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Columnコラム

がん治療でセカンドオピニオンは必要?相談するタイミングとメリットがん2026/04/07(火)

がんと診断されたとき、多くの方が大きな不安に包まれます。

「本当にこの治療法でいいのだろうか」「他に選択肢はないのか」・・・そんな思いが頭をよぎることは、決して珍しいことではありません。

がん治療は複雑で、患者さんやご家族にとって大きなストレスになります。治療方法の選択や治療後の生活の質についての不安もあります。こうした状況で、納得のいく治療を選ぶために役立つのが「セカンドオピニオン」です。

セカンドオピニオンとは、現在診療を受けている担当医とは別の医師に求める助言(第2の意見)のことです。担当医と十分に話し合っていたとしても、病気や治療への理解を深め、より納得して治療を受けるために、別の医師の話を聞いてみたいと思うことがあるかもしれません。

セカンドオピニオンとは何か

セカンドオピニオンは、患者さんが診断や治療選択について、現在の担当医とは別の医師に求める「第2の意見」を指します。

重要なのは、セカンドオピニオンを受けることは転院することではない、という点です。現在の担当医のもとで治療を受けることを前提に利用するものであり、よりよい医療を納得して受けられるように認められている患者さんの権利です。

最近では日常的に行われるようになってきましたので、担当医に気を遣ったり、遠慮したりする必要はありません。

セカンドオピニオンが必要とされる背景

がんの罹患数と死亡数は、共に増加し続けています。1981年以降、がんは日本で最も多い病気の死因であることを示しています。

2022年にがんで死亡した人は385,797人(男性223,291人、女性162,506人)です。2019年には、新たにがんと診断された方が男女合わせて999,075人いたことが報告されています。特に50歳以降は急激にがんになる率が高くなっています。

こうした状況の中で、がん治療に関する正しい情報を得ることは、治療の選択や方針を決定する上で非常に重要です。

出典 国立がん研究センター がん情報サービス「セカンドオピニオン」(2024年)より作成

セカンドオピニオンと転院の違い

セカンドオピニオンは医師が検査データや画像データなどの診療情報をみて、第三者として診断や治療についての意見を述べたり、情報を伝えたりすることです。

診察・検査・治療は行いません。

セカンドオピニオンを受けた医療機関で診察・検査・治療を受けるためには、転院が可能かどうかの確認を含め、転院の手続きや初診の予約など別の手順が必要です。

セカンドオピニオンを受けるメリット

セカンドオピニオンを受けることには、いくつかの重要なメリットがあります。

治療選択肢が広がる可能性

セカンドオピニオンを受ける最大のメリットは、担当医とは異なる見解や治療方法が示された場合に選択肢が広がることです。

近年は医師の専門分野が細分化されており、自身の病気の治療に特化した専門家に意見を求めることで、より効果的な治療方法を提案してもらえるかもしれません。

ただし、各地域で専門的ながん医療を提供する病院として国が指定している「がん診療連携拠点病院」を中心に行われるがんの診療は、「標準治療」を基本としています。標準治療とは、現時点で最も効果が期待でき、安全性が確立された一番よい治療のことをいいます。

治療への理解と納得が深まる

担当医と同じ意見であったとしても、セカンドオピニオンを受けることで、病気や治療への理解がより深まり、納得して治療に臨むことにつながることがあります。

こうしたこともセカンドオピニオンの重要なメリットといえるでしょう。

がんの治療法は自ら考え、納得して決断することが必要になります。自分に合った治療法に理解して納得することが大切です。

精神的な安心感が得られる

第二の意見を得ることで、治療方針に対する理解が深まり、より確かな決断ができるようになります。

「他の先生に聞いても同じ意見だったので、安心して主治医のもとでがんの治療を受けられた」という声も多く聞かれます。

がん治療で自由診療は必要?保険診療との違いと検討すべき理由

がん治療には保険診療と自由診療があり、それぞれ特徴や選択肢が異なります。本記事では、両者の違いや自由診療を検討する際の考え方、判断するためのポイントについてわかりやすく解説します。

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セカンドオピニオンを受けるデメリットと注意点

メリットがある一方で、セカンドオピニオンにはいくつかのデメリットや注意すべき点もあります。

費用と時間の負担

セカンドオピニオンを受けるデメリットは、医療費の負担が増えることです。

セカンドオピニオンの受診に必要な費用は、公的医療保険制度が適用されない自由診療扱いで全額自己負担になります。基本料金は医療機関によって異なりますが、30分で22,000円から46,200円程度が一般的です。遠方の場合は、交通費の負担も考えておかなければなりません。

また、セカンドオピニオンの受診には手間と時間がかかります。

治療開始の遅れのリスク

病気の種類や進行の状況によっては、治療の選択を迷っている間に病状が進行する場合があることなどもデメリットとして理解しておく必要があるでしょう。

病状によっては、できるだけ早くがんの治療を始めたほうが良い場合もありますので、セカンドオピニオンを希望する場合は、まずは主治医に相談してください。

意見が分かれた場合の混乱

「医師によって考えが違い、かえって混乱した」という人もいます。

セカンドオピニオンを受けるときには、メリット、デメリットがあることを理解した上で決めましょう。絶対に受けなければならないものではなく、よく考えて受けるかどうかを決めることが大切です。

セカンドオピニオンを受けるべきタイミング

セカンドオピニオンをいつ受けるべきか、適切なタイミングを知ることは重要です。

診断直後の治療方針決定時

担当医から示されたがんの治療法について、「他の治療法はないのかな?」「なんとか臓器を残す方法はないのかな?」など、迷いがある場合、他の医師の意見も聞いてみるという方法があります。

主治医からいくつかのがん治療の選択肢を示され、どれを選んだら良いのか決めかねている場合、あるいは主治医が示したのとは別の治療法を探したい場合、がん治療を始める前に他の医師の意見を聞いて参考にするのが適切なタイミングです。

治療効果が見られない場合

現在の治療を続けているものの、期待した効果が得られない場合も、セカンドオピニオンを検討するタイミングといえます。

別の専門家の視点から、治療方針の見直しや新たな選択肢を提案してもらえる可能性があります。

再発や転移が見つかった時

再発や転移が見つかった場合、治療方針が大きく変わることがあります。

このような状況では、複数の専門家の意見を聞くことで、より適切な治療選択ができる可能性があります。

セカンドオピニオンの受診の流れ

セカンドオピニオンを受診するときの流れを、ステップごとに見ていきましょう。

現在の担当医の意見を十分に理解する

まず、ファーストオピニオンを十分に理解することが大切です。

例えば、治療についてであれば、診断名、病状、進行度、推奨される治療法とその理由などを確認します。また、セカンドオピニオンをなぜ受けたいのか、自分自身の気持ちを整理することも大切です。

その中で生じた疑問や不安は、まず現在の担当医に確認・相談しましょう。しっかりと話し合うことで、結果的に迷いや懸念が解消し、担当医との信頼関係が深まったり、セカンドオピニオンを受けないという選択に至ったりすることもあります。

セカンドオピニオンを受ける医療機関を選ぶ

「どこで受けるか」を選ぶことも大事です。

一つの方法は、主治医に紹介してもらうことです。ただし、「同じ意見の先生を紹介されて、似たような話しか聞けなかった」ということもあるようです。もう一つは、同じ病気の患者数が多い病院などを自分で探すという方法です。

どこでセカンドオピニオンを受けたらよいかわからない場合は、最寄りのがん診療連携拠点病院のがん相談支援センターに相談してみましょう。

必要書類の準備と予約

どこでセカンドオピニオンを受けるかを決めたら、予約をとり、必要な書類を用意します。

セカンドオピニオンを受けるために必要なのは、診療情報提供書(いわゆる紹介状)、検査データ、画像データなどです。必要な書類を確認して、早めに用意しておきましょう。また、限られた時間を有効に使うには、聞きたいことを事前にメモしておくのも大事です。

セカンドオピニオン面談当日

面談時間は医療機関によって異なりますが、30分から45分程度が一般的です。

医師が紹介状などを確認して報告書を作成する時間も含まれます。事前に準備したメモをもとに、疑問点や不安点をしっかりと確認しましょう。面談中の録音、録画はご遠慮願います。

セカンドオピニオン後の選択肢

セカンドオピニオンを受けた後は、いくつかの選択肢があります。

現在の担当医のもとで治療を継続

セカンドオピニオンを受けた後は、主治医のもとでがん治療を受ける人もいます。

「他の先生に聞いても同じ意見だったので、安心して主治医のもとでがんの治療を受けられた」というケースです。セカンドオピニオンの内容については、主治医の先生に文書で郵送されます。

セカンドオピニオン先の医療機関へ転院

セカンドオピニオンを受けた病院に転院してがん治療を受ける人もいます。

「『手術はできない』と言われていたけれど、セカンドオピニオンを受けたら『できます』と言われて転院した」というケースです。セカンドオピニオンの結果、当センターへの転院をご希望になる場合は、改めて紹介状をお持ちになり、初診予約をしていただくことになります。

さらに別の医師の意見を求める

場合によっては、さらに別の医師の意見を求めることも選択肢の一つです。

ただし、時間と費用の負担が増えることを考慮する必要があります。一番大事なのは自分自身の選択です。納得してがんの治療を受けましょう。

ICVS東京クリニックでのセカンドオピニオン

ICVS東京クリニックは、「延命ではなく、救命を目指して」という理念のもと、標準治療だけでは治癒が難しいとされるステージⅣの進行がん・再発がんに特化した次世代免疫療法を提供する医療機関です。

HITV療法という選択肢

治療の中核となるのは、HITV療法(Human Initiated Therapeutic Vaccine)という免疫細胞療法です。

樹状細胞を活用し体内でがんを攻撃するCTL(キラーT細胞)を効率的に誘導することで、がんの消失(治癒)を目標としています。なお、HITV療法は日本国内の医薬品医療機器等法において未承認であり、保険適用外の自由診療となります。

樹状細胞を腫瘍へ直接投与する点が特徴で、CT画像で確認しながら腫瘍内へ直接注入(腫瘍内注入が難しい場合は腫瘍を栄養する主要血管内への投与)を行うことで、患者さん自身の腫瘍が持つ複数のがん情報を、より正確に樹状細胞へ学習させることを目指しています。

世界水準の治療体制

当院は、がん免疫療法の専門医である蓮見賢一郎によって2008年に設立され、国内外の研究者・臨床現場とのネットワークを持ち、HITV療法専門施設として研鑽を重ねています。

これまで日本のみならず、台湾、中国、マレーシア、ロシア、オーストラリアなど世界各国から患者を受け入れ、2,000名以上の治療支援に携わってきました。

CTガイド下投与によりリアルタイムのCT画像をもとに穿刺を行い、腫瘍内へ正確に樹状細胞を直接投与する高度な医療技術を採用しています。また、院内CPC(細胞培養加工施設)を完備し、国際的GMP基準に沿った環境を整え、専任の細胞培養士が適切に管理・処置を行っています。

オーダーメイドの治療計画

治療は患者の状態・症状・生活環境を総合的に考慮し、専門医が丁寧にカウンセリングと診断を行った上で、相乗効果を生む治療法を組み合わせたオーダーメイドの治療計画を提案します。

治療の流れは7ステップで構成され、来院回数は基本4回です。

まとめ

がん治療におけるセカンドオピニオンは、患者さんが納得のいく治療を選択するための重要な権利です。

担当医とは別の医師の意見を聞くことで、治療選択肢が広がる可能性があり、治療への理解と納得が深まります。一方で、費用と時間の負担、治療開始の遅れのリスクなどのデメリットもあることを理解しておく必要があります。

セカンドオピニオンを受けるべきタイミングは、診断直後の治療方針決定時、治療効果が見られない場合、再発や転移が見つかった時などです。受診の流れとしては、まず現在の担当医の意見を十分に理解し、セカンドオピニオンを受ける医療機関を選び、必要書類を準備して予約を取ります。

セカンドオピニオンを受けた後は、現在の担当医のもとで治療を継続するか、セカンドオピニオン先の医療機関へ転院するか、さらに別の医師の意見を求めるかを選択できます。

ICVS東京クリニックでは、ステージⅣの進行がん・再発がんに特化したHITV療法を提供しています。標準治療だけでは治癒が難しいとされるがんに対して、「延命ではなく、救命を目指して」という理念のもと、一人ひとりに合わせたオーダーメイドの治療計画を提案しています。セカンドオピニオンをお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。

詳細はこちらのHPをご覧ください

著者情報

ICVS東京クリニック 理事長 蓮見 賢一郎

 

【経歴】

埼玉医科大学卒業。

東京大学医科学研究所を経て、現在は米国法人 蓮見国際研究財団理事長。

世界各国で『国際がんワクチン・シンポジウム』を開催し、がん免疫療法の啓蒙と研究活動を推進している。

米国Thomas Jefferson 大学 Kimmel Cancer Center に研究講座を開設、同大学の客員教授。

ブルガリアPleven 医科大学より、がん免疫療法の研究活動に対して名誉博士号授与。

その他、米国Maryland 州立大学、ドイツ Erlangen 大学との共同研究や、マレーシア国民大学(UKM)との臨床試験を行っている。

抗がん剤が効かない場合はどうする?次の治療を検討するポイントがん2026/04/06(月)

抗がん剤治療の効果が見られないとき・・・次のステップを考える

抗がん剤治療を受けている患者さんやご家族にとって、「治療の効果が思うように現れない」という状況は、大きな不安と戸惑いをもたらします。

標準治療として提供される抗がん剤は、がん細胞の増殖を抑える重要な役割を果たしますが、すべての患者さんに同じように効果が現れるわけではありません。

治療を続けていく中で、「このまま同じ治療を続けていいのか」「他に選択肢はないのか」と悩まれる方は少なくありません。

本記事では、抗がん剤治療の効果が見られない場合に考えるべき次の治療の選択肢や、主治医との相談ポイント、そして治療変更のタイミングについて、がん免疫療法の専門医としての視点から解説します。

抗がん剤が効かなくなる理由・・・薬剤耐性のメカニズム

抗がん剤治療において最も重要な課題の一つが「薬剤耐性」です。

治療開始当初は効果を示していた抗がん剤が、時間の経過とともに効かなくなる現象は、多くのがん種で観察されます。

一次耐性と獲得耐性の違い

薬剤耐性には大きく分けて二つのタイプがあります。

「一次耐性」は、治療開始時からがん細胞が薬剤に対して抵抗性を持っている状態です。抗アポトーシスシグナルなどの内的因子により、一部のがん細胞が細胞死を回避してしまいます。

一方、「獲得耐性」は治療を続けていく過程で生じる耐性です。最初は薬剤が効いてがん細胞が減少しますが、生き残ったがん細胞が変化し、薬剤の存在下でも増殖できるようになります。

分子標的薬における薬剤耐性の実態

従来の抗がん剤に比べて高い治療効果を示す分子標的薬でも、薬剤耐性は重要な問題です。

例えば、メラノーマ(悪性黒色腫)の約半数で見られるBRAF遺伝子の変異に対して開発されたBRAF阻害剤は、当初高い効果を示しますが、投与開始から約半年で薬剤耐性を示すケースが報告されています。

