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Columnコラム

肺がんステージ4の余命は変わる?治療で延ばせる可能性と相談の目安肺がん2026/01/07(水)

肺がんステージ4と診断されたとき、知っておくべきこと

「ステージ4」という言葉を聞いたとき、多くの方が大きな不安を感じられると思います。

肺がんは日本人の死亡原因の中でも上位に位置し、特にステージ4と診断された場合、治療の選択肢や今後の見通しについて、さまざまな疑問や心配が生まれるのは当然のことです。しかし、医療は日々進歩しており、ステージ4であっても治療によって余命を延ばせる可能性が広がっています。

肺がんのステージ4とは、がんが肺から離れた臓器(肝臓、骨、脳、副腎など)に転移している状態を指します。この段階では、根治を目指すことは難しいとされていますが、「治らない」ことと「何もできない」ことは同じではありません。適切な治療を選択することで、生活の質を保ちながら長く過ごすことが可能になってきています。

この記事では、肺がんステージ4の余命や生存率、そして治療によって延ばせる可能性について、最新の情報をもとに詳しくお伝えします。また、どのような治療法があり、どのタイミングで専門医に相談すべきかについても解説します。

肺がんステージ4の余命と生存率・・・統計データが示すもの

余命や生存率という数字は、あくまで統計上の目安です。

肺がんステージ4の5年生存率は約8.0%程度と報告されています。この数字だけを見ると厳しい現実のように感じられるかもしれませんが、これは過去のデータに基づいた平均値であり、個々の患者さまの状況によって大きく異なります。

近年の治療法の進歩により、ステージ4であっても延命が可能になってきており、進行を抑えながらコントロールしていく治療が注目されています。実際に、適切な治療を受けることで、5年・10年を超えて生活されている方も増えています。

また、肺がんの種類によっても生存率は大きく異なります。非小細胞肺がんと小細胞肺がんでは治療法も予後も異なり、さらに非小細胞肺がんの中でも、ドライバー遺伝子の有無によって治療効果が変わってきます。

特に注目すべきは、ALK融合遺伝子陽性の肺がんでは、治療効果の高かった患者さまを対象としたデータで5年生存率が75%に達したという報告もあります。これは、適切な治療法を選択することで、統計上の平均を大きく上回る可能性があることを示しています。

出典がん911「肺がんステージ4・余命1ヶ月の宣告を受けたら?」より作成

余命1ヶ月と宣告されたときの症状と経過

余命宣告を受けた場合、どのような経過をたどるのか・・・

肺がんステージ4で余命1ヶ月と宣告された場合、多くの方に共通して現れる症状があります。初期には食欲不振、倦怠感、呼吸困難といった症状が現れ、日々少しずつ状態が悪化していくことが多いです。

それまで比較的元気だった方でも、急速に活動量が落ちてしまうことがあります。がんの進行や、腫瘍が臓器を圧迫することで便秘や吐き気などの症状が現れ、食事や水分が取りづらくなることもあります。

週単位での経過と変化

 

余命宣告後、週が進むにつれて、患者さまができることは徐々に減っていく傾向にあります。

がんの進行や体の機能低下により、飲み込む力が弱まり、誤嚥のリスクが高まるため、食事や水分摂取量が減ります。その結果、体力や筋力の急速な低下が多く見られます。特に、水分摂取量の減少は、心臓や腎臓に負担をかけ、尿の量も少なくなることがあります。

余命宣告から2週間ほど経過すると、低酸素状態や代謝の異常、薬の影響などにより、せん妄と呼ばれる意識の混濁状態が見られることがあります。さらに3週間ほど経過すると、全身の機能が徐々に衰え、眠っている時間が長くなったり、会話が難しくなったりすることがあります。

終末期における数日から数時間単位の変化

 

終末期に近づくと、より短い時間単位での変化が現れます。

呼吸の状態が変化し、浅く速い呼吸や、逆にゆっくりとした呼吸になることがあります。意識レベルも低下し、反応が鈍くなったり、眠っている時間がさらに長くなったりします。体温調節機能も低下し、手足が冷たくなることもあります。

このような状態では、無理に食事を取る必要はなく、食べられるときに、少量ずつ食べられるものを食べるようにすることが大切です。ご家族の皆さまも心身ともにつらい時期かと思いますが、患者さまとの残された時間を大切にし、無理をせず、穏やかに過ごすことを心がけてください。

出典がん911「肺がんステージ4・余命1ヶ月の宣告を受けたら?」より作成

治療で余命を延ばせる可能性・・・進化する肺がん治療

肺がん治療は、この数年で大きく進歩しました。

ステージ4の肺がんであっても、適切な治療を選択することで、余命を延ばし、生活の質を保つことが可能になってきています。治療の目的は「治す」から「コントロールする」へと変化しており、がんと共存しながら長く生活することを目指す時代になっています。

分子標的薬による個別化医療

 

肺がんの中でも、特定のドライバー遺伝子を持つタイプには、分子標的薬が高い効果を示します。

EGFR遺伝子変異陽性の肺がんは、非小細胞肺がんの40~50%を占め、タグリッソ(オシメルチニブ)などの分子標的薬が主役となっています。ALK融合遺伝子陽性の肺がんは3~5%程度ですが、アレセンサ(アレクチニブ)などの薬が高い効果を示し、投与開始から8年間効いている患者さまもいらっしゃいます。

分子標的薬は、従来の抗がん剤が正常細胞も攻撃してしまうのに対し、主にがん細胞のみを攻撃するため、正常細胞へのダメージは比較的少なく、副作用の負担も軽い傾向にあります。薬を飲むだけで済み、入院も不要です。

ただし、飲み続けるとがん細胞が薬に対する耐性を獲得するため、効かなくなれば次の薬へつなぐ必要があります。治療の最初からよく効く薬を使うことで、患者さまの生活の質も高く保て、結果的に生存期間も延びる傾向にあります。

免疫チェックポイント阻害薬の登場

 

免疫療法の一つである免疫チェックポイント阻害薬も、肺がん治療の選択肢として重要な位置を占めています。

オプジーボに続く薬も増えており、世界中で臨床試験が活発に行われています。免疫チェックポイント阻害薬は、患者さま自身の免疫システムを活性化させ、がん細胞を攻撃する力を高める治療法です。

化学療法との併用や、術後補助療法としても用いられるようになり、治療の選択肢が広がっています。ただし、すべての患者さまに効果があるわけではなく、効果の予測因子についても研究が進められています。

出典グッドサポートクラブ「肺がん、長期共存の時代が見えてきた」より作成

ICVS東京クリニックが提供するHITV療法という選択肢

標準治療だけでは先が見えず不安な方へ・・・

ICVS東京クリニックでは、ステージ4の進行肺がんや再発肺がんに対しても、「治すことをあきらめない」姿勢で向き合う免疫療法を行っています。当院が目指しているのは、「延命」ではなく「救命」です。

HITV療法の仕組みと特長

 

HITV療法は、体にもともと備わっている免疫の力を利用して、がん細胞を攻撃する治療法です。

特に重要なのが、「樹状細胞」と呼ばれる免疫細胞です。樹状細胞は、免疫システムの”司令塔”の役割を持ち、がん細胞の情報を正確に覚え、その情報をキラーT細胞(CTL)に伝え、がん細胞を効率よく攻撃させるという働きをします。

当院では、この樹状細胞をCT画像で確認しながら肺がんの腫瘍内へ直接投与する、独自の治療技術を用いています。腫瘍そのものを「がんを攻撃する免疫細胞の生産拠点」に変えることで、画像診断では見えない微細ながん細胞にも免疫が働く可能性があります。

身体への負担や副作用が比較的少ない治療であるため、体力に不安がある方や、これまでの治療でつらい思いをされた方でも、検討しやすい治療法とされています。

オーダーメイドの治療計画

 

肺がんの状態や進行の仕方、これまで受けてきた治療内容は、患者さまごとに大きく異なります。

当院では、事前診断で画像や検査データを丁寧に確認し、専門医が適応の可否を慎重に判断します。治療内容・通院回数・費用について事前に詳しく説明したうえで、患者さまご本人とご家族が納得してから治療を開始します。

「治療を続けるうちに、気づいたら身体的にも経済的にも限界だった」そのような状況にならないよう、最初からゴールを見据えた治療計画を大切にしています。治療が始まった瞬間から、医師は「治療を行う人」ではなく、患者さまのパートナーとして寄り添う存在でありたいと考えています。

なお、HITV療法は、日本国内において医薬品医療機器等法上の承認を受けていない治療法であり、保険適用外の自由診療となります。そのため、治療内容・流れ・想定されるリスクや副作用については、事前に十分な説明を行い、ご理解・ご納得いただいた上で治療を進めています。

専門医に相談すべきタイミングと準備

どのタイミングで相談すればよいのか・・・

肺がんステージ4と診断された場合、できるだけ早い段階で専門医に相談することが重要です。特に、以下のような状況では、積極的に相談を検討してください。

相談を検討すべき状況

 

  • 標準治療だけでは先が見えず不安な方 – 手術、抗がん剤、放射線治療といった標準治療だけでは治癒が難しいと言われた場合
  • 再発や転移に悩んでいる方 – 治療後に再発が見つかった場合や、新たな転移が確認された場合
  • 今後の選択肢を一度整理したい方 – 複数の治療法がある中で、自分に合った選択肢を見つけたい場合
  • 体力に不安がある方 – 従来の治療による副作用が強く、体力的に続けることが難しいと感じている場合

相談前に準備しておくべきこと

 

専門医との相談を有意義なものにするために、以下の情報を準備しておくことをお勧めします。

  • これまでの治療歴 – いつ、どのような治療を受けたか、その効果や副作用はどうだったか
  • 現在の症状 – 日常生活でどのような症状があるか、その程度はどのくらいか
  • 画像検査や血液検査の結果 – PET-CTやCT、MRIなどの画像データ、腫瘍マーカーなどの血液検査結果
  • 遺伝子検査の結果 – ドライバー遺伝子の有無や種類がわかっている場合
  • ご家族の意向 – 治療に対するご本人とご家族の希望や不安

当院では、医療相談や事前診断を通じて、今の状態に合った可能性を丁寧にお伝えしています。

まとめ・・・統計は参考値、あなた自身の未来は変えられる

肺がんステージ4と診断されたとき、余命や生存率という数字に不安を感じるのは当然のことです。

しかし、これらの数字はあくまで統計上の目安であり、あなた自身の寿命ではありません。医学は日々進化しており、新たな治療の選択肢が生まれています。分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬の登場により、ステージ4であっても長期生存や生活の質を保つことが可能になってきています。

特に、ドライバー遺伝子を持つタイプの肺がんでは、適切な治療法を選択することで、統計上の平均を大きく上回る可能性があります。また、ICVS東京クリニックが提供するHITV療法のような、免疫の力を最大限に引き出す治療も選択肢の一つとなります。

大切なのは、「数字にとらわれすぎないこと」。今できることに目を向け、希望のある治療を前向きに検討することが重要です。標準治療だけでは先が見えず不安な方、再発や転移に悩んでいる方、今後の選択肢を一度整理したい方は、ぜひ専門医に相談してください。

当院では、がん免疫療法に長年携わってきた専門医のもと、医師・培養技術者・スタッフが連携し、安全性と精度を重視した治療体制を整えています。治療そのものだけでなく、患者さまやご家族のお気持ちにも寄り添いながら、安心して治療に臨んでいただける環境づくりを大切にしています。

あなたの未来は、まだ変えられる可能性があります。

肺がんでお悩みの方は、ぜひ一度、ICVS東京クリニックにご相談ください。医師との医療相談や事前診断を通じて、今の状態に合った可能性を丁寧にお伝えいたします。

著者情報

ICVS東京クリニック 理事長 蓮見 賢一郎

 

【経歴】

埼玉医科大学卒業。

東京大学医科学研究所を経て、現在は米国法人 蓮見国際研究財団理事長。

世界各国で『国際がんワクチン・シンポジウム』を開催し、がん免疫療法の啓蒙と研究活動を推進している。

米国Thomas Jefferson 大学 Kimmel Cancer Center に研究講座を開設、同大学の客員教授。

ブルガリアPleven 医科大学より、がん免疫療法の研究活動に対して名誉博士号授与。

その他、米国Maryland 州立大学、ドイツ Erlangen 大学との共同研究や、マレーシア国民大学(UKM)との臨床試験を行っている。

抗がん剤の副作用とは?起こりやすい症状と軽減のためにできる対策がん2026/01/06(火)

抗がん剤治療と副作用について

がん治療において、抗がん剤は重要な役割を果たします。

しかし、治療を受ける患者さんやご家族にとって、副作用への不安は大きいものです。「どのような症状が現れるのか」「いつまで続くのか」「日常生活への影響は」といった疑問を抱えている方も少なくないでしょう。

抗がん剤は、がん細胞の増殖を抑える一方で、正常な細胞にも影響を及ぼすことがあります。特に、細胞分裂が活発な組織・・・髪の毛、口腔粘膜、骨髄、消化管などが影響を受けやすく、さまざまな副作用が生じる可能性があります。

本記事では、抗がん剤治療に伴う主な副作用とその対策について、医療現場での経験をもとに詳しく解説します。副作用と上手に向き合い、治療を継続していくためのヒントをお伝えできればと考えています。

抗がん剤治療で起こりやすい副作用とは

抗がん剤による副作用は、使用する薬剤の種類や投与量、患者さんの体調によって異なります。

ここでは、多くの患者さんに見られる代表的な副作用について説明します。

骨髄抑制による影響

 

骨髄は血液を作る重要な器官です。抗がん剤の影響で骨髄の働きが弱まると、**白血球**、**赤血球**、**血小板**といった血液成分が減少します。

白血球が減少すると、体の抵抗力が低下し、感染症にかかりやすくなります。一般的に、抗がん剤投与後7〜10日目頃から白血球数が減り始め、10〜14日目頃に最低値となり、3週間程度で回復することが多いです。

