
「免疫療法に興味があるけれど、HITV療法と点滴で行う全身投与はどう違うの?」と疑問をお持ちではないでしょうか。進行がんや再発がんの治療選択肢を調べていると、さまざまな免疫療法の情報に出会います。その中でもHITV療法の最大の特徴は、樹状細胞をCTガイド下で腫瘍の中に直接届ける「局所投与」にあるという点です。全身投与と比べて免疫細胞を病巣へ集中させやすい設計になっており、これが治療の考え方を大きく変えています。この記事では、HITV療法と全身投与の仕組みの違いを丁寧に解説します。
標準治療(抗がん剤・放射線)が思うように効かなくなったとき、多くの患者さまやご家族が免疫療法という選択肢を調べ始めます。しかし、ひとくちに「免疫療法」「免疫細胞療法」といっても、投与する場所と方法によって治療の設計はまったく異なります。
特によく聞かれるのが、「点滴で体全体に免疫細胞を流す方法(全身投与)」と「がんのある場所に直接注入する方法(局所投与)」の違いです。どちらがご自身の状況に合っているのか、まず基本的な仕組みの違いを理解しておくことが大切です。
免疫細胞療法とは、患者さま自身の血液から採取した免疫細胞(主にリンパ球や樹状細胞)を体外で培養・強化し、再び体内に戻すことでがんへの免疫応答を高めることを目指す治療です。外科手術・抗がん剤・放射線という三大標準治療とは異なるアプローチであり、自由診療として提供されています。
代表的な免疫細胞として用いられるのが「樹状細胞(じゅじょうさいぼう)」です。樹状細胞は免疫の司令塔とも呼ばれ、がん細胞の情報をキラーT細胞に伝える重要な役割を担っています。
免疫細胞療法=すべて点滴で行うものだ、と思われている方が少なくありません。しかし実際には、投与経路(どこへ届けるか)が治療設計の根幹に関わります。全身に流す方法と、局所に集中させる方法とでは、免疫細胞がどこで、どのようにがん細胞と向き合うかがまったく異なります。「免疫療法を受けた」という事実よりも、「どの方法で、どこへ届けるか」を理解した上で選択することが重要です。
ステージⅣの進行がんや再発がんの患者さまは、「もう標準治療では打つ手がない」「副作用で体がもたない」という状況の中で情報を集めておられます。そのような方にとって、免疫療法の仕組みを正しく理解することが治療選択の第一歩になります。まずは各投与方法の仕組みを知ることから始めましょう。

HITV療法と全身投与の違いを理解するには、それぞれの「免疫細胞をどこへ届けるか」という設計思想の違いを把握することが大切です。以下に3つのポイントで整理します。
全身投与(静脈内投与)は、強化した免疫細胞を点滴などで血流にのせて全身に巡らせる方法です。血流を通じて体内を循環するため、理論上はどの部位のがんにも届く可能性があります。一方で、血液中に放出された免疫細胞が実際にがん組織の内部まで到達し、効果的に働くためには多くのステップを経る必要があります。がん組織は独自の免疫回避の仕組みを持っているため、外部から送り込まれた免疫細胞がその壁を突破することは容易ではないとされています。
HITV療法(Human Immuno-cell Tumor Vaccination療法)は、CTガイド下でリアルタイムに針の位置を確認しながら、樹状細胞を腫瘍組織の中に直接注入する局所投与法です。腫瘍内部という免疫細胞が最も働きかけやすい環境に直接届けることで、がん抗原を提示する樹状細胞の活性化を促します。血流に乗せて全身を回す必要がないため、免疫細胞を病巣へ集中的に送り届けることができます。ICVS東京クリニックが独自開発したこの方法は、2008年の開院以来、世界2,000名以上の治療実績を積み重ねています(個人差があります)。
「CTガイド下」とは、CTスキャンの画像をリアルタイムで確認しながら、針の先端が腫瘍の適切な位置に届いているかを確認しつつ投与を行う手法です。医師が画像を見ながら操作するため、針の位置を精密にコントロールできるのが特徴です。この技術により、体表から離れた深部の腫瘍に対しても、適切な位置に樹状細胞を届けることが可能になります。なお、治療の詳細な実施条件や適応については担当医が個別に判断します。
| 比較項目 | 全身投与(静脈内投与) | HITV療法(腫瘍内局所投与) |
|---|---|---|
| 投与方法 | 点滴・静脈注射 | CTガイド下で腫瘍内へ直接注入 |
| 届け先 | 血流を通じて全身へ | 腫瘍組織の内部へ集中 |
| 主な免疫細胞 | NK細胞・CTL等 多様 | 樹状細胞(免疫の司令塔) |
| 医師による画像確認 | 基本的に不要 | CTでリアルタイム確認 |
| 入院の必要性 | クリニックにより異なる | 日帰り外来通院(原則) |
| 標準治療との併用 | 可能な場合あり | 原則として併用可能 |
※上表はあくまでも一般的な特徴の比較です。実際の適応や治療内容は患者さまの状態・腫瘍の種類・場所により異なります。必ず専門医にご相談ください。
なぜHITV療法は腫瘍内への直接投与という方法を選ぶのでしょうか。その背景には、がんの免疫逃避というメカニズムへの対応があります。

がん細胞は長い時間をかけて体の免疫監視から逃れる仕組みを発達させてきます。腫瘍内部には「免疫抑制性微小環境」と呼ばれる特殊な環境が形成されており、外から免疫細胞が来ても働きを抑制されやすい状態になっています。全身投与では、この免疫抑制の壁を突破することが難しいケースがあると研究者の間で指摘されています。
HITV療法が腫瘍内直接投与を選ぶのは、免疫の司令塔である樹状細胞をあえてその環境の中に送り込み、その場でがん抗原を認識・提示させることを狙っているためです。樹状細胞が腫瘍内でがん抗原の情報をキラーT細胞に伝えることで、全身の免疫応答を引き起こすことが期待されています(個人差があります)。
HITV療法で主役となる「樹状細胞」は、免疫細胞の中でも特に抗原提示能力が高い細胞です。がん細胞の断片(がん抗原)を取り込み、それをキラーT細胞に見せて「これを攻撃せよ」という指令を出す役割を持ちます。樹状細胞が腫瘍内でうまく機能することで、患者さま自身の免疫細胞ががんを認識し攻撃するよう促す効果が期待されます。
患者さまご自身の血液から採取した単球を体外で樹状細胞に分化・培養したものを用いるため、拒絶反応のリスクは低いとされています。ただし、効果・経過には個人差があります。
ICVS東京クリニックでは、東京都千代田区の院内に国際GMP基準に準拠した細胞培養加工施設(CPC)を完備しています。患者さまから採取した血液細胞を高品質な環境で培養・管理し、そのまま院内で投与まで一貫して対応できる体制を整えています。外部委託ではなく院内で培養管理を行うことで、細胞の品質と鮮度を保ったまま投与できる環境を維持しています。
「どんな流れで治療が進むのか」「どれくらい通院が必要なのか」は患者さまが最も気になる点の一つです。以下に一般的な流れを解説します(個人差があります。実際のスケジュールは担当医が個別に決定します)。
まず医療相談(電話・オンライン・対面、税込11,000円)または初診(税込33,000円)にてお体の状態・これまでの治療歴・検査結果をお聞きします。その後、担当医師がオーダーメイドの治療計画を立案します。HITV療法の治療費(総額)は治療計画の内容により異なるため、詳しくはご相談ください。
患者さまの血液を採取し、院内CPCにて樹状細胞を培養・調製します。培養期間は概ね1〜2週間程度が目安です(状態により異なります)。培養中は通院不要の期間となります。
培養が完了した樹状細胞を、CTガイド下で腫瘍内に直接投与します。基本的に日帰り外来通院で行われます。入院の必要がないため、お仕事やご家庭の事情に合わせて通院しやすいのが特徴です。投与後は経過を観察しながら、必要に応じて複数回の投与サイクルを繰り返します。
⚠ ご注意・重要事項
HITV療法は自由診療(全額自己負担)です。公的医療保険は適用されません。治療費は治療計画の内容により異なります。治療効果・副作用・リスクについては患者さまの状態により大きな個人差があります。治療を受けるかどうかは、十分な説明を受けた上でご自身でご判断ください。標準治療が受けられる場合は、まず主治医にご相談ください。
HITV療法は標準治療(手術・抗がん剤・放射線治療)との併用が原則として可能です。「免疫療法を受けると抗がん剤をやめなければならないのでは?」と心配される患者さまもいらっしゃいますが、現在受けている標準治療を継続しながら並行して取り組むことができます(ただし個々の状況により判断が必要です)。まずは担当医にご相談ください。
東京都千代田区のICVS東京クリニックでは、遠方からお越しの患者さまを含む国内外の方々が治療を受けておられます。日本語・英語・中文での対応が可能です。
ICVS東京クリニックが患者さまにお伝えしたいのは、治療の仕組みだけでなく、「どのような姿勢で患者さまに向き合うか」という点です。

「自分に合っているかどうか知りたい」「詳しく話を聞いてみたい」という段階からご相談いただけます。まずはお気軽にお問い合わせください。
診療時間:9:00〜12:00 / 13:00〜17:00(土・日・祝休診)|完全予約制

「標準治療を続けてきたけれど、もう選択肢がないと言われた」「ステージ4と診断されてから、次に何ができるのかを必死に調べている」——そんな状況にある患者さまやご家族にこそ、この記事を読んでいただきたいと思います。
結論からお伝えすると、ステージ4の進行がん・再発がんであっても、HITV療法という免疫細胞療法の選択肢を検討できるケースがあります。HITV療法は、患者さまご自身の樹状細胞を用いて免疫の力でがんに働きかける治療法で、標準治療との併用も可能です。
この記事では、HITV療法がどのような仕組みで、どのようなケースで検討されるのかを、できるかぎりわかりやすくご説明します。治療を受けるかどうかの判断はあくまでご本人・ご家族が主体です。まずは正しい知識を持っていただくことを目的に書いています(個人差がありますので、具体的な適応については専門医へのご相談をお勧めします)。
ステージ4(進行がん・転移がん)と診断された患者さまの多くが、抗がん剤・放射線・手術といった標準治療を一通り経験されたあとに「これ以上の治療は難しい」という言葉に直面します。そのとき、「何もしない」以外の選択肢を探すことは、決してあきらめではありません。
実際に免疫療法の情報を調べ始める患者さまのうち、多くは標準治療が奏効しなくなった段階や、副作用で治療継続が困難になった段階でHITV療法のような免疫細胞療法に関心を持たれます。「免疫療法は怪しいのでは」「効果があるのかどうかわからない」という不安の声もよく耳にします。この記事では、そのような疑問に一つひとつ向き合いながら解説していきます。
免疫療法について、よくある誤解のひとつが「標準治療がすべてダメになってから試すもの」という認識です。しかし免疫細胞療法は、体力が著しく低下する前の段階で検討するほうが、より有効に機能する可能性があるとされています。体内の免疫細胞を活性化・培養して使う治療である以上、患者さまの体の状態が治療の土台になるからです。
「もう少し早く知りたかった」と後悔されるご家族の声も少なくありません。ステージ4であっても、状態が安定しているうちに選択肢を増やしておくことが、後悔を減らすひとつの方法です。
ステージ4の診断後に多くの方が共通して抱える悩みには、次のようなものがあります。標準治療以外の選択肢がわからない、自由診療の情報が多すぎて何が正しいかわからない、治療への期待と不安が入り混じっている、家族の気持ちと自分の気持ちのすり合わせが難しい——こうした複雑な感情は、ごく自然なものです。
そのような状況だからこそ、正確な情報を持ったうえで、自分たちで考え、選ぶことが大切です。以下では、HITV療法の仕組みや対象ケースを具体的にご説明します。
HITV療法を理解するうえでまず知っておきたいのが、「樹状細胞」という免疫細胞の役割です。樹状細胞は体内に存在する免疫細胞のひとつで、がん細胞などの「異物」の情報をTリンパ球に伝える「司令塔」のような役割を担っています。
がんが進行している状態では、この樹状細胞の働きが弱まっていたり、がん細胞が免疫から逃れる仕組みを持っていたりすることがあります。HITV療法では、患者さまご自身の血液から採取した樹状細胞を体外で培養・活性化し、それをがん病巣に直接届けることで、免疫の力を再び引き出すことを目指します。