これは、がん細胞が増殖シグナルの再活性化や抗アポトーシスシグナルの活性化など、複数のメカニズムを通じて薬剤の効果を回避するためです。BRAF阻害薬によってBRAF-MEK-ERK経路が遮断されても、STAT3などの別の経路が活性化し、抗アポトーシス因子の発現が再び誘導されることが明らかになっています。

治療変更を検討すべきタイミング・・・主治医との対話が鍵

抗がん剤治療の効果判定は、定期的な画像検査や血液検査によって行われます。

治療変更を考えるタイミングは、単に「効果が見られない」という理由だけでなく、患者さんの全身状態や生活の質(QOL)、副作用の程度なども総合的に判断する必要があります。

効果判定の基準を理解する

がん治療における効果判定には、一般的に「奏効率」という指標が用いられます。

これは、腫瘍が一定以上縮小した患者さんの割合を示すもので、完全奏効(腫瘍が完全に消失)、部分奏効(腫瘍が30%以上縮小)、安定(変化なし)、進行(腫瘍が20%以上増大)という分類があります。

治療変更を検討するのは、通常「進行」と判定された場合ですが、副作用が強く生活の質が著しく低下している場合や、安定状態が長期間続いている場合にも、治療方針の見直しが必要になることがあります。

セカンドライン治療への移行

最初に行う治療(ファーストライン治療)の効果が乏しくなった場合、別の抗がん剤治療に切り替えるセカンドライン治療が検討されます。

がん薬物療法では、より効果の高い薬剤を最初に使用するため、セカンドライン以降の治療では、異なる作用機序を持つ薬剤や、併用療法が選択されることが多くなります。

主治医との対話では、次の治療選択肢について十分な説明を受け、それぞれの治療の期待される効果、副作用、治療期間などを理解した上で、納得して治療を選択することが重要です。

再生医療とは?がん治療で注目される理由をわかりやすく解説

再生医療は、細胞や組織の力を利用して機能の回復を目指す治療として注目されています。本記事では、再生医療の基本的な考え方やがん治療における役割、期待されている理由についてわかりやすく解説します。

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標準治療以外の選択肢・・・免疫療法という可能性

標準治療として提供される抗がん剤治療や分子標的薬治療の効果が十分でない場合、次の選択肢として免疫療法が注目されています。

免疫チェックポイント阻害薬の役割

免疫チェックポイント阻害薬は、がん細胞が免疫系から逃れるために利用している「ブレーキ」を解除し、患者さん自身の免疫細胞ががん細胞を攻撃できるようにする治療法です。

この治療法は、一部のがん種において標準治療として確立されており、従来の抗がん剤とは異なる作用機序により、長期的な効果が期待できるケースもあります。

次世代免疫療法としてのHITV療法

標準治療だけでは治癒が難しいとされるステージⅣの進行がん・再発がんに対して、当院が提供しているのがHITV療法(Human Initiated Therapeutic Vaccine)です。

HITV療法は、免疫システムの司令塔と呼ばれる樹状細胞を活用した次世代のがん免疫療法で、「延命ではなく、救命を目指す」という明確な理念のもとに開発されました。

この治療法の最大の特徴は、樹状細胞を腫瘍へ直接投与する点にあります。CT画像で確認しながら腫瘍内へ直接注入することで、患者さんご自身の腫瘍が持つ複数のがん情報を、より正確に樹状細胞へ学習させることを目指しています。

腫瘍に投与された樹状細胞は、がん情報を高精度で認識し、CTL(キラーT細胞)への指示を精密化します。投与後2週間前後からCTLが体内に誘導され、24時間休むことなくがん細胞へ攻撃を継続します。

なお、HITV療法は日本国内の医薬品医療機器等法において未承認であり、保険適用外の自由診療となります。

ゲノム検査による個別化医療・・・オーダーメイド治療の可能性

近年、がん治療において「ゲノム検査」が重要な役割を果たすようになっています。

ゲノム検査とは何か

ゲノム検査は、腫瘍組織や生検によって採取したがん細胞のDNA配列を解析し、遺伝子に変化があるかどうかを調べる検査です。

日本では「NCCオンコパネル114遺伝子」や「ファンデーションワン324遺伝子」などのゲノム検査が承認されており、がん細胞の遺伝子変異を特定することで、その変異に対して効果的な分子標的薬を選択できる可能性があります。

オーダーメイド治療の実現

従来のがん薬物療法では、臓器別に同じ薬剤を使用していたため、同じ治療を受けても効果が出る人と全く効果がない人がいました。

ゲノム検査により、がん細胞の遺伝子変異を特定し、その変異に対応した薬剤を選択することで、より有効性の高い治療が期待できます。また、副作用が出にくい薬剤を選択することも可能になります。

ただし、実際に薬剤の適応になるケースは、検査を受けた患者さんの10~20%程度とされています。変異遺伝子が見つかっても、それに対応した治療薬が十分に存在しない場合や、臨床試験が少ない現実もあります。

治療を選択する際に考えるべきこと・・・QOLと治療効果のバランス

抗がん剤が効かない場合の次の治療を検討する際、最も重要なのは「治療効果」と「生活の質(QOL)」のバランスです。

副作用との向き合い方

抗がん剤治療では、副作用は必ず出現します。

血液毒性として白血球減少、好中球減少、貧血、血小板減少が起こり、肝・腎機能障害や吐き気、嘔吐、口内炎、脱毛なども見られます。正常細胞においても分裂の盛んな細胞は障害を受けるためです。

近年では、副作用の軽減や治療効果の向上に取り組むことで、抗がん剤の治療負担を減らす試みが進んでいます。副作用を含めても有効性が上回るため治療が行われますが、患者さんの体力や生活環境を考慮した治療計画が不可欠です。

当院が重視する患者さん目線の治療

ICVS東京クリニックでは、患者さんの状態・症状・生活環境を総合的に考慮し、専門医が丁寧にカウンセリングと診断を行った上で、相乗効果を生む治療法を組み合わせたオーダーメイドの治療計画をご提案します。

治療は基本4回の来院で完結するよう設計されており、通院負担にも配慮しています。また、比較的身体への負担や副作用が少ないとされるHITV療法は、体力に不安のある方でも検討しやすい治療法です。

治療の流れは、初診・治療計画の説明、成分採血(アフェレーシス)、腫瘍の生検と解析、院内CPCでの細胞培養、樹状細胞の腫瘍内投与(CTガイド下)、活性化T細胞の点滴投与、PET-CT・血液検査による治療評価という7ステップで進みます。

世界水準の医療体制と研究実績・・・信頼できる治療環境

がん治療において、治療を受ける医療機関の体制や実績は重要な判断材料です。

国際的な研究開発の系譜

当院の免疫治療の研究・開発は、1948年に故・蓮見喜一郎博士が開発したがんワクチン(ハスミワクチン)を起点とし、約80年にわたる実績の延長線上にあります。

さらに、樹状細胞研究の功績により2011年にノーベル生理・医学賞を受賞したラルフ・スタインマン博士が、当院母体の技術顧問としてHITV療法の確立に長年貢献しました。

2008年の設立以来、当院は日本のみならず、台湾、中国、マレーシア、ロシア、オーストラリアなど世界各国から患者さんをお迎えし、2,000名以上の治療支援に携わってきました。

厳格な品質管理体制

当院では、CTガイド下投与によりリアルタイムのCT画像をもとに穿刺を行い、腫瘍内へ正確に樹状細胞を直接投与する高度な医療技術を採用しています。

また、院内CPC(細胞培養加工施設)を完備し、国際的GMP基準に沿った環境を整え、専任の細胞培養士が適切に管理・処置を行っています。

さらに、再生医療等安全性確保法に則った運用を行い、厚生労働省の許可を受けた特定細胞加工施設として、品質管理を重視した培養体制を構築しています。

まとめ・・・治すことを諦めない選択肢

抗がん剤治療の効果が見られない場合、多くの患者さんやご家族が「もう治らないのではないか」という不安を感じます。

しかし、標準治療以外にも選択肢は存在します。

薬剤耐性のメカニズムを理解し、主治医と十分に対話しながら、セカンドライン治療やゲノム検査に基づく個別化医療、そして免疫療法など、さまざまな可能性を検討することが重要です。

ICVS東京クリニックは、「延命ではなく、救命を目指す」という姿勢を、患者さんと共有する場所です。標準治療だけでは治癒が難しいとされるステージⅣの進行がん・再発がんに対して、HITV療法という次世代免疫療法を提供しています。

今の治療に限界を感じている方、別の可能性を知ったうえで判断したい方にとって、一度相談してみる価値のあるクリニックです。

がん治療の選択は簡単なものではありません。しかし、「治すことを諦めない」という思いを持ち続けることが、次の一歩につながります。

詳しい治療内容や相談をご希望の方は、ICVS東京クリニックまでお問い合わせください。

詳細はこちらのHPをご覧ください

著者情報

ICVS東京クリニック 理事長 蓮見 賢一郎

 

【経歴】

埼玉医科大学卒業。

東京大学医科学研究所を経て、現在は米国法人 蓮見国際研究財団理事長。

世界各国で『国際がんワクチン・シンポジウム』を開催し、がん免疫療法の啓蒙と研究活動を推進している。

米国Thomas Jefferson 大学 Kimmel Cancer Center に研究講座を開設、同大学の客員教授。

ブルガリアPleven 医科大学より、がん免疫療法の研究活動に対して名誉博士号授与。

その他、米国Maryland 州立大学、ドイツ Erlangen 大学との共同研究や、マレーシア国民大学(UKM)との臨床試験を行っている。

抗がん剤はいつまで続ける?治療終了を考えるタイミングと判断のポイントがん2026/04/06(月)

抗がん剤治療を受けている方やご家族にとって、「いつまで続けるべきか」という問いは、非常に重い決断を迫られる瞬間です。

標準治療として化学療法を続けてきたものの、副作用による体力の低下や、効果が実感できない不安から、治療の継続に迷いを感じる方は少なくありません。

私は長年、がん免疫療法の臨床と研究に携わってきました。

その中で、多くの患者さんが「治療をいつ終えるべきか」という問いに直面し、苦悩する姿を目にしてきました。この記事では、抗がん剤治療の終了を考えるタイミングや判断基準について、医療者の視点から詳しく解説します。

抗がん剤治療の基本的な考え方

抗がん剤治療は、がん細胞の増殖を抑え、腫瘍を縮小させることを目的とした全身療法です。

化学療法は、手術や放射線治療と並ぶ「標準治療」の一つとして位置づけられており、がんの種類や進行度に応じて治療計画が立てられます。

治療サイクルと投与スケジュール

抗がん剤治療は通常、「サイクル」と呼ばれる単位で実施されます。

一般的には、2週間から4週間を1サイクルとし、投与と休薬期間を繰り返す形で進められます。この休薬期間は、正常な細胞が回復するために必要な時間です。

治療計画は、がんの種類・ステージ・患者さんの体力・年齢などを総合的に判断して決定されます。

治療の目的による分類

抗がん剤治療の目的は、大きく分けて以下の3つに分類されます。

  • 根治目的・・・がんの完全な消失を目指す治療
  • 延命目的・・・がんの進行を遅らせ、生存期間を延ばす治療
  • 緩和目的・・・症状を和らげ、生活の質(QOL)を維持する治療

これらの目的は、がんの進行状況や患者さんの状態によって変化することがあります。

治療開始時には根治を目指していても、経過によっては延命や緩和へと目的がシフトすることも少なくありません。

治療終了を考えるべきタイミング

抗がん剤治療をいつまで続けるかは、医学的な判断だけでなく、患者さんご自身の価値観や生活の質も重要な要素となります。

画像診断による効果判定

治療効果の判定には、CT・MRI・PET-CTなどの画像診断が用いられます。

通常、2〜3サイクルごとに画像検査を実施し、腫瘍の大きさや転移の状況を評価します。腫瘍が縮小している場合は「奏効」、変化がない場合は「安定」、増大している場合は「進行」と判定されます。

進行が確認された場合、現在の抗がん剤の効果が限定的であると判断され、治療方針の見直しが検討されます。

腫瘍マーカーの推移

血液検査で測定される腫瘍マーカーも、治療効果を評価する重要な指標です。

CEA・CA19-9・PSAなど、がんの種類によって特異的なマーカーがあり、その数値の推移を追うことで治療効果を間接的に評価できます。ただし、腫瘍マーカーはあくまで補助的な指標であり、画像診断と併せて総合的に判断することが重要です。

抗がん剤の副作用でしびれが出るのはなぜ?原因と対処の考え方

抗がん剤治療では、手足のしびれといった副作用が現れることがあります。本記事では、しびれが起こる原因や症状の特徴、日常生活での対処方法や医療機関に相談する目安についてわかりやすく解説します。

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副作用の程度と生活への影響

抗がん剤治療には、吐き気・倦怠感・脱毛・骨髄抑制・末梢神経障害など、さまざまな副作用が伴います。

これらの副作用が日常生活に大きな支障をきたし、患者さんのQOLが著しく低下している場合、治療の継続が本当に患者さんのためになるのか、慎重に検討する必要があります。

副作用の程度は、グレード1(軽度)からグレード5(死亡)までの5段階で評価されます。グレード3以上の重篤な副作用が続く場合、治療の中止や変更が検討されることが一般的です。

体力・栄養状態の低下

抗がん剤治療を続けるためには、一定の体力と栄養状態が必要です。

パフォーマンスステータス(PS)と呼ばれる全身状態の評価指標があり、PS0(まったく問題なく活動できる)からPS4(寝たきり)までの5段階で評価されます。PS3以上の状態では、抗がん剤治療の継続が困難になることが多く、治療方針の見直しが必要となります。

医師が治療終了を提案する具体的な判断基準

医師が抗がん剤治療の終了を提案する際には、複数の医学的根拠に基づいた判断が行われます。

治療効果の限界

複数のレジメン(抗がん剤の組み合わせ)を試しても効果が得られない場合、現在の標準治療では対応が難しいと判断されることがあります。

一般的に、ファーストライン(一次治療)、セカンドライン(二次治療)、サードライン(三次治療)と進むにつれて、治療効果は低下する傾向にあります。

特に、複数のラインで効果が見られない場合、さらなる化学療法の継続が患者さんの利益につながるか、慎重に評価する必要があります。

臓器機能の低下

抗がん剤治療は、肝臓・腎臓・心臓などの臓器に負担をかけることがあります。

血液検査で肝機能(AST・ALT・ビリルビン)や腎機能(クレアチニン・eGFR)の数値が悪化している場合、治療の継続が臓器障害を引き起こすリスクがあるため、治療の中止や変更が検討されます。

感染症リスクの増大

抗がん剤治療による骨髄抑制で白血球が減少すると、感染症のリスクが高まります。

好中球数が500/μL以下になると「好中球減少症」と診断され、重篤な感染症を引き起こす可能性があります。感染症を繰り返す場合や、G-CSF製剤(白血球を増やす薬)を使用しても回復が困難な場合、治療の継続が難しくなることがあります。

患者さんの意思と価値観

医学的な判断だけでなく、患者さんご自身の意思と価値観も、治療終了の重要な判断基準です。

「残された時間を治療に費やすよりも、家族との時間を大切にしたい」「副作用に耐えながら延命するよりも、穏やかに過ごしたい」といった患者さんの思いは、尊重されるべきものです。