赤血球が減少すると、貧血症状が現れます。めまいや立ちくらみ、息切れ、体のだるさなどを感じることがあります。血小板が減少すると、出血しやすくなったり、出血が止まりにくくなったりします。

治療期間中は定期的に血液検査を行い、これらの数値を確認することが重要です。

消化器系の副作用

 

吐き気や嘔吐は、抗がん剤治療で比較的多く見られる副作用です。

症状の現れ方は個人差が大きく、投与後24時間以内に起こる場合もあれば、数日後に現れることもあります。現在では、さまざまな制吐剤が開発されており、予防的に使用することで症状をコントロールできるようになってきています。

下痢や便秘も起こり得る副作用です。下痢は消化管の粘膜が影響を受けることで生じ、便秘は抗がん剤だけでなく、吐き気止めや痛み止めの薬によっても引き起こされることがあります。

口腔粘膜炎と口腔乾燥

 

口の中の粘膜がダメージを受けると、口内炎が発生します。

抗がん剤投与後2〜14日頃に症状が現れることが多く、口の中がヒリヒリしたり、食べ物がしみたりします。また、唾液の分泌量が減少することで口腔乾燥が起こり、口の中がネバネバしたり、話しづらくなったりすることもあります。

これらの症状は治療終了後、ほとんどの場合改善しますが、感染予防や食事への影響を考えると、適切なケアが大切です。

出典

静岡がんセンター「副作用対策について」

より作成

脱毛とその他の皮膚症状

 

脱毛は、抗がん剤治療の副作用として広く知られています。

すべての抗がん剤で脱毛が起こるわけではありませんが、特定の薬剤では高い頻度で見られます。髪の毛だけでなく、まつげ、眉毛、鼻毛、体毛なども抜けることがあります。

脱毛の時期と経過

 

脱毛が起こる抗がん剤を使用した場合、1回目の治療開始後、2〜3週間で髪が抜け始めることが一般的です。

この副作用は抗がん剤の作用によるものですので、多くの場合、治療が終了すれば髪の毛は再び生えてきます。ただし、治療中は心理的な負担も大きいため、医療用ウィッグや帽子、バンダナなどを活用される方が多いです。

皮膚への影響

 

一部の抗がん剤では、皮膚症状が現れることがあります。

特に分子標的薬では、にきびのような発疹、皮膚の乾燥、爪周囲の炎症などが報告されています。また、手足症候群と呼ばれる症状では、手のひらや足底に痛み、赤み、腫れ、皮膚のむけ、水疱などが生じることがあります。

これらの症状に対しては、保湿剤を使ったスキンケアや、症状が現れた際のステロイド外用剤による早めの対処が重要です。

末梢神経障害とその対策

末梢神経障害は、手足のしびれとして現れる副作用です。

特定の抗がん剤、例えばパクリタキセルなどのタキサン系薬剤を使用した場合、およそ7割の患者さんでこの症状が生じると報告されています。

症状の特徴

 

手のしびれは、ものを掴みにくいなど手先の作業が困難になることがあります。

足のしびれでは、裸足で小石の上を歩いているような感覚や痛みを伴うこともあります。日常生活を送る上で重要な問題となるため、適切な対策が求められます。

予防と軽減のための工夫

 

末梢神経障害の予防として、手足を冷却する方法が注目されています。

抗がん剤投与中に手足の血液の流れを少なくすることで、抗がん剤が手足に回りにくくなり、神経へのダメージを軽減できる可能性があります。医療機関によっては、冷却用グローブやソックスを用意しているところもあります。

また、弾性圧迫グローブ・ストッキングを使用する方法も研究されています。肌を締め付けることで血流を調整し、しびれの予防効果が期待されています。

症状が現れた場合は、手足を温めたり、マッサージをしたりすることで血行が良くなり、症状が改善することがあります。痛みが強い場合は、痛み止めの薬で対処することも可能です。

出典

がん情報サイト「オンコロ」「乳がんの抗がん剤治療の副作用をより軽く」

より作成

日常生活でできる副作用対策

副作用の多くは、患者さんご自身の工夫で軽減できる可能性があります。

ここでは、日常生活で実践できる具体的な対策をご紹介します。

感染症予防のための基本行動

 

白血球が減少している時期は、感染症予防が最優先です。

**こまめな手洗い**と**うがい**は基本中の基本です。外出時はマスクを着用し、人混みを避けるようにしましょう。体や口の中を清潔に保つことも重要で、毎日の入浴や歯磨きを心がけてください。

38℃以上の発熱がある場合は、すぐに医療機関に連絡することが必要です。風邪をひいている人には近づかないようにし、予防接種を考えている際は必ず主治医に相談してください。

食事に関する工夫

 

吐き気や食欲不振がある場合、食事の工夫が大切です。

無理に食べる必要はありません。食べられそうな時に、食べたいものを少しずつ摂るようにしましょう。1回の食事量を減らし、回数を増やすのも良い方法です。水分はこまめに摂り、脱水を予防してください。

においが気になる時は、料理を少し冷ましてから食べると良いでしょう。めん類やゼリー、フルーツ、ヨーグルト、冷たいスープなど、のどごしの良いものが食べやすい傾向があります。

下痢がある時は、消化の良いものを少量ずつ摂るようにしましょう。乳製品や香辛料、アルコール、カフェイン、食物繊維や脂肪の多い食事、生ものは避けることが推奨されます。

口腔ケアの重要性

 

口腔粘膜炎や口腔乾燥を予防・軽減するには、口の中を清潔に保つことが大切です。

治療開始前に歯科を受診し、虫歯や歯周病をチェックしておくことをお勧めします。起床時や食前後、就寝前などにこまめにうがいを行い、口の中を潤わせておきましょう。

歯磨きは、毛先の柔らかい歯ブラシを使い、口内を傷つけないよう注意してください。痛みがある時期でも、刺激の少ない口腔ケア用品を使用して、できる範囲で丁寧に行うことが重要です。

口腔乾燥がある場合は、保湿剤を使用して乾燥予防に努めましょう。寝ている時はマスクを装着するのも効果的です。

その他の日常的な注意点

 

血小板が減少している時期は、出血に注意が必要です。

転ばないように気をつけ、鼻を強くかみすぎないようにしましょう。ひげそりは、刃のあるカミソリではなく電気カミソリを使用することで、切り傷を予防できます。

倦怠感やだるさを感じる場合は、無理をせず休息を取ることが大切です。ご自身の体調の変化を把握し、その変化に合わせて生活を工夫していくことで、治療を継続しやすくなります。

出典

新潟大学医歯学総合病院「抗がん剤の副作用と家庭でできる対策」

より作成

医療スタッフとの連携と相談

副作用への対処において、医療スタッフとの連携は欠かせません。

気になる症状や普段と違うことがあれば、遠慮なく主治医や薬剤師、看護師に相談してください。症状の程度によっては、抗がん剤の休薬や減量、症状を改善する薬の使用などで対処できることも多いです。

すぐに連絡すべき症状

 

以下のような症状が現れた場合は、すぐに医療機関に連絡してください。

38℃以上の発熱、悪寒、咳などの風邪のような症状が見られた場合、感染症の可能性があります。また、息苦しさ、汗が出る、顔のほてり、心臓がドキドキする、胸の苦しさ、かゆみ、発疹などは、アレルギー反応の兆候かもしれません。

めまいや立ちくらみが続く場合、身に覚えのない内出血や血便、鼻血などの出血、出血が止まらない場合も、すぐに相談が必要です。1日4回以上の下痢がある時も、脱水症状を起こす可能性があるため注意が必要です。

治療計画の見直し

 

副作用の状況によっては、治療計画を見直すこともあります。

患者さん一人ひとりの状態や治療歴、生活背景を踏まえた対応が重要です。当院では、事前診断でPET-CTなどの画像データや血液検査結果をもとに、治療の適応や見通しについて丁寧な説明を行い、納得したうえで治療を検討できる体制を整えています。

副作用と上手に向き合いながら、治療を継続していくためには、医療チーム全体でのサポートが不可欠です。

免疫療法という選択肢

抗がん剤治療の副作用に悩まされている方、あるいは標準治療を続けてきたけれど今後の治療に不安を感じている方にとって、免疫療法は一つの選択肢となり得ます。

免疫療法は、患者さんご自身の免疫力を活用してがんと向き合う治療法です。抗がん剤や放射線治療などの標準治療と組み合わせることで、その働きを助け、治癒を早める可能性が期待されています。

HITV療法の特徴

 

当院で行っている**HITV療法**は、免疫の司令塔である「樹状細胞」を活用した治療法です。

樹状細胞は、攻撃対象となるがん細胞の情報を学習・獲得し、高い攻撃力を持つ免疫細胞CTL(キラーT細胞)にその情報を伝達します。その情報に基づき、体内に誘導されたCTLが効率的にがん細胞を攻撃・排除する仕組みです。

HITV療法の大きな特長は、樹状細胞を腫瘍へ直接投与する点にあります。CTガイド下投与という独自技術により、リアルタイムのCT画像をもとに樹状細胞を腫瘍内へ正確に投与することで、抗原性の高いがん情報を免疫細胞に伝え、高精度ながん攻撃を可能にします。

身体への負担が少ない治療

 

免疫療法は、身体への負担が比較的少ない点も特徴とされています。

治療はすべて外来通院で行われ、入院の必要はありません。遠方から来院される方への配慮や、治療期間・費用についても事前にしっかり話し合う姿勢を取っているため、「知らないまま治療が進んでしまう」といった不安を感じにくい環境です。

ステージⅣの進行がんや再発がんなど、一般的な治療では難しいとされるケースに対しても、「治すことをあきらめない」という姿勢で診療にあたっています。

まとめ

抗がん剤治療に伴う副作用は、患者さんにとって大きな負担となることがあります。

しかし、副作用の種類や対策を理解し、適切なケアを行うことで、症状を軽減しながら治療を継続することは可能です。骨髄抑制、消化器症状、口腔粘膜炎、脱毛、末梢神経障害など、それぞれの副作用に対して有効な対策があります。

日常生活での工夫・・・感染症予防、食事の調整、口腔ケア、適切な休息などを実践することで、QOL(生活の質)を保ちながら治療に臨むことができます。また、医療スタッフとの密な連携も欠かせません。気になる症状があれば、遠慮なく相談してください。

当院では、患者さん一人ひとりの状態や治療歴、生活背景を踏まえた治療計画を重視しています。抗がん剤治療の副作用に悩まれている方、今の治療に不安がある方、別の視点から話を聞いてみたいと感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。

がんそのものだけでなく、患者さんやご家族の気持ちにも寄り添いながら、治療の選択肢を一緒に考えていくことが、私たちの使命だと考えています。

詳しい治療内容や相談をご希望の方は、ICVS東京クリニックまでお気軽にお問い合わせください。

著者情報

ICVS東京クリニック 理事長 蓮見 賢一郎

 

【経歴】

埼玉医科大学卒業。

東京大学医科学研究所を経て、現在は米国法人 蓮見国際研究財団理事長。

世界各国で『国際がんワクチン・シンポジウム』を開催し、がん免疫療法の啓蒙と研究活動を推進している。

米国Thomas Jefferson 大学 Kimmel Cancer Center に研究講座を開設、同大学の客員教授。

ブルガリアPleven 医科大学より、がん免疫療法の研究活動に対して名誉博士号授与。

その他、米国Maryland 州立大学、ドイツ Erlangen 大学との共同研究や、マレーシア国民大学(UKM)との臨床試験を行っている。

免疫療法が効く人・効かない人の違いとは?適応の見極めポイントを徹底解説がん2026/01/06(火)

免疫療法とは何か

がん治療の選択肢として注目されている免疫療法ですが、その仕組みをご存知でしょうか。

免疫療法は、私たちの体が本来持っている「免疫システム」を活用した治療法です。手術や抗がん剤、放射線治療といった従来の治療法とは異なり、体の免疫細胞ががん細胞を攻撃する力を引き出すことを目的としています。

免疫システムは、細菌やウイルスなどの異物を見つけて排除する役割を担っています。がん細胞も本来は異物として認識されるべきですが、がん細胞は自分の細胞が変化したものであるため、免疫システムが見逃してしまうことがあります。さらに、がん細胞自身が免疫細胞の働きを抑える物質を放出することもわかってきました。

免疫療法は、この免疫システムの働きを強化したり、がん細胞による免疫抑制を解除したりすることで、がん細胞への攻撃力を取り戻す治療法です。特に「免疫チェックポイント阻害薬」は、免疫細胞にかかっているブレーキを外すことで、本来の免疫力を復活させる画期的な治療薬として期待されています。

免疫療法が効きやすい人の特徴

すべての患者さんに等しく効果が現れるわけではありません。

免疫療法の効果には個人差があり、「効きやすい人」と「そうでない人」が存在します。では、どのような患者さんが免疫療法に向いているのでしょうか。

免疫が働きやすいがんの種類

 

がんには、免疫細胞が活発に働いている「ホットな腫瘍(hot tumor)」と、ほとんど免疫が存在しない「冷たい腫瘍(cold tumor)」があります。免疫チェックポイント阻害薬が効果を示しやすいのは、hot tumorのがん種です。

悪性黒色腫(メラノーマ)非小細胞肺がん腎細胞がん膀胱がんMSI-H(高頻度マイクロサテライト不安定性)大腸がんなどが該当します。これらのがん種では、すでに保険適用されており、奏効率も比較的高い傾向があります。

PD-L1の発現が高い患者さん

 

がん細胞がPD-L1というタンパク質を多く発現していると、免疫チェックポイント阻害薬が効果を示しやすいことが知られています。治療前にPD-L1検査を行うことで、ある程度の効きやすさを予測できるようになっています。

PD-L1が50%以上陽性の非小細胞肺がんでは、免疫治療単独でも化学療法以上の効果が出ることがあります。

全身状態が良好な患者さん

 

免疫療法は、患者さん自身の免疫細胞が主役になる治療法です。そのため、白血球やリンパ球の数・質が良好であることが重要です。

パフォーマンスステータス(PS)が0〜1栄養状態が良好炎症マーカーが安定している重度の自己免疫疾患がないといった条件が好まれます。体力と免疫力を備えた患者さんに適している治療と言えます。