樹状細胞はTリンパ球に「これがんです」と教える役割を持ちます。体外で活性化した樹状細胞をがん病巣に届けることで、眠っていた免疫応答を再び呼び覚ますことが期待されます(個人差があります)。
一般的な免疫細胞療法が点滴(静脈投与)で全身に届けるのに対し、HITV療法ではCT(コンピュータ断層撮影)を使った画像ガイド下で、活性化した樹状細胞を腫瘍内部に直接投与します。がん病巣の局所に免疫の司令塔を届けることで、より直接的な免疫応答を促すことを目指しています(個人差があります)。
採取した樹状細胞は、院内に整備された国際GMP基準の細胞培養加工施設(CPC)で培養・活性化されます。培養から投与まで一貫した品質管理のもとで行われることが、HITV療法の治療精度を支えています。
抗がん剤や放射線治療は、がん細胞を直接攻撃・破壊することを目的とした治療です。一方でHITV療法は、患者さま自身の免疫機能を介してがんに働きかけるアプローチです。がん細胞を直接攻撃するのではなく、免疫細胞が自らがんを認識・排除できるよう後押しする、という考え方に基づいています。
このため、標準治療とは作用の仕組みが異なり、原則として標準治療と並行して行うことが可能です。ただし、実際に併用できるかどうかは患者さまの状態や治療内容によって異なりますので、担当医との十分な相談が必要です。
ステージ4の患者さまがHITV療法を検討されるきっかけや状況には、いくつかの共通したパターンがあります。以下に代表的なケースを整理します。なお、実際の適応は患者さまの状態・がんの種類・これまでの治療歴などによって異なり、担当医による個別の判断が必要です。
✅ HITV療法が検討されやすいケース
⚠️ 事前に確認が必要なケース
上記はあくまで一般的な目安です。実際に適応かどうかは、専門医が患者さまの検査データや状態を総合的に判断して決定します。「自分は対象になるだろうか?」と思った段階で、まずは医療相談(電話・オンライン・対面)からご相談いただくことをお勧めします。
HITV療法はさまざまな固形がんに対して治療実績があります。肺がん・肝臓がん・膵臓がん・大腸がん・胃がん・乳がん・前立腺がん・腎臓がんなど、多くの固形がん種で相談実績があります。血液がん(白血病・リンパ腫など)については、固形がんとは異なる特性があるため、まずはご相談ください。
重要なのは、がんの種類よりも「腫瘍内に樹状細胞を投与できる病巣があるかどうか」が適応の重要な判断軸のひとつになるという点です。これはCTガイド下投与という方法の特性によるものです。
HITV療法は、現在の標準治療(抗がん剤・放射線・分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬など)と並行して行うことが原則として可能です。ただし、使用している薬剤や治療内容によっては調整が必要な場合もあるため、主治医とも連携しながら治療計画を立てます。
「標準治療をやめてHITV療法に切り替えなければならない」ということではありませんので、現在の治療を続けながら選択肢を広げたいとお考えの方も、まずはご相談ください。

⚠️ ご注意ください
HITV療法は自由診療(保険適用外)です。治療費は全額自己負担となります。また、治療の効果には個人差があり、すべての患者さまに同じ効果が得られることを保証するものではありません。治療を受けるかどうかは、専門医との十分な相談のうえでご判断ください。現在の主治医への相談も重要です。
HITV療法の治療は、完全予約制・日帰り外来通院で行われます。入院は不要です。以下に一般的な流れをご紹介します(個人差があります)。
| ステップ | 内容 | 目安 |
|---|---|---|
| ①相談・問い合わせ | 電話・オンライン・対面での医療相談 | 税込11,000円 |
| ②初診・診察 | 医師による診察・検査データ確認・治療方針のご説明 | 税込33,000円 |
| ③採血・培養 | 血液採取→院内CPCにて樹状細胞の培養・活性化 | 数週間程度(個人差あり) |
| ④CTガイド下投与 | CT画像を確認しながら腫瘍内部へ直接投与(外来日帰り) | 要相談 |
| ⑤経過観察 | 定期的な画像検査・血液検査で効果を確認しながら継続判断 | 個人差あり |
HITV療法は自由診療(保険適用外)のため、治療費は全額自己負担となります。医療相談(電話・オンライン・対面)は税込11,000円、初診料は税込33,000円です。HITV療法の治療費(総額)およびCTガイド下投与オプションの費用については、患者さまの状態・治療計画によって異なるため、個別にご相談ください。
「費用を先に知ってから考えたい」という方のために、医療相談の段階でおおよその治療計画と費用の見通しをご説明することが可能です。まずはお気軽にご相談ください。
HITV療法では、患者さまお一人おひとりの状態・がんの種類・これまでの治療歴・現在の体の状態をもとに、個別の治療計画を立てます。投与回数・間隔・併用療法の組み合わせは、画一的なプロトコルではなく、患者さまに最も適した形でオーダーメイドで組み立てられます。
国内だけでなく海外からの患者さまも多く、日本語・英語・中文でのご対応が可能です。遠方の方や来日される方も、まずはオンライン相談からご検討ください。
ICVS東京クリニックは、2008年の開院以来、東京都千代田区でHITV療法(樹状細胞のCTガイド下腫瘍内直接投与)に特化した専門クリニックとして治療を続けてきました。これまでに世界2,000名以上の患者さまへの治療実績があります。
患者さまが抱える不安に向き合い続けてきたからこそ、「まず丁寧に説明する」「患者さまご自身が納得して選ぶ」という姿勢を何より大切にしています。

「自分は対象になるか」「現在の治療と併用できるか」など、どんな小さな疑問でも構いません。東京都千代田区のICVS東京クリニックが、患者さまとご家族の力となるべく丁寧にご説明いたします。

「再発と告げられた瞬間、頭が真っ白になった」――そうおっしゃる患者さまやご家族は少なくありません。がん再発という現実を前にして、「もう治療の選択肢はないのだろうか」「長く生きることはできないのだろうか」と深刻な不安を抱えておられることと思います。
結論からお伝えすると、がん再発後であっても、治療の選択肢はゼロではありません。免疫の力を活用するアプローチや、標準治療と組み合わせる方法など、近年では複数の選択肢が存在します。世界2,000名以上の治療実績を持つ専門クリニックの知見をもとに、再発がんと向き合うために知っておきたいことを、この記事でわかりやすくお伝えします。
がんが再発したとき、多くの患者さまは「もう治療の道は閉ざされてしまった」という感覚に陥ります。主治医から「これ以上の標準治療は難しい」と告げられれば、その気持ちはいっそう強くなるでしょう。しかし、標準治療の限界=すべての治療の限界ではありません。医療の世界は、標準治療の枠の外にも広がっています。
再発がんに直面した患者さまとご家族が抱える不安は、大きく分けると「身体的な不安」と「情報の不安」の二種類に整理できます。身体的な不安はもちろんですが、「正確な情報が得られない」「何を信じればよいかわからない」という情報の不安も、精神的な負担を大きくする要因です。
再発がんについての最も多い誤解が、「再発したら打つ手がない」というものです。実際には、再発後の治療目標は「がんとうまく共存しながら生活の質を保ち、生存期間を延ばすこと」にシフトするケースが多くあります。完全な消失を目指す治療だけが選択肢ではなく、がんの進行を抑えながら長期的に生活を送ることを目指すアプローチも存在します。
また、「免疫療法はすべて同じ」と思われている方も多いのですが、免疫療法にはさまざまな種類があり、そのメカニズムや対象となるがんの種類、期待できる効果も異なります。どのアプローチが自分に合っているかは、個々の状態によって異なるため、専門的な情報収集が重要です。
東京都千代田区をはじめとする首都圏には、がん治療の専門施設が集まっています。国内だけでなく、海外在住の日本人患者さまや、日本の医療を求めて来日される方々も少なくありません。言語対応(日本語・英語・中文)が整った施設への需要は高まっており、再発がんの患者さまが「最後の一手」ではなく「新しい一手」を求めて相談に来られるケースが増えています。