インフォームド・コンセント(十分な説明に基づく同意)の原則に従い、医師は患者さんに治療の利益とリスクを丁寧に説明し、患者さんが納得した上で決断できるよう支援する責任があります。

維持療法と治療休止の考え方

抗がん剤治療には、「維持療法」という選択肢もあります。

維持療法とは

維持療法は、初期治療で腫瘍が縮小した後、低用量の抗がん剤を継続的に投与することで、がんの再増殖を抑える治療法です。

強力な化学療法と比較して副作用が軽減されるため、患者さんのQOLを維持しながら治療を続けることができます。肺がん・卵巣がん・大腸がんなどで、維持療法の有効性が報告されています。

治療休止(ドラッグホリデー)

一定期間治療を続けた後、意図的に治療を休止する「ドラッグホリデー」という考え方もあります。

これは、副作用からの回復や、患者さんの心身のリフレッシュを目的としたものです。治療休止中も定期的な画像検査や血液検査を行い、がんの状態を監視します。再増殖の兆候が見られた場合は、速やかに治療を再開します。

休止期間の設定

治療休止の期間は、がんの種類や患者さんの状態によって異なりますが、一般的には2〜3ヶ月程度が目安とされます。

この期間中、患者さんは副作用から回復し、体力を取り戻すことができます。また、治療に対する心理的な負担も軽減され、次の治療に向けて前向きな気持ちを取り戻すことができる場合もあります。

標準治療の限界と次の選択肢

標準治療で十分な効果が得られない場合、患者さんとご家族は次の選択肢を模索することになります。

臨床試験への参加

新しい抗がん剤や治療法の臨床試験に参加することは、標準治療で効果が得られなかった患者さんにとって、一つの選択肢となります。

臨床試験は、厳格な倫理審査と安全性の確認を経て実施されますが、効果や副作用については不確実な部分もあります。参加を検討する際は、医師から十分な説明を受け、メリットとデメリットを理解した上で判断することが重要です。

免疫療法という選択肢

近年、がん治療の分野では免疫療法が注目されています。

免疫チェックポイント阻害薬(オプジーボ・キイトルーダなど)は、一部のがん種で標準治療として確立されていますが、すべての患者さんに効果があるわけではありません。

当院では、「HITV療法」という樹状細胞を活用した免疫細胞療法を提供しています。

この治療法は、患者さんご自身の免疫システムを活性化し、がん細胞を攻撃する「CTL(キラーT細胞)」を体内で効率的に誘導することを目指すものです。

HITV療法の特徴は、樹状細胞を腫瘍へ直接投与することで、患者さんご自身の腫瘍が持つ複数のがん情報を正確に学習させる点にあります。

これにより、「腫瘍のワクチン化」と呼ばれる状態を作り出し、CTLが24時間休むことなくがん細胞へ攻撃を継続します。また、画像診断では捉えきれない微細ながん細胞に対しても、CTLが血液中を巡回して攻撃することで、転移・再発の抑制を目指します。

なお、HITV療法は日本国内の医薬品医療機器等法において未承認であり、保険適用外の自由診療となります。

緩和ケアへの移行

抗がん剤治療を終了する場合、緩和ケアへの移行が検討されます。

緩和ケアは、がんそのものを治療するのではなく、痛みや苦痛を和らげ、患者さんのQOLを最大限に維持することを目的とした医療です。緩和ケアは「終末期医療」と誤解されることがありますが、実際には治療の早い段階から並行して行うことが推奨されています。

緩和ケアには、疼痛管理・呼吸困難の緩和・栄養サポート・精神的ケアなど、多岐にわたる支援が含まれます。

治療終了後の生活と向き合い方

抗がん剤治療を終了した後、患者さんとご家族は新たな生活のステージに入ります。

定期的なフォローアップ

治療終了後も、定期的な画像検査や血液検査を通じて、がんの再発や転移がないか監視を続けます。

フォローアップの頻度は、がんの種類や治療終了からの期間によって異なりますが、一般的には最初の2年間は3〜6ヶ月ごと、その後は6〜12ヶ月ごとに検査を行います。

栄養管理と体力回復

抗がん剤治療によって低下した体力と栄養状態を回復させることは、治療終了後の重要な課題です。

バランスの取れた食事・適度な運動・十分な休息を心がけることで、徐々に体力を取り戻すことができます。必要に応じて、管理栄養士や理学療法士のサポートを受けることも有効です。

心のケアとサポート体制

治療終了後、患者さんは「再発への不安」「治療を終えた喪失感」「今後の人生への迷い」など、さまざまな心理的な課題に直面することがあります。

こうした不安や悩みを一人で抱え込まず、医療者・家族・患者会などのサポートを活用することが大切です。心理カウンセリングや精神科医の支援を受けることも、選択肢の一つです。

まとめ

抗がん剤治療をいつまで続けるかは、医学的な判断と患者さんご自身の価値観の両方を考慮して決定される、非常に重要な問題です。

治療効果の評価・副作用の程度・体力の状態・患者さんの意思など、多くの要素を総合的に判断する必要があります。

標準治療で十分な効果が得られない場合でも、臨床試験や免疫療法など、新たな選択肢を検討することができます。

当院のHITV療法は、ステージⅣの進行がん・再発がんに特化した次世代免疫療法として、「延命ではなく、救命を目指す」という理念のもと、治療の可能性を追求しています。

治療の選択に迷われている方は、まずは専門医に相談し、ご自身の状態に最も適した治療法を見つけることが大切です。

どのような選択をされるにせよ、患者さんご自身が納得し、後悔のない決断ができるよう、医療者として全力でサポートしてまいります。

詳細はこちらのHPをご覧ください

著者情報

ICVS東京クリニック 理事長 蓮見 賢一郎

 

【経歴】

埼玉医科大学卒業。

東京大学医科学研究所を経て、現在は米国法人 蓮見国際研究財団理事長。

世界各国で『国際がんワクチン・シンポジウム』を開催し、がん免疫療法の啓蒙と研究活動を推進している。

米国Thomas Jefferson 大学 Kimmel Cancer Center に研究講座を開設、同大学の客員教授。

ブルガリアPleven 医科大学より、がん免疫療法の研究活動に対して名誉博士号授与。

その他、米国Maryland 州立大学、ドイツ Erlangen 大学との共同研究や、マレーシア国民大学(UKM)との臨床試験を行っている。

ステージ4のがんでも治療はできる?治療方針と選択肢を考えるポイントがん2026/04/05(日)

ステージ4のがんと診断されたとき、多くの方が「もう終わりなのではないか」と感じます。

しかし、ステージ4という言葉は、決して「治療の可能性がない」という意味ではありません・・・。

ステージ4とは、がんが原発部位から離れた臓器やリンパ節に転移している状態を指しますが、それは病気の広がり方を示す分類であり、治療の可能性や余命を直接決定するものではないのです。近年では、化学療法、免疫療法、放射線治療など、さまざまな治療選択肢が進化しており、ステージ4のがんでも症状をコントロールしながら、生活の質を保ちつつ治療を続けている方々が多くいらっしゃいます。

この記事では、ステージ4のがんと診断された患者さんとご家族が知っておくべき治療方針と選択肢について、詳しく解説します。

抗がん剤治療の期間はどれくらい?治療計画を立てる際の考え方

抗がん剤治療の期間は、がんの種類や進行度、治療方針によって大きく異なります。本記事では、治療期間の目安やスケジュールの考え方、治療計画を立てる際に知っておきたいポイントについてわかりやすく解説します。

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ステージ4のがんとは?「末期がん」との違いを理解する

ステージ4のがんは、がんが原発部位から遠くの臓器やリンパ節にまで広がった状態を指します。

しかし、多くの方が誤解されているのは、「ステージ4=末期がん」という認識です。実際には、ステージ分類は**がんの広がり方を整理するための基準**であり、治療方法を選択する際の目安にすぎません。

ステージ分類の本来の意味

ステージは、がんの大きさ、リンパ節への転移の有無、遠隔転移の有無という3つの要素(TNM分類)を組み合わせて決定されます。ステージ0から始まり、ステージ1、2、3と進み、最も進行した段階がステージ4です。

重要なのは、ステージ4と判定されても、体調が良好で治療の選択肢が十分にある場合も多いということです。

たとえば、遠くのリンパ節に1ヵ所だけ転移しているケースでは、ステージ4と分類されますが、体力があり、適切な治療を受けることで症状をコントロールできる可能性があります。逆に、ステージ2であっても、体力が著しく低下している場合は、治療の選択が難しくなることもあります。

「末期がん」とは何を指すのか

末期がんとは、自立した食事摂取や日常生活動作が困難になり、著しく体が衰弱した状態を指します。

長時間の臥床を余儀なくされ、食事介助やベッド上での排泄が避けられない状態です。このような末期症状に至ると、多くの方は治療の意欲を失ってしまいます。

しかし、ステージ4と診断されても、末期症状がなく、歩くことも十分に可能で、新たな治療を模索できる活力がある場合、治療を行う時間は「まだ、まだ」十分に残されているのです。

ステージ4のがんで選択できる治療法

ステージ4のがんでも、さまざまな治療法が選択できます。

治療の目的は、がんの進行を抑え、症状を和らげ、生活の質(QOL)を維持・向上させることです。

化学療法(抗がん剤治療)

化学療法は、抗がん剤を使用してがん細胞を攻撃する治療法です。抗がん剤は血液に乗って全身を巡り、がん細胞を攻撃します。

ステージ4のがんでは、複数の抗がん剤を組み合わせることで、がんを縮小させたり、進行を遅らせたりする効果が期待できます。近年では、新しい抗がん剤が次々と開発されており、副作用を抑えながら効果を高める工夫がなされています。

ただし、抗がん剤は正常な細胞も傷つけてしまうため、吐き気、脱毛、倦怠感などの副作用が発生することがあります。

免疫療法

免疫療法は、人が本来持っている免疫力を回復させ、がんに立ち向かう治療法です。

免疫チェックポイント阻害薬や、樹状細胞を活用した治療など、さまざまなアプローチがあります。免疫療法は、正常な細胞を傷つけずに、がん細胞だけを狙う可能性があるため、副作用が比較的少ないとされています。

特に、樹状細胞を腫瘍へ直接投与する方法では、患者さん自身の腫瘍が持つ複数のがん情報を正確に学習させることができます。投与後、2週間前後からCTL(キラーT細胞)が体内に誘導され、24時間休むことなくがん細胞へ攻撃を継続します。

放射線療法

放射線療法は、がん細胞に放射線を当てることで、直接切り取る作業をせず、がん細胞内のDNAにダメージを与える治療法です。

ステージ4のがんでは、痛みや出血などの症状を和らげる目的で放射線療法が使用されることがあります。また、トモセラピーのような高精度な放射線治療では、痛み・副作用の少ない治療が可能です。

手術療法

ステージ4のがんでも、転移した部位が切除可能な場合は、手術が検討されることがあります。

特に、肝転移や肺転移の場合、転移した部位を切除することで、症状の改善や生存期間の延長が期待できることがあります。ただし、手術が可能かどうかは、転移の範囲や患者さんの体力によって異なります。

治療方針を決める際の重要なポイント

ステージ4のがんの治療方針を決める際には、いくつかの重要なポイントがあります。

がんの種類と進行状況

がんの種類によって、治療の選択肢や効果は大きく異なります。

たとえば、大腸がんのステージ4では、遠隔転移巣が切除可能かどうかを判断し、切除可能な場合は手術を検討します。一方、膵臓がんのステージ4では、手術が難しい場合が多く、化学療法が中心となります。

また、がんの進行スピードや転移の範囲も、治療方針を決める重要な要素です。

患者さんの体力と免疫力

治療を受けるためには、一定の体力と免疫力が必要です。

体力が著しく低下している場合、積極的な治療が難しくなることがあります。そのため、治療前には、患者さんの全身状態を評価し、治療に耐えられるかどうかを慎重に判断します。

また、栄養状態や基礎疾患の有無も、治療方針を決める際の重要な要素です。

生活の質(QOL)の維持

ステージ4のがん治療では、生活の質(QOL)を維持することが非常に重要です。

治療効果だけでなく、患者さんができる限り普段通りの生活を送れるよう、副作用を抑えながら治療を続けることが求められます。そのため、治療方針を決める際には、患者さんの希望や生活環境を総合的に考慮することが大切です。

遺伝子変異などのがんの性質

近年では、がんの遺伝子変異などの性質に対応した治療(薬物療法)が検討されることがあります。

遺伝子検査を行い、特定の遺伝子変異が見つかった場合、それに対応した分子標的薬を使用することで、より効果的な治療が可能になることがあります。

ICVS東京クリニックが提供するHITV療法とは

ICVS東京クリニックは、「延命ではなく、救命を目指して」という理念のもと、ステージⅣの進行がん・再発がんに特化した次世代免疫療法を提供しています。

HITV療法の特徴

HITV療法(Human Initiated Therapeutic Vaccine)は、免疫システムの司令塔とも呼ばれる**樹状細胞**を活用した免疫細胞療法です。

最大の特徴は、樹状細胞を腫瘍へ直接投与する点です。CT画像で確認しながら腫瘍内へ直接注入することで、患者さん自身の腫瘍が持つ複数のがん情報を、より正確に樹状細胞へ学習させることを目指します。

腫瘍に投与された樹状細胞は、がん情報を高精度で認識し、CTL(キラーT細胞)への指示も精密化します。投与後、2週間前後からCTLが体内に誘導され、24時間休むことなくがん細胞へ攻撃を継続します。これを「腫瘍のワクチン化」と呼びます。

転移・再発を防ぐアプローチ

画像診断で判別できない微細ながん細胞が血液により移動・着床することが、転移・再発の一因とされます。

HITV療法では、腫瘍のワクチン化によって生まれる高精度なCTLが血液中を巡回し、がん細胞を見つけると即時に攻撃することで、転移・再発を防ぐことにつなげることを目指しています。

治療体制と実績

ICVS東京クリニックは、2008年の設立以来、2,000名以上の治療支援実績があります。

CTガイド下投与により、リアルタイムのCT画像をもとに穿刺を行い、腫瘍内へ正確に樹状細胞を直接投与する高度な医療技術を採用しています。また、院内CPC(細胞培養加工施設)を完備し、国際的GMP基準に沿った環境を整え、専任の細胞培養士が適切に管理・処置を行っています。

なお、HITV療法は日本国内の医薬品医療機器等法において未承認であり、保険適用外の自由診療となります。

治療を選択する際に知っておくべきこと

ステージ4のがん治療を選択する際には、いくつかの重要な点を知っておく必要があります。

標準治療と自由診療の違い

標準治療とは、科学的根拠に基づいて有効性と安全性が確認された治療法です。

保険適用となり、費用負担が軽減されます。一方、自由診療は、保険適用外の治療法であり、全額自己負担となります。ただし、標準治療で効果が得られなかった場合や、より個別化された治療を希望する場合、自由診療が選択肢となることがあります。

治療費用について

ステージ4のがん治療には、高額な費用がかかることがあります。

標準治療の場合、高額療養費制度を利用することで、自己負担額を抑えることができます。自由診療の場合、治療費用は全額自己負担となるため、事前に費用を確認し、経済的な負担を考慮することが重要です。