免疫療法が効きにくい人の特徴

効果が出にくいケースも理解しておく必要があります。

以下のような条件では、免疫療法の効果が低下したり、副作用のリスクが高まる可能性があります。

免疫抑制環境にある患者さん

 

強いステロイドや免疫抑制剤を使用中の場合、免疫療法の効果が減弱する可能性があります。また、活動性の自己免疫疾患(リウマチ、潰瘍性大腸炎など)がある患者さんでは、副作用のリスクが高まることがあります。

緊急の対応が必要な状態

 

脳転移や多臓器不全などで緊急の対応が必要な状態では、効果が出るまでに時間がかかる免疫療法は適さない場合があります。栄養状態が著しく悪く、T細胞の活性が得られない状態も同様です。

低免疫腫瘍(cold tumor)の患者さん

 

免疫細胞が腫瘍内に入れない「cold tumor」では、免疫療法の効果が限定的になることがあります。ただし、最近ではcold tumorにも免疫を呼び込むための戦略(放射線との併用、ウイルス療法、がんワクチンなど)も研究されており、将来的には状況が変わる可能性があります。

バイオマーカーで効果を予測する時代へ

個別化医療の時代が始まっています。

患者さんごとに免疫治療の反応を予測するバイオマーカー(指標)が多く登場しています。これらのデータを活用することで、どの治療が自分に合うのかを予測する個別化医療が、がん治療の現場で始まっています。

主要なバイオマーカー

PD-L1は、がん細胞表面の免疫ブレーキタンパク質で、高いほど反応しやすいとされています。TMB(腫瘍変異量)は、がんの遺伝子変異数を示し、多いほど免疫が反応しやすい傾向があります。

MSI(マイクロサテライト不安定性)は、DNA修復異常を持つがんの指標で、MSI-Hは奏効率が高いことが知られています。さらに、腸内フローラも注目されており、特定の菌(Akkermansiaなど)が多いと反応性が向上することが報告されています。

腸内細菌と免疫療法の関係

 

腸内細菌が免疫チェックポイント阻害薬の治療効果に関係することが報告されています。腸内で免疫応答の司令塔である樹状細胞が活性化し、その樹状細胞ががん組織まで移動することで免疫効果を発揮することが明らかになっています。

特定の腸内細菌が豊富に存在する患者さんでは、治療効果や、がんを攻撃する免疫細胞ががんの中に多く存在することと強く関係することがわかってきました。

出典国立がん研究センター「腸内細菌は樹状細胞を介して腸から離れたがんの免疫環境に影響」(2025年7月)より作成

ICVS東京クリニックのHITV療法とは

次世代の免疫療法として注目されています。

ICVS東京クリニックでは、樹状細胞を用いたがん免疫療法であるHITV療法(Human Initiated Therapeutic Vaccine)を専門に行っています。この治療法は、ステージⅣの進行がん・再発がんに特化した次世代免疫療法です。

HITV療法の特長

 

HITV療法には3つの大きな特長があります。第一に、樹状細胞を腫瘍へ直接投与することで、抗原性の高いがん情報により高精度ながん攻撃が可能となります。

第二に、腫瘍のワクチン化を行い、がん腫瘍自体を免疫細胞の生産工場に変えます。第三に、微細ながん細胞まで浄化し、血液中のがん細胞を除去することで転移・再発を防ぎます。

CTガイド下投与という独自技術

 

当クリニック独自の「CTガイド下投与」は、リアルタイムのCT画像をもとに穿刺によって樹状細胞を腫瘍内へ正確に直接投与する高度な医療技術です。これにより樹状細胞の機能を最大限引き出すことができます。

クリニック内には国際的GMP基準に沿った細胞培養加工施設(CPC)を完備し、専任の経験豊富な細胞培養士により適切に管理・処置されています。

患者さん一人ひとりに適した治療計画

 

当院では、患者さんお一人おひとりに適した治療計画の提案、高い技術と豊富な経験にもとづく細胞投与、専門性の高い専任医療スタッフによる連携治療を行っています。がん発症予防・再発予防としてpreHITV療法も受けることができます。

HITV療法は日本国内における医薬品医療機器等法において未承認であり、保険適用外の自由診療となります。治療の適応や見通しについては、事前診断で丁寧な説明が行われ、納得したうえで治療を検討できる体制が整えられています。

免疫療法を選択する際のポイント

医師と相談して目的に合った治療を選びましょう。

免疫治療が向いているかどうかを判断するには、「今の目的は何か?」をはっきりさせることが重要です。治療の目的、がんの種類や状態、体の状態、治療歴などを総合的に考慮して判断する必要があります。

事前診断の重要性

 

PET-CTなどの画像データや血液検査結果をもとに、治療の適応や見通しについて丁寧な説明を受けることが大切です。バイオマーカー検査により、免疫療法の効果を予測することも可能になってきています。

標準治療との組み合わせ

 

免疫療法は、抗がん剤や放射線治療などの標準治療と組み合わせることで、その働きを助け治癒を早めるようになることが予測されています。今後は、抗がん剤や放射線治療に支えられ、治癒を早める免疫療法ががん治療の主役となることが期待されています。

治療期間と費用について

 

治療はすべて外来通院で行われ、入院の必要はありません。遠方から来院される方への配慮や、治療期間・費用についても事前にしっかり話し合う姿勢が取られているため、知らないまま治療が進んでしまうといった不安を感じにくい点も、患者さんにとって安心材料のひとつです。

まとめ

免疫療法は、がん治療の新しい選択肢として大きな期待が寄せられています。

しかし、すべての患者さんに等しく効果が現れるわけではなく、がんの種類、PD-L1の発現、全身状態、腸内細菌の状態など、さまざまな要因が効果に影響します。バイオマーカー検査により、患者さんごとに免疫治療の反応を予測することが可能になってきており、個別化医療の時代が始まっています。

ICVS東京クリニックでは、樹状細胞を用いたHITV療法を専門に行っており、ステージⅣの進行がん・再発がんに対して、延命ではなく救命を目指す治療を提供しています。治療の適応や見通しについては、事前診断で丁寧な説明が行われ、納得したうえで治療を検討できる体制が整えられています。

がんそのものだけでなく、患者さんやご家族の気持ちにも寄り添いながら、治療の選択肢を一緒に考えていくことが大切です。今の治療に不安がある、別の視点から話を聞いてみたいと感じたとき、相談先のひとつとして検討されてはいかがでしょうか。

詳しい情報や治療のご相談については、ICVS東京クリニックの公式サイトをご覧ください。

著者情報

ICVS東京クリニック 理事長 蓮見 賢一郎

 

【経歴】

埼玉医科大学卒業。

東京大学医科学研究所を経て、現在は米国法人 蓮見国際研究財団理事長。

世界各国で『国際がんワクチン・シンポジウム』を開催し、がん免疫療法の啓蒙と研究活動を推進している。

米国Thomas Jefferson 大学 Kimmel Cancer Center に研究講座を開設、同大学の客員教授。

ブルガリアPleven 医科大学より、がん免疫療法の研究活動に対して名誉博士号授与。

その他、米国Maryland 州立大学、ドイツ Erlangen 大学との共同研究や、マレーシア国民大学(UKM)との臨床試験を行っている。

悪性リンパ腫の治療法とは?進行度で変わる選択肢と免疫治療の可能性悪性リンパ腫2026/01/06(火)

悪性リンパ腫と診断されたとき、多くの方が「これからどうなるのか」と不安を感じられるのではないでしょうか。

治療法の選択肢は、病気の進行度や病型によって大きく異なります。

本記事では、悪性リンパ腫の治療方針を決める重要な要素から、標準治療の内容、そして免疫療法という新たな選択肢まで、包括的に解説していきます。

治療に関する正確な情報を知ることで、ご自身やご家族にとって最善の選択をするための一助となれば幸いです。

悪性リンパ腫の治療方針を決める3つの重要な要素

悪性リンパ腫の治療方針を決めるうえで、最も重要なのは「病気のタイプ(病型)」「悪性リンパ腫の進行度(病期)」「悪性リンパ腫の予後因子」の3つです。

これらを総合的に判断することで、患者さん一人ひとりに最適な治療計画が立てられます。

病気のタイプ(病型)の診断

腫れているリンパ節や腫瘤の一部を切除し、組織を採取します。

採取された組織は、顕微鏡で細胞の形態や性質を詳しく調べられます。さらに、染色体異常の有無や細胞表面のタンパク質(表面抗原)なども確認し、最終的にどのタイプのリンパ腫かを判定します。

悪性リンパ腫は、大きく「ホジキンリンパ腫」と「非ホジキンリンパ腫」に分類されます。非ホジキンリンパ腫は、さらにB細胞性とT/NK細胞性の二つに分けられ、50種類以上の細かい病理組織型が存在します。

悪性リンパ腫の広がり(病期)

 

 

病変の広がり(病期)は、治療法の選択や予後予測に大きく影響するため、正確に把握することが非常に重要です。

病期の分類法としては、「アン・アーバー分類」が使われ、Ⅰ~Ⅳ期の4段階に分けられます。さらに、各病期ごとに全身症状の有無によって「A」または「B」と分類されます。

近年では、「FDG-PET/CT」という検査が広く使われるようになっています。この検査では、がん細胞が取り込みやすい薬(FDG)を体に注射して、がんのある場所を詳しく調べることができます。

病気の進行度合いによる臨床分類も重要です。ホジキンリンパ腫はⅠ期、Ⅱ期を「限局期」、Ⅲ期、Ⅳ期を「進行期」と分けています。非ホジキンリンパ腫は、進行速度によって「低悪性度リンパ腫」(年単位で緩やかに進行)、「中悪性度リンパ腫」(週~月単位で進行)、「高悪性度リンパ腫」(日~週単位で急速に進行)の3つに分けられます。

悪性リンパ腫の予後因子

 

予後因子としては、年齢、血清LDH、ヘモグロビン値、PS(パフォーマンスステータス)、病期、節外病変数などがあります。

予後不良因子が少ないほど、治療効果や予後はよいとされています。進行期ホジキンリンパ腫に対する予後を予測する因子としては「国際予後スコア(IPS)」が、中~高悪性度非ホジキンリンパ腫の予後予測モデルとしては「国際予後指標:IPI」が使われています。

出典武田薬品工業株式会社「リンパ腫のお話 – リンパ腫の治療方針」より作成

非ホジキンリンパ腫の標準治療

非ホジキンリンパ腫の治療法は、悪性度と病期によって変わります。

リンパ球のうちB細胞、T細胞、NK細胞のどの細胞ががん化しているかによっても、治療法が異なることがあります。

低悪性度リンパ腫の治療法

 

B細胞リンパ腫(ろ胞性リンパ腫、MALTリンパ腫など)の場合、Ⅰ期またはⅡ期で二つの病変の場所が近い場合は、放射線療法が標準的な治療です。

Ⅱ期で病変の場所が離れているときやⅢ、Ⅳ期は、経過観察、薬物療法、圧迫症状がある部位への放射線療法と治療選択があります。

胃のMALTリンパ腫で限局期の場合、ピロリ菌が陽性であればピロリ菌除菌療法、ピロリ菌が陰性であれば放射線療法が第一選択となります。ピロリ菌除菌後に効果が不十分な場合には、放射線療法の治療選択があります。

薬物療法の薬剤は、細胞表面マーカー検査で抗体を調べ、CD20抗原が陽性であれば抗CD20モノクローナル抗体薬を投与します。

中悪性度リンパ腫の主な治療法

 

びまん性大細胞B細胞リンパ腫の場合、I、Ⅱ期は薬物療法と放射線治療を組み合わせるのが標準的な治療です。

Ⅲ、Ⅳ期は投与回数を増やした薬物療法を行います。場合によっては放射線療法を併用します。また、I~Ⅳ期のうち、18歳から80歳までで「予後因子(IPIスコア)」が2以上の方には、治療の選択肢として「微小管阻害薬を結合した抗CD79b抗体」と「抗CD20抗体」、そして「抗がん剤」を組み合わせて行う治療が検討されることもあります。

末梢性T細胞リンパ腫の治療は、ALK陽性未分化大細胞リンパ腫と、それ以外の病型で分けて治療を行います。ALK陽性未分化大細胞リンパ腫は、複数の抗がん剤を組み合わせ薬物療法を行います。場合によっては放射線療法を併用します。

高悪性度リンパ腫の治療法

 

バーキットリンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫は、早い時期で強力な薬物療法を開始することが重要です。

成人T細胞白血病リンパ腫は、70歳未満の患者さんでは複数の抗がん剤を組み合わせた薬物療法後、同種造血幹細胞移植を検討します。

出典武田薬品工業株式会社「リンパ腫のお話 – 非ホジキンリンパ腫の治療」より作成

再発・治療効果が得られなかった場合の治療選択肢

悪性リンパ腫の再発では、前回と異なるタイプのリンパ腫となってあらわれることがあります。

そのため、再発部位の病理検査(生検)により、腫瘍のタイプを調べ、治療の方法を検討することが重要です。

救援化学療法と造血幹細胞移植

 

中悪性度のびまん性大細胞リンパ腫や高悪性度のバーキットリンパ腫で再発・治療効果が得られなかった場合の治療法としては、前回と違う薬剤の組み合わせで、救援化学療法を行います。

救援化学療法の効果が出たときに、造血幹細胞移植を行う場合もあります。

CAR-T細胞療法という新たな選択肢

 

びまん性大細胞リンパ腫で、救援化学療法で十分な効果が得られない方、または造血幹細胞移植ができない方、あるいは移植後に再発した方には、CAR-T細胞療法という治療法が選択肢のひとつとなります。

CAR-T細胞療法は、免疫ががん細胞を攻撃する力を強め、免疫にアクセルをかける方法です。がん細胞への攻撃力を強めるために、自分のT細胞を体の外に取り出してがん細胞を攻撃するCAR(キメラ抗原受容体遺伝子)-T細胞に変えて増やし、再び体に戻してがんを治療します。