そもそも、なぜがんは再発するのでしょうか。手術・抗がん剤・放射線などの標準治療でがんを縮小・除去できたとしても、ごく少数のがん細胞が体内に残存することがあります。これらの残存がん細胞は休眠状態になったり、免疫システムの監視を巧みにかいくぐったりして、一定期間が経過した後に再び増殖を始めることがあります。これが「再発」の主なメカニズムです。
特に問題となるのが、がん細胞が免疫細胞の攻撃を回避するために獲得する「免疫逃避機構」です。がん細胞は自らの表面にある目印(抗原)を変化させたり、免疫細胞の働きを抑制する物質を放出したりすることで、体の防御システムをすり抜けようとします。
手術・抗がん剤・放射線でがんが消えたように見えても、画像に映らないほど微小ながん細胞が体内に残っている場合があります。これが再発の主な原因のひとつです。治療後のフォローアップが重要な理由はここにあります。
がん細胞は免疫細胞(T細胞やNK細胞など)の攻撃を回避するための仕組みを獲得することがあります。この「免疫逃避」が起きると、体の防御システムが正常に機能していてもがんが増殖します。免疫療法はこのメカニズムに直接アプローチするものです。
抗がん剤治療を続けるうちに、がん細胞がその薬に対して耐性を獲得してしまうケースがあります。このため、以前は効果があった治療が次第に効きにくくなることがあります。薬剤耐性は再発がん治療の大きな課題のひとつです。
「ステージⅣ(進行がん)」と「再発がん」は似ているように聞こえますが、医学的には区別されます。ステージⅣは診断時点で他の臓器への転移が認められた状態を指し、再発がんは一度治療でコントロールされた後に再び増殖・転移した状態を指します。いずれの場合も、治療方針の選択には専門医との十分な相談が必要です。個人差はありますが、どちらの状態からでも長期的な生存を目指した治療アプローチが検討できる場合があります。
がんの標準治療(手術・抗がん剤・放射線療法)は、科学的なエビデンスに基づいた治療であり、多くの患者さまにとって治療の主軸となります。しかし、再発がんや進行がんに対しては、標準治療だけでは十分な効果が得られないケースも少なくありません。薬剤耐性の問題、副作用による体力の消耗、適用できるがんの種類の限界などが背景にあります。
だからといって、標準治療を否定するわけではありません。再発がんの治療において重要なのは、標準治療を「続けるか、やめるか」の二択で考えるのではなく、「他のアプローチと組み合わせることで、より良い効果が期待できないか」という視点を持つことです。
近年注目されているのが、免疫細胞療法(免疫療法)です。これは患者さま自身の免疫システムを強化・活用して、がん細胞を攻撃する力を高めるアプローチです。免疫チェックポイント阻害剤などの薬物療法も免疫療法の一種ですが、細胞を使った治療(細胞療法)は、患者さまの体から採取した免疫細胞を体外で培養・活性化させ、再び体内に戻すという方法をとります。
免疫細胞療法には複数の種類がありますが、中でも樹状細胞(デンドリティックセル)を用いた治療は、がん細胞の特徴(抗原)を免疫システムに「覚えさせる」ことで、体自身の免疫細胞をがんに対して効果的に動員させることを目的としています。
✅ 免疫細胞療法のメリット
⚠️ 免疫細胞療法の注意点
再発がん治療における近年のアプローチとして重要なのが、標準治療と免疫細胞療法の「併用」です。抗がん剤や放射線はがん細胞を直接攻撃する一方で、免疫細胞療法は体の免疫システムを整え、残ったがん細胞への攻撃力を維持・向上させることを目指します。この二つを組み合わせることで、相乗的な効果が期待できる場合があります(個人差があります)。
ただし、どの治療を組み合わせるかは患者さまの状態・がんの種類・これまでの治療歴によって大きく異なります。自己判断で組み合わせを決めることなく、専門医との丁寧な相談のもとで治療計画を立てることが重要です。
⚠️ 注意:インターネット上の情報には注意が必要です
「がん再発」「免疫療法」などのキーワードで検索すると、根拠の不明確な情報や誇大な表現を含む情報も混在しています。治療の選択は必ず専門医への相談を経て行ってください。信頼できる施設かどうかは、細胞培養加工施設(CPC)の有無や治療実績の透明性なども判断材料になります。
一般的な樹状細胞療法では、培養した樹状細胞を点滴などで静脈内に投与します。これに対してHITV療法では、CTガイド下で樹状細胞を腫瘍の内部に直接投与するという独自のアプローチをとっています。画像誘導を用いることで、投与部位の精度を高め、腫瘍局所に直接働きかけることを目指した方法です。
この直接投与という手法により、腫瘍内に存在するがん抗原を樹状細胞が効率よく取り込み、免疫細胞(T細胞など)への提示を促すことが期待されています。これにより体全体の抗腫瘍免疫応答を引き出すことを目的としています(効果には個人差があります)。
HITV療法の特徴のひとつが、国際GMP基準に準拠した細胞培養加工施設(CPC)を院内に保有している点です。患者さまから採取した細胞は、この施設で厳格な品質管理のもとで培養・加工されます。院内にCPCを持つことで、培養から投与までの一貫した管理が可能になります。
細胞療法における品質管理は、治療の信頼性を左右する重要な要素です。施設を選ぶ際には、こうした設備の有無を確認することが、安心して治療を受けるための一つの判断材料になります。
HITV療法は完全予約制・日帰り外来通院で受けることができます。治療の流れは大きく、①医療相談・初診→②詳細な検査・治療計画の策定→③細胞の採取・培養→④CTガイド下での投与、という流れになります。各ステップで患者さまとの丁寧なコミュニケーションが行われ、個々の状態に応じたオーダーメイドの治療計画が立案されます。
料金については、医療相談(電話・オンライン・対面)が税込11,000円、初診料が税込33,000円となっており、HITV療法治療費の総額は治療計画によって異なるため、相談のうえでご案内しています(全額自己負担の自由診療です)。

「治す」ことを決してあきらめず、これまでの治療の限界を超えて、がんから解放されるために――ICVS東京クリニックはその思いで開院以来、診療を続けてまいりました。
再発がんや進行がんと診断された患者さまやご家族にとって、「まだできることがある」と感じていただける選択肢をご提供したい。そのために、独自開発のHITV療法と院内CPC体制を整えてきました。
治療が始まった瞬間から、医師は患者さまのパートナーです。どんな困難な状況に陥っても、最良のガイドとなるべく尽力いたします。まずはお気軽にご相談ください。
「まずは話を聞いてみたい」というご相談だけでも歓迎しています。東京都千代田区・ICVS東京クリニックのスタッフが丁寧にご対応いたします。完全予約制・オンライン相談にも対応しております。

「再発と告げられたけれど、また放射線治療を受けられるのだろうか」——そのような不安と疑問を抱えて情報を探しているのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、がん再発後に放射線治療が選択されるケースは実際に存在します。ただし、以前に照射した部位への再照射は照射線量・臓器耐性・全身状態によって適応が大きく異なるため、すべての再発例で選べるわけではありません。適応があるかどうかは、再発部位・過去の治療歴・現在の体力状態などを総合的に評価したうえで判断されます。
この記事では、放射線治療が再発後に用いられる具体的な状況から、再照射のリスクと注意点、さらに放射線治療が難しい場合の選択肢までを順序立てて解説します。
「一度治ったはずなのに、なぜまた……」。がんの再発という知らせは、患者さまとご家族にとって大きな衝撃です。初回治療のときとは異なる、二重の絶望感を覚える方も少なくありません。
再発後にまず頭をよぎるのは、「また同じ治療を受けられるのか」「今度は治療の選択肢がないのではないか」という不安ではないでしょうか。特に、放射線治療を一度経験した方にとって、再照射が可能かどうかは切実な問いです。
また、「放射線治療と抗がん剤を続けてきたが、効果が十分でなかった」という経験がある場合、次の一手をどう選ぶべきかがわからず、情報を求めてインターネットを検索されている方も多いと思います。
さらに、再発がんの治療については「どこに相談すればいいのかわからない」という声も多く聞かれます。主治医に気を使って「もっと他の治療はないか」と聞き出せない、あるいは転院を検討しているが何から動けばよいかわからない——そうした状況も、決して珍しくありません。
この記事では、そうした疑問や不安に一つひとつ向き合いながら、再発後の放射線治療についての情報をわかりやすくお伝えします。正しい知識を持つことが、次の治療選択への第一歩になります。
治療の選択肢を理解するためには、まず「がん再発」がどのような状態を指すのかを整理しておくことが大切です。再発の種類によって、放射線治療が適応になるかどうかも変わってきます。
手術や放射線治療を行った部位、またはその周辺にがんが再び現れた状態です。局所再発は比較的限られた範囲にとどまっていることが多く、再度の局所治療(手術・放射線など)が検討されることがあります。ただし、以前に放射線照射を受けた部位への再照射には、周囲の正常組織への影響を慎重に評価する必要があります。
元の腫瘍の近くにあるリンパ節や組織にがんが再び現れた状態です。領域リンパ節への転移・再発では、放射線治療の対象範囲に含まれることもあります。ただし、以前の照射野との関係や、追加照射できる線量の余裕があるかどうかが判断の鍵になります。
血液やリンパの流れを通じてがん細胞が遠い臓器に定着した状態です。骨転移による疼痛の緩和、脳転移の制御など、症状コントロールや局所制御を目的とした放射線治療が選ばれることがあります。全身への広がりがある場合は、全身療法(薬物療法・免疫療法)との組み合わせも検討されます。
再発がんに対して放射線治療が検討される場面は複数あります。目的によっても「根治を目指す」ものと「症状を和らげる」ものに分かれます。それぞれのケースを具体的に見ていきましょう。
局所再発であっても、再手術が解剖学的に困難な部位や、全身状態から手術リスクが高い場合には、放射線治療が局所制御の手段として選択されることがあります。特に、定位放射線治療(ピンポイント照射)は、周囲の正常組織への影響を抑えながら腫瘍に高線量を集中させられる技術として、限局した再発病変に対して用いられることがあります。
ただし、過去に同部位に放射線照射を受けている場合、再照射できる線量には上限があり、脊髄・腸管・肺などの重要臓器への影響を慎重に評価する必要があります(個人差があります)。
再発がんが骨に転移した場合、骨転移部位への放射線照射は疼痛緩和に有効とされています。1〜5回程度の短期照射で、多くの方が痛みの軽減を感じることが期待できます(個人差があります)。骨折リスクが高い荷重部位の場合は、予防的な整形外科的処置と組み合わせることもあります。
骨転移への放射線治療は、生活の質(QOL)を維持するうえで重要な位置を占める緩和的治療の一つです。

肺がん・乳がん・大腸がんなど多くのがん種で、再発・進行に伴い脳転移が生じることがあります。脳転移に対しては、転移個数・サイズ・症状の有無・原発巣のコントロール状態などを踏まえ、定位放射線手術(ガンマナイフ・サイバーナイフなど)や全脳照射が検討されます。
転移個数が少ない場合(一般的に1〜4個が目安とされることが多い)は定位照射が選ばれやすく、多発脳転移では全脳照射が検討されます(医療機関・状態により異なります)。
近年、遠隔転移があっても転移巣が少数(オリゴ転移)の場合には、積極的な局所治療(放射線治療・手術)により長期的な病勢コントロールが得られる可能性があるとして、注目されています。オリゴ転移への定位放射線治療は、全身薬物療法との併用を前提とするケースもあります。
⚠ よくある誤解:「一度放射線を受けていたら、もう再照射はできない」
これは必ずしも正しくありません。再照射が可能かどうかは、照射した部位・以前の総線量・照射からの経過期間・現在の臓器耐性・全身状態を総合的に評価して判断されます。以前に照射した部位への再照射は確かにリスクが高まりますが、部位や状況によっては安全域を考慮しながら実施されるケースもあります。主治医に「前回照射しているから無理」と言われた場合でも、放射線治療専門医へのセカンドオピニオンを検討することも一つの方法です。
再発後の放射線治療を検討する際、メリットだけでなくリスクについても正しく理解しておくことが大切です。
放射線治療では、腫瘍に照射するとともに、周囲の正常組織にも少なからず線量がかかります。正常組織にはそれぞれ「耐えられる線量の上限(耐性線量)」があり、過去に照射している場合は残っている「余裕」が少なくなっています。再照射によってこの耐性線量を超えると、晩期障害(治療後数か月〜数年後に現れる組織障害)のリスクが高まります。
📗 再照射が考慮されるポイント
📕 再照射が慎重・困難となる主なケース
放射線治療の副作用は、治療中〜治療後数週間以内に現れる急性期副作用と、数か月〜数年後に現れる晩期障害に大別されます。急性期副作用(皮膚炎・粘膜炎・倦怠感など)は一般的に治療終了後に軽快することが多いですが、晩期障害(肺臓炎、腸管障害、神経障害など)は慢性的に続いたり不可逆的になったりする可能性があります。
再照射では晩期障害のリスクが初回よりも高まることが多く、治療前に放射線腫瘍医とともにリスクと期待効果のバランスを十分に話し合うことが重要です(個人差があります)。