セカンドオピニオンの重要性

ステージ4のがんと診断された場合、複数の医師の意見を聞くことが大切です。

セカンドオピニオンを受けることで、治療の選択肢が広がり、より納得のいく治療方針を決定することができます。担当医に遠慮せず、セカンドオピニオンを希望する旨を伝えましょう。

患者さんとご家族が心がけるべきこと

ステージ4のがん治療では、患者さんとご家族の心のケアも非常に重要です。

希望を持ち続けること

ステージ4と診断されても、希望を失う必要はありません。

近年の医療技術の進歩により、ステージ4のがんでも症状をコントロールしながら、長期間にわたり生活の質を保ちつつ治療を続けている方々が多くいらっしゃいます。強い気持ちで、次にできる治療法を探っていきましょう。

緩和ケアの活用

緩和ケアは、がんに伴う心と体のつらさを和らげるための医療です。

診断されたときから、緩和ケアを受けることができます。痛みや吐き気などの身体的な症状だけでなく、不安や悲しみなどの精神的な苦痛も和らげることができます。遠慮せずに医療者やがん相談支援センターに相談しましょう。

家族のサポート

患者さんを支えるご家族も、大きな負担を抱えています。

ご家族自身の心身の健康を保つことも大切です。がん相談支援センターや患者会などを活用し、同じ境遇の方々と情報交換をすることで、心の支えを得ることができます。

まとめ:ステージ4のがんでも、あきらめる必要はありません

ステージ4のがんと診断されても、それは「治療の可能性がない」という意味ではありません。

化学療法、免疫療法、放射線治療など、さまざまな治療選択肢があり、患者さんの状態に応じた最適な治療方針を立てることができます。重要なのは、がんの種類や進行状況、患者さんの体力や免疫力、そして生活の質を総合的に考慮し、納得のいく治療を選択することです。

ICVS東京クリニックのHITV療法のように、ステージⅣの進行がん・再発がんに特化した次世代免疫療法も選択肢の一つです。樹状細胞を腫瘍へ直接投与することで、患者さん自身の腫瘍が持つ複数のがん情報を正確に学習させ、CTLが24時間休むことなくがん細胞へ攻撃を継続する治療法です。

ステージ4のがんでも、治療の可能性は残されています。

一人で悩まず、医療者や専門機関に相談しながら、最善の選択をしていきましょう。

ICVS東京クリニックでは、ステージⅤの進行がん・再発がんに特化したHITV療法を提供しています。

あなたとご家族の未来のために、私たちができることがあります。

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著者情報

ICVS東京クリニック 理事長 蓮見 賢一郎

 

【経歴】

埼玉医科大学卒業。

東京大学医科学研究所を経て、現在は米国法人 蓮見国際研究財団理事長。

世界各国で『国際がんワクチン・シンポジウム』を開催し、がん免疫療法の啓蒙と研究活動を推進している。

米国Thomas Jefferson 大学 Kimmel Cancer Center に研究講座を開設、同大学の客員教授。

ブルガリアPleven 医科大学より、がん免疫療法の研究活動に対して名誉博士号授与。

その他、米国Maryland 州立大学、ドイツ Erlangen 大学との共同研究や、マレーシア国民大学(UKM)との臨床試験を行っている。

大腸がんはなぜ肝臓に転移しやすい?肝転移の特徴と治療の考え方大腸がん2026/04/05(日)

大腸がんの診断を受けた患者さんやご家族にとって、「転移」という言葉は大きな不安を伴うものです。

特に肝臓への転移は、大腸がんで最も頻度の高い転移形態として知られています。

なぜ大腸がんは肝臓に転移しやすいのでしょうか?

この問いに対する答えを理解することは、今後の治療方針を考える上で非常に重要です。本記事では、大腸がんの肝転移が起こるメカニズム、診断方法、そして最新の治療選択肢について、専門的な視点から詳しく解説します。標準治療だけでは限界を感じている方、新たな治療の可能性を探している方にとって、有益な情報となるはずです。

大腸がんが肝臓に転移しやすい理由

大腸がんが肝臓に転移しやすいのには、明確な解剖学的理由があります。

大腸から吸収された栄養や物質は、門脈という血管を通じて肝臓へ運ばれます。この血流の経路が、がん細胞の移動ルートとなってしまうのです。大腸で発生したがん細胞が血管内に侵入すると、門脈を介して直接肝臓へ到達します。肝臓は体内で最も血流が豊富な臓器の一つであり、がん細胞が着床しやすい環境が整っているといえます。

大腸癌研究会のデータによれば、大腸がん治癒切除後の肝臓への初発再発率は約7.1%とされています。これは他の臓器への転移と比較しても高い数値です。肝転移は血行性転移の中で最も頻度が高く、肺転移がそれに続きます。

転移のメカニズムを理解することで、なぜ早期発見と適切な治療が重要なのかが明確になります。がん細胞が血管内に侵入する前、つまり粘膜や粘膜下層にとどまっている段階で発見できれば、転移のリスクを大幅に減らすことができるのです。

出典日本大腸肛門病学会「大腸がんが肝臓に転移したら…?」より作成

肝転移の診断方法

画像診断の重要性

肝転移の診断には、複数の画像検査が用いられます。

最も一般的なのは造影CT検査です。造影剤を使用することで、肝臓内の転移巣を明瞭に描出することができます。超音波検査も初期スクリーニングとして有用で、定期的なフォローアップに適しています。より詳細な診断が必要な場合には、肝臓MRI検査、特にEOB-MRI検査が実施されます。

EOB-MRI検査は、肝臓に特異的に取り込まれる造影剤を使用するため、転移巣の位置、大きさ、個数をより正確に把握できます。手術が可能かどうかを判断する際には、この検査結果が重要な判断材料となります。

腫瘍マーカーの役割

血液検査による腫瘍マーカー測定も、転移・再発のチェックに欠かせません。

大腸がんではCEAとCA19-9という2つのマーカーが主に使用されます。これらの数値が高値を示す場合、転移や再発の可能性が示唆されます。ただし、腫瘍マーカーだけでは確定診断はできず、必ず画像検査と組み合わせて総合的に判断します。

PET-CT検査の活用

他の臓器への転移の有無を確認するため、PET-CT検査が行われることもあります。

この検査は全身のがん細胞の分布を一度に把握できる利点があり、治療方針の決定に役立ちます。特に手術を検討する際には、肝臓以外に転移がないことを確認するために重要な検査となります。

大腸がんとポリープは何が違う?放置していいケースと注意点の違い

大腸がんとポリープは似たように感じられますが、性質や対応方法には違いがあります。本記事では、それぞれの違いや放置してよいケースと注意が必要なケース、受診の判断ポイントについてわかりやすく解説します。

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肝転移の治療選択肢

手術による根治を目指す

肝転移の治療において、最も根治の可能性が高いのは手術による切除です。

他の臓器に転移がなく、肝臓のみの転移で、かつ肝切除が可能な場合は、積極的に手術が推奨されます。肝転移の部位、大きさ、個数により手術術式は異なりますが、近年では腹腔鏡手術も普及してきており、身体への負担を軽減した低侵襲な手術も選択できるようになっています。

肝切除後の5年生存率は30%を超える報告が多く、肝転移巣をすべて取りきれた場合には、生存期間の延長だけでなく、治癒する可能性もあります。手術前には肝機能のチェックが必須で、残される肝臓の容積と機能が十分であることを確認します。

出典日本大腸肛門病学会「大腸がんが肝臓に転移したら…?」より作成

化学療法の進歩

肝切除が困難な場合、化学療法が選択されます。

近年、分子標的薬をはじめとする化学療法は著しく進歩しており、切除不能大腸がんの生存期間中央値は約30ヵ月を超えるようになってきました。通常、抗がん剤と分子標的薬を組み合わせて治療を行います。

現在では、患者さん各々のがん組織で起きている遺伝子変異などに応じて、効果を示す化学療法剤を選択できるようになっています。RAS遺伝子、BRAF遺伝子、そしてMSIの測定を行い、適切な化学療法レジメンを選択します。大腸がん治療ガイドラインでは、切除不能な場合でも5次治療まで候補があり、多様な治療選択肢が用意されています。

Conversion Surgery(コンバージョン手術)の可能性

化学療法が著明に奏効し、転移巣が縮小した場合、根治手術が可能になることがあります。

これを「Conversion Surgery」と呼びます。当初は切除不能と判断された多発肝転移であっても、化学療法により腫瘍が縮小すれば、肝切除可能となる場合があるのです。実際に、切除不能大腸がんの生存期間中央値は約30ヵ月とされていますが、Conversion Surgeryにより根治術を行えた患者さんの中には、10年以上無再発で生存されている方もいます。

熱凝固療法という選択肢

熱凝固療法には、マイクロ波凝固療法とラジオ波焼灼療法があります。

肝切除と比較すると出血が少なく、身体への負担が少ない治療法です。ただし、手術よりは再発が多いため、切除しにくい部位の転移や、手術に危険が伴う患者さんに使用されることが多い治療方法です。切除する肝転移巣が多数存在する場合には、切除できる部位は肝切除を行い、残りの切除しにくい転移巣に対して熱凝固療法を行うという組み合わせも可能です。

治療方針の決定プロセス

集学的治療の重要性

大腸がんの肝転移治療では、外科医、腫瘍内科医、薬剤師、看護師によるチーム医療が不可欠です。

手術と化学療法を組み合わせた集学的治療により、より良い治療成績が得られるようになっています。大腸外科医と肝臓外科医が連携し、腫瘍内科医が最適な薬物療法を提案することで、患者さん一人ひとりに最適な治療計画を立案します。

患者さんの状態に応じた治療選択

治療方針は、がんの進行度だけでなく、患者さんの年齢、体力、これまでの治療歴、生活環境なども総合的に考慮して決定されます。

ステージⅣであっても、諦めずに治療を受けることが重要です。標準治療に加えて、患者さんの状態や希望に応じた治療法を検討することで、生活の質を保ちながら治療を続けることが可能になります。

免疫療法という新たな選択肢

HITV療法の特徴

標準治療だけでは十分な効果が得られなかった方にとって、免疫療法は一つの選択肢となります。

ICVS東京クリニックでは、「延命ではなく、救命を目指して」という理念のもと、ステージⅣの進行がん・再発がんに特化したHITV療法(Human Initiated Therapeutic Vaccine)を提供しています。この治療法は、免疫システムの司令塔と呼ばれる樹状細胞を活用した次世代のがん免疫療法です。

HITV療法の大きな特徴は、樹状細胞を腫瘍へ直接投与する点にあります。CT画像で確認しながら腫瘍内へ直接注入することで、患者さん自身の腫瘍が持つ複数のがん情報を、より正確に樹状細胞へ学習させることを目指します。腫瘍内注入が難しい場合は、腫瘍を栄養する主要血管内への投与も可能です。

腫瘍のワクチン化という考え方

HITV療法では、腫瘍そのものを免疫細胞の生産工場に変えるという独自の考え方を採用しています。

腫瘍内に直接投与された樹状細胞は、患者さん自身のがん細胞が持つ情報を高精度で学習し、それをもとに強力な免疫細胞(CTL:キラーT細胞)を体内で誘導します。投与後2週間前後からCTLが体内に誘導され、24時間休むことなくがん細胞へ攻撃を継続します。

誘導されたCTLは血液に乗って全身を巡り、画像診断では捉えきれない微細ながん細胞に対しても攻撃を続けるため、転移・再発の抑制を目指す治療とされています。これは、大腸がんの肝転移のように血行性転移が問題となる場合に、特に意義のある考え方といえます。

世界水準の医療体制

ICVS東京クリニックは、2008年の設立以来、世界各国から2,000名以上の患者さんを受け入れてきました。

院内には国際的なGMP基準に準じた細胞培養加工施設(CPC)を完備しており、採取した細胞はすべて院内で厳密に管理・培養されます。再生医療等安全性確保法に則り、厚生労働省の許可を受けた特定細胞加工施設として運営されており、細胞の品質管理と治療の安全性が確保されています。

治療は、事前に提出されたPET-CTや血液検査などのデータをもとに、一人ひとりに合わせた治療計画を丁寧に立案します。医師から十分な説明を受け、納得したうえで治療を開始できる体制が整えられています。来院回数は基本的に4回程度で、通院負担にも配慮されています。

なお、HITV療法は日本国内の医薬品医療機器等法において未承認であり、保険適用外の自由診療となります。

治療後のフォローアップ

サーベイランスの重要性

肝転移の治療後は、定期的なサーベイランス(経過観察)が極めて重要です。

再発の早期発見により、再度の治療介入が可能になる場合があります。通常、血液検査による腫瘍マーカー測定と画像検査を組み合わせて、定期的にチェックを行います。根治手術後の患者さんでは、特に最初の2年間は3〜6ヵ月ごとの厳重なフォローアップが推奨されます。

生活の質を保つために

治療効果だけでなく、生活の質(QOL)を保ちながら治療を続けることも重視されています。

身体への負担を抑えた治療法の選択、副作用への適切な対応、心理的サポートなど、多角的なケアが提供されることで、患者さんが日常生活を維持しながら治療を継続できる環境が整えられています。

まとめ

大腸がんが肝臓に転移しやすいのは、門脈を介した血流の解剖学的経路が理由です。

しかし、肝転移が見つかったとしても、決して希望を失う必要はありません。手術、化学療法、熱凝固療法など、患者さんの状態に応じた多様な治療選択肢が用意されています。特に近年では、化学療法の進歩により、当初は切除不能と判断された転移巣でも、治療によって切除可能になるケースが増えています。

標準治療に加えて、免疫療法という選択肢も存在します。ICVS東京クリニックのHITV療法のように、樹状細胞を活用した次世代の免疫療法は、標準治療だけでは限界を感じている方にとって、一つの可能性となるかもしれません。

大切なのは、現在の治療に限界を感じたときでも、別の可能性を知ったうえで判断することです。外科医、腫瘍内科医、そして免疫療法の専門医など、複数の専門家の意見を聞き、ご自身とご家族が納得できる治療法を選択してください。ステージⅣであっても、諦めずに治療を受け続けることが、何よりも重要なのです。

ICVS東京クリニックでは、進行がん・再発がんに特化した免疫療法の相談を受け付けています。標準治療だけでは十分な効果が得られなかった方、新たな治療の可能性を探している方は、ぜひ一度ご相談ください。

詳細はこちらのHPをご覧ください

著者情報

ICVS東京クリニック 理事長 蓮見 賢一郎

 

【経歴】

埼玉医科大学卒業。

東京大学医科学研究所を経て、現在は米国法人 蓮見国際研究財団理事長。

世界各国で『国際がんワクチン・シンポジウム』を開催し、がん免疫療法の啓蒙と研究活動を推進している。

米国Thomas Jefferson 大学 Kimmel Cancer Center に研究講座を開設、同大学の客員教授。

ブルガリアPleven 医科大学より、がん免疫療法の研究活動に対して名誉博士号授与。

その他、米国Maryland 州立大学、ドイツ Erlangen 大学との共同研究や、マレーシア国民大学(UKM)との臨床試験を行っている。

大腸がんの初期症状とは?血便・便通の変化など見逃したくないサイン大腸がん2026/04/04(土)

大腸がんは、日本人に最も多く発生するがんのひとつです。

2019年の統計では、男性が約8.8万人、女性が約6.8万人が大腸がんと診断されており、男女合計で罹患数第1位という結果が出ています。また、2021年には女性のがん死亡数第1位となっており、決して軽視できない病気です。