CAR-T細胞療法は、一部の血液・リンパのがんの治療で使うことがありますが、治療ができる施設は限られており、治療費が高額です。また、血圧や酸素濃度の低下、心臓、肺、肝臓などのさまざまな臓器に障害が起こるサイトカイン放出症候群、意識障害などの強い副作用が起きやすいため、入院して治療します。

出典国立がん研究センター がん情報サービス「免疫療法 もっと詳しく」より作成

免疫療法という新たな可能性

免疫療法は、免疫の力を利用してがんを攻撃する治療法です。

私たちの体は免疫の力によって、発生したがん細胞を排除しています。免疫では、免疫細胞と呼ばれる血液中の白血球などが中心的な役割を果たします。このうち「T細胞(Tリンパ球)」には、がん細胞を攻撃する性質があり、免疫療法で重要な役割を担います。

免疫チェックポイント阻害薬

 

免疫チェックポイント阻害薬は、免疫ががん細胞を攻撃する力を保つ薬です。

T細胞の表面には、「異物を攻撃するな」という命令を受け取るためのアンテナがあります。一方、がん細胞にもアンテナがあり、T細胞のアンテナに結合して、「異物を攻撃するな」という命令を送ります。すると、T細胞にブレーキがかかり、がん細胞は排除されなくなります。

免疫チェックポイント阻害薬は、T細胞やがん細胞のアンテナに作用して、免疫にブレーキがかかるのを防ぎます。

2025年10月現在、標準治療として診療ガイドラインに記載され、日本において保険診療で受けることができる免疫チェックポイント阻害薬があります。治療が行えるがんは、メラノーマ(悪性黒色腫)、非小細胞肺がん、腎細胞がん、ホジキンリンパ腫、頭頸部がん、胃がん、悪性胸膜中皮腫、子宮頸がん、食道がん、肝細胞がんなどです。

二重特異性抗体の進歩

 

最近のCD3とCD20を標的とする二重特異性抗体の出現は、B細胞リンパ腫治療に大きな進歩をもたらしています。

T細胞の細胞膜上に発現するCD3とB細胞性がん細胞の膜上に発現するCD20の両者に結合し、T細胞の増殖および活性化を誘導することでCD20が発現しているがん細胞を攻撃する治療法です。

CD3とCD20を標的とする二重特異性抗体に関する臨床試験は、CAR-T細胞療法後の再発を含む再発または難治性の進行性リンパ腫を対象に実施され、約50~60%の患者に奏効し、奏効した患者の約半数が完全奏効となっていました。加えて、完全奏効した患者は、その状態が長く持続し、患者の病態や前治療の数や内容などにかかわらず、効果は一貫してみられていました。

出典CareNet「リンパ腫・骨髄腫に対する新たな免疫治療/日本臨床腫瘍学会学術集会」より作成

ICVS東京クリニックの免疫細胞療法

ICVS東京クリニックでは、ステージⅣを含む進行がん・再発がんに特化した免疫療法を行う専門クリニックとして、悪性リンパ腫の患者さまに対する治療を提供しています。

悪性リンパ腫は血液やリンパ系に由来するがんであり、化学療法や分子標的薬などの治療によって寛解が得られる一方、再発や治療抵抗性が課題となるケースも少なくありません。当院では、標準治療だけでは十分な効果が得られなかったケースを含め、慎重な診断のもとで治療の選択肢をご提案しています。

樹状細胞を活用したHITV療法

 

当院で行っているHITV療法は、免疫システムの司令塔である樹状細胞を活用する免疫細胞療法です。

悪性リンパ腫においても、患者さまご自身の免疫機能に着目し、がん細胞を認識・攻撃する免疫反応を引き出すことを目的としています。

HITV療法では、CTガイド下で樹状細胞を体内へ正確に投与する独自の技術を採用しています。また、院内に完備した国際的GMP基準に準拠した細胞培養加工施設(CPC)を用いた高品質な細胞培養体制を整えており、免疫療法の特性を最大限に引き出すことを目指しています。

本治療は、日本国内において未承認医療であり、健康保険の適用外となる自由診療です。治療の適応可否については、事前診断にて慎重に判断いたします。

患者さまに寄り添うオーダーメイド診療

 

悪性リンパ腫の治療においては、病型・進行度・これまでの治療歴・全身状態などにより、適した治療方針が大きく異なります。

ICVS東京クリニックでは、臨床経験豊富な専門医が、画像検査や血液検査、治療経過を総合的に評価し、患者さまごとにオーダーメイドの治療計画をご提案します。

治療そのものだけでなく、患者さまご本人やご家族の不安や負担にも配慮し、生活の質(QOL)を大切にした診療を心がけています。治療開始前には、期待できる効果だけでなく、リスクや副作用についても丁寧にご説明し、十分にご理解・ご納得いただいたうえで治療を進めていきます。

治すことを決してあきらめない

 

再発や進行により治療選択に悩まれている方、標準治療後の次の選択肢を検討されている方に対して、当院では医療相談・事前診断・セカンドオピニオンを通じて、現状を整理するお手伝いを行っています。

治療のパートナーとして、患者さま一人ひとりと向き合いながら、最善と考えられる医療を追求し続けることが、ICVS東京クリニックの使命です。

まとめ

悪性リンパ腫の治療法は、病型・進行度・予後因子によって大きく異なります。

標準治療として、化学療法や放射線治療、造血幹細胞移植などが確立されており、多くの患者さまが寛解を得られています。一方で、再発や治療抵抗性が課題となるケースも少なくありません。

近年では、免疫チェックポイント阻害薬やCAR-T細胞療法、二重特異性抗体など、免疫療法の分野で目覚ましい進歩が見られています。これらの新たな治療法は、従来の治療法では十分な効果が得られなかった患者さまにとって、新たな希望となる可能性があります。

ICVS東京クリニックでは、樹状細胞を活用したHITV療法という免疫細胞療法を提供しており、標準治療だけでは十分な効果が得られなかったケースにも対応しています。治療の選択肢に悩まれている方は、まずは医療相談や事前診断を通じて、ご自身の状態に最適な治療法を検討されることをおすすめします。

悪性リンパ腫の治療は、身体だけでなく心にも大きな負担がかかります。医療のパートナーとして、患者さま一人ひとりと向き合いながら、最善の医療を追求していくことが重要です。

「まだできることがあるかもしれない」

そう思われた方は、まずは一歩踏み出してみてください。

著者情報

ICVS東京クリニック 理事長 蓮見 賢一郎

 

【経歴】

埼玉医科大学卒業。

東京大学医科学研究所を経て、現在は米国法人 蓮見国際研究財団理事長。

世界各国で『国際がんワクチン・シンポジウム』を開催し、がん免疫療法の啓蒙と研究活動を推進している。

米国Thomas Jefferson 大学 Kimmel Cancer Center に研究講座を開設、同大学の客員教授。

ブルガリアPleven 医科大学より、がん免疫療法の研究活動に対して名誉博士号授与。

その他、米国Maryland 州立大学、ドイツ Erlangen 大学との共同研究や、マレーシア国民大学(UKM)との臨床試験を行っている。

がん再発後の余命はどう変わる?再発後に検討すべき治療と向き合い方がん2026/01/05(月)

がん再発の告知を受けたとき、あなたは何を感じますか?

「頭の中が真っ白になった」「人生が終わったと感じた」・・・がんの再発を医師から告げられたとき、多くの方がこのような感情に襲われます。

しかし、諦める必要は一切ありません。

再発がんは治療が難しく、根治を目指すことができないというのは誤解のひとつです。確立されている標準治療だけに限定してしまえば選択肢は限られますが、視点を広げると再発がんが治る可能性もあります。

本記事では、がん再発後の余命がどのように変わるのか、再発後に検討すべき治療法、そして再発がんとの向き合い方について、放射線科専門医・IVR専門医としての知見を交えながら解説します。

がん再発後の余命・・・統計データから見える現実

がん再発後の余命は、がんの種類や再発の形態によって大きく異なります。

まず理解していただきたいのは、「再発」には大きく分けて「局所再発」と「遠隔転移」の2つのタイプがあるということです。局所再発は元々がんがあった場所やその周辺での再発を指し、遠隔転移は肺や肝臓、骨など離れた臓器への転移を意味します。

主要ながん種別の再発率と予後

 

**肺がん**はがんの中でも再発しやすく、ステージⅠの非小細胞肺がんで20〜30%の再発率とされています。再発のほとんどは治療後2年以内に起こり、5年を過ぎるとかなり少なくなることがわかっています。

**大腸がん**の再発率は、ステージⅠの場合で約5.7%、ステージⅡの場合は約15%、ステージⅢでは約31.8%の再発率が認められています。全ステージを通じての平均再発率は18.7%です。

**食道がん**の再発の多くは、初回の治療から1年以内に発見されています。食道がん根治手術後の再発は30〜50%で、再発の形式はリンパ節や局所再発が20〜70%、遠隔臓器転移が10〜50%に生じ、両者が複合した再発も7〜27%あります。

**頭頸部がん**の再発率は10〜20%程度と考えられています。進行がんでは、初回の治療でがんが完全になくなったと考えられる場合でも、20〜40%の患者さんで再発が認められています。再発の多くは初回の治療終了後2年以内に起こるといわれています。

出典がん再発治療サポート「癌が再発してもあきらめない。治療の選択と再発癌が治る確率と余命」より作成

5年生存率と10年生存率から見える再発の特徴

 

興味深いことに、がんの種類によって5年生存率と10年生存率の差が大きく異なります。

胃がんや大腸がんなどの消化器がんでは、5年を超えると生存率は大きく低下しません。つまり、5年を治癒の目安とすることができるがんといえます。

一方で、**乳がん**では5年を経過しても再発し、死亡する患者さんが多いという特徴があります。乳がんは「いつまでも再発するがん」と呼ばれることもあり、長期的な経過観察が必要です。

出典日経メディカル「5年後に再発するがん、しないがん」より作成

がん再発の原因とメカニズム・・・なぜ再発は起こるのか

がん再発の最大の原因は、がん組織を完全に取り除くことができなかったことにあります。

手術や抗がん剤治療でがん組織を完全に取り除くことができているのであれば、再発することはありません。しかし、現在の医学では100%確実にすべてのがんを取り除くことができないのが現実です。

目に見えないがん細胞の残存

 

手術でがんを摘出する際は、がん組織の周辺にある正常な組織も含めて切除します。

がん細胞は肉眼などで確認できるよりも小さいサイズであることが多く、確認されたがん組織のみの摘出では取り残しが発生し、がんの再発につながるからです。

周囲の正常組織を含めて摘出しても、がん再発の可能性は存在します。例えば胃がんの手術で7割は再発しないのですが、残り3割は再発しています。7割は手術でがんを完全に取り除け、3割はがんを完全に取り除けなかったといえるでしょう。

微小残存病変(MRD)という概念

 

近年、がん切除後の再発原因として「微小残存病変(Minimal Residual Disease:MRD)」という概念が注目されています。

これは、術後に体内に残存する微小ながん細胞の存在を指します。MRD検査を含む多面的解析方法で継時的変化を捉えることで、高い再発リスクが懸念される患者さんに対する治療法開発が加速しています。

出典大鵬薬品工業「Guardant Healthと探索的協業契約を締結-再発早期がん患者さんの治療法開発を加速」より作成

がん再発後に検討すべき治療法

再発がんの治療は、根治(がんを治す)ことを目指すことが困難であるケースが多く、「がんの進行を抑える」「がんによる症状を和らげる」ことが目標となります。

しかし、これは決して「何もできない」ということではありません。

標準治療の選択肢

 

**手術(外科治療)**は、再発がんでも転移した部位が切除可能な場合に検討されます。特に肝転移や肺転移の場合、転移した部位が限局していれば手術で切除することで良好な予後が期待できることがあります。

**薬物療法(化学療法)**は、手術で腫瘍をすべて摘出できない場合の治療法として最初に選択されることが多いです。がんの種類によっては、免疫療法や放射線治療も選択肢となることがあります。

ただし、進行中のがん細胞に抗がん剤は効果がありますが、休んでいるがん細胞やがん幹細胞に抗がん剤は効果が薄いといわれています。また、肺がんや胃がん、大腸がん、前立腺がんは抗がん剤が効きやすい一方で、スキルス性胃がんやすい臓がんなど、抗がん剤によるがん細胞の縮小があまり期待できないがんもあります。

免疫療法という選択肢

 

免疫療法は、患者さんご自身の免疫システムを活用してがん細胞と向き合う治療法です。

ICVS東京クリニックで行われている**HITV療法(Human Initiated Therapeutic Vaccine)**は、免疫の司令塔である「樹状細胞」を活用した免疫細胞療法です。患者さんご自身の体内にあるがんの情報をもとに免疫細胞を働かせ、体の内側からがん細胞に向き合うことを目的とした治療法で、身体への負担が比較的少ない点も特徴とされています。

HITV療法の大きな特長のひとつが、樹状細胞をCTガイド下で腫瘍内へ直接投与する独自の方法です。これにより、がんの情報をより正確に免疫細胞へ伝えることが期待され、血液中に存在する微細ながん細胞や転移・再発へのアプローチも視野に入れた治療が行われています。

免疫療法は効果が期待できるものもあれば、がんの種類(部位)によっては研究中のものもあるため、どのくらい期待できるか明確にされていない部分があります。しかし、今後は抗がん剤や放射線治療に支えられ、治癒を早める免疫療法ががん治療の主役となることが期待されています。

臨床試験という可能性

 

現時点で受けることのできる標準治療がなくなった場合などには、臨床試験が選択肢の1つになることがあります。

ただし、臨床試験には参加するための条件がありますので、参加を考えてみたい場合には、まず担当医にご相談ください。

出典国立がん研究センターがん情報サービス「家族のがんが進行・再発したとき」より作成

がん再発との向き合い方・・・心と体のケア

 

がんの再発に際しては、多くの方が体や心も不安定で変化しやすい状態になります。

ご本人が自分の望むことを整理できないこともあります。また、ご家族がしてあげたいと思うことと、ご本人が望むことが違うこともあるかもしれません。

適切に病状を理解し、対話を重ねる

 