再照射が適応外と判断された場合、あるいは放射線治療の効果が十分に期待できないと評価された場合、以下のような選択肢が検討されます(状況・がん種・全身状態により異なります)。
近年、放射線治療・化学療法などの標準治療と、がん免疫療法を組み合わせる治療戦略が注目を集めています。
放射線治療は局所の腫瘍を攻撃するだけでなく、腫瘍細胞の抗原を免疫系に提示する効果(アブスコパル効果)が一部で報告されています。放射線照射によって死滅したがん細胞の破片が免疫細胞に認識され、照射野外の転移巣にも免疫応答が及ぶという現象です。これは免疫療法との組み合わせでより引き出せる可能性があるとして研究が続いています(個人差があります。すべての患者さまに生じるわけではありません)。
樹状細胞は免疫応答の司令塔ともいえる細胞で、がん細胞の特徴(抗原)をT細胞に提示してがん攻撃を指示する役割を持ちます。この樹状細胞を体外で培養・活性化して体内に戻す治療が、樹状細胞を用いた免疫細胞療法です。
標準治療(手術・放射線・抗がん剤)で十分な効果が得られなかった患者さまや、進行がん・再発がんの患者さまに対して、既存の治療と組み合わせて行われることがある治療の一つです。全身状態や他の治療との兼ね合いを踏まえ、専門医と相談しながら計画を立てることが大切です。
再発がんの治療選択は、一つの医療機関・一人の医師の見解だけで決めずに、セカンドオピニオンを積極的に活用することをおすすめします。主治医への遠慮から「もっと他の治療はないか」と聞けないまま治療を続けているケースも少なくありません。セカンドオピニオンは主治医への不満ではなく、患者さまが自分の治療を理解・選択するための正当な権利です。
東京都内には、再発がん・進行がんに特化した専門クリニックも複数あります。千代田区をはじめとする都心部では、免疫細胞療法を提供する専門施設への相談も選択肢の一つです。
東京都千代田区に位置するICVS東京クリニックは、2008年の開院以来、独自開発のHITV療法に特化した専門クリニックとして、進行がん・再発がんに向き合ってきました。

理事長:蓮見賢一郎 先生より
「治す」ことを決してあきらめず、これまでの治療の限界を超えて、がんから解放されるために——。がんで苦しんでおられる患者さまやご家族の力となり、支えになるために尽くしたいと考えています。再発・進行がんに直面されたとき、「もう選択肢がない」と感じていても、まずは私たちにご相談ください。患者さまご自身やご家族の方に、お受けになる治療について丁寧にご説明し、ご理解とご納得をいただくことを何より大切にしています。治療が始まった瞬間から、医師は患者さまのパートナーです。どんな困難な状況に陥っても、最良のガイドとなるべく尽力いたします。
再発がん・進行がんに関するご不安、治療の選択肢についてのご質問など、どうぞお気軽にご相談ください。東京都千代田区のICVS東京クリニックが、患者さまとご家族に寄り添い、丁寧にご説明いたします。

「抗がん剤は何クールやれば終わるの?」「主治医から回数を告げられたけれど、なぜその回数なのかよくわからない」——そんな疑問や不安を抱えている患者さまやご家族は、とても多くいらっしゃいます。
結論からお伝えすると、抗がん剤の治療回数(クール数)は、がんの種類・ステージ・使用する薬剤・体への影響などを総合的に判断して決まります。一律に「○クールで終わり」と決まっているわけではなく、治療の効果や副作用の状況によって途中で見直されることもあります。
一般的な目安として、手術前後の補助化学療法では4〜8クール程度が多く、進行がんの維持療法では長期にわたるケースもあります(個人差があります)。この記事では、クール数の決まり方から中止・変更の判断基準まで、患者さまが知っておきたい知識をわかりやすく解説します。
抗がん剤治療が始まると、多くの患者さまが「いつまで続くのだろう」「何クールで効果が出るのだろう」と不安を感じます。入院中でも外来通院中でも、先が見えない治療を続けることは、体だけでなく心にも大きな負担をかけます。
また、「クール」という言葉自体、医療の現場ではよく使われますが、初めて聞く方には意味がわかりにくいという声も少なくありません。「クール数が増えた=病状が悪化している?」と感じて不安になる方もいらっしゃいます。
さらに、副作用がつらくて「続けられるだろうか」という心配や、「こんなに薬を使って体は大丈夫なのか」という疑問も、治療中によく聞かれる悩みです。まずはこうした疑問に一つひとつ答えていきましょう。
抗がん剤治療における「1クール(サイクルとも呼びます)」とは、投薬と休薬をセットにした1つのサイクル期間のことを指します。たとえば「3週間に1回投薬→3週間後にまた投薬」という形で繰り返す場合、この3週間が1クールです。
休薬期間を設けるのは、薬の副作用から体を回復させるためです。投薬期間だけでなく、休薬期間も治療の一部として重要な役割を果たしています。
クール数が多い=病状が深刻、というわけではありません。がんの種類によっては、最初から長期投与を前提としたレジメン(治療計画)が組まれているケースもあります。クール数はあくまでも治療計画のひとつの要素です。
大切なのは、現在の治療が自分の体に合っているかどうかを主治医と定期的に確認することです。クール数の多さだけで一喜一憂せず、治療効果や副作用の状況を総合的に見ていくことが重要です。
多くの場合、抗がん剤のクール数はがんの種類ごとに学会や国際的な研究から導き出された「標準治療」に基づいて決定されます。ただし、あくまでも基準であり、個々の患者さまの状態・体力・合併症・薬剤への反応によって柔軟に調整されます。

抗がん剤の治療回数が決まる背景には、複数の医学的な要素があります。ここでは、特に重要な3つのポイントを整理します。
抗がん剤の目的は大きく2種類あります。①手術前後に再発リスクを下げるための補助化学療法(術前・術後補助療法)、②進行がん・転移がんの病勢コントロールや症状緩和を目指す治療です。補助化学療法では4〜8クール程度が多く、進行がんへの治療では腫瘍の反応や全身状態を見ながら継続が判断されます(個人差があります)。
乳がん・大腸がん・肺がん・胃がんなど、がんの部位によって使用する薬剤の種類も投与回数も異なります。たとえば、乳がんの術後補助療法ではFEC療法(3週間ごと×4〜6回)やTC療法(3週間ごと×4〜6回)などが代表的です。ステージが進むほど長期的な治療が想定されることが多くなりますが、これも一概には言えず、個々の状況によります。
治療中に骨髄抑制(白血球・血小板の低下)・腎機能への影響・神経毒性などの副作用が強く出た場合、予定していたクール数を途中で変更したり、用量を減らしたりすることがあります。これは治療を「あきらめる」のではなく、患者さまの体を守りながら治療を継続するための医学的判断です。
副作用や体調の変化によってクール数が当初の予定より減ることがあります。これを「途中で見捨てられた」「もう治療できない」と捉えてしまう方がいらっしゃいますが、それは誤解です。副作用マネジメントの観点から、より患者さまにとって安全な形に計画を修正することは、医学的に適切な対応です。不安な場合は遠慮なく主治医に「なぜ変更するのか」を質問してみてください。
抗がん剤治療は、一定のクール数を終えるたびに効果判定(画像検査・腫瘍マーカーなど)が行われます。この結果をもとに、治療を継続するか・別の薬剤に切り替えるか・休薬するかが判断されます。
がんの縮小・増大を評価する際、国際的に広く用いられているのが「RECIST(レシスト)基準」です。CT・MRIなどの画像でがんの大きさを測定し、以下のように分類します。
| 判定 | 意味 | 治療への影響 |
|---|---|---|
| CR(完全奏効) | 腫瘍が画像上で消失 | 治療終了・経過観察へ移行が多い |
| PR(部分奏効) | 腫瘍が30%以上縮小 | 治療継続が検討される |
| SD(安定) | 腫瘍の大きさが変化なし | 継続か変更かを医師が判断 |
| PD(進行) | 腫瘍が増大・新病変出現 | 薬剤変更・別治療の検討 |
現在使用している抗がん剤が奏効しないと判断された場合、主な選択肢として①別の抗がん剤レジメンへの変更(二次治療・三次治療)、②分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬への切り替え、③緩和ケアへの移行、④標準治療以外の選択肢(免疫細胞療法など)の検討が挙げられます。
どの選択肢が自分に合うかは、がんの種類・遺伝子変異の有無・全身状態によって異なりますので、主治医や専門医とよく話し合うことが大切です。
⚠ 注意:自己判断で治療を中断しないこと
副作用がつらいからといって、主治医に相談せずに自己判断で抗がん剤を中断することは危険です。副作用には適切な対処法があります。「もう続けられない」と感じたときは、まず主治医または担当看護師に相談してください。治療計画の変更や副作用対策の強化などで対応できる場合があります。
薬剤によっては、累積投与量の上限が設定されているものがあります。たとえばアントラサイクリン系薬剤(ドキソルビシンなど)は心臓毒性のリスクから累積量に制限が設けられています。また、白金製剤(シスプラチンなど)は腎機能・神経障害の観点から長期連続使用に注意が必要です。こうした薬剤ごとの特性も、クール数を決める重要な要素のひとつです。
抗がん剤治療を受けながら、免疫細胞療法を並行して受けることを検討される患者さまが増えています。標準治療と免疫細胞療法はどのような関係にあるのでしょうか。
免疫細胞療法とは、患者さま自身の免疫細胞を活用してがんに対抗することを目指す治療法の総称です。体の外で免疫細胞を培養・活性化させてから体内に戻すことで、免疫システムのがん細胞への働きかけを高めることが期待されます。
免疫細胞療法は、抗がん剤・放射線治療・手術などの標準治療と組み合わせて用いられることが多く、標準治療の代わりとして使うものではなく、治療全体の選択肢を広げる位置づけとして考えられています。
標準治療との併用が向いているケース
検討前に確認しておくべきこと
東京都内でがん免疫細胞療法を検討される場合、治療実績・細胞培養施設の基準・担当医の専門性などを事前にしっかり確認することが大切です。千代田区をはじめ都内にはさまざまなクリニックがありますが、治療の安全性・透明性を重視して選ぶことをおすすめします。
国内外の患者さまが東京都を訪れて免疫細胞療法を受けるケースも増えており、日本語・英語・中国語など多言語対応しているかどうかも、特に海外在住の方にとっては大切な確認ポイントです。

ICVS東京クリニック 理事長:蓮見賢一郎 先生より
「治す」ことを決してあきらめず、これまでの治療の限界を超えて、がんから解放されるために——そんな思いで、私たちはHITV療法に取り組んでまいりました。抗がん剤が奏効しなくなったとき、あるいは標準治療と並行してより多くの選択肢を検討したいときに、ICVS東京クリニックに相談していただければ幸いです。まずは患者さまご自身やご家族に、お受けになる治療について丁寧にご説明し、ご理解とご納得をいただくことを大切にしています。どんな困難な状況にあっても、医師は患者さまのパートナーとして、最良のガイドとなるべく尽力いたします。
📋 この記事のまとめ
抗がん剤が奏効しにくくなった方、標準治療と並行した免疫細胞療法をお考えの方、まずはお気軽にご相談ください。医療相談(電話・オンライン・対面):税込11,000円 / 初診料:税込33,000円。東京都千代田区・完全予約制で国内外からの患者さまに対応しております。

