
がんと診断され、抗がん剤治療を受けることになった時、多くの患者さんが「治療はいつまで続くのだろう」と不安を感じます。
治療期間は患者さんの状態やがんの種類、進行度によって大きく異なります。
この記事では、抗がん剤治療の期間や治療計画を立てる際に知っておくべき考え方について、奏効率や生存率といった指標の意味を正しく理解しながら解説します。個別化医療が進展する中で、患者さん一人ひとりに最適な治療期間を見極めるポイントをわかりやすく紹介します。
抗がん剤治療は、投与期間と休薬期間を組み合わせた「サイクル」という単位で進められます。
一般的には、3~4週間を1サイクルとして、4~6サイクルを繰り返すことが標準的です。つまり、初回治療では数カ月にわたって治療が行われることになります。
抗がん剤は注射や点滴、飲み薬で投与されますが、毎日投与されるわけではありません。投与後には必ず休薬期間が設けられ、この期間に体力を回復させながら、正常な細胞へのダメージを最小限に抑えます。
治療期間中は定期的に検査を行い、がんの状態や副作用の程度を確認します。明らかながんの進行がない限り、計画通りにサイクルを完了することを目指します。
ただし、患者さんの体調や副作用の状況によっては、投与量の調整や治療の延期が必要になる場合もあります。
出典 がん治療情報サイト「抗がん剤の治療期間はどのくらい?」 より作成

早期にがんを発見できた場合、手術や放射線治療と組み合わせて抗がん剤を使用することがあります。
手術の前後に抗がん剤を投与することで、微小な転移を防止したり、がん細胞の縮小を図ったりします。この場合の治療期間は比較的短く、数週間から数カ月程度で完了することが多いです。
根治を目指す治療では、計画的に治療を完了させることが重要です。
進行がんや高リスクのがんでは、治療期間が数カ月から1年以上に及ぶことがあります。
この場合の主な目的は、がんの進行を抑え、症状を安定させることや緩和を図ることです。がんの種類や患者さんの状態によっては、長期にわたって治療を継続する必要があります。
治療効果を評価しながら、必要に応じて薬剤の変更や治療方針の見直しを行います。患者さんの生活の質を保ちながら、できる限り長く治療効果を維持することを目指します。
再発がんの場合、抗がん剤治療が数年にわたって行われることもあります。
これは、がん細胞が薬剤に耐性を持つリスクや再発リスクを軽減するためです。治療は患者さんの体力や副作用の状況を見ながら、慎重に進められます。
長期的な視点で治療計画を立て、患者さんとご家族が納得できる形で治療を継続することが大切です。

奏効率とは、抗がん剤治療によってがんが縮小した患者さんの割合を示す指標です。
がんが完全に消失した「完全奏効」と、がんが30%以上縮小した「部分奏効」を合わせた割合が奏効率として表されます。
ただし、奏効率が高いからといって、必ずしも生存期間が延びるわけではありません。がんが一時的に縮小しても、その後再び増大することもあります。治療効果を判断する際には、奏効率だけでなく、他の指標も総合的に考慮する必要があります。
5年生存率は、治療開始から5年後に生存している患者さんの割合を示します。
この数字は治療効果の目安として広く使われていますが、注意が必要です。5年生存率は「完治率」とイコールではなく、再発がんで苦しんでいる患者さんも含まれています。
実際には、がんになった方の約60%ががんで亡くなるという現実があります。手術を受けることができても、必ずしも安心とは言えません。
治療計画を立てる際には、こうした統計の背景にある意味を正しく理解することが重要です。
近年では、バイオマーカーを用いた個別化医療が進展しています。
患者さん一人ひとりのがん細胞の特性を分析し、最も効果が期待できる抗がん剤を選択する方法です。EGFR遺伝子変異やALK融合遺伝子などの検査により、分子標的薬の効果を予測できるようになりました。
このような個別化医療により、無駄な治療を避け、より効果的な治療を選択できる可能性が高まっています。治療期間の設定においても、個々の患者さんの状態に応じた柔軟な対応が可能になってきています。
抗がん剤治療を始める前に、治療の目的を明確にすることが大切です。
根治を目指すのか、症状の緩和を図るのか、あるいは進行を遅らせることが目標なのか・・・目的によって治療期間や使用する薬剤が変わってきます。
医師と十分に話し合い、患者さん自身とご家族が納得できる治療方針を決めることが重要です。