大腸がんの最大の特徴は、初期段階では自覚症状がほとんど現れない点にあります。

症状が出る頃には進行している場合も多く、早期発見が何よりも重要です。本記事では、大腸がんの初期症状を総合的に整理し、「血便」「便秘や下痢の変化」「残便感」「腹部の違和感」など、見逃したくない複数のサインをご紹介します。

大腸がんの初期症状は「ない」ことが多い

大腸がんは、早期の段階では全く症状がないことが一般的です。

腫瘍が小さいうちは腸の通り道を大きく妨げないため、痛みや便通異常などの症状がほとんど現れません。国立がん研究センターの情報によれば、早期の大腸がんは無症状のことが多く、進行してはじめて症状として自覚されるようになります。

これが大腸がんの早期発見を難しくしている最大の理由です。症状が現れてから発見された場合、すでに進行している可能性があり、治療の負担が大きくなることがあります。手術の範囲が広がったり、抗がん剤治療が必要になったり、場合によっては人工肛門(ストーマ)が必要になることもあります。

だからこそ、わずかな体の変化にも注意を払い、定期的な検診を受けることが重要なのです。

悪性リンパ腫の原因とは?発症に関係する要因を徹底解説

悪性リンパ腫はさまざまな要因が関係して発症すると考えられていますが、明確な原因が特定できないケースもあります。本記事では、発症に関係するとされる主な要因やリスクについてわかりやすく解説します。

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見逃したくない初期症状のサイン

血便・下血

大腸がんの代表的な症状のひとつが血便です。

便に血が混じる、トイレットペーパーや下着に血がつくといった症状が現れます。血液の色は、鮮やかな赤、暗い赤、黒っぽい色などさまざまです。右側の大腸に腫瘍がある場合は出血に気づきにくく、鉄欠乏性貧血として発見されることもあります。

血便は痔と誤認されやすく、受診が遅れる原因になりやすい症状です。「痔だろう」と自己判断せず、血便が続く場合は必ず医療機関を受診してください。

便通の変化(便秘・下痢の繰り返し)

腫瘍によって腸の内腔が狭くなると、便通に異常が現れます。

便秘が続く、下痢と便秘を繰り返す、便が細くなる(鉛筆状)、便が出きらない感覚(残便感)などの症状が見られます。特に便が細くなる変化は、大腸がんの特徴的なサインのひとつとされています。

排便習慣が変わった、便秘や下痢が繰り返されるといった変化を感じたら、早めに専門医に相談することをお勧めします。

残便感

排便後にも便が残っている感じがする「残便感」も、大腸がんの初期症状のひとつです。

腫瘍が直腸に近い位置にある場合、特にこの症状が現れやすくなります。何度トイレに行ってもすっきりしない、常に便意を感じるといった状態が続く場合は注意が必要です。

腹部の違和感・膨満感

お腹が張る、重たく感じる、食事中や食後に痛むといった腹部の違和感も、大腸がんのサインとなることがあります。

腫瘍によって便やガスの通過が妨げられると、腹部の張りや痛みが生じます。腫瘍の位置によって痛みの性質が異なり、右側(盲腸〜上行結腸)では鈍い痛み、左側(下行結腸〜S状結腸)では比較的強い痛みを感じることがあるとされています。

進行すると現れる症状

大腸がんが進行すると、より明確な症状が現れるようになります。

貧血

腫瘍からの出血が続くと鉄分が失われ、赤血球が十分に作れなくなることで鉄欠乏性貧血を起こしやすくなります。赤血球が減ると全身に運ばれる酸素量が低下するため、疲れやすさ、動悸、めまい、立ちくらみ、顔色が青白いといった症状を伴うことがあります。

特に右側の大腸にがんがある場合、進行しても腹部症状が目立たないことが多く、貧血や腹部のしこりといった症状で発見されることがあります。

体重減少

がん細胞による代謝異常やエネルギー消耗の影響で、意図しない体重減少がみられることがあります。

食事や運動量に変化がないのに減量が続く場合は、早めに医療機関を受診してください。1カ月で3〜4kg減少するような急激な体重減少は、特に注意が必要です。

腸閉塞

腫瘍によって腸の通過が高度に妨げられると、便やガスが滞留し、激しい腹痛、嘔吐、便が出ないといった緊急性の高い症状が現れることがあります。

この状態は腸閉塞(イレウス)と呼ばれ、緊急手術が必要になる場合があります。硬い便が通る下行結腸やS状結腸、直腸のがんでは、便の通りが悪くなることによる腹痛や嘔吐が起こりやすいとされています。

大腸がんの原因とリスク因子

大腸がんの発症には、生活習慣や加齢が大きく関わっています。

年齢

大腸がんの罹患率は、男女とも40代以上で急激に増えます。そのため、市町村の大腸がん検診の対象も40歳以上となっています。加齢とともに細胞の遺伝子に変異が蓄積され、がん化しやすくなります。60代、70代ではさらに罹患率が高くなります。

遺伝的な要因

大腸がんの約70%前後は、加齢や生活習慣などのリスク因子が関係しています。

遺伝子異常によって大腸がんが発生する場合が5%程度、遺伝子異常との関係は明らかではないが近親者に大腸がん患者が複数いる場合が20〜30%程度あります。家族に大腸がんの既往歴がある方は、発症リスクが高まるとされています。

食生活の欧米化

日本人の食生活が欧米化したことで、大腸がんのリスクが高まっています。

牛肉や豚肉などの赤身肉、ハムやソーセージなどの加工肉の摂取量が増えました。世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関は、加工肉を「発がん性がある」と分類しており、赤身肉も「おそらく発がん性がある」としています。

動物性脂質を多く摂ると、胆汁酸(脂肪の消化を助ける物質)の分泌が増えます。胆汁酸は腸内細菌によって二次胆汁酸に変換されますが、この二次胆汁酸が大腸の粘膜を刺激し、がんの発生を促進する可能性があります。

また、野菜や海藻、きのこ類などに含まれる食物繊維の摂取量が減少しています。食物繊維は便の量を増やし、腸内の有害物質を吸着して排出する働きがあります。食物繊維が不足すると、有害物質が腸内に長く留まり、大腸がんのリスクが高まります。

運動不足と肥満

デスクワークの増加や自動車での移動が増えたことで、日常的な運動量が減少しています。

運動不足は腸の動きを鈍らせ、便秘を引き起こします。便が腸内に長く留まると、発がん物質が腸粘膜に接触する時間が長くなり、がんのリスクが高まります。また、運動不足による肥満は、体内の慢性的な炎症を引き起こし、がんの発生を促進します。

飲酒と喫煙

大腸がんのリスク因子として、喫煙と飲酒があります。

男性では、日本酒で1日平均1合以上飲む人は、飲酒しない人に比べて大腸がんの発生率が1.4倍となり、1日平均2合以上の人は2.1倍になることがわかっています。女性の場合も大量に飲酒をすると、同様の結果が出るでしょう。

喫煙による大腸がんのリスクは、たばこを吸わない人に比べて喫煙者の大腸がん発生率は男女とも1.4倍です。そして、たばこをやめた人も1.3倍という結果が出ています。

大腸がんの検査方法

大腸がんの早期発見には、定期的な検査が欠かせません。

便潜血検査

便潜血検査は、2日分の便を採取し、目に見えない微量の血液が含まれていないかを調べる検査です。

自覚症状がない段階でも異常を検出できるため、検診として広く用いられています。感度は約70〜80%とされ、安全で簡単、そして安価な検査です。便潜血検査が陽性になった場合には、その原因を明らかにするために、精密検査を受けることが必要です。陽性になった人の約25〜30人に1人にがんが診断されます。

大腸内視鏡検査

内視鏡スコープを肛門から挿入して、大腸全域の粘膜を細部まで確認できる検査です。

検査中の組織採取と病理検査によって、幅広い疾患の確定診断が可能になります。また、検査中に発見された前がん病変の大腸ポリープは、その場で切除する日帰り手術が可能です。これにより、将来の大腸がん予防につながります。

がんやポリープに対する診断精度が非常に高い検査法で、精密検査として第一に推奨されます。最近は楽に安全に受けられるようになってきました。米国では10年に1度内視鏡検査を受けた50歳以上の人が過半数に達し、大腸がん死亡率が減ってきました。

CT・MRI・PET検査

身体内部の情報を断層画像として得られる検査で、CT検査ではX線を、MRI検査は磁気を使用して調べています。

適切な治療方針を決めるために、周辺臓器などへのがんの広がりや、転移の有無を確かめる目的で行われます。

受診を検討すべきタイミング

以下のような症状が当てはまる場合は、できるだけ早く医療機関を受診してください。

  • 排便習慣が変わった(便秘や下痢が繰り返される、便が細くなった、排便後にも便が残る感じがする)
  • 血便が出た(便に血が混じっている、トイレットペーパーや下着に血がついている)
  • 急激に痩せた(1カ月で3〜4kg減少)
  • 胃痛が続く、お腹が張る
  • 貧血が続く(立ちくらみやめまい、顔色が青白い、疲れやすさ、息切れがある)

特に、これらの症状が2週間以上続く場合、40歳以上の方、家族に大腸がんの既往歴がある方は、早めの受診をお勧めします。

がん検診を毎年欠かさず受けている方でも、症状を契機に大腸がんが発見されることがあります。検診はすべてのがんを指摘できるわけではありませんので、気になる症状があるときはお近くの医療機関への受診をお勧めします。

大腸がんの予防に関する科学的根拠

大腸がんの予防には、生活習慣の改善が重要です。

食物繊維の摂取

食物繊維には予防効果が確実とされています。

野菜、海藻、きのこ類、全粒穀物などを積極的に摂取することで、腸内環境を整え、有害物質の排出を促進します。

赤肉・加工肉の制限

赤肉(牛肉、豚肉、羊肉など)や加工肉(ハム、ベーコン、ソーセージなど)の過剰摂取は、発がん性があるとされています。

これらの食品は適量にとどめ、魚や鶏肉、大豆製品などでタンパク質を補うことをお勧めします。

運動習慣

運動はリスクを下げることがわかっています。

週に150分以上の中程度の運動(ウォーキング、軽いジョギングなど)を心がけることで、腸の動きを活発にし、便秘を予防します。

禁煙・節酒

喫煙と過度の飲酒は、大腸がんのリスクを高めます。

禁煙を心がけ、飲酒は適量(日本酒1合程度)にとどめることが重要です。

ICVS東京クリニックが提供する次世代免疫療法

大腸がんと診断された方、特にステージⅣの進行がんや再発がんでお悩みの方にとって、「治す可能性」を最後まで諦めたくないという思いは当然のことです。

ICVS東京クリニックは、「延命ではなく、救命を目指して」という理念のもと、標準治療だけでは治癒が難しいとされるステージⅣの進行がん・再発がんに特化した次世代免疫療法を提供しています。

HITV療法とは

当院の中核となる治療は、HITV療法(Human Initiated Therapeutic Vaccine)です。

HITV療法は、免疫システムの”司令塔”とも呼ばれる樹状細胞を活用し、体内でがんを攻撃する主力であるCTL(キラーT細胞)を効率的に誘導することで、がんの消失(治癒)を目標にする免疫細胞療法です。

なお、HITV療法は日本国内の医薬品医療機器等法において未承認であり、保険適用外の自由診療となります。

樹状細胞を腫瘍へ直接投与

多くの樹状細胞療法では、体外で人工的に作成した抗原や摘出組織から情報を学習させる工程を踏みます。

これに対し当院では、CT画像で確認しながら腫瘍内へ直接注入(腫瘍内注入が難しい場合は腫瘍を栄養する主要血管内への投与)を行うことで、患者さまご自身の腫瘍が持つ複数のがん情報を、より正確に樹状細胞へ学習させることを目指します。

腫瘍のワクチン化

腫瘍に投与された樹状細胞は、がん情報を高精度で認識することで、CTLへの指示も精密化します。

投与後、2週間前後からCTLが体内に誘導され、24時間休むことなくがん細胞へ攻撃を継続します。結果として、腫瘍そのものがCTLを生み出す”工場”のように機能する状態(腫瘍のワクチン化)を狙います。

転移・再発を抑える考え方

画像診断で判別できない微細ながん細胞が血液により移動・着床することが転移・再発の一因とされます。

HITV療法では、腫瘍のワクチン化によって生まれる高精度なCTLが血液中を巡回し、がん細胞を見つけると即時に攻撃することで、転移・再発を防ぐことにつなげることを目指します。

専門医による先進治療と世界水準の体制

当院は、がん免疫療法の専門医である蓮見賢一郎によって2008年に設立されました。

国内外の研究者・臨床現場とのネットワークを持ち、HITV療法専門施設として研鑽を重ねています。これまで日本のみならず、台湾、中国、マレーシア、ロシア、オーストラリアなど世界各国から患者さまをお迎えし、2,000名以上の治療支援に携わってきました。

また当院は、樹状細胞の力を最大限に引き出すため、CTガイド下投与、院内CPC(細胞培養加工施設)完備、再生医療等安全性確保法に則った運用といった体制を整えています。

詳しい治療内容や費用については、当院の公式サイトをご覧いただくか、直接お問い合わせください。

まとめ

大腸がんは、初期段階では自覚症状がほとんど現れないため、早期発見が難しい病気です。

しかし、血便、便通の変化、残便感、腹部の違和感といったわずかなサインを見逃さず、定期的な検診を受けることで、早期発見の可能性は大きく高まります。

40歳を超えたら年1回、便潜血検査による大腸がん検診を受けることが大切です。陽性の場合は、必ず精密検査を受けてください。また、気になる症状があるときは、検診を待たずにお近くの医療機関を受診してください。

大腸がんは、早期発見と適切な治療によって、予後の改善が期待できる病気です。ご自身の体の変化に注意を払い、健康的な生活習慣を心がけることで、大腸がんのリスクを減らすことができます。

進行がんや再発がんでお悩みの方は、ICVS東京クリニックのような次世代免疫療法を提供する医療機関にご相談いただくことも、ひとつの選択肢となるでしょう。

あなたの健康を守るために、今日から行動を始めてください。

詳細はこちらのHPをご覧ください

著者情報

ICVS東京クリニック 理事長 蓮見 賢一郎

 

【経歴】

埼玉医科大学卒業。

東京大学医科学研究所を経て、現在は米国法人 蓮見国際研究財団理事長。

世界各国で『国際がんワクチン・シンポジウム』を開催し、がん免疫療法の啓蒙と研究活動を推進している。

米国Thomas Jefferson 大学 Kimmel Cancer Center に研究講座を開設、同大学の客員教授。

ブルガリアPleven 医科大学より、がん免疫療法の研究活動に対して名誉博士号授与。

その他、米国Maryland 州立大学、ドイツ Erlangen 大学との共同研究や、マレーシア国民大学(UKM)との臨床試験を行っている。

肺がんが骨に転移するとどんな症状が出る?骨転移の特徴と治療の考え方肺がん2026/04/04(土)

肺がんの骨転移とは・・・どのような状態なのか

肺がんは、がん細胞が血液やリンパの流れに乗って、他の臓器へと広がりやすい特徴を持っています。

その中でも、骨への転移は比較的頻度が高く、進行した肺がん患者さんの約30~50%に認められるとされています。

骨転移とは、がん細胞が骨組織に到達し、そこで増殖を続ける状態を指します。骨は全身から血液が集まる場所であり、リンパ系のネットワークも張り巡らされているため、がん細胞が到達しやすい環境にあるのです。