「直腸がんと結腸がん、同じ大腸がんでも何が違うの?」と疑問に思われたことはありませんか。診断を受けたばかりの方やご家族にとって、部位の違いが治療内容や生活への影響にどうつながるのか、わかりにくいと感じるのは自然なことです。
結論からお伝えすると、直腸がんと結腸がんは同じ「大腸がん」の一種ですが、発生する部位・症状の出方・手術方法・再発リスクの特徴がそれぞれ異なります。とくに直腸は骨盤内の狭い空間に位置するため、手術の難易度や人工肛門(ストーマ)の必要性などで、結腸がんとは大きく異なる点があります。
この記事では、大腸の構造から始まり、直腸がん・結腸がんそれぞれの症状・治療法の違い、標準治療が難しい場合の選択肢まで、順を追ってわかりやすく解説します(個人差がありますので、詳細は主治医にご確認ください)。
大腸は、小腸から続く消化管の最終部分であり、全長は約1.5〜2メートルほどです。大腸は大きく「結腸」と「直腸」に分けられます。結腸はさらに盲腸・上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸に細分化されます。
直腸は大腸の最も末端に位置し、肛門のすぐ手前にある長さ約15〜20cmの部分です。便を一時的に蓄え、排便のタイミングを調整する役割を担っています。この構造的な違いが、がんの症状や治療に大きな差を生み出します。
一般的に「大腸がん」と呼ばれる場合、結腸がんと直腸がんの両方を含みます。国内の統計では、大腸がん全体のうち約30〜40%が直腸がん、残りの約60〜70%が結腸がん(とくにS状結腸・下行結腸)とされています。
同じ「大腸がん」というカテゴリでも、発生する部位によって手術方法・術後の合併症リスク・再発パターンが異なるため、診断時に「どの部位のがんか」を正確に把握することがとても重要です。
「直腸がんのほうが重い病気」と誤解される方も少なくありませんが、これは正確ではありません。どちらのがんもステージや個々の状態によって重篤度は大きく異なります。ただし、直腸がんは骨盤内という解剖学的に狭い場所に位置するため、手術の技術的難易度が高く、排尿・性機能・排便機能への影響が出やすいという特性があります。この点が「難しいがん」と認識される理由のひとつです。

直腸は肛門に近い部位のため、がんが生じると比較的早い段階で症状が現れやすいとされています。代表的な症状には以下のものがあります。
とくに鮮血便は「痔だろう」と自己判断されがちですが、直腸がんのサインである可能性もあるため、症状が続く場合は早めの検査が重要です(個人差があります)。
結腸がんは発生部位によって症状が異なります。右側(上行結腸・横行結腸)のがんは腸の内腔が広く、便が液状に近い状態のため、症状が出にくく発見が遅れるケースがあります。左側(下行結腸・S状結腸)のがんは腸の内腔が狭くなるため、比較的早く症状が現れやすい傾向があります。
右側結腸がんでは自覚症状に乏しく、貧血の精査をきっかけに発見されることも少なくありません。
直腸がん・結腸がんともに、早期段階では自覚症状がほとんど出ないことがあります。だからこそ、定期的な大腸がん検診(便潜血検査・大腸内視鏡検査)が重要とされています。症状が出てから受診する頃には、ある程度進行しているケースも多いのが実情です。
直腸は骨盤の深部に位置しており、周囲には膀胱・前立腺(または子宮・卵巣)・神経・血管が密集しています。そのため手術は技術的に難易度が高く、排尿機能・性機能・排便機能への影響が生じることがあります。腫瘍の位置が肛門に近い場合は、括約筋を温存できずに永久的な人工肛門(ストーマ)が必要になるケースもあります。腹腔鏡手術やロボット支援手術が普及し、近年は括約筋温存率が向上しています(個人差があります)。
結腸は腹腔内に比較的広く存在するため、手術のアプローチが直腸より取りやすい傾向があります。がんのある部位に応じて「右半結腸切除術」「横行結腸切除術」「左半結腸切除術」「S状結腸切除術」などが選択されます。人工肛門になる可能性は低いとされますが、腸閉塞など緊急の状況では一時的なストーマが必要になる場合もあります(個人差があります)。
直腸がんでは、手術前に放射線療法と抗がん剤を組み合わせた「術前化学放射線療法」を行い、腫瘍を縮小させてから手術に臨む方法が標準的に用いられることがあります。これにより括約筋温存の可能性が高まる場合があります。一方、結腸がんでは放射線療法は基本的に行われず、手術+術後の抗がん剤(補助化学療法)が標準的な流れです(個人差があります)。
| 項目 | 直腸がん | 結腸がん |
|---|---|---|
| 発生部位 | 肛門手前・骨盤内 | 盲腸〜S状結腸 |
| 主な症状 | 鮮血便・残便感・便の変形 | 腹痛・便通異常・貧血 |
| 手術の難易度 | 骨盤内のため高難度 | 比較的アプローチしやすい |
| 人工肛門の可能性 | 一定割合で必要になる場合あり | 一般的に低い |
| 放射線療法 | 術前化学放射線療法を行うことが多い | 基本的に行わない |
| 主な再発部位 | 骨盤内局所再発・肝転移・肺転移 | 肝転移・肺転移・腹膜播種 |
直腸がんでは、手術後の骨盤内局所再発リスクが結腸がんと比較して高い傾向があるとされています。骨盤内は空間が狭く、がん細胞が周囲の組織に広がりやすい解剖学的特性があるためです。この局所再発に対しては、再手術・放射線療法・抗がん剤療法などが検討されますが、初回手術後の骨盤内は癒着が強く、再手術が非常に困難になるケースもあります。
そのため、手術後の定期的なフォローアップ(CT・内視鏡・血液検査)が特に重要で、早期に再発を発見することが治療の選択肢を広げることにつながります(個人差があります)。

大腸がん(直腸がん・結腸がんともに)は、肝臓・肺への転移が起こりやすいがんのひとつです。肝転移・肺転移が発見された場合でも、転移巣が切除可能な状況であれば積極的な切除手術が検討されます。切除できない場合には、化学療法(抗がん剤)・分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬などの薬物療法が選択されます。
ただし、標準治療を重ねてきた末に「これ以上の選択肢がない」と告げられるケースも存在します。そうした状況でも、治療の選択肢をあきらめずに探し続けることが大切です。
ステージⅣの進行がんや、抗がん剤・放射線療法が十分に奏効しなくなった再発がんでは、治療の選択肢が限られてくることがあります。そのような方々が新たな選択肢として注目しているのが、がん免疫療法です。自分自身の免疫細胞を活用してがんに働きかけるアプローチは、標準治療との併用も視野に入れながら、患者さまの状態に応じて検討することができます。
⚠ ご注意
がん免疫療法は標準治療に代わるものではなく、あくまで選択肢のひとつです。治療効果には個人差があり、すべての方に同様の結果が期待できるわけではありません。現在の主治医との連携のもと、十分な情報収集のうえでご判断されることをおすすめします。
東京都千代田区に位置するICVS東京クリニックは、2008年の開院以来、がん免疫細胞療法の専門クリニックとして、ステージⅣの進行がん・再発がんに悩む多くの患者さまのお力になってまいりました。
「治す」ことを決してあきらめず、これまでの治療の限界を超えて、がんから解放されるために。東京都千代田区にあるICVS東京クリニックでは開院以来、免疫療法によるがんの縮小や消失を目指してまいりました。直腸がん・結腸がんの再発や進行がんで標準治療が難しくなったとき、「もう選択肢がない」とあきらめないでください。治療が始まった瞬間から、医師は患者さまのパートナーです。どんな困難な状況に陥っても、最良のガイドとなるべく尽力いたします。まずはお気軽にご相談ください。
直腸がん・結腸がんの進行がん・再発がんでお悩みの方、標準治療が奏効しない方も、一人で抱え込まずまずはご相談ください。東京都千代田区のICVS東京クリニックが、患者さまとご家族に寄り添い、丁寧にご説明いたします。初診料:税込33,000円 / 医療相談(電話・オンライン・対面):税込11,000円

「もう使える抗がん剤はない」「放射線治療は限界です」と告げられたとき、頭が真っ白になったというご経験をお持ちの方は少なくありません。標準治療終了後の大腸がん治療の選択肢は何があるのか——その問いに、この記事では具体的な情報をお伝えします。
結論からお伝えすると、標準治療が終了・奏効しなくなった後も、免疫細胞療法をはじめとする自由診療の選択肢が存在します。なかでも樹状細胞を使った免疫細胞療法は、患者さま自身の免疫を活用してがんの縮小を目指すアプローチとして、国内外の専門施設で取り組まれています。治療実績・通院方法・費用の目安まで、この記事でひとつずつ整理しています。
大腸がんの治療は、手術・抗がん剤・放射線を組み合わせて進めていくのが一般的です。しかし、治療を重ねるうちに「これ以上使える薬がない」「副作用に体が耐えられない」「再発した腫瘍が薬に反応しなくなった」という状況に直面される患者さまやご家族が、実際に多くいらっしゃいます。
そのとき感じる「もう終わりなのか」という恐怖と絶望感は、言葉では言い表しにくいほど深いものです。一方で「何かできることはないか」と必死に情報を集め、この記事にたどり着いてくださった方も多いのではないでしょうか。
まず知っておいていただきたいのは、標準治療が終了した後も「治療の選択肢がゼロになった」わけではないということです。自由診療の領域では、免疫細胞療法や遺伝子パネル検査を活用した個別化治療など、複数のアプローチが存在します。
よくある誤解として、「標準治療が終わったら緩和ケアしかない」と思い込んでいるケースがあります。しかし緩和ケアと積極的な治療は並行して行えるものであり、どちらか一方を選ばなければならないわけではありません。「諦める前に調べる」という姿勢は、とても大切な一歩です。
大腸がんの標準治療とは、科学的根拠(エビデンス)に基づいて有効性が確認されている治療法です。手術療法を軸に、補助化学療法(FOLFOX・FOLFIRI・カペシタビンなど)、分子標的薬(ベバシズマブ・セツキシマブなど)、免疫チェックポイント阻害薬(MSI-H陽性例など)が組み合わされます。しかし、薬剤耐性が生じる・副作用が蓄積する・投与可能な薬剤を使い切るなどの理由で「標準治療の終了」が宣告されることがあります。
がん細胞は増殖を繰り返す過程で遺伝子変異を蓄積し、抗がん剤の効果を回避する仕組みを獲得していくことがあります。これが「薬剤耐性」です。初期には有効だった治療薬が、数か月〜数年の使用を経て効きにくくなるのはこのためです。特にステージⅣの大腸がんでは複数ラインの治療を経るうちに耐性が生じやすく、次の薬剤の選択肢が狭まる傾向があります(個人差があります)。
標準治療の対象外になった治療法が、すべて科学的根拠のないものかというと、そうではありません。臨床研究が進行中のもの、保険適用外でも一定の研究蓄積があるもの、患者さまの状態によっては有効性が期待できるものが自由診療の領域に存在します。大切なのは、医師と十分に情報を共有したうえで判断することです。
ここでは、標準治療終了後の大腸がん患者さまが検討される代表的な治療の選択肢を整理します。それぞれに特徴・利点・留意点がありますので、主治医や専門医と相談しながら情報を整理することが重要です。
国内外の医療機関で実施されている新薬・新治療法の臨床試験(治験)に参加する選択肢があります。条件を満たせば試験的な治療を受けられる場合があり、費用が一部無償となるケースもあります。ただし参加要件(年齢・病期・治療歴など)が厳しく、希望どおりに参加できないこともあります。国立がん研究センターの「がん情報サービス」などで最新の試験情報を調べることができます。
がん組織の遺伝子変異を網羅的に解析し、その結果に応じた治療薬を探す「がんゲノム医療」は、2019年から保険適用が始まり、一定の条件下で受けることが可能です。RAS・BRAF・HER2などの遺伝子変異の有無によって、適用できる薬剤が変わります。ただし、パネル検査を行っても有効な薬剤が見つかるのは全体の約1〜2割程度とされており(個人差・検査法によって異なります)、万能ではないことも理解しておく必要があります。
担当医以外の専門医の意見を聞く「セカンドオピニオン」は、患者さまの権利として広く認められています。大腸がん・消化器がん専門の施設では、現在の治療施設では提案されなかった選択肢が提示されることがあります。セカンドオピニオンを受けても現在の担当医との関係が崩れるわけではなく、積極的に活用することが推奨されています。
患者さまご自身の免疫細胞を体外で培養・活性化し、体内に戻すことでがんへの免疫応答を高めることを目指す治療法です。樹状細胞を用いた免疫細胞療法は、がんの特徴を免疫細胞に学習させることで、より標的を絞った免疫応答が期待できるとされています。標準治療との併用が可能なケースも多く、外来通院で受けられる施設もあります(施設・治療内容によって異なります)。