「こうあるべき」という正解はありません。

しかし、適切に病状を理解し、気持ちの擦れ違いを避けるためにも、お互いの思いや知り得た情報を共有することは大切です。まずは、日々の生活の中で意識的に対話を重ね、ご本人の望んでいることを見つけていきましょう。

がんが再発したとしても、これまで培ってきた関係が変わることはありません。普段通りに向き合っていきましょう。

治療の選択にあたって大切なこと

 

治療法の選択は、ご本人の生き方にも直接関わるものです。

あくまでも治療の主役はご本人であることを念頭に、「ご本人が何を大切にしたいか」を考えていきましょう。なお、治療方針をすぐに決めるように言われることもありますが、心の準備がないときや疑問があるときには、担当医に「すぐには返事ができない」と伝えることも大切です。

例えば、「一度、家族で落ち着いて話し合って決めたい」と伝えてもよいでしょう。納得して選択するために、セカンドオピニオンを希望することもできます。担当医に伝えにくい、相談しにくいと感じるときは、看護師や「がん相談支援センター」などに相談してみましょう。

不確かな情報に惑わされない

 

治療を変更するときや中断するときは、患者さんやご家族の多くがさまざまな情報を集めます。

今日、インターネットでは手軽に情報を得ることができます。しかし、中には医学的に信頼できない情報、誤った情報もあります。「がんが消えた」などの派手なキャッチコピーや、高額な出費を要求するサイトは注意が必要です。

「私はこれで治った」などの経験者の話も、ご本人に当てはまるものとは限らないため、注意が必要です。治験などの臨床試験、先進医療などについて知りたいと思ったとき、得た情報を信頼していいか、利用していいかどうか迷ったときは、医療者や「がん相談支援センター」にご相談ください。

出典国立がん研究センターがん情報サービス「家族のがんが進行・再発したとき」より作成

まとめ・・・がん再発後も希望を持って

がんの再発を告げられたとき、多くの方が絶望的な気持ちになります。

しかし、再発がんは決して「終わり」を意味するものではありません。がんの種類や再発の形態によって予後は大きく異なりますし、治療法も日々進歩しています。

標準治療に加えて、免疫療法などの新しい治療法も選択肢として検討できる時代になりました。ICVS東京クリニックでは、患者さん一人ひとりの状態や治療歴、生活背景を踏まえたオーダーメイドの治療計画を重視しています。

事前診断では、PET-CTなどの画像データや血液検査結果をもとに、治療の適応や見通しについて丁寧な説明が行われ、納得したうえで治療を検討できる体制が整えられています。治療はすべて外来通院で行われ、入院の必要はありません。

「今の治療に不安がある」「別の視点から話を聞いてみたい」と感じたとき、相談先のひとつとして検討されてみてはいかがでしょうか。

ICVS東京クリニックは、がんそのものだけでなく、患者さんやご家族の気持ちにも寄り添いながら、治療の選択肢を一緒に考えていくクリニックです。

詳しい治療内容や相談については、ICVS東京クリニックの公式サイトをご覧ください。

著者情報

ICVS東京クリニック 理事長 蓮見 賢一郎

 

【経歴】

埼玉医科大学卒業。

東京大学医科学研究所を経て、現在は米国法人 蓮見国際研究財団理事長。

世界各国で『国際がんワクチン・シンポジウム』を開催し、がん免疫療法の啓蒙と研究活動を推進している。

米国Thomas Jefferson 大学 Kimmel Cancer Center に研究講座を開設、同大学の客員教授。

ブルガリアPleven 医科大学より、がん免疫療法の研究活動に対して名誉博士号授与。

その他、米国Maryland 州立大学、ドイツ Erlangen 大学との共同研究や、マレーシア国民大学(UKM)との臨床試験を行っている。

悪性リンパ腫ステージ4とは?進行期の特徴と治療で変わる可能性を解説悪性リンパ腫2026/01/05(月)

悪性リンパ腫ステージ4とは?

悪性リンパ腫ステージ4は、がんがリンパ節にとどまらず、骨髄や肝臓、肺などの遠隔臓器にも広がった最も進行した状態を指します。

この段階では、がん細胞が全身に広く転移している状態ですが、適切な治療を行うことで症状の緩和や病状のコントロールが期待できます。

悪性リンパ腫は、白血球の一部であるリンパ球ががん化した病気です。リンパ系は免疫機能を担う重要な役割を持ち、リンパ節、脾臓、骨髄などに広がっています。ステージ4では、これらの臓器を超えて、リンパ系ではない部位へのびまん性浸潤が認められる状態となります。

ステージ4と診断されても、悪性リンパ腫は治療によって寛解が得られる可能性のある疾患です。病型や患者さまの全身状態によって治療方針は異なりますが、化学療法や分子標的薬などの治療選択肢があります。

悪性リンパ腫の病型と分類

悪性リンパ腫は、大きく「ホジキンリンパ腫」と「非ホジキンリンパ腫」の2つに分類されます。

ホジキンリンパ腫は日本人には稀で、全体の約10%程度です。リード・シュテルンベルク細胞という特徴的な細胞がみられ、主に連続したリンパ節に広がります。一方、非ホジキンリンパ腫は日本人の悪性リンパ腫のうち90%以上を占め、多様な種類があります。

非ホジキンリンパ腫の特徴

 

非ホジキンリンパ腫は、もととなったリンパ球の種類によってさらに分類されます。

  • Bリンパ腫 … B細胞由来のリンパ腫で、最も多い病型です
  • Tリンパ腫 … T細胞由来のリンパ腫です
  • NKリンパ腫 … NK細胞由来のリンパ腫です

細かく分類すると、悪性リンパ腫は100近くの種類に分類することができます。病型によって進行の速さや治療への反応が大きく異なるため、正確な診断が重要です。

悪性度による分類

 

悪性リンパ腫を、進行の速さによって3つに分類する方法もあります。

  • 低悪性度リンパ腫 … 年単位で進行するタイプ
  • 中悪性度リンパ腫 … 月単位で進行するタイプ
  • 高悪性度リンパ腫 … 週単位で進行するタイプ

この分類は、リンパ腫を治療しなかった場合の進行の速さを示したものです。高悪性度のものが必ずしも治療が難しいわけではなく、むしろ治療への反応が良好なケースも少なくありません。

ステージ4の特徴と症状

ステージ4では、がんがリンパ節を超えて臓器や皮膚、骨髄、血液中など、全身に広く転移している状態です。

主な症状としては、精神症状や頭痛・悪心・嘔吐などの頭蓋内圧亢進症状が挙げられます。また、発熱、寝汗、体重減少などの全身症状が現れることがあり、これらは専門的に「B症状」と呼ばれています。

ステージ4で見られる主な症状

 

  • リンパ節の腫れ … 首、脇の下、鼠径部などのリンパ節が腫れます
  • 発熱 … 原因不明の発熱が続くことがあります
  • 夜間の寝汗 … 特に夜間に大量の汗をかくことがあります
  • 体重減少 … 原因不明の体重減少が見られます
  • 倦怠感 … 強い疲労感や倦怠感が続きます

これらの症状は、体内でがんが進行しているサインです。症状の程度は患者さまによって異なり、発生した部位や転移した部位によっても症状は変わってきます。

臓器別の症状

 

悪性リンパ腫は全身のどこにでも発生する可能性があります。脳や皮膚、目、鼻腔、甲状腺、肺、胃、腸、骨髄、肝臓など、発生した部位によって異なる症状が現れます。

例えば、脳に発生した場合は精神症状や頭痛が、消化管に発生した場合は腹痛や消化不良が見られることがあります。

ステージ4の診断と検査

悪性リンパ腫の診断には、さまざまな検査が行われます。

まず、リンパ節の腫れや症状が疑われる場合、血液検査を行い、白血球数やリンパ球の異常を確認します。しかし、血液検査だけでは確定診断が難しいため、リンパ節生検が重要な検査となります。

病理検査

 

リンパ節生検では、腫れているリンパ節の一部または全体を採取し、顕微鏡でがん細胞の有無や特徴を調べます。切除は麻酔下で行われるため、痛みは伴いません。この検査により、悪性リンパ腫かどうかの特定、および病型分類を行います。

全身状態検査

 

がんの広がりを評価するために、以下の検査が行われます。

  • 血液・尿検査 … 肝機能や腎機能の現状を確認し、治療への耐性を評価します
  • 画像検査 … CT検査、MRI検査、PET検査などで全身状態を確認します
  • 骨髄検査 … がん細胞が骨髄まで浸潤している可能性がある際に行います
  • 消化管内視鏡検査 … 消化管に病変が及んでいる可能性がある際に行います
  • 脳脊髄液検査 … 悪性リンパ腫が脊髄まで及んでいる可能性がある際に行います

これらの検査結果を総合的に評価して、悪性リンパ腫のタイプや進行度(ステージ)を診断し、最適な治療方針を決定します。

ステージ4の治療法

悪性リンパ腫ステージ4の治療は、病型や患者さまの全身状態に基づいて検討します。

治療の中心は薬物療法と放射線療法です。基本的には手術は行いませんが、リンパ節以外の臓器にリンパ腫がある場合は、手術を行うこともあります。

薬物療法

 

悪性リンパ腫の治療では、抗がん剤や分子標的薬を組み合わせて投与する多剤併用療法が治療の中心となります。

非ホジキンリンパ腫の患者さまに対する初回治療には、CHOP療法(シクロフォスファミド・ドキソルビシン・ビンクリスチン・プレドニゾロン)、R-CHOP療法(CHOP療法にリツキシマブを併用)、Pola-R-CHP療法(ポラツズマブ ベドチンを併用)などがあります。

ホジキンリンパ腫に対する初回治療には、ABVD療法(ドキソルビシン・ブレオマイシン・ビンブラスチン・ダカルバジン)やA-AVD療法(ブレンツキシマブ ベドチンを併用)などがあります。

これらの治療の多くは一般的に外来通院で行います。再発をした患者さまでは、初回治療として用いた治療とは違う抗がん剤を組み合わせた治療を用いることが多いです。

放射線治療

 

ゆっくり進行するタイプの悪性リンパ腫で病変が狭い限られた範囲にある場合は、放射線単独で治療できる場合もあります。

リンパ腫を治す目的以外にも、一時的に症状を緩和して苦痛を和らげる目的や、造血幹細胞移植前に放射線治療を行うことがあります。

造血幹細胞移植

 

骨髄などから造血細胞のもとになる造血幹細胞を取り出し、患者さまに移植する方法です。

造血幹細胞移植には、患者さま本人の造血幹細胞をあらかじめ採取、冷凍保存しておき、大量化学療法という強力な抗がん剤治療に引き続いてそれを体に戻す「自家移植」と、提供者(ドナー)から造血幹細胞移植を提供してもらう「同種移植」があります。リンパ腫の治療では、自家造血幹細胞移植が主となっています。

ステージ4の予後と生存率

悪性リンパ腫の予後は、細胞の種類と発見されたときのステージが関連しています。

5年生存率は、がんの治療効果を比較するために使われる目安で、その病気になった人が5年後に生きている確率です。生存率が高い場合は治療効果が得られやすいがんと考えられます。

悪性リンパ腫全体の5年生存率は、男性で66.4%、女性で68.6%、全体では67.5%となっています。2002~2006年のデータでは男性で52.5%、女性で60.5%と報告されており、治療の効果は年々向上していると考えられます。

ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に分けた進行度別の5年生存率は以下の通りです。

  • ホジキンリンパ腫ステージⅣ … 44.7%
  • 非ホジキンリンパ腫ステージⅣ … 54.6%

出典

がんメディ「悪性リンパ腫のステージ別生存率と平均余命」

(2009~2011年のデータ)より作成

ただし、これらの数値はあくまで統計的な目安です。悪性リンパ腫は種類が多く、それぞれ病気の特徴が異なることや、同じ病気であっても発生した部位が異なる場合もあるため、個々の患者さまの予後は病型や治療への反応によって大きく異なります。

ICVS東京クリニックの治療アプローチ

ICVS東京クリニックでは、ステージⅣを含む進行がん・再発がんに特化した免疫療法を行う専門クリニックとして、悪性リンパ腫の患者さまに対しても治療の選択肢をご提案しています。

当院では、標準治療だけでは十分な効果が得られなかったケースを含め、慎重な診断のもとで治療方針を検討しています。「治すことを決してあきらめない」という理念のもと、患者さま一人ひとりの状態に応じた治療を目指しています。

樹状細胞を活用したHITV療法

 

当院で行っているHITV療法は、免疫システムの司令塔である樹状細胞を活用する免疫細胞療法です。

悪性リンパ腫においても、患者さまご自身の免疫機能に着目し、がん細胞を認識・攻撃する免疫反応を引き出すことを目的としています。HITV療法では、CTガイド下で樹状細胞を体内へ正確に投与する独自の技術を採用しています。

また、院内に完備した国際的GMP基準に準拠した細胞培養加工施設(CPC)を用いた高品質な細胞培養体制を整えており、免疫療法の特性を最大限に引き出すことを目指しています。

本治療は、日本国内において未承認医療であり、健康保険の適用外となる自由診療です。治療の適応可否については、事前診断にて慎重に判断いたします。

患者さまに寄り添うオーダーメイド診療

 

悪性リンパ腫の治療においては、病型・進行度・これまでの治療歴・全身状態などにより、適した治療方針が大きく異なります。

ICVS東京クリニックでは、臨床経験豊富な専門医が、画像検査や血液検査、治療経過を総合的に評価し、患者さまごとにオーダーメイドの治療計画をご提案します。

治療そのものだけでなく、患者さまご本人やご家族の不安や負担にも配慮し、生活の質(QOL)を大切にした診療を心がけています。治療開始前には、期待できる効果だけでなく、リスクや副作用についても丁寧にご説明し、十分にご理解・ご納得いただいたうえで治療を進めていきます。