治療期間を決める際には、生活の質を保つことも大切な要素です。
抗がん剤は正常な細胞にも影響を与えるため、吐き気や脱毛、倦怠感などの副作用が出ることがあります。副作用が強い場合、日常生活に支障をきたすこともあります。
治療効果と副作用のバランスを考え、患者さんの体力や生活環境に合わせた治療計画を立てることが求められます。無理な治療を続けることが、かえって寿命を縮める可能性もあることを理解しておく必要があります。
治療を開始した後も、定期的に効果を評価し、必要に応じて治療計画を見直すことが重要です。
PET-CTや血液検査などで総合的に判定し、がんの状態や患者さんの体調を確認します。効果が不十分な場合や副作用が強い場合には、薬剤の変更や治療方針の転換を検討します。
治療に違和感を感じた場合には、セカンドオピニオンを受けることも一つの選択肢です。他の医師の意見を聞くことで、より納得できる治療方針を見つけられる可能性があります。
抗がん剤治療には、効果が期待できる一方で、いくつかのリスクも伴います。
抗がん剤の多くは「劇薬」や「毒薬」のカテゴリーに属し、その副作用は正確には「毒性」と呼ばれます。効かなかった場合には、すぐに使用を止めて別の治療を模索することが、結果的に延命効果につながる場合が多いです。
また、抗がん剤を3種類使うとがんは小さくなるものの、寿命は7~10倍短くなるという報告もあります。治療を選択する際には、こうしたリスクも十分に理解しておく必要があります。

近年、抗がん剤以外の治療法として免疫療法が注目されています。
免疫療法は、患者さん自身の免疫細胞を活用してがん細胞を攻撃する治療法です。特に、樹状細胞を用いた治療法では、がん細胞の情報を正確に学習させ、体内でキラーT細胞を誘導することで、がん細胞への攻撃を継続させます。
ICVS東京クリニックでは、「延命ではなく、救命を目指して」という理念のもと、ステージⅣの進行がん・再発がんに特化したHITV療法を提供しています。この治療法は、樹状細胞を腫瘍へ直接投与することで、患者さん自身の腫瘍が持つ複数のがん情報を正確に学習させ、腫瘍のワクチン化を実現します。
HITV療法では、投与後2週間前後からCTLが体内に誘導され、24時間休むことなくがん細胞へ攻撃を継続します。また、画像診断では捉えきれない微細ながん細胞に対してもアプローチし、転移・再発の抑制を目指します。
抗がん剤治療と免疫療法を組み合わせることで、相乗効果が期待できる場合もあります。
患者さんの状態や症状、生活環境を総合的に考慮し、専門医が丁寧にカウンセリングと診断を行った上で、最適な治療計画を提案することが重要です。
ICVS東京クリニックでは、患者さん一人ひとりに合わせたオーダーメイドの治療計画を提供し、QOL(生活の質)を維持・向上させながら、できる限り心身の負担が少ない診療を目指しています。

抗がん剤治療の期間は、がんの種類や進行度、患者さんの体力や治療目的によって大きく異なります。
一般的には数カ月から1年程度ですが、進行がんや再発がんの場合にはさらに長期にわたることもあります。治療計画を立てる際には、奏効率や生存率といった指標の意味を正しく理解し、生活の質を保ちながら治療を進めることが大切です。
また、抗がん剤治療のリスクを十分に理解した上で、免疫療法などの代替治療も含めて、総合的に判断することが求められます。医師やご家族としっかりと相談し、患者さん自身が納得できる治療方針を選択しましょう。
がん治療は決して一人で抱え込む必要はありません。ICVS東京クリニックのような専門施設では、患者さんの状態に応じた個別化医療を提供し、最後まで「治すこと」を諦めない姿勢で治療に取り組んでいます。
治療の選択肢の一つとして、HITV療法のような次世代免疫療法も検討されてみてはいかがでしょうか。詳しくは、ICVS東京クリニックの公式サイトをご覧いただくか、直接お問い合わせください。
ICVS東京クリニック 理事長 蓮見 賢一郎

埼玉医科大学卒業。
東京大学医科学研究所を経て、現在は米国法人 蓮見国際研究財団理事長。
世界各国で『国際がんワクチン・シンポジウム』を開催し、がん免疫療法の啓蒙と研究活動を推進している。
米国Thomas Jefferson 大学 Kimmel Cancer Center に研究講座を開設、同大学の客員教授。
ブルガリアPleven 医科大学より、がん免疫療法の研究活動に対して名誉博士号授与。
その他、米国Maryland 州立大学、ドイツ Erlangen 大学との共同研究や、マレーシア国民大学(UKM)との臨床試験を行っている。