特に非小細胞肺がんでは、診断時にすでに骨転移が認められるケースも少なくありません。

骨転移が起こると、骨を溶かしたり、異常な骨を作ったりすることで、さまざまな症状が現れてきます。

がん治療で自由診療は必要?保険診療との違いと検討すべき理由

がん治療には保険診療と自由診療があり、それぞれ特徴や選択肢が異なります。本記事では、両者の違いや自由診療を検討する際の考え方、判断するためのポイントについてわかりやすく解説します。

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骨転移が起こりやすい部位と、その理由

肺がんの骨転移には、特に発生しやすい部位があります。

好発部位は体幹部に集中している

最も多いのは、**肋骨**、**胸椎**、**腰椎**といった体幹部の骨です。これらの部位は血流が豊富で、がん細胞が到達しやすい環境にあります。

まれに、肘から下や膝から下といった四肢の末端にも転移することがありますが、頻度としては低いとされています。

なぜ体幹部に転移しやすいのか

体幹部の骨は、骨髄が豊富に存在し、血液の生成や免疫機能に関わる重要な役割を担っています。

そのため血流が活発で、がん細胞が血液を介して到達しやすい構造になっているのです。また、脊椎は神経が密集しているため、転移が起こると深刻な症状を引き起こすリスクが高まります。

骨転移によって現れる主な症状

骨転移が小さいうちは、ほとんど症状が現れないことが多いです。

しかし、がん細胞が増殖し、骨の構造に影響を与えるようになると、さまざまな症状が出てきます。

腰痛や背中の痛み

腰椎や胸椎に転移が起こると、腰痛や背中の痛みが生じることがあります。

骨自体には痛みを感じる神経は通っていませんが、がん細胞が骨を包む膜を圧迫することで、痛みとして感じられるようになります。初期には軽い違和感程度でも、進行すると持続的な痛みへと変化していきます。

神経障害による麻痺

脊椎に転移が起こり、がん細胞が増殖すると、脊髄を圧迫する可能性があります。

脊髄には全身の神経が通っているため、圧迫されると上肢や下肢の麻痺、しびれ、筋力低下といった神経障害が現れることがあります。これは緊急に対応が必要な状態です。

病的骨折のリスク

がん細胞によって骨が破壊され、脆くなると、通常では骨折しないような軽い衝撃でも骨折してしまうことがあります。

これを「**病的骨折**」と呼びます。脊椎や大腿骨など、体重を支える部位で起こると、日常生活に大きな支障をきたします。

高カルシウム血症による全身症状

がん細胞が骨を溶かすことで、骨に含まれていたカルシウムが血液中に溶け出し、血中カルシウム濃度が上昇することがあります。

これを「**高カルシウム血症**」と呼び、脱水、口渇、多尿、悪心、嘔吐、筋力低下といった症状が現れます。さらに進行すると、腎機能障害を引き起こすこともあります。

骨転移の診断方法・・・どのように見つけるのか

骨転移の有無を正確に診断することは、今後の治療方針を決定する上で非常に重要です。

画像診断による評価

骨転移の診断には、複数の画像検査を組み合わせて行います。

単純X線検査は最も基本的な検査ですが、骨の変化が進行してからでないと検出しにくい場合があります。

CT検査は、骨の構造を詳細に観察でき、転移の広がりを把握するのに有用です。

MRI検査は、骨髄の変化や軟部組織への浸潤を評価するのに優れています。

骨シンチグラフィーは、放射性物質を用いて全身の骨を一度に評価できる検査で、小さな転移も検出しやすい特徴があります。

PET検査は、がん細胞の代謝活動を画像化する検査で、骨転移の活動性を評価するのに役立ちます。

病理学的検査の役割

画像検査で骨転移が疑われる場合、確定診断のために組織を採取して顕微鏡で観察する病理学的検査が行われることもあります。

これにより、転移の性質や治療への反応性を予測する情報が得られます。

骨転移の治療法・・・症状緩和と進行抑制を目指して

骨転移は、直接命に関わるわけではありませんが、痛みや骨折、神経障害といった症状によって、生活の質(QOL)を大きく低下させる可能性があります。

そのため、治療の目的は、症状を緩和し、骨関連事象(SRE)を予防することに重点が置かれます。

薬物治療による全身アプローチ

薬物治療は、骨転移に対する基本的な治療法です。

**骨修飾薬(BMA)**は、骨を溶かす細胞の働きを抑え、骨折や痛みを予防する効果があります。代表的なものに、ビスホスホネート製剤や抗RANKL抗体薬があります。

また、がん細胞そのものの増殖を抑える**抗がん薬**や**分子標的薬**も、骨転移の進行を遅らせる効果が期待できます。

痛みに対しては、消炎鎮痛薬や、必要に応じてモルヒネなどの麻薬性鎮痛薬が使用されます。

放射線治療による局所制御

放射線治療は、骨転移による痛みを緩和し、骨折や神経圧迫を予防するために有効な治療法です。

外部から放射線を照射する外照射が一般的で、1回の照射時間は数分程度です。痛みの改善率は50~80%と高く、多くの患者さんで効果が得られています。

脊髄を圧迫している場合や、病的骨折のリスクが高い場合には、早急に放射線治療が検討されます。

近年では、**体幹部定位放射線治療(SBRT)**という、高線量を少ない回数で照射する方法も保険適用となり、より効果的な局所制御が期待できるようになっています。

外科的治療による構造的安定化

病的骨折が起こった場合や、骨折のリスクが非常に高い場合には、外科的治療が検討されます。

脊椎の場合は、神経の圧迫を取り除き、脊椎を安定化させる手術が行われます。四肢の長管骨では、骨を補強するために金属プレートやセメントを用いた固定術が行われることがあります。

ICVS東京クリニックにおける免疫療法という選択肢

標準治療だけでは十分な効果が得られない進行がん・再発がんに対して、ICVS東京クリニックでは「**HITV療法**」という次世代の免疫療法を提供しています。

HITV療法の特徴

HITV療法は、免疫システムの司令塔である「**樹状細胞**」を活用し、体内でがんを攻撃する「**CTL(キラーT細胞)**」を効率的に誘導する治療法です。

最大の特徴は、樹状細胞を**腫瘍へ直接投与**することで、患者さん自身の腫瘍が持つ複数のがん情報を正確に学習させる点にあります。

これにより、腫瘍そのものが免疫細胞の”生産工場”のように機能し、24時間休むことなくがん細胞への攻撃を継続することを目指します。

骨転移を含む進行がんへのアプローチ

骨転移を伴う進行肺がんに対しても、HITV療法は一つの選択肢となり得ます。

画像診断では捉えきれない微細ながん細胞に対しても、誘導されたCTLが血液を巡って攻撃を続けるため、転移・再発の抑制を目指す治療とされています。

当院では、2008年の設立以来、世界各国から2,000名以上の患者さんを受け入れ、治療支援に携わってきました。

オーダーメイドの治療計画

HITV療法は、患者さんの状態、症状、生活環境を総合的に考慮し、専門医が丁寧にカウンセリングと診断を行った上で、治療計画を提案します。

来院回数は基本4回程度で、通院負担にも配慮されています。

なお、HITV療法は日本国内の医薬品医療機器等法において未承認であり、保険適用外の治療です。

骨転移と向き合うために・・・患者さんとご家族へ

肺がんの骨転移は、痛みや骨折、神経障害といった症状によって、日常生活に大きな影響を与える可能性があります。

しかし、早期に発見し、適切な治療を行うことで、症状を緩和し、生活の質を維持することは十分に可能です。

放射線治療や薬物治療といった標準治療に加え、免疫療法という選択肢も存在します。

ICVS東京クリニックでは、「延命ではなく、救命を目指して」という理念のもと、進行がん・再発がんに特化した治療を提供しています。

治療の可能性を最後まで諦めたくない方、別の選択肢を知ったうえで判断したい方にとって、一度相談してみる価値のあるクリニックといえるでしょう。

骨転移の症状に不安を感じている方、現在の治療に限界を感じている方は、ぜひ専門医にご相談ください。

詳細はこちらのHPをご覧ください

著者情報

ICVS東京クリニック 理事長 蓮見 賢一郎

 

【経歴】

埼玉医科大学卒業。

東京大学医科学研究所を経て、現在は米国法人 蓮見国際研究財団理事長。

世界各国で『国際がんワクチン・シンポジウム』を開催し、がん免疫療法の啓蒙と研究活動を推進している。

米国Thomas Jefferson 大学 Kimmel Cancer Center に研究講座を開設、同大学の客員教授。

ブルガリアPleven 医科大学より、がん免疫療法の研究活動に対して名誉博士号授与。

その他、米国Maryland 州立大学、ドイツ Erlangen 大学との共同研究や、マレーシア国民大学(UKM)との臨床試験を行っている。

肺がんはどの検査で見つかる?CT・PETなど診断までの検査の流れと特徴肺がん2026/04/03(金)

肺がんは日本人の死因において上位に位置する深刻な疾患です。

早期発見が治療成績を大きく左右するため、適切な検査を受けることが極めて重要となります。

しかし、「どのような検査があるのか」「それぞれの検査で何がわかるのか」といった疑問を抱える方も少なくありません。本記事では、肺がんの発見から確定診断、さらに病期診断に至るまでの検査の流れと、各検査の特徴について詳しく解説します。

肺がんはどのようにして発見されるのか

肺がんの発見には、大きく分けて二つのきっかけがあります。一つは検診や人間ドックでの発見、もう一つは自覚症状による受診です。

検診や人間ドックで発見された肺がんは、自覚症状がきっかけで発見されたものと比較して、小さく初期の段階であることが多いとされています。

自覚症状としては、咳が続く、血痰が出る、胸の痛みなどが挙げられます。こうした症状が続く場合、多くの方がまず医療機関を受診し、胸部X線検査を受けることになります。

胸部X線検査で異常が認められた場合、次のステップとして胸部CT検査が行われます。CT検査はX線検査よりも詳細に肺の状態を観察できるため、より小さな病変も発見しやすくなります。

近年、CTで肺を精密に調べることができるようになったため、初期の肺がんを見つけやすくなっています。

ただし、PET検査は初期の肺がんを見つけられないことがあるため、初期の肺がんを発見する目的であれば精密なCTのほうが優れているとされています。

肺がんの確定診断をつけるための検査

CTで肺がんが疑われても、それだけでは確定診断とはなりません。

確定診断をつけるためには、がんが疑われる部位の細胞や組織を採取し、病理医が顕微鏡で調べて「がん」と診断する必要があります。この細胞や組織を採取する検査を「生検」といいます。

喀痰細胞診

痰の中に出てくるがん細胞を顕微鏡で診断する検査です。

気管支の中にがんができている場合、この検査でがんと診断が確定することがあります。ただし、肺の末梢にできたがんは痰の中にがん細胞が出てきにくいため、この検査では診断がつきません。

気管支鏡検査

口または鼻から直径6mm程度のファイバースコープを気管支まで挿入して観察し、腫瘍が直接見えればこれを一部採取します。

腫瘍が見えない場合でも、X線透視下で腫瘍に向かってブラシを挿入し、細胞を一部かきとって顕微鏡で診断します。のどの麻酔を行い、さらに検査中は眠くなる薬を投与して苦痛を軽減します。

肺の末梢にできたがんは通常の気管支鏡が届きにくいため、特殊な気管支鏡を用いることがあります。

この検査は、肺がんかどうかを調べるための組織を採取する検査の中では体への負担が小さく、最初に選択されます。

ただし、がんができた場所や大きさによって気管支鏡での診断は困難なことがあります。組織採取によって肺や気管支内の出血、胸腔内の空気漏れ(気胸)、肺炎、発熱などの合併症を起こす可能性があります。

CTガイド生検(経皮的針生検)

がんが疑われる箇所まで気管支鏡が届かない場合や、気管支鏡検査で診断がつかない場合などに行われます。

局所麻酔を使用して体表から細い針を刺し、超音波(エコー)やX線、CTで位置を確認しながら病変のある肺の細胞や組織を採取して詳しく調べます。気胸などの合併症を起こす可能性があるため、行えるかどうかは体の状態をみながら検討します。

胸腔鏡検査

胸部を小さく切開して、内視鏡を肋骨の間から胸腔内に挿入し、肺や胸膜、リンパ節の組織を採取して調べる検査です。

胸膜の近くに病変がある場合や、画像検査でがんが強く疑われ、気管支鏡検査による生検や経皮的針生検での診断が難しい場合などに行われます。多くは全身麻酔をした状態で行いますが、がんや体の状態によっては局所麻酔で行うこともあります。

影が小さい場合には確定診断をつけるための検査がいずれもできないことがあります。最近は影が小さい状態で見つかることも多いため、肺がんで手術を受ける方の半数以上が術前に確定診断がついておらず、診断と治療を兼ねた手術を受けられる方が増えています。

大腸がんとポリープは何が違う?放置していいケースと注意点の違い

大腸がんとポリープは似たように感じられますが、性質や対応方法には違いがあります。本記事では、それぞれの違いや放置してよいケースと注意が必要なケース、受診の判断ポイントについてわかりやすく解説します。

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肺がんの広がりを調べる検査

肺がんと確定診断がついたり、肺がんが強く疑われた場合、次にがんの転移を調べる検査を行います。

がんの転移の程度によって治療方針が変わるため、転移を調べる検査は極めて重要です。肺がんは脳、肺、全身の骨、肝臓、副腎などの臓器や気管支近傍のリンパ節に転移することがあります。

CT検査

肺にがんを疑う病変がないかどうかを調べる画像診断法としては、現在最も多く使われている方法です。

胸部X線検査などで異常が認められた場合に行い、がんを疑う病変の大きさや場所、リンパ節や腹部などのほかの臓器に転移していないかどうかを調べます。体の周囲からX線をあてて、体の断面を画像にします。

また、がんの広がりなどを調べるために造影剤を使ったCT検査を行うこともあります。脳以外の臓器や骨への転移、あるいは胸の中のリンパ節転移を調べるには造影CTとともにPETが有用とされています。

PET検査

PET検査は、放射性薬剤を体内に投与し、その分布を特殊なカメラでとらえて画像化する核医学検査の一種です。

CTなどの画像検査では通常、頭部、胸部、腹部などと部位を絞って検査を行いますが、PET検査では全身を一度に調べることができます。現在PET検査といえば大半がブドウ糖代謝の指標となる18F-FDGというくすりを用いた「FDG-PET検査」です。

CT検査などでは形の異常を診るのに対し、PET検査ではブドウ糖代謝などの機能から異常をみます。臓器のかたちだけで判断がつかないときに、機能をみることで診断の精度を上げることができます。

がん細胞は正常細胞の何倍もの量のブドウ糖を取り込むため、18F-FDGを注射すると、このくすりもがんの病巣に集まります。

くすりが集まったところからは放射線が多く放出されるので、それを捕らえて画像化することにより、がんの病巣を見つけ出すことができます。一般に、がんが1cmほどになればPET検査で発見できるとされています。