まとめ

悪性リンパ腫ステージ4は、がんが全身に広がった進行した状態ですが、適切な治療によって症状の緩和や病状のコントロールが期待できます。

治療の選択肢は多様で、化学療法、放射線治療、造血幹細胞移植など、病型や患者さまの状態に応じた治療が行われます。近年では、治療の効果が年々向上しており、5年生存率も改善傾向にあります。

再発や進行により治療選択に悩まれている方、標準治療後の次の選択肢を検討されている方に対して、ICVS東京クリニックでは医療相談・事前診断・セカンドオピニオンを通じて、現状を整理するお手伝いを行っています。

治療のパートナーとして、患者さま一人ひとりと向き合いながら、最善と考えられる医療を追求し続けることが、当院の使命です。

悪性リンパ腫でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

ICVS東京クリニックでは、進行がん・再発がんに特化した免疫療法を提供しており、患者さま一人ひとりに合わせた治療計画をご提案いたします。まずは医療相談や事前診断から、一歩踏み出してみませんか。

著者情報

ICVS東京クリニック 理事長 蓮見 賢一郎

 

【経歴】

埼玉医科大学卒業。

東京大学医科学研究所を経て、現在は米国法人 蓮見国際研究財団理事長。

世界各国で『国際がんワクチン・シンポジウム』を開催し、がん免疫療法の啓蒙と研究活動を推進している。

米国Thomas Jefferson 大学 Kimmel Cancer Center に研究講座を開設、同大学の客員教授。

ブルガリアPleven 医科大学より、がん免疫療法の研究活動に対して名誉博士号授与。

その他、米国Maryland 州立大学、ドイツ Erlangen 大学との共同研究や、マレーシア国民大学(UKM)との臨床試験を行っている。

大腸がん末期の症状とは?余命に影響する要因と治療で変わる可能性大腸がん2026/01/05(月)

大腸がん末期とは・・・どのような状態を指すのか

大腸がん末期という言葉を耳にすると、多くの方が不安を感じるかもしれません。

医学的には、大腸がんが進行して他の臓器(肝臓・肺・腹膜など)に遠隔転移している状態を「末期」と呼びます。これは大腸がんのステージⅣに相当し、根治手術(がんをすべて切除する手術)が困難な段階です。

ただし、末期がんとステージⅣは必ずしもイコールではありません。ステージⅣでも、状態によっては積極的な治療(手術、抗がん剤、放射線療法など)が可能な場合もあります。一方で末期がんは、がんの制御が困難となり、主に緩和ケア(症状緩和と生活の質向上)が治療の中心となる状態を指します。

大腸がんは、早期発見であれば完治が期待できるがんのひとつです。しかし、進行するまで自覚症状が出にくく、発見された時点で転移や再発が見つかるケースも少なくありません。

末期の大腸がんで現れる症状・・・体からのサインを見逃さない

末期の大腸がんでは、がんの進行や転移に伴い、心身にさまざまな負担が現れます。

進行度や患者さまの体力、治療状況によって個人差はありますが、代表的な症状をご紹介します。

便通異常と腹部の症状

 

腫瘍が腸を圧迫することで、持続的または間欠的な腹痛が起こります。

便秘と下痢の繰り返し、血便(特に直腸がんの場合は鮮血便)が見られることがあります。がんが進行しても症状が軽いケースもあり、「知らないうちに進んでいた」ということも少なくありません。

腫瘍が腸管をふさぐことで、激しい腹痛、嘔吐、便秘などの腸閉塞症状が現れることもあります。

全身に及ぶ症状

 

食欲不振や消化吸収機能の低下により、急速に体重が減少します。

がん性悪液質や全身性の炎症によって、強いだるさや疲労が日常生活に影響を及ぼします。慢性的な出血や栄養不足により、息切れ、めまい、疲労感が強くなる貧血症状も見られます。

転移による症状

 

肝臓転移により胆汁の流れが滞り、皮膚や目が黄色く変色する黄疸が現れることがあります。

肺転移によって咳、呼吸苦、胸の痛みが起こることもあります。これらの症状は、患者さまごとに異なる場合があり、進行の度合いや治療の状況によっても変化します。

余命に影響する要因・・・生存率と個人差について

大腸がんの生存率は、がんの進行度(ステージ)によって大きく異なります。

ステージⅣの大腸がんでは、5年生存率はおよそ18%前後とされています。抗がん剤治療を行った場合の中央値生存期間は約20〜30ヶ月、治療なしの場合は数ヶ月以内で進行することもあります。

ただし、最近はがんと共に「数年単位で生活できる」時代になってきています。

治療で変わる可能性・・・標準治療と新しい選択肢

 

末期大腸がんでは、がんを完全に治すことが難しいため、「がんの進行を抑えながら生活の質を保つ」ことが治療の目標になります。

しかし、「ただ待つだけ」ではなく、できる治療は多くあります。延命や症状緩和、生活の質の維持を目指す治療は、決して無意味ではありません。

標準治療の選択肢

 

抗がん剤治療(化学療法)では、大腸がんではFOLFOXやFOLFIRIなどの薬剤がよく使われ、分子標的薬(アバスチンやエルプラット)との併用が一般的です。これにより、がんの進行を一定期間抑えることができます。

免疫療法として、MSI-Hという遺伝子異常を持つタイプでは、免疫チェックポイント阻害剤(ニボルマブなど)が効果を発揮する可能性があります。

緩和ケアは、痛みや呼吸困難、食事の問題、精神的不安などに対して導入されます。訪問医療や在宅ケアと併用することで、穏やかな生活を支えることが可能です。

HITV療法という新しいアプローチ

 

ICVS東京クリニックでは、ステージⅣの進行大腸がんや再発大腸がんに対し、がんの消失を目指す次世代免疫療法「HITV療法」を専門的に行っています。

HITV療法(Human Initiated Therapeutic Vaccine)は、免疫システムの司令塔である「樹状細胞」を活用した、独自のがん免疫細胞療法です。大腸がんに対するHITV療法の特長は、樹状細胞をCTガイド下で腫瘍へ直接投与する点にあります。

腫瘍内に直接投与された樹状細胞は、患者さまご自身の大腸がんが持つ複数の抗原情報を高精度に学習し、その情報をもとにCTL(キラーT細胞)を体内で強力に誘導します。これにより、腫瘍そのものが免疫細胞を生み出す「ワクチン化」、血液中を巡る微細ながん細胞への継続的な攻撃、転移・再発の抑制といった作用が期待されます。

同クリニックは、がん免疫療法の臨床・研究に長年携わってきた医師が中心となり、2008年に設立された専門医療機関です。国内外の研究機関・医療機関と連携しながら、大腸がんを含む進行がん・再発がんに対する治療に研鑽を重ねています。

生活の工夫と家族の役割・・・穏やかな日々を支えるために

末期がんであっても、自宅で穏やかに過ごせる方もたくさんいます。

以下の工夫が大切です。

日常生活での配慮

 

食事を無理に取らせない、食べたいときに少量ずつという姿勢が重要です。

睡眠と休息の確保、便通の調整や痛みの管理も欠かせません。家族や医療者と定期的に意思疎通することで、患者さまの状態に合わせたケアが可能になります。

家族の寄り添いが大きな支えに

 

家族の「寄り添い」が大きな精神的支えになります。

患者さまの気持ちを尊重しながら、過ごしやすい環境づくりを心がけましょう。治療したいのに「できることがない」と診断された方、併用できる治療を探している方など、セカンドオピニオンも納得のいく決断をするうえで有効です。

治療を続けることが負担にならないように・・・患者さま中心の医療

ICVS東京クリニックでは、治療を一方的に進めることはありません。

事前診断・医療相談を通じて、治療の目的・期間・費用の目安を丁寧に説明し、患者さまご本人とご家族が納得したうえで治療を検討していただくことを大切にしています。

免疫療法は短期間で結果が出る治療ではないからこそ、「今の状態で本当に適応があるのか」「どこまでを目標とするのか」を明確にしたうえで進めていきます。

オーダーメイドの治療計画

 

大腸がんの進行度、転移の有無、これまでの治療歴、全身状態は、患者さま一人ひとり異なります。

同クリニックでは、事前診断や詳細なカウンセリングを通じて、HITV療法を軸とした個別の治療計画をオーダーメイドでご提案します。また、患者さまご本人だけでなく、ご家族のお気持ちにも配慮し、生活の質(QOL)を大切にした診療を心がけています。

まとめ・・・選べる道はある、あきらめない医療を

大腸がん末期と診断されても、「もう治療がない」と感じる必要はありません。

標準治療後の再発が不安な方、進行大腸がんと診断され今後の選択肢を探している方、副作用をできるだけ抑えながら治療を受けたい方には、さまざまな選択肢があります。

ICVS東京クリニックでは、「延命ではなく、救命を目指す」という理念のもと、免疫の力を最大限に引き出す治療に取り組んでいます。治すことをあきらめず、患者さまのパートナーとして寄り添う医療を提供しています。

まずは医療相談・事前診断を通じて、ご自身の状況でどのような可能性があるのかを確認してみてください。

自分らしい生き方を大切にしながら、信頼できる医師とともに治療方針を考えていきましょう。

著者情報

ICVS東京クリニック 理事長 蓮見 賢一郎

 

【経歴】

埼玉医科大学卒業。

東京大学医科学研究所を経て、現在は米国法人 蓮見国際研究財団理事長。

世界各国で『国際がんワクチン・シンポジウム』を開催し、がん免疫療法の啓蒙と研究活動を推進している。

米国Thomas Jefferson 大学 Kimmel Cancer Center に研究講座を開設、同大学の客員教授。

ブルガリアPleven 医科大学より、がん免疫療法の研究活動に対して名誉博士号授与。

その他、米国Maryland 州立大学、ドイツ Erlangen 大学との共同研究や、マレーシア国民大学(UKM)との臨床試験を行っている。

70代の悪性リンパ腫の生存率は?治療で変わる予後と相談すべきタイミング悪性リンパ腫2025/12/31(水)

70代で「悪性リンパ腫」と診断されたとき、多くの方が生存率や治療の可能性について不安を感じられます。

年齢を重ねた状態でのがん治療は、若い世代とは異なる配慮が必要です。

しかし、治療法の進歩により、高齢者であっても適切な治療を選択することで、予後を改善できる可能性があります。

この記事では、70代の悪性リンパ腫における生存率の実態、治療によって変わる予後、そして専門医に相談すべきタイミングについて、医療現場の視点から詳しく解説します。

悪性リンパ腫とは?70代に多い理由

悪性リンパ腫は、血液がんの一種で、リンパ系の細胞ががん化する病気です。

リンパ系は免疫系の一部であり、リンパ節・リンパ管・脾臓などから構成されています。

悪性リンパ腫は高齢者に多く、70歳代が発症のピークとされています。男女比は3:2と男性のほうが多く、高齢化に伴って年々増加傾向がみられます。

悪性リンパ腫の主な種類

 

悪性リンパ腫は、組織学的に「ホジキンリンパ腫」と「非ホジキンリンパ腫」に分類されます。

日本人の90%以上は非ホジキンリンパ腫です。

非ホジキンリンパ腫は、さらに100種類以上のサブタイプに分類され、がん化しているリンパ球の種類によって、B細胞リンパ腫・T細胞リンパ腫・NK細胞リンパ腫に分けられます。

 

進行スピードによる分類

 

非ホジキンリンパ腫は、進行速度によって「高悪性度」「中悪性度」「低悪性度」に分類されます。

高悪性度リンパ腫は急速に進行しますが、化学療法によく反応し、治癒する可能性が高いとされています。

中悪性度リンパ腫は中程度の速さで進行し、低悪性度リンパ腫はゆっくりと進行する特徴があります。

出典

国立がん研究センター「リンパ腫の原因・症状について」

より作成

70代の悪性リンパ腫における生存率の実態

70代の悪性リンパ腫患者さまにとって、生存率は大きな関心事です。

年齢が進むと生存率に変化があるのか、治療によってどの程度改善が期待できるのかを理解することが重要です。

年齢層別の生存率の違い

 

悪性リンパ腫、特に非ホジキンリンパ腫では、若い人に比べ、年齢層が上昇するごとに完全奏効率は低下する傾向があります。

若い人では68%の完全奏効率が、高齢者では45%であり、全生存率も加齢とともに低下するとの報告があります。

これは、高齢の患者さまの場合には合併症や臓器機能の低下、薬物代謝・排せつの遅延などから治療への配慮が必要であるため、若い人と同等の治療強度で治療できず、弱い治療を行う傾向にあることが原因として考えられます。

ただし、合併症がない場合では、70歳以下の患者さまと71歳以上の患者さまで生存の差はないと報告されています。

部位別の5年純生存率

 

2012年から2015年診断症例の5年純生存率を見ると、部位によって大きな差があります。

男性では前立腺94.3%から膵臓10.7%、女性では甲状腺92.7%から膵臓10.2%まで、部位によって生存率は大きく異なります。

また、1993年からの生存率を純生存率の年次推移として改めて集計した結果、多くの部位で生存率が向上していることが確認されています。

出典

Ubie「高齢者の場合、余命(生存率)はどのくらいですか?」

(2010年報告)より作成

治療によって変わる予後・・・標準治療と免疫療法の役割

悪性リンパ腫の治療は、病型・進行度・これまでの治療歴・全身状態などにより、適した治療方針が大きく異なります。

標準治療だけでは十分な効果が得られなかったケースを含め、慎重な診断のもとで治療の選択肢を検討することが重要です。

標準治療の現状と課題

 

悪性リンパ腫の標準治療としては、化学療法や分子標的薬などが用いられます。

これらの治療によって寛解が得られる一方、再発や治療抵抗性が課題となるケースも少なくありません。

抗がん剤・分子標的薬は共に有効な治療ですが、耐性化という問題を避けては通れません。そのため微小がんが体内に残り、それが新たな再発や再燃といった問題を引き起こします。

免疫療法という選択肢

 

免疫療法、特に免疫細胞療法は、標準治療の弱点とされる微小がんに対して、高い排除能力を有していると考えられます。

ICVS東京クリニックでは、免疫システムの司令塔である「樹状細胞」を活用したHITV療法を提供しています。

HITV療法では、CTガイド下で樹状細胞を体内へ正確に投与する独自の技術を採用しており、院内に完備した国際的GMP基準に準拠した細胞培養加工施設を用いた高品質な細胞培養体制を整えています。

