
肺がんと診断され、「腫瘍が気管支の近くにあって手術が難しい」「抗がん剤や放射線治療をおこなってきたが、思うような効果が得られなかった」――そのような状況に置かれ、次の選択肢を必死に探しておられる患者さまやご家族の方は少なくありません。
結論からお伝えすると、気管支の近くに位置する肺の腫瘍に対して、免疫細胞療法という新たなアプローチが選択肢のひとつとして存在します。中でも「HITV療法」は、樹状細胞をCTガイド下で腫瘍内へ直接投与するという独自の方法で、標準治療と組み合わせることも可能な治療です。
この記事では、気管支近くに腫瘍がある肺がんの難しさ、免疫療法の仕組み、そしてHITV療法がどのような考え方に基づいているかを、できるだけわかりやすくお伝えします。
肺がんと告げられた後、「腫瘍の位置が気管支に近すぎて切除が困難」「手術より放射線や化学療法が優先される」と主治医から説明を受け、強い不安と喪失感を覚えた方は多いと思います。
気管支の近くにある腫瘍は、外科的切除のリスクが高く、標準治療の選択肢が限られるケースが少なくありません。肺の中心部に近い位置にある腫瘍は、切除しようとすると周辺の重要な気道や血管を傷つける恐れがあるため、治療方針の選択が特に慎重になります。
さらに、すでに抗がん剤・放射線治療を受けてきたにもかかわらず腫瘍が縮小しなかった場合、あるいは一度治療が奏効したあとに再発してしまった場合、「あとは何ができるのか」という問いが頭から離れなくなる方も多くいらっしゃいます。
肺がんのステージⅣは、がん細胞がリンパ節や他の臓器へ転移している状態を指します。ステージⅣと診断されたとき、あるいは一度治療を経て再発したとき、「もう治療の手段がなくなった」と感じてしまうこともあるかもしれません。
しかし、標準治療(手術・抗がん剤・放射線)以外にも、免疫細胞療法という選択肢が存在します。標準治療と組み合わせることも可能であり、状況によっては標準治療が難しくなった後に取り組む形でも相談できる場合があります。
大切なのは、「今の自分にはどのような選択肢があるのか」を正確に知ること。そのための情報を、この記事でできる限り丁寧にお伝えします。
肺は気管支と呼ばれる空気の通り道が無数に枝分かれした複雑な構造をしています。気管支の中枢部(太い幹に近い部分)の周囲には、肺動脈・肺静脈・リンパ節などが密集しており、この近傍に発生した腫瘍は、外科的にアクセスすること自体が難しい位置に当たります。
肺がんの中でも「中心型肺がん」と呼ばれるタイプは、こうした気管支の中心部に近い場所に腫瘍が発生するケースで、扁平上皮がんに多く見られます。一方、「末梢型肺がん」は肺の外側(末梢)に発生し、腺がんに多いとされています。気管支の近くに腫瘍がある場合、中心型の性質をもつことが多く、診断・治療の両面で慎重な対応が求められます。
肺がんの標準治療には、外科手術・放射線療法・化学療法(抗がん剤)・分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬などがあります。近年は免疫チェックポイント阻害薬(PD-1/PD-L1阻害薬など)の登場により、肺がん治療の選択肢は広がりました。
しかし、すべての患者さまにこれらの治療が有効なわけではありません。遺伝子変異のタイプによっては分子標的薬が使えない場合もありますし、化学療法への耐性が生じたり、放射線照射量の上限に達してしまうこともあります。標準治療の選択肢を使い終えた後、あるいは並行して何かできることはないか――そこで注目されるのが免疫細胞療法です。
⚠️ よくある誤解:「免疫療法=免疫チェックポイント阻害薬」ではありません
「免疫療法はもう試した」とおっしゃる方の中には、病院で免疫チェックポイント阻害薬(オプジーボ・キイトルーダなど)を使ったことを指している場合があります。しかし免疫チェックポイント阻害薬と、樹状細胞を用いる免疫細胞療法は、作用のメカニズムがまったく異なります。一方の治療を経験していても、もう一方を検討できる可能性があります。気になる方はまず専門家にご相談ください。
人間の免疫システムは本来、体内に発生した異常な細胞(がん細胞を含む)を認識して排除する力を持っています。しかし、がん細胞は免疫から逃れるための様々な仕組みを持っており、時間とともに免疫による監視をかいくぐるようになってしまいます。
免疫細胞療法は、患者さま自身の免疫細胞を体外で培養・強化し、再び体内に戻すことでがんへの攻撃力を高めようとする治療法です。化学物質や放射線による直接的な攻撃とは異なり、体本来の防御機能を活用するという考え方に基づいています。