免疫細胞療法のメリット
免疫細胞療法の留意点
⚠ 免疫細胞療法を検討する際の注意点
インターネット上には、科学的根拠が乏しい「免疫療法」を高額で提供している施設も存在します。施設を選ぶ際は、治療実績・細胞培養加工施設(CPC)の有無・医師の専門性・治療内容の説明の丁寧さなどを必ず確認するようにしましょう。主治医への事前相談も重要です。
免疫細胞療法のなかでも、ICVS東京クリニックが取り組む「HITV療法」は、樹状細胞を腫瘍内へCTガイド下で直接投与するという独自の手法を採用しています。ここでは、その仕組みと通院の流れを具体的にご説明します。
樹状細胞は、体内で「免疫の司令塔」として働く細胞のひとつです。がん細胞の特徴(抗原)を認識し、T細胞などほかの免疫細胞に「この敵を攻撃せよ」という情報を伝える役割を担っています。がん患者さまの体内では、この樹状細胞の働きが低下していることがあり、免疫ががんを攻撃しにくい状態になっているケースがあります。
一般的な樹状細胞療法では、点滴や皮下注射で樹状細胞を投与します。HITV療法では、CTガイド下で腫瘍の内部に直接樹状細胞を届けることで、腫瘍抗原との接触効率を高め、より強い免疫応答を促すことを目指しています。腫瘍が体の深部にある場合でも、CTによる精密な画像ナビゲーションによって投与が行われます(治療適応・効果は個人差があります)。
HITV療法は、外来通院で受けることができます。おおまかな流れは以下のとおりです(実際のスケジュールは担当医との相談のうえ決定します)。
日帰り外来通院が基本のため、遠方からお越しの方でも入院せずに治療を受けることが可能です(交通・宿泊はご自身でのご手配となります)。
自由診療であるHITV療法の費用は、治療計画や患者さまの状態によって異なります。以下に現在の料金の目安をお示しします。
| 診療項目 | 料金(税込) | 備考 |
|---|---|---|
| 医療相談(電話・オンライン・対面) | 11,000円 | 治療前に病状・適応のご確認に |
| 初診料 | 33,000円 | 詳細な治療計画の立案・説明 |
| HITV療法治療費(総額) | 要相談 | 治療計画による。全額自己負担(自由診療) |
| CTガイド下投与オプション | 要相談 | 詳しくはお問い合わせください |
⚠ 費用に関する重要事項
HITV療法は全額自己負担の自由診療です。健康保険・高額療養費制度は適用されません。治療費の総額は患者さまの病状・治療計画によって異なるため、まず医療相談または初診にてご確認ください。費用の不安についても、初診時に遠慮なくご相談いただけます。

理事長:蓮見賢一郎 からのメッセージ
「治す」ことを決してあきらめず、これまでの治療の限界を超えて、がんから解放されるために——。私たちICVS東京クリニックは、がんで苦しんでおられる患者さまとご家族の力となり、支えになるために尽くしてまいります。標準治療が終了した後も選択肢を諦めてほしくない。その思いから、HITV療法の開発・改良を続けてきました。治療が始まった瞬間から、医師は患者さまのパートナーです。どんな困難な状況にあっても、最良のガイドとなるべく、これからも一人ひとりに向き合い続けます。
📌 この記事のまとめ
「まず話を聞いてみたい」という段階からお気軽にどうぞ。患者さまとご家族が納得できる治療の選択のために、丁寧にご説明いたします。完全予約制・日帰り外来通院(東京都千代田区)。

「肺がんと診断されたけれど、腺がんと扁平上皮がん——どこがどう違うの?」と、初めて耳にしたとき戸惑われる患者さまやご家族はとても多くいらっしゃいます。
結論からお伝えすると、腺がんと扁平上皮がんは同じ「非小細胞肺がん」に属しながら、発生する場所・症状の出方・遺伝子変異のタイプ・推奨される治療法がそれぞれ異なります。この違いを正しく理解することが、治療方針を選ぶうえで非常に重要なポイントになります。
肺がんは組織型によって治療の選択肢が大きく変わります。たとえば遺伝子変異(EGFR・ALKなど)を持つ腺がんでは分子標的薬が有効なケースがある一方、扁平上皮がんでは異なるアプローチが検討されることが多いです。ただし治療効果には個人差があります。
肺がんは大きく「小細胞肺がん」と「非小細胞肺がん」の2種類に分けられます。日本人の肺がん患者さまの約85〜90%が非小細胞肺がんに該当し、そのなかにさらに複数の組織型が存在します。
非小細胞肺がんの代表的な組織型は以下の3つです。
| 組織型 | 割合(目安) | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 腺がん | 約50〜55% | 肺の末梢部に多く、非喫煙者にも発症 |
| 扁平上皮がん | 約25〜30% | 気管支の中枢側に多く、喫煙との関連が強い |
| 大細胞がん | 約10〜15% | 進行が比較的速い傾向がある |
このように、肺がんといっても組織型によって特徴が大きく異なります。診断書に「腺がん」や「扁平上皮がん」と記載されているのは、がんの細胞がどの組織に由来するかを示しており、治療方針を決める際の重要な情報になります。
腺がんと扁平上皮がんはどちらも非小細胞肺がんに分類されます。小細胞肺がんと比べて進行のスピードが比較的ゆるやかな傾向があり、外科手術・化学療法・放射線療法・分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬など、複数の治療選択肢が検討されます。ただし病期や全身状態によって最適な治療法は異なるため、個々の状況をもとに担当医と相談することが大切です。
「扁平上皮がんは喫煙者の病気」というイメージを持たれている方がいらっしゃいますが、これは正確ではありません。喫煙歴との関連は腺がんより強い傾向がありますが、非喫煙者の方でも扁平上皮がんを発症するケースがあります。逆に腺がんは非喫煙者、特に女性に多いとされていますが、喫煙者にも発症します。先入観で「自分には関係ない」と考えないようにすることが重要です。
腺がんと扁平上皮がんの最も根本的な違いは、がんが発生する細胞の種類と場所にあります。この違いが、症状の出方や治療方針にも大きく影響します。
腺がんは肺の末梢(肺の外側に近い部分)に位置する腺細胞(粘液を分泌する細胞)から発生します。肺の奥深い部分に生じるため、早期段階では自覚症状が現れにくく、健診や他の疾患の検査で偶然発見されるケースも少なくありません。日本人の肺がん全体の中で最も頻度が高い組織型です。EGFR遺伝子変異やALK融合遺伝子といった特定の遺伝子変異が見つかる割合が比較的高く、分子標的薬が有効な場合があります(個人差があります)。
扁平上皮がんは気管支の中枢側(肺門部に近い太い気管支)に位置する扁平上皮細胞(粘膜表面を覆う平たい細胞)から発生します。気管支の内側に近い場所に生じるため、咳や血痰などの症状が比較的早い段階で現れることがあります。扁平上皮がんではEGFR遺伝子変異の頻度が腺がんより低い傾向があり、分子標的薬の対象となりにくいケースがあります。一方でPD-L1発現が高い場合には免疫チェックポイント阻害薬の対象となる可能性があります(個人差があります)。
腺がんか扁平上皮がんかは、気管支鏡や針生検(CTガイド下生検など)で採取した組織を病理専門医が顕微鏡で確認することで診断されます。さらに遺伝子変異の有無を調べる「コンパニオン診断」が行われることも多く、その結果によって使用できる薬剤が変わってきます。「肺がん」という診断だけでなく、組織型と遺伝子変異の情報がセットで重要になることを覚えておきましょう。
腺がんは喫煙・非喫煙どちらの方にも発症しますが、扁平上皮がんは喫煙歴との関連がより強いことが知られています。タバコの煙に含まれる有害物質が繰り返し気管支粘膜に刺激を与えることで、扁平上皮細胞ががん化しやすくなると考えられています。ただし前述のとおり非喫煙者への発症もあるため、喫煙歴の有無だけで組織型を推測することはできません。
腺がんはリンパ節・脳・骨・胸膜・副腎への転移が見られるケースがあります。扁平上皮がんは縦隔リンパ節・骨などへの転移が多い傾向がありますが、転移のパターンは個人差が大きく、組織型だけで一概に判断することはできません。定期的な画像検査・血液検査によるモニタリングが重要です。

がんの組織型が違うと、自覚症状の出方や進行のスピードにも差が生じることがあります。ただし症状の有無・程度は病期や個人の体質によって大きく異なるため、あくまで傾向として参考にしてください。
腺がんは肺の末梢に発生するため、初期段階では自覚症状がほとんど現れないことが多いです。病変が大きくなったり胸膜に浸潤したりすると、胸の痛みや息切れが現れることがあります。また血痰は扁平上皮がんに比べると少ないとされますが、個人差があります。
「症状がないから大丈夫」と思っていたらステージが進んでいたというケースが腺がんでは少なくないため、検診での早期発見が重要です。ステージⅣまで進行した場合には脳転移による頭痛・神経症状、骨転移による骨の痛みなどが現れることもあります。
扁平上皮がんは太い気管支の内側から発生するため、咳・血痰・息苦しさ・喘鳴(ゼーゼーという呼吸音)が比較的早期から現れることがあります。気管支が腫瘍によって狭くなることで、繰り返す肺炎(閉塞性肺炎)が引き金となって発見されるケースもあります。
一方で腫瘍が気管支の外側に向かって広がっていく場合は、症状が出にくいこともあります。「咳が続く」「血が混じった痰が出た」などの症状があれば、早めに呼吸器科を受診することが大切です。
一般的に肺がんの進行スピードは組織型・ステージ・個人の免疫状態などによって異なります。小細胞肺がんは進行が速いことで知られますが、非小細胞肺がんである腺がんと扁平上皮がんは比較的ゆっくりとした進行を示す場合もあります。ただしこれはあくまで傾向であり、急速に進行するケースもあるため、定期的な経過観察と画像検査が欠かせません。