オーダーメイド治療の重要性

 

臨床経験豊富な専門医が、画像検査や血液検査、治療経過を総合的に評価し、患者さまごとにオーダーメイドの治療計画を提案することが重要です。

治療そのものだけでなく、患者さまご本人やご家族の不安や負担にも配慮し、生活の質を大切にした診療を心がけることが求められます。

治療開始前には、期待できる効果だけでなく、リスクや副作用についても丁寧に説明し、十分に理解・納得いただいたうえで治療を進めていくことが大切です。

専門医に相談すべきタイミングとは

悪性リンパ腫の治療において、適切なタイミングで専門医に相談することは、予後を大きく左右します。

どのような状況で相談すべきか、具体的なタイミングを理解しておくことが重要です。

標準治療後の次の選択肢を検討するとき

 

標準治療を終えた後、次の治療選択に悩まれている方は、早めに専門医に相談することをおすすめします。

再発や進行により治療選択に悩まれている方、標準治療後の次の選択肢を検討されている方に対して、医療相談・事前診断・セカンドオピニオンを通じて、現状を整理するお手伝いを行っています。

再発を繰り返している場合

 

再発を繰り返している場合、従来の治療法だけでは十分な効果が得られない可能性があります。

このような状況では、免疫療法など新たな治療選択肢を検討することが有効な場合があります。

「抗がん剤治療が難しくなってきた」「再発を繰り返している」「他院では治療の選択肢がないと言われた」といった状況の方でも、まずは相談する価値があります。

生活の質を重視したい場合

 

高齢者の治療では、延命だけでなく、生活の質を維持することも重要な視点です。

治療による身体的負担を抑えながら、日常生活を維持したいと考える方にとって、免疫療法は選択肢の一つとなります。

患者さまご本人やご家族の不安にも丁寧に向き合い、治療内容・期間・費用についても十分な説明と納得を大切にする姿勢が求められます。

ICVS東京クリニックの悪性リンパ腫治療へのアプローチ

ICVS東京クリニックは、ステージⅣを含む進行がん・再発がんに特化した免疫療法を行う専門クリニックとして、悪性リンパ腫の患者さまに対する治療を提供しています。

当院の理念は「治すことを決してあきらめない」というものであり、患者さま一人ひとりの状態に応じた治療方針を検討しています。

樹状細胞を活用したHITV療法

 

当院で行っているHITV療法は、免疫システムの司令塔である樹状細胞を活用する免疫細胞療法です。

悪性リンパ腫においても、患者さまご自身の免疫機能に着目し、がん細胞を認識・攻撃する免疫反応を引き出すことを目的としています。

HITV療法では、CTガイド下で樹状細胞を体内へ正確に投与する独自の技術や、院内に完備した国際的GMP基準に準拠した細胞培養加工施設を用いた高品質な細胞培養体制を整えています。

これにより、免疫療法の特性を最大限に引き出すことを目指しています。

未承認医療としての位置づけ

 

本治療は、日本国内において未承認医療であり、健康保険の適用外となる自由診療です。

治療の適応可否については、事前診断にて慎重に判断いたします。

治療開始前には、期待できる効果だけでなく、リスクや副作用についても丁寧にご説明し、十分にご理解・ご納得いただいたうえで治療を進めていきます。

医療相談・セカンドオピニオンの提供

 

再発や進行により治療選択に悩まれている方、標準治療後の次の選択肢を検討されている方に対して、当院では医療相談・事前診断・セカンドオピニオンを通じて、現状を整理するお手伝いを行っています。

治療のパートナーとして、患者さま一人ひとりと向き合いながら、最善と考えられる医療を追求し続けることが、ICVS東京クリニックの使命です。

まとめ・・・70代の悪性リンパ腫でも希望を持って

70代で悪性リンパ腫と診断されても、適切な治療を選択することで予後を改善できる可能性があります。

年齢による生存率の違いは存在しますが、合併症がない場合には若い世代と生存の差はないとの報告もあります。

標準治療だけでは十分な効果が得られなかったケースにおいても、免疫療法という選択肢があります。

ICVS東京クリニックでは、樹状細胞を活用したHITV療法を通じて、進行がん・再発がんの患者さまに対する治療を提供しています。

「まだできることがあるかもしれない」と思われた方は、まずは医療相談や事前診断から一歩踏み出してみてください。

治療の選択肢を広げ、生活の質を維持しながら、前向きに治療に取り組むことが大切です。

一人で抱え込まず、専門医に相談することが、より良い予後への第一歩となります。

 

著者情報

ICVS東京クリニック 理事長 蓮見 賢一郎

 

【経歴】

埼玉医科大学卒業。

東京大学医科学研究所を経て、現在は米国法人 蓮見国際研究財団理事長。

世界各国で『国際がんワクチン・シンポジウム』を開催し、がん免疫療法の啓蒙と研究活動を推進している。

米国Thomas Jefferson 大学 Kimmel Cancer Center に研究講座を開設、同大学の客員教授。

ブルガリアPleven 医科大学より、がん免疫療法の研究活動に対して名誉博士号授与。

その他、米国Maryland 州立大学、ドイツ Erlangen 大学との共同研究や、マレーシア国民大学(UKM)との臨床試験を行っている。

甲状腺がんの生存率を上げる治療方法とは?治療選択で変わるポイントを解説甲状腺がん2025/12/31(水)

甲状腺がんの生存率と治療の現状

甲状腺がんと診断されたとき、多くの患者さんが最初に気になるのは「生存率」ではないでしょうか。

甲状腺がんは、他のがんと比較して比較的進行が緩やかで、治療成績が良好ながんとして知られています。年間の診断数は約16,500人で、女性に多く見られる特徴があります。5年生存率は約95%と非常に高く、男性で91%、女性で96%という優れた治療成績を示しています。

しかし、甲状腺がんにも複数の種類があり、それぞれ性質や進行速度が異なります。最も多い乳頭がんは10年生存率が約90%以上と予後が良好ですが、未分化がんのように進行が速く悪性度の高いタイプも存在します。また、再発や遠隔転移を繰り返すケースでは、標準治療だけでは十分な効果が得られにくい場合もあるのです。

治療方法の選択は、がんの種類・進行度・患者さんの状態によって大きく変わります。手術、放射線治療、薬物療法といった標準治療に加え、近年では免疫療法など新しい治療選択肢も登場しています。

甲状腺がんの種類と特徴

甲状腺がんは、がん細胞の形や増殖の仕方によっていくつかの種類に分類されます。

それぞれの特徴を理解することが、適切な治療選択の第一歩となります。

乳頭がん(最も多いタイプ)

 

甲状腺がんの約90%を占める最も一般的なタイプです。非常にゆっくり進行する「おとなしい」性質を持ち、生命に関わることはまれです。リンパ節への転移が多く見られるものの、適切な治療により良好な予後が期待できます。ただし、ごく一部の乳頭がんは再発を繰り返したり、悪性度の高い未分化がんに変化したりすることがあるため、継続的な経過観察が重要です。

濾胞がん(2番目に多いタイプ)

甲状腺がんの約5%を占めます。良性の甲状腺腫瘍との区別が難しいことが少なくありません。乳頭がんと比べるとリンパ節転移は起こりにくいものの、肺や骨などへの遠隔転移を起こしやすい傾向があります。遠隔転移がない場合、治療後の経過は比較的良好とされています。

髄様がん(進行が速いタイプ)

甲状腺がんの約1~2%を占める比較的まれなタイプです。乳頭がんや濾胞がんと比べると進行が速く、リンパ節や肺、肝臓などへの転移を起こしやすい性質があります。10年生存率は75%と、他のタイプより低くなります。髄様がんの一部は遺伝性で、生まれつきの遺伝子変異が原因で発症することがあります。

未分化がん(最も悪性度が高いタイプ)

甲状腺がんの約1~2%を占める非常にまれなタイプですが、進行が極めて速く、悪性度が高いのが特徴です。甲状腺周囲の臓器に広がりやすく、肺や骨などへの遠隔転移も起こしやすい性質があります。1年生存率は20%以下と予後が厳しいため、早期の積極的な治療が必要となります。

標準治療の選択肢と効果

甲状腺がんの治療は、がんの種類・進行度・患者さんの状態に応じて選択されます。

手術療法(基本となる治療)

甲状腺がん治療の基本は手術です。手術の方針は大きく2つあります。1つは甲状腺を全摘出して生涯ホルモン療法を行う方法、もう1つは甲状腺を温存してなるべく術後の補助療法を行わない方法です。がんの大きさ・位置・転移の有無などを総合的に判断し、患者さん一人ひとりに最適な術式を選択します。

近年では、低リスクの乳頭がんに対しては経過観察という選択肢も検討されるようになっています。1cm以下の微小な乳頭がんの場合、通常は一生涯大きくならずに経過することが多いため、慎重な経過観察を選択することも可能です。

放射性ヨード内服療法

甲状腺がんに対して特徴的な治療法として、放射性ヨード内服療法があります。海藻類などに含まれるヨードが体内では甲状腺だけに取り込まれる性質を応用した治療で、ヨードに放射能をつけてカプセルに入れて内服します。甲状腺がん細胞を選択的に攻撃できるため、全身への影響を抑えながら治療効果を得ることができます。

薬物療法(分子標的薬など)

遠隔転移がある場合や、放射性ヨード治療が効かない場合には、分子標的薬による治療が選択されることがあります。ただし、甲状腺がんに対する従来の抗がん剤治療の有効性はあまり高くないとされています。近年では、免疫チェックポイント阻害薬など新しいタイプの薬剤も研究が進められています。

免疫療法という新しい選択肢

標準治療だけでは十分な効果が得られにくいケースに対して、免疫療法が注目されています。

免疫療法は、患者さん自身の免疫システムを活性化させてがん細胞を攻撃する治療法です。抗がん剤や放射線治療のような強い副作用が出にくいとされ、体力に不安のある方でも治療を受けられる可能性があります。

HITV療法の特徴

ICVS東京クリニックでは、甲状腺がんを含む進行がん・再発がんに対し、「延命ではなく、救命を目指す」という理念のもと、HITV療法という次世代免疫療法に取り組んでいます。

HITV療法は、免疫システムの司令塔である「樹状細胞」を活用した治療法です。樹状細胞は、がん細胞の情報を他の免疫細胞に伝える重要な役割を担っています。患者さんご自身の腫瘍が持つ情報を免疫に正確に伝えることで、がん細胞を効率的に攻撃する免疫反応の誘導を目指します。

CTガイド下投与という独自技術

HITV療法の大きな特徴は、CTガイド下で樹状細胞を腫瘍内、または腫瘍に栄養を与える主要血管内へ直接投与する独自技術です。この方法により、樹状細胞の機能を最大限に引き出すことを重視しています。腫瘍そのものを免疫反応の起点(ワクチン化)とする考え方に基づいた治療アプローチです。

院内には国際的GMP基準に準拠した細胞培養加工施設(CPC)を完備し、専任の培養士が高品質な樹状細胞の培養・管理を行っています。治療の基盤となる免疫細胞の品質を厳格に保つことで、安全性と効果の両立を目指しています。

治療選択で重要となるポイント

生存率を上げるためには、適切な治療選択が不可欠です。

個別化医療の重要性

甲状腺がんの治療において、画一的な治療は適切ではありません。がんの種類・進行度・転移の有無・患者さんの年齢や全身状態・これまでの治療歴など、さまざまな要素を総合的に判断する必要があります。

ICVS東京クリニックでは、事前診断で提供いただくPET-CTなどの画像データや血液検査、治療履歴をもとに、専門医が慎重に適応を判断します。患者さん一人ひとりの状態・病状・生活背景を考慮したオーダーメイドの治療計画をご提案しています。

事前診断と適応判断

免疫療法は、すべての甲状腺がん患者さんに適応となるわけではありません。現在の病状、腫瘍の大きさ・数、これまでの治療歴などをもとに、HITV療法が適応となるかどうかを医師が慎重に判断します。

いきなり治療を勧めるのではなく、事前診断を通して客観的に判断することを大切にしています。受けられるかわからない治療だからこそ、まずは専門医による適切な評価が必要です。

十分な説明と納得

免疫療法は、短期間で結果が見える治療ではありません。そのため、治療開始前の段階から治療の目的・見込まれる経過・リスクや副作用・費用面まで丁寧にご説明し、十分なご理解とご納得をいただくことを何よりも大切にしています。

治療が始まったその瞬間から、私たちは患者さまのパートナーです。甲状腺がんという病気と向き合う中で、不安や迷いを抱える患者さま・ご家族に寄り添いながら、最良の治療選択をともに考え、支え続ける医療を提供してまいります。

まとめ:生存率を上げるために大切なこと

甲状腺がんの生存率は、がんの種類や進行度によって大きく異なります。

乳頭がんのような予後良好なタイプでは、適切な治療により10年生存率が90%以上と非常に高い治療成績が得られています。一方で、未分化がんのように悪性度の高いタイプや、再発・遠隔転移を繰り返すケースでは、標準治療だけでは十分な効果が得られにくい場合もあります。

生存率を上げるためには、以下のポイントが重要です。

  • 早期発見・早期治療:定期的な検診や自己チェックで早期発見を心がける
  • 適切な治療選択:がんの種類・進行度・患者さんの状態に応じた最適な治療法を選ぶ
  • 継続的な経過観察:治療後も定期的な検査で再発の早期発見に努める
  • 新しい治療選択肢の検討:標準治療で十分な効果が得られない場合、免疫療法などの選択肢も検討する
  • 専門医との十分な相談:治療の目的・効果・リスクを理解し、納得した上で治療を選択する

甲状腺がんの治療は、一人ひとりの状況に応じた個別化医療が重要です。標準治療に加え、免疫療法という新しい選択肢も登場しています。ICVS東京クリニックでは、「延命ではなく、救命を目指す」という理念のもと、患者さまとともに最良の治療選択を考え、支え続ける医療を提供しています。