免疫細胞療法の中でも特に注目されているのが、「樹状細胞」を使った治療です。樹状細胞は免疫細胞の一種で、「司令塔」や「教師」にたとえられます。体内でがん細胞の特徴(抗原)を認識し、キラーT細胞(がんを攻撃する細胞)に「これが敵だ」と教える役割を担っています。
がん患者さまの体内では、この樹状細胞の働きが低下していることが多く、そのためにがん細胞が免疫から逃れやすくなると考えられています。樹状細胞療法は、体外でこの樹状細胞を培養・活性化し、再び体内に投与することで免疫のスイッチを入れ直すことを目的としています。
樹状細胞はがんの特徴的な目印(腫瘍抗原)を取り込み、それをキラーT細胞に提示します。この「抗原提示」によって、免疫システムはがん細胞を認識し攻撃できるようになります。樹状細胞の働きが回復すると、眠っていた免疫の力が再び動き出すことが期待されます(個人差があります)。
抗がん剤や放射線はがん細胞に直接ダメージを与える「外側からの攻撃」です。一方、免疫細胞療法は体の免疫機能そのものを強化・活性化する「内側からのサポート」という考え方です。このため、標準治療と組み合わせることで、それぞれの効果を補い合うことが期待できます(個人差があります)。
標準治療が困難になった患者さまや、治療を続けながらさらなる効果を求める患者さまにとって、免疫細胞療法は検討できる選択肢のひとつです。日本国内でも複数の医療機関が自由診療として実施しており、国内外で研究・実績が積み重ねられています。
HITV療法(Human Initiated Therapeutic Vaccine)は、患者さまご自身の血液から採取した樹状細胞を体外で培養・活性化し、CTガイド下で腫瘍内に直接投与するという方法をとります。
一般的な樹状細胞療法では点滴(静脈投与)や皮下投与によって体内に樹状細胞を戻す方法がとられますが、HITV療法では、画像(CT)で位置を確認しながら針を腫瘍の中へ誘導し、そこへ直接投与します。腫瘍の内部に樹状細胞を届けることで、腫瘍内の免疫環境に直接働きかけることを目指します。
肺の腫瘍に対しても、CTガイド下での投与経路を検討することが可能です(腫瘍の位置や大きさ、患者さまの状態によって適応を個別に判断します)。

HITV療法は日帰り外来での通院を基本としており、入院は必要ありません。治療の流れは患者さまごとのオーダーメイドの治療計画に基づいて進みます。一般的な流れの目安は以下の通りです(個人差があります)。
🩸 採血・細胞培養フェーズ
💉 投与・経過観察フェーズ
気管支に近い位置にある肺の腫瘍へのCTガイド下投与は、腫瘍の位置・大きさ・患者さまの体の状態を慎重に確認した上で、個別に適応を判断します。すべての症例に一律に同じ方法が適用されるわけではなく、一人ひとりのオーダーメイドの治療計画が立てられます。
「自分の腫瘍の位置でも投与できるのか」「今受けている抗がん剤と組み合わせて受けられるのか」など、具体的なご疑問はまず医療相談の場でご確認いただくことをお勧めします。
東京都千代田区に位置するICVS東京クリニックは、2008年の開院以来、HITV療法に特化した免疫細胞療法専門のクリニックとして診療を続けてきました。これまでに世界2,000名以上の治療実績を積み重ねています。

ICVS東京クリニックは、東京都千代田区紀尾井町4-1 ホテルニューオータニ内新紀尾井町ビル4Fにあります。東京メトロ丸ノ内線・銀座線「赤坂見附駅」から徒歩4分、有楽町線「永田町駅」から徒歩5分、JR「四ツ谷駅」から徒歩8分とアクセスしやすい環境です。
診療時間は平日9:00〜12:00 / 13:00〜17:00(土・日・祝休診)で、完全予約制にて対応しています。遠方からお越しの方、海外在住の方のご相談にも対応しています。
「自分に合う治療なのか」「現在の治療と組み合わせられるか」など、どんなご質問でも構いません。まずは一歩、ご相談ください。東京都千代田区のICVS東京クリニックが、患者さまのパートナーとして丁寧にお答えします。
💬 理事長:蓮見賢一郎 先生より
「治す」ことを決してあきらめず、これまでの治療の限界を超えて、がんから解放されるために。がんで苦しんでおられる患者さまやご家族の力となり、支えになるために尽くします。治療が始まった瞬間から、医師は患者さまのパートナーです。どんな困難な状況に陥っても、最良のガイドとなるべく尽力いたします。まずは患者さまご自身やご家族の方に、お受けになる治療について丁寧にご説明し、ご理解とご納得をいただくことを大切にしています。