⚠ 注意
この記事に記載している症状の特徴や進行パターンはあくまで一般的な傾向です。実際の症状や進行の速さは個人によって大きく異なります。「自分の症状はどちらに当てはまるか」と自己判断することは危険です。必ず専門の医師による診察・検査を受けてください。
「同じ肺がんなのに、なぜ薬が違うの?」と疑問に思われる方は多くいらっしゃいます。その理由は、腺がんと扁平上皮がんでは細胞の性質・遺伝子変異の有無・使える薬のターゲットが異なるからです。以下に代表的な治療アプローチを整理します。
ステージⅠ〜Ⅱ、一部のステージⅢで切除可能と判断された場合、外科手術が第一選択となることが多いです。腺がん・扁平上皮がんともに手術適応の判断基準は病変の大きさ・位置・リンパ節転移の有無・肺機能などを総合的に評価して決まります。
腺がんでは診断時にEGFR・ALK・ROS1・BRAF・MET・RET・KRASなどの遺伝子変異を調べる検査が推奨されています。これらの変異が確認された場合、対応する分子標的薬(ゲフィチニブ・オシメルチニブ・アレクチニブなど)の使用が検討されます。
一方、扁平上皮がんではEGFR変異の頻度が低いため、分子標的薬の対象となるケースは腺がんより少ない傾向があります。ただし近年はFGFR1増幅・DDR2変異など扁平上皮がんに関連する遺伝子変異の研究も進んでいます(個人差があります)。
✅ 腺がんの治療の特徴
🔶 扁平上皮がんの治療の特徴
ペムブロリズマブ(キイトルーダ)やニボルマブ(オプジーボ)に代表される免疫チェックポイント阻害薬は、腺がん・扁平上皮がんの両方で使用されることがあります。PD-L1の発現状況・TMB(腫瘍変異量)・MSI(マイクロサテライト不安定性)などを参考に適応が判断されます。効果には個人差があり、すべての方に有効というわけではありません。また免疫関連の副作用(irAE)が生じる場合もあるため、専門医による管理が重要です。
「抗がん剤が効かなくなってきた」「次の治療の選択肢が知りたい」とお考えの方は、担当医とともに遺伝子パネル検査(がんゲノム医療)についても確認されることをおすすめします。
「抗がん剤も放射線治療も試したけれど、思うような効果が得られなかった」「ステージⅣで、もう治療の選択肢がないと言われた」——そのような状況に追い込まれた患者さまやご家族が、東京都千代田区のICVS東京クリニックへ相談にいらっしゃいます。
当院では2008年の開院以来、HITV療法(Hi-Tech Immunotherapy using Tumor-infiltrating DC with Vaccine approach)という独自の免疫細胞療法に特化して取り組んでいます。これは患者さまご自身の樹状細胞を腫瘍内へCTガイド下で直接投与する治療法で、世界2,000名以上の治療実績を積み重ねてまいりました。

理事長 蓮見賢一郎 先生より
「治す」ことを決してあきらめず、これまでの治療の限界を超えて、がんから解放されるために——当院はそのような思いで2008年の開院以来、免疫療法によるがんの縮小や消失を目指してまいりました。肺がんにおいても腺がん・扁平上皮がんともにHITV療法のご相談を承っております。標準治療と並行した形でのご相談も歓迎しています。治療が始まった瞬間から、医師は患者さまのパートナーです。どんな困難な状況に陥っても、最良のガイドとなるべく尽力いたします。まずは患者さまご自身やご家族の方に、お受けになる治療について丁寧にご説明し、ご理解とご納得をいただくことを大切にしています。
HITV療法は全額自己負担の自由診療となります。治療費の総額は治療計画によって異なるため、まずは医療相談(電話・オンライン・対面 税込11,000円)または初診(税込33,000円)にてご状況をお聞かせください。東京都千代田区のホテルニューオータニ内に位置し、東京メトロ「赤坂見附駅」から徒歩4分とアクセスのよい立地です。国内外からの患者さまのご来院を歓迎しております。
肺がん(腺がん・扁平上皮がん)の進行・再発でお悩みの患者さまとご家族へ。どんな困難な状況でも、あなたのパートナーとして丁寧にサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。医療相談(電話・オンライン・対面):税込11,000円 / 初診料:税込33,000円

「バイオマーカー検査を勧められたけれど、何を調べる検査なのかよくわからない」「検査結果が治療にどう関係するのか知りたい」——そんな疑問を抱えている肺がん患者さまやご家族は多くいらっしゃいます。
結論からお伝えすると、肺がんバイオマーカー検査とは、がん細胞の遺伝子変異やタンパク発現を調べることで「どの治療薬が効きやすいか」を事前に判断するための検査です。近年の肺がん治療では、このバイオマーカーの結果によって治療薬の選択が大きく変わります。
主要なバイオマーカーにはEGFR・ALK・ROS1・PD-L1などがあり、検査の種類・費用・所要時間はそれぞれ異なります。この記事では、肺がんバイオマーカー検査の基本から種類・流れ・治療への活かし方まで、できる限りわかりやすく解説します。
肺がんは一つの病気に見えますが、がん細胞レベルで見ると遺伝子の変異パターンや分子的な特徴が患者さまによって大きく異なります。同じ「肺腺がん」であっても、あるAさんにとって有効な薬が、Bさんにはほとんど効かないケースは珍しくありません。
こうした背景から、現代の肺がん治療では「まずバイオマーカーを調べ、その患者さまのがん細胞の特徴に合った治療薬を選ぶ」という流れが標準的になっています。バイオマーカー検査は、治療の方向性を決める重要な「道標」といえます。
バイオマーカーを確認せずに治療を開始した場合、効果が期待しにくい薬を使い続けてしまう可能性があります。特に分子標的薬は特定の遺伝子変異がある場合にのみ高い効果が期待できるため、事前の検査なしでは適切な治療を選べません。
また、検査を後から実施しようとしても、手術や生検で採取した組織の量が不十分な場合、再検査が難しくなることもあります。診断の早い段階でバイオマーカー検査を受けることが、治療の選択肢を広げることにつながります。
バイオマーカー検査が特に重視されるのは、非小細胞肺がん(特に肺腺がん)です。肺腺がんはEGFR変異やALK融合遺伝子などのバイオマーカーが見つかりやすく、それに対応した分子標的薬も複数存在します。一方、小細胞肺がんや扁平上皮がんでも免疫関連のバイオマーカー(PD-L1)の検査は重要です。進行がん・再発がんの場合は特に、バイオマーカー検査が治療の根幹を担います。

現在、肺がんで検査されるバイオマーカーは複数あります。以下に代表的なものをまとめます。
| バイオマーカー名 | 主な対象 | 関連する治療薬 |
|---|---|---|
| EGFR変異 | 非小細胞肺がん(腺がん) | EGFR阻害薬(分子標的薬) |
| ALK融合遺伝子 | 非小細胞肺がん(腺がん) | ALK阻害薬(分子標的薬) |
| ROS1融合遺伝子 | 非小細胞肺がん | ROS1阻害薬(分子標的薬) |
| PD-L1発現 | 非小細胞肺がん全般 | 免疫チェックポイント阻害薬 |
| KRAS変異 | 非小細胞肺がん(腺がん) | KRAS G12C阻害薬など |
| TMB(腫瘍遺伝子変異量) | 各種がん | 免疫チェックポイント阻害薬 |
手術や気管支鏡・CTガイド下生検などでがん組織を採取し、その組織からDNAを抽出して遺伝子変異を調べます。最も多くのバイオマーカーを同時に解析できる方法で、診断精度も高いとされています。採取した組織量によっては検査できる項目が限られる場合があります(個人差があります)。
血液中に放出されたがん由来のDNA断片(circulating tumor DNA:ctDNA)を解析する方法です。体への負担が少なく、繰り返し検査がしやすいというメリットがある一方、組織検査と比べて検出感度に差が生じることがあります。組織が採取しにくい部位のがんや、再発・進行時のモニタリングに活用されるケースもあります(個人差があります)。
「がん遺伝子パネル検査」は100種類以上の遺伝子変異を一度に解析できる検査で、標準治療後に選択肢が限られた場合などに保険適用となることがあります。コンパニオン診断は特定の薬と対になった検査で、その薬の使用前に実施が必要です。2019年より保険適用となったがん遺伝子パネル検査は、専門の医療機関で実施されます。
多くの方が「最初に検査したから、もう調べなくていい」と思いがちですが、これは誤解です。がん細胞は治療を受けながら変化することがあり、再発・進行の段階で新たな遺伝子変異が生じることがあるためです。そのため、治療の節目ごとに再検査が必要になるケースもあります。主治医と相談しながら、適切なタイミングで再評価することが大切です。
肺がんバイオマーカー検査の流れは、大まかに以下のようになります。
肺がんバイオマーカー検査の費用は、検査の種類・保険適用の有無によって大きく異なります。
EGFR・ALK・ROS1などの遺伝子検査は、一定の条件を満たした場合に保険適用となることがあります。一方、自由診療での検査やがん遺伝子パネル検査(保険適用外の場合)は数十万円単位になることもあります。詳しくは担当の主治医または専門医療機関にご確認ください。
また、標準治療に加えて免疫細胞療法などの自由診療を組み合わせる場合は、別途費用が発生します。治療全体の費用感については、事前に十分な説明を受けることが重要です。
【注意】陰性=治療できないではありません
バイオマーカー検査が「陰性」「変異なし」という結果であっても、それは「治療の選択肢がない」という意味ではありません。陰性の場合は分子標的薬の適応がないことを示しますが、化学療法・免疫チェックポイント阻害薬・放射線療法・免疫細胞療法など、別の治療の選択肢が検討されます。主治医と十分に話し合い、総合的な治療計画を立てることが大切です。
EGFR変異やALK融合遺伝子が陽性と判定された場合、それぞれに対応した分子標的薬が第一選択肢として検討されます。分子標的薬はがん細胞の特定の分子を狙い撃ちにする薬で、従来の抗がん剤と比較して特定の患者さまには高い効果が期待できるとされています(個人差があります)。
ただし、分子標的薬を使い続けると耐性が生じて効果が薄れてくることがあります。耐性獲得後の次の治療戦略を事前に考えておくことが、長期的な治療管理において重要です。
PD-L1(プログラム死リガンド1)の発現率が高い場合、免疫チェックポイント阻害薬(ペムブロリズマブなど)の適応が検討されます。これは、がん細胞が免疫細胞の攻撃を回避する仕組みをブロックし、自身の免疫力でがんを攻撃しやすくする薬です。
PD-L1の発現率が50%以上の場合は単独での使用、50%未満の場合は化学療法との併用が検討されることが多いですが、治療方針は担当医との詳細な相談のうえで決定されます(個人差があります)。
分子標的薬や化学療法・放射線療法を行ったにもかかわらず、効果が限られたり再発したりする場合、患者さまやご家族は次の選択肢に迷われることが少なくありません。こうした状況で注目されているのが、がん免疫細胞療法という選択肢です。
免疫細胞療法は患者さま自身の免疫細胞を活用してがんへの攻撃を高める治療法で、標準治療との併用が可能なケースもあります。バイオマーカー検査の結果と照らし合わせながら、患者さま一人ひとりの免疫状態やがんの特性に合わせた治療計画を立てることが重要です。
✅ 免疫細胞療法のメリット
⚠️ 注意・留意点
東京都千代田区に位置するICVS東京クリニックでは、開院以来、免疫療法によるがんの縮小や消失を目指してまいりました。「治す」ことを決してあきらめず、これまでの治療の限界を超えて、がんから解放されるために——そのような思いを胸に、患者さまやご家族の力となり支えになるために尽くしています。