全身を一度に調べられ、予想外のがんの発見に威力を発揮することから、がんの可能性が疑われながら他の検査で病巣が発見できない「原発不明癌」の診断や、がんの転移・再発を調べるのに有力な検査とされています。

出典国立国際医療研究センター「FDG-PET/CTとは」より作成

脳MRI検査

脳転移を調べるためには、PET検査よりもMRI検査が有用です。

MRI検査は磁気を使って体の断面を画像化する検査で、脳の詳細な構造を観察することができます。肺がんは脳に転移しやすいため、病期診断の際には脳MRI検査が推奨されます。

骨シンチグラフィ

骨への転移を調べるための検査です。

放射性医薬品を静脈注射し、数時間後に全身の骨を撮影します。骨に転移がある場合、その部位に放射性医薬品が集まるため、画像上で転移の有無を判断できます。

がん遺伝子検査

非小細胞肺がんで薬物療法を検討する場合に、がん細胞の発生や増殖に関わるがん遺伝子に異常があるかどうかを調べる検査です。

医師がこの検査を必要と判断した場合は保険診療で行われています。非小細胞肺がんにおいては、生検で採取した組織を用いて、特定の遺伝子変異や遺伝子再構成の有無を調べます。

この検査結果によって、分子標的薬などの治療薬の選択が可能になります。

肺がん検診における推奨検査

肺がん検診では、対象者によって推奨される検査が異なります。

重喫煙者に対する低線量CT検査

重喫煙者に対する低線量CTは、複数のランダム化比較対照試験による死亡率減少効果が示されており、対策型検診及び任意型検診における肺がん検診として推奨されています。

対象年齢は50-74歳、検診間隔は1年に1回が望ましいとされています。重喫煙者に対しては、胸部X線検査よりも低線量CTのほうが利益が大きいと考えられます。

なお、重喫煙者とは喫煙指数(1日平均喫煙本数×喫煙年数)が600以上の人で、現在も喫煙している人と禁煙してから15年以内の人も含まれます。

胸部X線検査

米国のランダム化比較対照試験で死亡率減少効果が示唆され、国内の症例対照研究による結果と矛盾はありません。

喫煙状況にかかわらず対策型検診及び任意型検診における肺がん検診として推奨されています。対象年齢は40-79歳、検診間隔は1年に1回が望ましいとされています。

重喫煙者に対する胸部X線検査と喀痰細胞診併用法

重喫煙者において胸部X線検査に喀痰細胞診を上乗せすることによる効果は明確ではありません。

国内では喫煙率の低下により喀痰細胞診の標的病変である肺門部扁平上皮がんは激減し、喀痰細胞診によって追加的に発見される肺がんは全国で年間20-30人程度です。また、喀痰細胞診を追加すると、胸部X線による不利益に加えて侵襲性の高い精密検査である気管支鏡の検査件数も増加するので、不利益が大きくなります。

対策型検診及び任意型検診における肺がん検診として実施しないことが勧められています。喀痰がある人は肺がんに限らず様々な呼吸器疾患の可能性があるため、がん検診ではなく、速やかに医療機関を受診するように勧められています。

出典国立がん研究センター がん対策研究所「有効性評価に基づく肺がん検診ガイドライン(2025年度版)」より作成

ICVS東京クリニックが提供する次世代免疫療法

標準治療だけでは治癒が難しいとされるステージⅣの進行がん・再発がんに対して、ICVS東京クリニックでは「延命ではなく、救命を目指して」という理念のもと、次世代免疫療法を提供しています。

HITV療法の特徴

治療の中核となるのは、HITV療法(Human Initiated Therapeutic Vaccine)という免疫細胞療法です。

樹状細胞を活用し体内でがんを攻撃するCTL(キラーT細胞)を効率的に誘導することで、がんの消失(治癒)を目標としています。なお、HITV療法は日本国内の医薬品医療機器等法において未承認であり、保険適用外の自由診療となります。

樹状細胞を腫瘍へ直接投与する点が大きな特徴です。

CT画像で確認しながら腫瘍内へ直接注入(腫瘍内注入が難しい場合は腫瘍を栄養する主要血管内への投与)を行うことで、患者自身の腫瘍が持つ複数のがん情報を、より正確に樹状細胞へ学習させることを目指しています。

腫瘍のワクチン化という考え方

腫瘍に投与された樹状細胞ががん情報を高精度で認識することで、CTLへの指示も精密化され、投与後2週間前後からCTLが体内に誘導されます。

CTLは24時間休むことなくがん細胞へ攻撃を継続します。画像診断で判別できない微細ながん細胞が血液により移動・着床することが転移・再発の一因とされるため、腫瘍のワクチン化によって生まれる高精度なCTLが血液中を巡回し、がん細胞を見つけると即時に攻撃することで、転移・再発を防ぐことにつなげることを目指しています。

世界水準の治療体制

当院は、がん免疫療法の専門医である蓮見賢一郎によって2008年に設立され、国内外の研究者・臨床現場とのネットワークを持ち、HITV療法専門施設として研鑽を重ねています。

これまで日本のみならず、台湾、中国、マレーシア、ロシア、オーストラリアなど世界各国から患者を受け入れ、2,000名以上の治療支援に携わってきました。

CTガイド下投与によりリアルタイムのCT画像をもとに穿刺を行い、腫瘍内へ正確に樹状細胞を直接投与する高度な医療技術を採用しています。また、院内CPC(細胞培養加工施設)を完備し、国際的GMP基準に沿った環境を整え、専任の細胞培養士が適切に管理・処置を行っています。

さらに、再生医療等安全性確保法に則った運用を行い、厚生労働省の許可を受けた特定細胞加工施設として、品質管理を重視した培養体制を構築しています。

まとめ

肺がんの診断には、胸部X線検査やCT検査から始まり、気管支鏡検査やCTガイド生検などの確定診断のための検査、さらにPET検査や脳MRI検査などの病期診断のための検査まで、段階的な検査の流れがあります。

それぞれの検査には特徴があり、がんの状態や患者の体の状態に応じて適切な検査が選択されます。

早期発見が治療成績を大きく左右するため、定期的な検診を受けることが重要です。特に重喫煙者の方は、低線量CT検査による検診が推奨されています。

また、標準治療だけでは治癒が難しいとされる進行がん・再発がんに対しては、ICVS東京クリニックのようなHITV療法などの次世代免疫療法という選択肢もあります。

気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診し、適切な検査を受けることをお勧めします。

詳細はこちらのHPをご覧ください

著者情報

ICVS東京クリニック 理事長 蓮見 賢一郎

 

【経歴】

埼玉医科大学卒業。

東京大学医科学研究所を経て、現在は米国法人 蓮見国際研究財団理事長。

世界各国で『国際がんワクチン・シンポジウム』を開催し、がん免疫療法の啓蒙と研究活動を推進している。

米国Thomas Jefferson 大学 Kimmel Cancer Center に研究講座を開設、同大学の客員教授。

ブルガリアPleven 医科大学より、がん免疫療法の研究活動に対して名誉博士号授与。

その他、米国Maryland 州立大学、ドイツ Erlangen 大学との共同研究や、マレーシア国民大学(UKM)との臨床試験を行っている。

肺がんの初期症状は気づきにくい?見逃されやすいサインと受診の目安肺がん2026/04/03(金)

肺がんは、日本人のがん死亡率において常に上位に位置する深刻な疾患です。

しかし、初期段階では自覚症状がほとんど現れないという特徴があります。そのため、気づいたときにはすでに進行していたというケースも少なくありません。

この記事では、肺がんの初期段階で現れる可能性のある症状を幅広く紹介し、「咳」「息切れ」「胸痛」「体重減少」など複数のサインをまとめて解説します。特定の症状を深掘りするのではなく、あくまで「初期症状の全体像」を理解するための入口として、患者さまやご家族が早期に異変に気づき、適切な受診につながることを目指します。

肺がんとは・・・見逃されやすい理由

肺がんは、肺の気管や気管支、肺胞などの細胞が何らかの原因でがん化し、異常に増殖する病気です。

進行すると、がん細胞は周囲の組織を壊しながら増殖し、血液やリンパ液の流れに乗って様々な部位に転移する可能性があります。肺がんは大きく「小細胞肺がん」と「非小細胞肺がん」に分けられ、非小細胞がんはさらに「腺がん」「扁平上皮がん」「大細胞がん」に分類されます。

いずれのがんでも喫煙が発生原因の1つとされており、中でも扁平上皮がんや小細胞がんは喫煙との関連が大きいとされています。ただし、喫煙していない方でも肺がんになることはあります。

肺がんが見逃されやすい最大の理由は、初期段階では症状がほとんど現れないことです。

腫瘍が小さいうちは、痛みや違和感を感じることが少なく、健康診断や他の病気の検査で偶然見つかることも少なくありません。また、咳や息切れといった症状が現れても、風邪や気管支炎などの他の呼吸器疾患と区別がつきにくいため、「ただの風邪だろう」と軽視してしまうケースが多いのです。

さらに、肺がん特有の症状が存在しないことも、早期発見を難しくしている要因の一つです。

肺がんの初期症状・・・複数のサインを知る

肺がんの初期症状は、一見すると日常的な体調不良と見分けがつきません。

しかし、複数の症状が同時に現れたり、長期間続いたりする場合は注意が必要です。ここでは、肺がんの初期段階で現れる可能性のある主な症状をまとめて解説します。

慢性的な咳

咳は風邪や気管支炎など他の呼吸器疾患でも見られる一般的な症状です。

そのため、肺がんを原因とした咳と他の疾患による咳を区別することは非常に困難です。しかし、数週間以上続く咳や、徐々にひどくなっていく咳には警戒が必要です。

特に、痰に血が混じる場合は早めに医療機関を受診することが推奨されます。喫煙者や高齢者は特に、普段の咳と異なると感じたときには専門医に相談してください。

息切れ・呼吸困難

肺の機能が徐々に低下することで、階段を上る、重い荷物を持つなど、軽い運動でも息切れを感じることがあります。

普段は感じなかった疲労感や息苦しさが現れた場合、それは体が酸素不足に陥っているサインかもしれません。病状が進行すると、安静時にも息切れを感じることがあります。

特に、運動習慣のある方がこれまでにない息切れを感じた場合は、肺がんを含む呼吸器の異常を疑う必要があります。

胸の痛み

腫瘍が胸膜や周囲の組織に影響を及ぼすことによって、胸の痛みが引き起こされます。

痛みの種類は鋭く刺すような感覚から鈍い圧迫感まで個人差がありますが、特に深呼吸や咳をしたときに強く痛みを感じる場合は注意が必要です。胸の痛みが数週間続いたり徐々に悪化したりする場合は、単なる筋肉痛とは異なる可能性があります。

体重減少

特に食事量を減らしていないにもかかわらず、体重が減少する場合は注意が必要です。

がん細胞が体内のエネルギーを消費することで、意図しない体重減少が起こることがあります。数ヶ月で5kg以上の体重減少が見られる場合は、専門医に相談することをおすすめします。

肩こり・背中の痛み

肺がんの初期症状として、肩こりのような症状が見られることがあります。

首の付け根から肩にかけての痛みや、背中の痛みが長期間続く場合は、肺がんが神経や周囲の組織に影響を及ぼしている可能性があります。特に、通常の肩こりとは異なる痛みや、マッサージをしても改善しない痛みには注意が必要です。

発熱・倦怠感

微熱が続く、原因不明の倦怠感が長期間続くといった症状も、肺がんの初期症状として現れることがあります。

風邪のような症状が長引く場合や、休息をとっても疲労感が取れない場合は、専門医に相談することが大切です。

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受診の目安・・・どんなときに病院へ行くべきか

肺がんの初期症状は、日常的な体調不良と見分けがつきにくいため、受診のタイミングを逃してしまうことがあります。

しかし、以下のような状況に当てはまる場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

  • 咳が2週間以上続く場合 ・・・ 風邪の症状が治まっても咳だけが残る場合は注意が必要です。
  • 痰に血が混じる場合 ・・・ わずかな血液でも、繰り返し見られる場合は早めに受診してください。
  • 息切れが徐々に悪化する場合 ・・・ 日常生活に支障をきたすほどの息切れは要注意です。
  • 胸の痛みが続く場合 ・・・ 数週間以上続く胸の痛みは、専門医に相談してください。
  • 意図しない体重減少がある場合 ・・・ 数ヶ月で5kg以上の体重減少は要注意です。
  • 喫煙歴がある方 ・・・ 喫煙者や過去に喫煙していた方は、定期的な検診を受けることが重要です。

これらの症状が複数同時に現れる場合や、長期間続く場合は、肺がんの可能性を考慮して早めに受診することが大切です。

肺がんの検査方法・・・早期発見のために

肺がんの早期発見には、適切な検査が不可欠です。

健康診断や人間ドックで行われる胸部X線検査は、肺がんのスクリーニングとして有効ですが、小さな腫瘍や特定の部位にある腫瘍は見逃される可能性があります。

より精密な検査としては、CT検査が推奨されます。CT検査は、胸部X線検査では発見しにくい小さな腫瘍や、肺の奥深くにある腫瘍を発見することができます。特に、低線量CT検査は、被曝量を抑えながら高精度な検査が可能です。

また、気管支鏡検査や生検などの精密検査により、腫瘍の性質や進行度を詳しく調べることができます。これらの検査は、治療方針を決定する上で非常に重要です。

喫煙歴のある方や、家族に肺がんの既往歴がある方は、定期的にCT検査を受けることをおすすめします。

肺がんの治療法・・・選択肢を知る

肺がんの治療法は、がんの種類や進行度、患者さまの体の状態などに基づいて検討されます。

主な治療法には、手術(外科治療)、放射線治療、薬物療法、緩和ケアなどがあります。これらの治療法は単独で使用される場合もありますが、場合によっては複数を組み合わせて行われることもあります。

手術(外科治療)

早期の肺がんに対しては、手術による腫瘍の切除が第一選択となることが多いです。

近年では、胸腔鏡手術などの低侵襲手術が普及しており、患者さまの体への負担を軽減しながら治療を行うことが可能になっています。手術の適応は、がんの進行度や患者さまの体力、合併症の有無などを総合的に判断して決定されます。

放射線治療

手術が困難な場合や、手術後の再発予防のために放射線治療が行われることがあります。

放射線治療は、がん細胞に高エネルギーの放射線を照射することで、がん細胞を破壊する治療法です。近年では、ピンポイントで照射する技術が進歩しており、正常な組織への影響を最小限に抑えながら治療を行うことが可能になっています。

薬物療法

抗がん剤や分子標的薬、免疫チェックポイント阻害剤などの薬物療法が行われます。

特に、進行がんや再発がんに対しては、薬物療法が中心となることが多いです。近年では、がん細胞の遺伝子変異に応じた個別化医療が進んでおり、患者さま一人ひとりに最適な治療法を選択することが可能になっています。

免疫療法という選択肢

標準治療だけでは治癒が難しいとされるステージⅣの進行がん・再発がんに対して、免疫療法という選択肢があります。

免疫療法は、患者さま自身の免疫細胞を活用してがん細胞を攻撃する治療法です。ICVS東京クリニックでは、「延命ではなく、救命を目指して」という理念のもと、HITV療法(Human Initiated Therapeutic Vaccine)という次世代免疫療法を提供しています。

