるかどうかは判断できません。

副作用対策の進歩

 

近年では、副作用を軽減するための薬やサポート治療が進歩しており、患者さんの負担を和らげるための選択肢が拡大しています。

吐き気止めの薬(制吐剤)の発達により、予防的に使用することで症状をかなり抑えることができるようになっています。また、口内炎や皮膚障害などに対しても、適切なケアや対症療法が確立されてきています。

治療を中止する判断基準

 

抗がん剤治療を中止する主なケースは、以下のとおりです。

  • 治療に有効な抗がん剤がなくなった場合・・・がんの症状が悪化し、使える薬剤が限られてきた状態
  • 体調が悪化し、治療の継続が困難になった場合・・・全身状態の低下により治療に耐えられない状態
  • QOL(生活の質)の維持を優先する場合・・・患者さん自身が治療を希望しないケース

がん患者さんの全身状態を評価する指標である「パフォーマンス・ステータス(PS)」は、0~4の5段階で日常生活の制限の程度を示します。PS3以上の場合では使える抗がん剤はあるものの、積極的に治療が行われるケースは少ないと言われています。

出典がん患者支援サイト「抗がん剤は効かなくなる場合がある? 余命との関係性と抗がん剤治療」より作成

免疫療法という選択肢・・・HITV療法について

抗がん剤治療の副作用に不安を感じる方や、標準治療に限界を感じている方に向けて、免疫療法という選択肢があります。

HITV療法の特徴

 

ICVS東京クリニックで行われているHITV療法(Human Initiated Therapeutic Vaccine)は、免疫の司令塔である「樹状細胞」を活用した免疫細胞療法です。

樹状細胞は、攻撃対象となるがん細胞の情報を学習・獲得し、高い攻撃力を持つ免疫細胞CTL(キラーT細胞)にその情報を伝達する役目を持ちます。その情報に基づき、体内に誘導されたCTLが効率的にがん細胞を攻撃・排除します。

樹状細胞を腫瘍へ直接投与する独自技術

 

HITV療法の大きな特長のひとつが、樹状細胞をCTガイド下で腫瘍内へ直接投与する独自の方法です。

リアルタイムのCT画像をもとに、穿刺によって樹状細胞を腫瘍内へ正確に直接投与する高度な医療技術により、樹状細胞の機能を最大限引き出します。これにより、がんの情報をより正確に免疫細胞へ伝えることが期待されます。

身体への負担が比較的少ない治療法

 

HITV療法は、患者さんご自身の体内にあるがんの情報をもとに免疫細胞を働かせ、体の内側からがん細胞に向き合うことを目的とした治療法で、身体への負担が比較的少ない点も特徴とされています。

治療はすべて外来通院で行われ、入院の必要はありません。遠方から来院される方への配慮や、治療期間・費用についても事前にしっかり話し合う姿勢が取られています。

ステージⅣの進行がん・再発がんに特化

 

HITV療法は、ステージⅣの進行がんや再発がんなど、一般的な治療では難しいとされるケースに対しても、「治すことをあきらめない」という姿勢で診療にあたっています。

また、がん発症予防・再発予防としてpreHITV療法も受けることができます。

※HITV療法は、日本国内における医薬品医療機器等法において未承認であり、保険適用外の自由診療となります。

まとめ・・・副作用の仕組みを理解し、前向きに治療と向き合う

抗がん剤の副作用は、薬剤ががん細胞だけでなく正常な細胞にも影響を与えることによって起こります。

消化管の粘膜、骨髄の造血細胞、毛根の細胞など、細胞分裂が盛んな正常細胞も影響を受けるため、吐き気、脱毛、血液毒性、口内炎などの症状が現れます。副作用の出現時期や程度には一定のパターンがありますが、個人差も大きいです。

近年では、副作用を軽減するための薬やサポート治療が進歩しており、患者さんの負担を和らげるための選択肢が拡大しています。また、免疫療法という新たな選択肢も登場しており、抗がん剤治療との併用や、標準治療に限界を感じた方への代替療法として注目されています。

治療への不安や疑問がある場合は、主治医や医療スタッフに相談し、納得したうえで治療方針を決めることが大切です。

ICVS東京クリニックでは、患者さん一人ひとりの状態や治療歴、生活背景を踏まえたオーダーメイドの治療計画を重視しています。事前診断では、PET-CTなどの画像データや血液検査結果をもとに、治療の適応や見通しについて丁寧な説明が行われ、納得したうえで治療を検討できる体制が整えられています。

「今の治療に不安がある」「別の視点から話を聞いてみたい」と感じたとき、相談先のひとつとして検討されてみてはいかがでしょうか。

詳しい情報や治療のご相談については、ICVS東京クリニックの公式サイトをご覧ください。

著者情報

ICVS東京クリニック 理事長 蓮見 賢一郎

 

【経歴】

埼玉医科大学卒業。

東京大学医科学研究所を経て、現在は米国法人 蓮見国際研究財団理事長。

世界各国で『国際がんワクチン・シンポジウム』を開催し、がん免疫療法の啓蒙と研究活動を推進している。

米国Thomas Jefferson 大学 Kimmel Cancer Center に研究講座を開設、同大学の客員教授。

ブルガリアPleven 医科大学より、がん免疫療法の研究活動に対して名誉博士号授与。

その他、米国Maryland 州立大学、ドイツ Erlangen 大学との共同研究や、マレーシア国民大学(UKM)との臨床試験を行っている。

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