理事長 蓮見賢一郎 先生より
「バイオマーカー検査の結果を受けて、次の治療をどうすべきか悩まれている患者さまやご家族がいらっしゃいます。標準治療の限界を感じたとき、免疫療法という選択肢を知っていただきたいと思っています。治療が始まった瞬間から、医師は患者さまのパートナーです。どんな困難な状況でも、最良のガイドとなるべく尽力いたします。まずは丁寧にご説明し、ご理解とご納得をいただくことを大切にしています。東京都千代田区のクリニックへ、どうぞお気軽にご相談ください。」
バイオマーカー検査後の次のステップに悩まれている方、標準治療に限界を感じている方、ぜひ一度ICVS東京クリニックにご相談ください。医師が丁寧にご説明し、ご納得いただける治療計画をご提案します。

「分子標的治療と言われたけれど、どんな治療なの?」「放射性ヨウ素療法が効かなくなってしまった…次の選択肢は?」——甲状腺がんと診断されたご本人やご家族が、こうした疑問や不安を抱えるのはごく自然なことです。
結論からお伝えすると、甲状腺がんにおける分子標的治療とは、がん細胞の増殖に関わる特定の”分子(たんぱく質や遺伝子)”をピンポイントで攻撃する薬物療法です。従来の抗がん剤とは作用の仕組みが異なり、放射性ヨウ素療法が効かなくなった進行・再発がんに対して用いられることが多い治療法です。
この記事では、甲状腺がんの分子標的治療の仕組み・種類・対象となる患者さんの条件・期待できる効果と副作用・そして標準治療と組み合わせられる免疫細胞療法の考え方まで、できるだけわかりやすく解説します。(なお治療効果には個人差があります)
甲状腺がんは、喉仏の下に位置する甲状腺に発生するがんの総称です。大きく分けると、乳頭がん・濾胞がん・髄様がん・未分化がんの4種類があります。このうち乳頭がんと濾胞がんは「分化型甲状腺がん」と呼ばれ、全体の約90%以上を占めます。一般的に進行が緩やかで予後が比較的良好とされていますが、遠隔転移が起きた場合や放射性ヨウ素療法が効かなくなった場合は、治療の方針が大きく変わります。
一方、未分化甲状腺がんは全体の約1〜2%と頻度は低いものの、急速に進行するため治療の難易度が高く、診断から治療開始までのスピードが求められます。髄様がんは遺伝性のものが約25%あるとされており、遺伝子検査を含めた精密な診断が必要です。
甲状腺がんの標準治療は、主に①外科手術(甲状腺摘出)→②放射性ヨウ素(I-131)療法→③TSH抑制療法(甲状腺ホルモン投与)という流れで行われます。分化型甲状腺がんの多くはこの流れで治療が進みますが、放射性ヨウ素療法が効かないと判断されたケースや、手術が困難な進行・再発がんでは、次のステップとして分子標的治療が検討されることになります。
「標準治療の次に何があるのか」を知っておくことは、治療の選択肢を広げるうえでとても重要です。焦らず、一つひとつ理解を深めていきましょう。
分化型甲状腺がんの細胞は、もともと放射性ヨウ素を取り込む性質を持っています。しかし再発・進行を繰り返すうちに、がん細胞がこの性質を失い、放射性ヨウ素を吸収できなくなることがあります。この状態を「放射性ヨウ素難治性甲状腺がん」と呼びます。この段階になると、放射性ヨウ素療法の効果が期待できないため、分子標的薬が主な選択肢として浮上します。
「分子標的治療」という言葉を初めて聞くと難しく感じるかもしれませんが、考え方はシンプルです。従来の抗がん剤は、増殖が速い細胞(がん細胞を含む)を広く攻撃するアプローチでした。そのため正常な細胞も影響を受けやすく、脱毛・吐き気・骨髄抑制といった副作用が生じやすいという特徴があります。
一方、分子標的治療はがん細胞の増殖・生存に深く関わる特定の分子(たんぱく質・受容体・酵素)だけを狙い撃ちにする薬物療法です。不要な攻撃を減らし、がん細胞への打撃を効率よく与えることを目指した設計となっています。ただし、副作用がゼロというわけではなく、薬の種類によって異なる副作用が現れる場合があります(詳しくは後述します)。

がん細胞が増殖するためには、特定のシグナル伝達経路(情報の伝わり道)が必要です。分子標的薬はそのシグナルを伝える”カギとなる分子”をブロックし、がん細胞の増殖を抑える働きをします。「がん細胞に特化した攻撃ができる薬」というイメージが近いでしょう。
甲状腺がんでは「VEGFR(血管内皮細胞増殖因子受容体)」「RET(がん化に関わる遺伝子)」「BRAF(細胞増殖シグナルに関わる酵素)」などが主な標的となります。これらの分子の働きを薬が抑えることで、腫瘍への血液供給を断ったり、がん細胞の増殖シグナルをブロックしたりします。
分子標的薬について多い誤解として「飲めばがんが治る」というイメージがあります。しかし正確には、がんの進行を遅らせたり、腫瘍を縮小させることを目的とした薬です。症状が安定・改善する期間(無増悪生存期間)を延ばすことが主な目標となります。個人差が大きく、すべての患者さんに同じ効果が得られるわけではありません。
甲状腺がんの分子標的治療は、主に以下のような条件を満たす患者さんが対象として検討されることが多いです。手術・放射性ヨウ素療法・TSH抑制療法といった標準治療が効かなくなった、または適応が難しいと判断された進行・再発がんの患者さんです。また、未分化甲状腺がんや髄様がんのように、放射性ヨウ素療法がもともと適応でないがん種でも、分子標的薬の使用が検討されます。
どの薬を使うかは、がんの組織型や遺伝子変異の有無(BRAF変異など)によっても異なるため、遺伝子パネル検査や生検を通じた精密な診断が重要なステップになります。
現在、甲状腺がんに用いられる主な分子標的薬には以下のようなものがあります。それぞれ対象となるがんの種類・標的分子・投与方法が異なります。あくまでも参考情報として、担当医との相談の際に活用してください。
| 薬剤名(一般名) | 主な対象 | 主な標的 |
|---|---|---|
| レンバチニブ | 放射性ヨウ素難治性分化型甲状腺がん | VEGFR・FGFR・RETなど |
| ソラフェニブ | 放射性ヨウ素難治性分化型甲状腺がん | VEGFR・BRAF・RETなど |
| バンデタニブ | 髄様甲状腺がん | RET・VEGFRなど |
| カボザンチニブ | 髄様甲状腺がん | RET・MET・VEGFRなど |
| ダブラフェニブ+トラメチニブ | BRAF変異を持つ未分化甲状腺がん | BRAF・MEK |
※上記はあくまでも情報提供を目的とした参考一覧です。実際の使用可否・投与量は患者さんの状態・病期・合併症などにより主治医が判断します。自己判断での服用は危険ですので、必ず専門医にご相談ください。
放射性ヨウ素難治性の分化型甲状腺がんには、現在日本ではレンバチニブとソラフェニブが保険適用されており、標準治療として位置づけられています。国内外の臨床試験データでは、レンバチニブは無増悪生存期間を有意に延長したことが示されています(個人差があります)。どちらの薬を選ぶかは、患者さんの全身状態・合併症・希望を踏まえて担当医が総合的に判断します。
未分化甲状腺がんでBRAF遺伝子変異(V600E変異)が確認された場合は、ダブラフェニブとトラメチニブの併用療法が選択肢のひとつとなります。遺伝子変異の有無によって治療法が変わるため、組織診断と遺伝子検査を組み合わせた精密な評価が欠かせません。髄様がんには、バンデタニブまたはカボザンチニブが適応されることがあります。
分子標的治療の主な目的は、腫瘍の縮小・進行の抑制・症状の安定化です。完全にがんがなくなることを目指すというよりも、がんと共存しながら生活の質(QOL)を維持・向上させることを重視した治療と言えます。
治療期間は患者さんの状態や薬剤の効果によって異なりますが、効果が持続している間は継続して服薬するケースが多く、数ヶ月から数年にわたることもあります。ただし、薬剤耐性が生じて効果が弱まることもあるため、定期的な画像検査(CTや超音波)で効果を確認しながら治療方針を見直すことが重要です(個人差があります)。
分子標的薬には特有の副作用があります。代表的なものを以下に整理します。副作用の出方や程度には個人差がありますので、気になる症状が現れた場合は速やかに担当医に相談することが大切です。
レンバチニブ・ソラフェニブの主な副作用
副作用への主な対処のポイント
⚠️ 注意:自己判断で服薬を中断しないこと
副作用がつらくなると「薬を飲むのをやめてしまおう」と考える患者さんもいます。しかし、自己判断での服薬中断は治療効果に影響を及ぼす可能性があります。副作用が気になる場合は、まず担当医に相談し、用量調整や休薬などの対応を検討してもらいましょう。
分子標的薬は継続使用のなかで薬剤耐性が生じ、効果が弱まるケースがあります。そうなった場合、別の分子標的薬への切り替えや、免疫チェックポイント阻害剤・がん免疫細胞療法など他のアプローチとの組み合わせを検討することが選択肢のひとつになります。標準治療だけで選択肢が尽きたと感じる前に、専門家へのご相談をお勧めします。東京都千代田区をはじめ、国内外にもさまざまな専門機関があります。ひとりで抱え込まず、情報収集を続けることが大切です。
東京都千代田区に位置するICVS東京クリニックでは、2008年の開院以来、がん免疫細胞療法「HITV療法」に特化した診療を続けてまいりました。HITV療法は、患者さんご自身の免疫細胞(樹状細胞)を活性化・培養し、CTガイド下で腫瘍内に直接投与する独自開発の治療法です。
分子標的治療や放射線療法などの標準治療との併用が可能な点が特徴のひとつです。「今の治療を続けながら、もう一つの選択肢も探したい」とお考えの患者さんやご家族のご相談をお受けしています。

📌 費用・診療について
HITV療法は全額自己負担の自由診療です。医療相談(電話・オンライン・対面):税込11,000円/初診料:税込33,000円。HITV療法治療費・CTガイド下投与オプションについては治療計画に応じて異なりますので、詳しくはお問い合わせください。診療時間は9:00〜12:00/13:00〜17:00(土・日・祝休診)。
👨⚕️ 理事長:蓮見賢一郎 より
「治す」ことをあきらめず、これまでの治療の限界を超えてがんから解放されるために、私たちは常に患者さまのパートナーであり続けたいと思っています。甲状腺がんで分子標的治療を受けられている方、あるいは次の選択肢を探しておられる方も、まずは現在の状況をお聞かせください。どんな困難な状況でも、患者さまやご家族のお力になれるよう、東京都千代田区のクリニックで誠実にご対応いたします。
甲状腺がんの治療でお悩みのご本人・ご家族の方へ。東京都千代田区・ICVS東京クリニックでは、電話・オンライン・対面での医療相談(税込11,000円)に対応しています。まずはお気軽にご連絡ください。
「治す」ことを決してあきらめず、これまでの治療の限界を超えて、がんから解放されるために。がんで苦しんでおられる患者さまやご家族の力となり支えになるために尽くします。
ICVS東京クリニックでは開院以来、免疫療法によるがんの縮小や消失を目指してまいりました。HITV療法はその中核となる治療であり、腫瘍内への直接投与というアプローチに私たちは独自の可能性を見出しています。
治療が始まった瞬間から、医師は患者さまのパートナーです。どんな困難な状況に陥っても、最良のガイドとなるべく尽力いたします。まずは患者さまご自身やご家族の方に、お受けになる治療について丁寧にご説明し、ご理解とご納得をいただくことを大切にしています。