甲状腺がんと診断されたとき、不安や迷いを感じるのは当然のことです。しかし、適切な治療選択と継続的なサポートにより、多くの患者さんが良好な予後を得ています。まずは専門医に相談し、ご自身に最適な治療法を見つけることから始めてみてください。

事前診断を通じて、HITV療法が適応となるかどうかを専門医が丁寧に判断いたします。治療の可能性について、まずはお気軽にご相談ください。

 

著者情報

ICVS東京クリニック 理事長 蓮見 賢一郎

 

【経歴】

埼玉医科大学卒業。

東京大学医科学研究所を経て、現在は米国法人 蓮見国際研究財団理事長。

世界各国で『国際がんワクチン・シンポジウム』を開催し、がん免疫療法の啓蒙と研究活動を推進している。

米国Thomas Jefferson 大学 Kimmel Cancer Center に研究講座を開設、同大学の客員教授。

ブルガリアPleven 医科大学より、がん免疫療法の研究活動に対して名誉博士号授与。

その他、米国Maryland 州立大学、ドイツ Erlangen 大学との共同研究や、マレーシア国民大学(UKM)との臨床試験を行っている。

50代大腸がんは進行が早い?進行速度と治療で変わるポイントを解説大腸がん2025/12/29(月)

50代で大腸がんと向き合う不安・・・進行速度の真実とは

「50代になって、大腸がんのリスクが高まると聞いたけれど、実際の進行速度はどうなのだろう」

そんな不安を抱えている方は少なくありません。大腸がんは日本人の罹患率・死亡率ともに高い主要ながんの一つであり、特に50代以降で発症リスクが加速することが知られています。

しかし、大腸がんの進行速度は一律ではありません。年齢、がんのタイプ、生活習慣、遺伝的背景など、さまざまな要因によって進み方は大きく異なります。50代という年代は、まさに大腸がんの発症リスクが高まる時期であり、同時に早期発見・早期治療によって治癒が期待できる重要な時期でもあります。

本記事では、放射線診断専門医・IVR専門医として長年がん治療に携わってきた経験をもとに、50代における大腸がんの進行速度の特徴、進行を左右する要因、そして治療で変わるポイントについて詳しく解説します。

50代における大腸がんの進行速度・・・一般的な特徴と個人差

大腸がんの進行速度を理解するためには、まず大腸がんがどのように発生し、成長していくかを知る必要があります。

大腸がんの発生メカニズムと進行パターン

 

大腸がんの多くは、大腸の粘膜にできる「ポリープ」が徐々に大きくなり、がん化することで発生します。正常な粘膜からポリープが形成され、それががんへと変化するまでには、一般的に数年から十数年という長い時間がかかります。

大腸の壁は、内側から順に粘膜、粘膜下層、固有筋層、漿膜下層、漿膜の5つの層に分かれています。がんは最初、粘膜の表面で発生し、時間とともに深い層へと浸潤していきます。粘膜や粘膜下層までにとどまっているものを「早期がん」、それより深く筋層まで到達したものを「進行がん」と定義します。

50代における進行速度の特徴

 

50代は大腸がんの罹患が増えてくる年代です。国立がん研究センターによると、大腸がんにかかる割合は40歳代から増加し始め、50歳代で加速し、高齢になるほど高くなります。

50代における大腸がんの進行速度には、いくつかの特徴があります。まず、この年代では免疫力が徐々に低下し始め、細胞の修復能力も若い頃と比べて衰えてきます。そのため、同じタイプの大腸がんでも、若い頃より進行が早まる可能性が指摘されています。

一方で、50代は健康診断や人間ドックを受ける機会も多く、検査で早期に発見されれば治療開始も早くできる年代です。早期がんであれば、内視鏡によるポリープ切除や外科手術で根治が期待できます。

出典

国立がん研究センターがん情報サービス「大腸がん(結腸がん・直腸がん)」

より作成

進行速度を左右する「悪性度」という概念

 

大腸がんの進行速度を決定する最も重要な要因の一つが「悪性度」です。悪性度とは、がん細胞の増殖速度や浸潤・転移の能力を示す指標であり、顕微鏡でがん細胞の形や構造を観察することで判定されます。

悪性度の高いがんは細胞分裂が速く、周囲の組織に浸潤しやすく、リンパ節や他の臓器への転移も起こりやすい傾向があります。一方、悪性度の低いがんは比較的ゆっくりと成長し、転移のリスクも低いとされています。

50代で発見される大腸がんの中には、悪性度の高いタイプも含まれますが、定期的な検診によって早期発見できれば、進行を抑え込むことが可能です。

進行速度を変える要因・・・生活習慣から遺伝まで

大腸がんの進行速度は、がん細胞そのものの性質だけでなく、患者さんの生活習慣や体質、遺伝的背景など、多様な要因によって左右されます。

生活習慣が及ぼす影響

 

食生活の欧米化は、日本人の大腸がん罹患率増加の主要な原因とされています。動物性脂質や加工肉の過剰摂取、食物繊維の不足は、大腸の粘膜に慢性的な炎症を引き起こし、がんの発生リスクを高めます。

また、肥満、運動不足、飲酒、喫煙などの生活習慣も、大腸がんのリスクを高める要因です。これらの習慣は、体内の炎症反応を促進し、免疫機能を低下させることで、がん細胞の増殖を許しやすくします。

逆に、食物繊維を多く含む食事、適度な運動、禁煙、節酒などの健康的な生活習慣は、大腸がんの発症リスクを低減し、仮にがんが発生した場合でも進行を遅らせる可能性があります。

免疫力と体の修復能力

 

50代になると、免疫システムの機能が徐々に低下し始めます。免疫細胞は、体内で日々発生する異常な細胞を監視し、排除する役割を担っていますが、免疫力が低下すると、がん細胞の増殖を抑制する力が弱まります。

また、細胞のDNA修復能力も加齢とともに衰えるため、遺伝子変異が蓄積しやすくなり、がん化のリスクが高まります。このため、50代では若い頃と比べて、同じタイプのがんでも進行が速くなる可能性が指摘されています。

遺伝的背景と家族歴

 

大腸がんの約5〜10%は、遺伝性の疾患が関与していると考えられています。家族性大腸腺腫症やリンチ症候群などの遺伝性疾患がある場合、大腸がんの発症リスクが著しく高まります。

また、家族に大腸がんの患者さんがいる場合、遺伝的要因だけでなく、共通の生活習慣や環境要因も影響している可能性があります。家族歴がある方は、若い年代から定期的な検診を受けることが推奨されます。

炎症性腸疾患との関連

 

潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患がある方は、大腸の粘膜に慢性的な炎症が続くため、大腸がんの発症リスクが高くなることが知られています。炎症が長期間続くことで、粘膜の細胞に遺伝子変異が蓄積し、がん化しやすくなります。

炎症性腸疾患をお持ちの方は、定期的な内視鏡検査によって、早期の段階でがんや前がん病変を発見することが重要です。

早期発見が変える未来・・・検査と診断の重要性

大腸がんは、早期に発見できれば治療の選択肢が広がり、治癒の可能性が高まります。

しかし、早期の段階では自覚症状がほとんどないため、定期的な検査が極めて重要です。

大腸がん検診の種類と特徴

 

大腸がんの検査には、主に「便潜血検査」と「内視鏡検査」の2種類があります。

便潜血検査は、便に血液が混じっているかを調べる簡便な検査で、自宅で採取した便を提出するだけで実施できます。しかし、便潜血検査の精度には限界があり、大腸がんの約4割を見逃してしまうといわれています。

一方、内視鏡検査は、肛門から内視鏡を挿入して大腸の内部を直接観察する検査です。精度が高く、ポリープやがんを発見した場合、その場で組織を採取したり、小さなポリープであれば切除したりすることも可能です。

内視鏡検査を1回受けるだけで、大腸がんでの死亡確率を7割減らせるという報告もあります。特に問題がなければ4〜5年に1回の検査で十分ですが、ポリープが多く見つかった場合は、検査頻度を高める必要があります。

出典

アフラック「見つかりにくく、40代・50代からリスクが増える大腸がん」

より作成

50代で受けるべき検査のタイミング

 

50代は大腸がんのリスクが高まる年代であり、定期的な検査が特に重要です。症状がなくても、少なくとも1度は内視鏡検査を受けることをお勧めします。

また、以下のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。

  • 便に血が混じる、便の表面に血液が付着する
  • 便秘や下痢を繰り返す
  • 便が細くなる、便が残る感じがする
  • お腹が張る、腹痛がある
  • 原因不明の貧血や体重減少

これらの症状は、痔などの良性の病気でも起こりますが、自己判断せず、消化器科や胃腸科を受診することが大切です。

早期発見のメリット

 

早期がんの段階で発見できれば、内視鏡による切除や腹腔鏡手術など、体への負担が少ない治療で根治が期待できます。早期がんであれば、ほぼ完治できる可能性が高く、治療後の生活の質も保たれます。

一方、進行がんになると、手術の範囲が広がり、抗がん剤治療や放射線治療が必要になることもあります。転移がある場合は、治療が長期化し、体への負担も大きくなります。

早期発見は、治療の選択肢を広げ、患者さんの負担を軽減し、治癒の可能性を高める最も重要な要素です。

治療で変わるポイント・・・標準治療から免疫療法まで

大腸がんの治療法は、がんの進行度、転移の有無、患者さんの全身状態などによって異なります。

標準治療の選択肢

 

大腸がんの標準治療には、主に「手術」「抗がん剤治療」「放射線治療」の3つがあります。

早期がんの場合、内視鏡による切除や外科手術で腫瘍を取り除くことが第一選択となります。腫瘍が小さく、転移がなければ、手術だけで根治が期待できます。

進行がんの場合は、手術で腫瘍を切除した後、再発予防のために抗がん剤治療を行うことがあります。また、直腸がんの場合は、手術前に放射線治療を行い、腫瘍を縮小させてから手術を行うこともあります。

転移がある場合は、手術に加えて、抗がん剤治療や分子標的薬を用いた治療が行われます。肝臓や肺への転移であれば、転移巣を切除することで治癒が期待できる場合もあります。

進行・再発大腸がんに対する免疫療法という選択肢

 

標準治療を受けても再発や転移を繰り返すケースや、「これ以上の治療が難しい」と告げられるケースも少なくありません。そのような状況において、免疫の力を活用した治療が注目されています。

ICVS東京クリニックでは、ステージⅣの進行大腸がんや再発大腸がんに対し、がんの消失を目指す次世代免疫療法「HITV療法」を専門的に行っています。

HITV療法は、免疫システムの司令塔である樹状細胞を活用した免疫細胞療法です。患者さんご自身の体から得た免疫細胞を用い、CT画像で確認しながら腫瘍へ直接投与することにより、がん細胞の情報を正確に免疫に伝え、体内でがんを攻撃する仕組みを引き出します。

大腸がんに対するHITV療法の特長は、樹状細胞をCTガイド下で腫瘍へ直接投与する点にあります。腫瘍内に直接投与された樹状細胞は、患者さんご自身の大腸がんが持つ複数の抗原情報を高精度に学習し、その情報をもとにCTL(キラーT細胞)を体内で強力に誘導します。

これにより、腫瘍そのものが免疫細胞を生み出す「ワクチン化」、血液中を巡る微細ながん細胞への継続的な攻撃、転移・再発の抑制といった作用が期待されます。

オーダーメイドの治療計画

 

大腸がんの進行度、転移の有無、これまでの治療歴、全身状態は、患者さま一人ひとり異なります。ICVS東京クリニックでは、事前診断や詳細なカウンセリングを通じて、HITV療法を軸とした個別の治療計画をオーダーメイドでご提案します。

また、患者さまご本人だけでなく、ご家族のお気持ちにも配慮し、生活の質(QOL)を大切にした診療を心がけています。

進行大腸がん・再発大腸がんにおいて、「もう治療がない」と感じておられる患者さまやご家族は少なくありません。ICVS東京クリニックでは、治すことをあきらめず、患者さまのパートナーとして寄り添う医療を提供しています。

まとめ・・・50代からの大腸がん対策は早期発見と適切な治療選択が鍵

50代における大腸がんの進行速度は、がんのタイプ、悪性度、生活習慣、免疫力、遺伝的背景など、多様な要因によって左右されます。

一般的に、大腸がんは数年から十数年かけて進行するとされていますが、50代では免疫力の低下や細胞修復能力の衰えにより、進行が早まる可能性もあります。

しかし、大腸がんは早期に発見できれば治癒の可能性が高いがんです。定期的な検診、特に内視鏡検査を受けることで、早期の段階でがんやポリープを発見し、進行を食い止めることができます。

また、治療法も進歩しており、標準治療に加えて、免疫療法など新たな選択肢も広がっています。進行・再発大腸がんに対しても、あきらめずに治療の可能性を探ることが大切です。

50代は、大腸がんのリスクが高まる年代であると同時に、早期発見・早期治療によって未来を変えられる年代でもあります。不安を感じたら、まずは医療機関を受診し、専門医に相談してください。

ICVS東京クリニックでは、進行大腸がん・再発大腸がんに対する免と疫療法を専門的に行っています。医療相談や事前診断を通じて、現在の状態にHITV療法が適応となるかどうかを一緒に検討いたします。まずはお気軽にご相談ください。

著者情報

ICVS東京クリニック 理事長 蓮見 賢一郎

 

【経歴】

埼玉医科大学卒業。

東京大学医科学研究所を経て、現在は米国法人 蓮見国際研究財団理事長。

世界各国で『国際がんワクチン・シンポジウム』を開催し、がん免疫療法の啓蒙と研究活動を推進している。

米国Thomas Jefferson 大学 Kimmel Cancer Center に研究講座を開設、同大学の客員教授。

ブルガリアPleven 医科大学より、がん免疫療法の研究活動に対して名誉博士号授与。

その他、米国Maryland 州立大学、ドイツ Erlangen 大学との共同研究や、マレーシア国民大学(UKM)との臨床試験を行っている。

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