HITV療法は、免疫システムの”司令塔”とも呼ばれる樹状細胞を活用し、体内でがんを攻撃する主力であるCTL(キラーT細胞)を効率的に誘導することで、がんの消失(治癒)を目標にする免疫細胞療法です。

樹状細胞を腫瘍へ直接投与することで、患者さまご自身の腫瘍が持つ複数のがん情報を、より正確に樹状細胞へ学習させることを目指します。腫瘍に投与された樹状細胞は、がん情報を高精度で認識することで、CTLへの指示も精密化され、投与後2週間前後からCTLが体内に誘導され、24時間休むことなくがん細胞へ攻撃を継続します。

ICVS東京クリニックは、がん免疫療法の専門医である蓮見賢一郎によって2008年に設立され、国内外の研究者・臨床現場とのネットワークを持ち、HITV療法専門施設として研鑽を重ねています。これまで日本のみならず、台湾、中国、マレーシア、ロシア、オーストラリアなど世界各国から患者さまをお迎えし、2,000名以上の治療支援に携わってきました。

なお、HITV療法は日本国内の医薬品医療機器等法において未承認であり、保険適用外の自由診療となります。

肺がんを予防するために・・・日常生活でできること

肺がんの予防には、日常生活での取り組みが重要です。

最も効果的な予防法は、禁煙です。喫煙は肺がんの最大のリスク要因であり、禁煙することで肺がんのリスクを大幅に減少させることができます。また、受動喫煙を避けることも重要です。

その他、バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠など、健康的な生活習慣を維持することが肺がん予防につながります。

また、定期的な健康診断を受けることで、早期発見・早期治療につながる可能性が高まります。特に、喫煙歴のある方や、家族に肺がんの既往歴がある方は、定期的にCT検査を受けることをおすすめします。

まとめ・・・早期発見が何より大切

肺がんは初期症状が気づきにくく、見逃されやすい病気です。

しかし、咳、息切れ、胸痛、体重減少、肩こりなど、複数のサインに注意を払うことで、早期発見につながる可能性があります。これらの症状が長期間続く場合や、複数同時に現れる場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。

肺がんの治療法は、手術、放射線治療、薬物療法など多岐にわたり、患者さま一人ひとりの状態に応じて最適な治療法が選択されます。また、標準治療だけでは治癒が難しい場合には、免疫療法という選択肢もあります。

ICVS東京クリニックでは、ステージⅣの進行がん・再発がんに特化したHITV療法を提供しており、「延命ではなく、救命を目指して」という理念のもと、患者さまとご家族に寄り添った医療を提供しています。

肺がんの予防には、禁煙、健康的な生活習慣、定期的な健康診断が重要です。特に、喫煙歴のある方や家族に肺がんの既往歴がある方は、定期的にCT検査を受けることをおすすめします。

少しでも気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。

早期発見・早期治療が、肺がんと闘う上で最も重要です。あなたの健康を守るために、今日から行動を始めましょう。

詳細はこちらのHPをご覧ください

著者情報

ICVS東京クリニック 理事長 蓮見 賢一郎

 

【経歴】

埼玉医科大学卒業。

東京大学医科学研究所を経て、現在は米国法人 蓮見国際研究財団理事長。

世界各国で『国際がんワクチン・シンポジウム』を開催し、がん免疫療法の啓蒙と研究活動を推進している。

米国Thomas Jefferson 大学 Kimmel Cancer Center に研究講座を開設、同大学の客員教授。

ブルガリアPleven 医科大学より、がん免疫療法の研究活動に対して名誉博士号授与。

その他、米国Maryland 州立大学、ドイツ Erlangen 大学との共同研究や、マレーシア国民大学(UKM)との臨床試験を行っている。

甲状腺がんは再発するとどこに転移する?再発の特徴と治療の考え方甲状腺がん2026/04/02(木)

甲状腺がんの再発と転移・・・その実態を知る

甲状腺がんは、他のがんと比較して予後が良好とされています。しかし、治療後に再発する可能性があることも事実です。

再発した場合、どこに転移しやすいのか。

この疑問は、多くの患者さまやご家族が抱えるものでしょう。甲状腺がんの再発・転移には、がんの種類によって特徴的なパターンが存在します。乳頭がんや濾胞がん、髄様がん、未分化がんなど、それぞれの組織型によって転移しやすい部位や進行の速さが異なるのです。

本記事では、甲状腺がんが再発した際の転移先や再発の特徴、そして最新の治療法について、専門的な視点から詳しく解説します。再発・転移への理解を深めることで、適切な治療選択や経過観察の重要性を認識していただければと思います。

甲状腺がんの種類と再発リスク

甲状腺がんには、大きく分けて5つの種類があります。それぞれの組織型によって、再発リスクや転移のパターンが異なることを理解しておく必要があります。

乳頭がん・・・最も多く、おとなしい性格

甲状腺がんの約90%を占める「乳頭がん」は、最も頻度の高い組織型です。

このがんは非常におとなしい性格で、10年生存率は約90%以上と良好な予後を示します。増殖スピードもゆっくりで、命にかかわることは比較的少ないとされています。ただし、頸部のリンパ節に転移することはあります。肺や骨などへの遠隔転移は少ないものの、再発時にはリンパ節転移を中心に注意深い経過観察が必要です。

濾胞がん・・・遠隔転移に注意が必要

濾胞がんは甲状腺がんの約5%を占め、乳頭がんの次に多い組織型です。増殖スピードはゆっくりですが、10年生存率は約85%と、乳頭がんよりわずかに低くなります。

濾胞がんの特徴は、頸部リンパ節への転移はまれである一方、一部の症例で肺や骨などへの遠隔転移を起こす可能性がある点です。このため、再発時には全身の画像検査による慎重な評価が求められます。

髄様がん・・・進行が速く、複数臓器への転移リスク

髄様がんは甲状腺がん全体の1~2%とまれな組織型ですが、乳頭がんや濾胞がんと比較して進行が速いという特徴があります。10年生存率は約75%で、リンパ節だけでなく肺や肝臓などへの転移も起こりやすいとされています。

また、髄様がんの一部は遺伝性であり、家族性の症例では遺伝学的検査が推奨されます。

低分化がん・未分化がん・・・高い再発リスクと急速な進行

低分化がんと未分化がんは、いずれも甲状腺がんの中で1~2%程度とまれですが、非常に注意が必要な組織型です。低分化がんは高分化がん(乳頭がん・濾胞がん)と未分化がんの中間に位置し、進行が速く、離れた臓器に転移しやすい特徴があります。

未分化がんはさらに進行が非常に速く、甲状腺の周囲や離れた臓器への転移もみられます。1年生存率は20%以下と極めて予後不良で、高齢者に多く発生します。長年存在していた乳頭がんや濾胞がんが未分化がんに変化することもあると考えられています。

抗がん剤治療の期間はどれくらい?治療計画を立てる際の考え方

抗がん剤治療の期間は、がんの種類や進行度、治療方針によって大きく異なります。本記事では、治療期間の目安やスケジュールの考え方、治療計画を立てる際に知っておきたいポイントについてわかりやすく解説します。

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甲状腺がんの再発・・・どこに転移しやすいのか

甲状腺がんが再発した場合、転移先は組織型によって異なるパターンを示します。

頸部リンパ節への転移・・・最も頻度が高い

乳頭がんでは、再発時に最も多くみられるのが頸部リンパ節への転移です。甲状腺の周囲や首の側面に位置するリンパ節に、がん細胞が広がることがあります。リンパ節転移は超音波検査やCT検査で発見されることが多く、定期的な画像診断による経過観察が重要です。

髄様がんでもリンパ節転移は比較的高頻度にみられます。

肺への転移・・・濾胞がんで注意が必要

濾胞がんでは、血行性転移として肺に転移するケースがあります。肺転移は胸部X線検査やCT検査で確認されることが多く、複数の小さな結節として現れることが一般的です。乳頭がんでも肺転移は起こり得ますが、濾胞がんほど頻度は高くありません。

肺転移が確認された場合、放射性ヨウ素内用療法が治療選択肢として検討されることがあります。

骨への転移・・・濾胞がんと髄様がんで発生

骨転移は、濾胞がんや髄様がんで起こる可能性があります。骨転移が生じると、痛みや骨折のリスクが高まるため、早期発見と適切な治療が重要です。骨シンチグラフィーやPET検査などの画像診断が、骨転移の評価に用いられます。

肝臓やその他の臓器への転移

髄様がんでは、肝臓への転移も報告されています。また、未分化がんでは甲状腺の周囲組織や離れた臓器への転移が広範囲に及ぶことがあり、非常に進行が速いため、早期の診断と治療開始が求められます。

再発の早期発見・・・定期的な検査の重要性

甲状腺がんの治療後は、再発を早期に発見するための定期的な検査が不可欠です。

超音波検査・・・リンパ節転移の評価

超音波検査(エコー)は、甲状腺やその周囲のリンパ節の状態を詳細に観察できる検査です。再発の有無や、リンパ節転移の可能性を評価するために、定期的に実施されます。非侵襲的で繰り返し行える利点があります。

血液検査・・・腫瘍マーカーの測定

甲状腺がんの種類によっては、血液検査で腫瘍マーカーを測定することが有用です。乳頭がんや濾胞がんでは「サイログロブリン」、髄様がんでは「カルシトニン」や「CEA」が腫瘍マーカーとして用いられます。これらの数値が上昇している場合、再発の可能性が示唆されます。

CT検査・PET検査・・・全身の転移評価

CT検査やPET検査は、肺や骨、肝臓などへの遠隔転移を評価するために実施されます。特にPET検査は、全身のがん細胞の活動性を可視化できるため、再発・転移の早期発見に有効です。

定期的な画像診断により、再発を早期に発見し、適切な治療介入を行うことが可能になります。

再発・転移甲状腺がんの治療選択肢

再発・転移した甲状腺がんに対しては、複数の治療選択肢が存在します。がんの種類や進行度、患者さまの体の状態に応じて、最適な治療法が選択されます。

外科切除・・・再発病巣の摘出

再発した甲状腺がんやリンパ節転移に対して、外科的に切除することが可能な場合があります。特に局所再発やリンパ節転移に対しては、手術による摘出が第一選択となることが多いです。

放射性ヨウ素内用療法・・・分化型がんに有効

乳頭がんや濾胞がんなどの分化型甲状腺がんでは、放射性ヨウ素内用療法が有効な治療法です。この治療は、甲状腺細胞がヨウ素を取り込む性質を利用し、放射性ヨウ素を投与することで、残存するがん細胞や転移巣を破壊します。

肺や骨への転移がある場合でも、放射性ヨウ素内用療法が適応となることがあります。

分子標的薬・・・最新の薬物療法

放射性ヨウ素内用療法が効果を示さない場合や、進行が速い甲状腺がんに対しては、分子標的薬が治療選択肢となります。

分化型甲状腺がんに対しては、「レンバチニブ」や「ソラフェニブ」といったマルチキナーゼ阻害薬が使用されます。また、RET融合遺伝子陽性の場合は「セルペルカチニブ」、NTRK融合遺伝子陽性の場合は「ラロトレクチニブ」や「エヌトレクチニブ」などのTRK阻害薬が適応となることがあります。

髄様がんでは、RET遺伝子変異の頻度が高く、セルペルカチニブが第一選択として推奨されています。未分化がんに対しても、がん遺伝子検査により標的異常が確認された場合、対応する分子標的薬の導入が検討されます。

再発後の予後と生活の質

甲状腺がんが再発した場合でも、適切な治療により長期生存が期待できるケースは少なくありません。

特に乳頭がんや濾胞がんなどの分化型甲状腺がんでは、再発後も比較的良好な予後を示すことが多いです。ただし、未分化がんや進行の速い低分化がんでは、予後が厳しくなる傾向があります。

再発・転移した甲状腺がんの治療では、生活の質(QOL)を維持しながら治療を続けることも重要な視点です。分子標的薬などの薬物療法では、副作用のマネジメントが求められます。手足症候群、高血圧、下痢、疲労感などの副作用が現れることがあるため、医療チームと密に連携しながら対処していくことが大切です。

また、定期的な検査による経過観察を継続し、再発の兆候を早期に捉えることで、適切なタイミングでの治療介入が可能になります。

ICVS東京クリニックの免疫療法という選択肢

標準治療だけでは治癒が難しいとされる進行がんや再発がんに対して、ICVS東京クリニックでは「HITV療法」という次世代免疫療法を提供しています。

HITV療法は、免疫システムの司令塔である「樹状細胞」を活用し、体内でがんを攻撃するCTL(キラーT細胞)を効率的に誘導することで、がんの消失を目標とする治療法です。樹状細胞を腫瘍へ直接投与することで、患者さまご自身の腫瘍が持つ複数のがん情報を正確に学習させ、腫瘍のワクチン化を実現します。

CTガイド下投与により、リアルタイムのCT画像をもとに腫瘍内へ正確に樹状細胞を投与する高度な医療技術を採用しています。また、院内CPC(細胞培養加工施設)を完備し、国際的GMP基準に沿った環境で専任の細胞培養士が管理しています。

再生医療等安全性確保法に則り、厚生労働省の許可を受けた特定細胞加工施設として運用されており、品質管理を重視した培養体制が構築されています。2008年の設立以来、世界各国から患者さまをお迎えし、2,000名以上の治療支援実績があります。

なお、HITV療法は日本国内の医薬品医療機器等法において未承認であり、保険適用外の自由診療となります。患者さまの状態に応じたオーダーメイドの治療計画を提供し、来院回数は基本4回です。

まとめ・・・再発・転移への理解と適切な治療選択

甲状腺がんが再発した場合、転移先は組織型によって異なります。

乳頭がんでは頸部リンパ節への転移が多く、濾胞がんでは肺や骨への遠隔転移に注意が必要です。髄様がんはリンパ節、肺、肝臓などへの転移リスクがあり、未分化がんは広範囲に転移する可能性があります。

再発を早期に発見するためには、定期的な超音波検査、血液検査、CT検査、PET検査などが重要です。再発・転移した甲状腺がんに対しては、外科切除、放射性ヨウ素内用療法、分子標的薬、TSH抑制療法など、複数の治療選択肢があります。

最新の分子標的薬は、放射性ヨウ素内用療法が効果を示さない場合や進行の速いがんに対して有効であり、患者さまの状態に応じた個別化治療が可能です。また、ICVS東京クリニックのHITV療法のような免疫療法も、標準治療だけでは治癒が難しい進行がん・再発がんに対する選択肢の一つとなります。

がんと向き合う日々は決して容易ではありませんが、医療の進歩により治療選択肢は広がっています。希望を持ち続け、最善の治療を受けられることを願っています。

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著者情報

ICVS東京クリニック 理事長 蓮見 賢一郎

 

【経歴】

埼玉医科大学卒業。

東京大学医科学研究所を経て、現在は米国法人 蓮見国際研究財団理事長。

世界各国で『国際がんワクチン・シンポジウム』を開催し、がん免疫療法の啓蒙と研究活動を推進している。

米国Thomas Jefferson 大学 Kimmel Cancer Center に研究講座を開設、同大学の客員教授。

ブルガリアPleven 医科大学より、がん免疫療法の研究活動に対して名誉博士号授与。

その他、米国Maryland 州立大学、ドイツ Erlangen 大学との共同研究や、マレーシア国民大学(UKM)との臨床試験を行っている。

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