
がんが再発した。
その言葉を告げられた瞬間、頭が真っ白になる方は少なくありません。「また抗がん剤を続けるしかないのか」「もう治療の選択肢はないのか」と、深い不安に陥ることは自然なことです。
しかし、今は違います。再発がんに対して、免疫療法という新たな選択肢が現実のものとなっています。免疫チェックポイント阻害薬をはじめとする免疫療法は、特定の条件を満たす再発がん患者さんにとって、有力な治療手段となり得ます。
本記事では、がん免疫療法の国際的な研究に長年携わってきた立場から、再発がんに対して免疫療法が検討されるケース、適応条件、そして治療を選ぶ際の考え方について、できる限り丁寧に解説します。
再発後の治療方針で悩んでいる方へ
東京都千代田で免疫療法を含む再発がん治療について相談したい方は、医療法人社団ICVS東京クリニックへご相談ください。
現在の治療状況に応じた選択肢を確認したい方にも対応しています。

「再発」と一口に言っても、その状況はさまざまです。
手術や放射線治療でいったん腫瘍が消えたように見えても、体内に残っていたがん細胞が再び増殖し始めることを「再発」と呼びます。元の部位に戻ってくる「局所再発」と、別の臓器に広がる「転移再発」があり、それぞれで治療の方針は大きく異なります。
再発がんの治療において、もっとも難しいのは「耐性」の問題です。
最初の治療で使った抗がん剤や放射線に対して、がん細胞が耐性を獲得してしまうことがあります。そのため、再発時には以前と同じ治療が効かないケースも珍しくありません。だからこそ、免疫療法という異なるアプローチが注目されているのです。
免疫療法は、抗がん剤とは作用機序がまったく異なります。体自身の免疫細胞を活性化し、がん細胞を攻撃させる仕組みを利用するため、抗がん剤耐性のがんに対しても効果が期待できる場合があります。
免疫療法を正しく理解するために、まず「免疫」の働きを知っておく必要があります。
私たちの体には、細菌やウイルス、そしてがん細胞などの「異物」を排除する免疫システムが備わっています。免疫細胞の中でも「T細胞(Tリンパ球)」は、がん細胞を直接攻撃する重要な役割を担っています。
ところが、がん細胞は巧妙です。
T細胞の表面にある「アンテナ」に結合し、「攻撃するな」という命令を送ることで、免疫にブレーキをかけてしまいます。この仕組みを「免疫チェックポイント」と呼びます。がんが進行するにつれて、このブレーキが強くかかり、免疫細胞はがん細胞を見逃してしまうのです。
免疫チェックポイント阻害薬は、このブレーキを解除する薬です。T細胞やがん細胞のアンテナに作用し、免疫本来の攻撃力を取り戻させます。これが、免疫療法の中核をなすアプローチです。

現在、日本において保険診療で受けられる免疫チェックポイント阻害薬には、ニボルマブ(オプジーボ)、ペムブロリズマブ(キイトルーダ)、デュルバルマブ(イミフィンジ)、アテゾリズマブ(テセントリク)などがあります。これらはがんの種類ごとに適応が定められており、担当医との十分な相談が必要です。
では、どのような状況で免疫療法が選択肢として浮かび上がるのでしょうか。
ここが、多くの患者さんやご家族が最も知りたい部分だと思います。
抗がん剤治療を続けてきたが、効果が薄れてきた。あるいは副作用が強くなり、これ以上の継続が難しい状況になった。このようなケースで、次の治療選択肢として免疫療法が検討されることがあります。
実際に、「抗がん剤が効かなくなったら、もう手がない」と思い込んでいた患者さんが、免疫療法という選択肢を知り、治療を再開できたケースは少なくありません。治療の扉は、思っているより多く開いている可能性があります。
免疫療法の効果を予測する上で、バイオマーカーの検査が重要な役割を果たします。
バイオマーカー…
体内の生物学的な指標のことで、特定の遺伝子変異や分子の発現状況を調べることで、治療の効果が出やすいかどうかを事前に予測できます。
特に注目されているのが以下の2つです。
これらのバイオマーカーが陽性であれば、がんの種類にかかわらず免疫チェックポイント阻害薬の適応が認められる場合があります。再発時には、こうした検査を受けることが治療の幅を広げる鍵となります。
免疫チェックポイント阻害薬が標準治療として位置づけられているがん種は、年々拡大しています。現在、診療ガイドラインに記載され保険診療で受けられる対象には、メラノーマ(悪性黒色腫)、非小細胞肺がん、腎細胞がん、ホジキンリンパ腫、頭頸部がん、胃がん、食道がん、肝細胞がん、子宮頸がんなどが含まれます。
これらのがん種で再発・転移が確認された場合、免疫療法は積極的に検討すべき選択肢の一つです。担当医に「免疫療法の適応はあるか」と率直に尋ねることを、ぜひ検討してください。

免疫療法は一種類ではありません。
大きく分けると、保険診療で受けられる「効果が証明された免疫療法」と、自由診療として提供される「研究・臨床段階の免疫療法」があります。それぞれの特徴を理解した上で、自分に合った選択をすることが重要です。
現時点で最もエビデンスが蓄積されている免疫療法です。PD-1、PD-L1、CTLA-4といった分子を標的とする抗体薬が複数承認されており、単独使用だけでなく、他の抗がん剤や別の免疫チェックポイント阻害薬との併用療法も行われています。
再発・転移がんに対して、一部のがん種では一次治療から使用されるケースもあります。
CAR-T細胞療法は、患者自身のT細胞を体外に取り出し、がん細胞を攻撃するよう遺伝子改変して増やした後、再び体内に戻す治療法です。一部の血液・リンパのがんで使用されており、再発・難治性の症例に対して有力な選択肢となっています。ただし、治療できる施設が限られており、強い副作用が起きやすいため、入院での管理が必要です。
自由診療の領域では、樹状細胞療法や免疫細胞療法が提供されています。
樹状細胞は「免疫システムの司令塔」とも呼ばれ、がん細胞の情報をT細胞に伝える役割を担います。この樹状細胞を体外で培養・活性化し、体内に戻すことで、がんへの免疫応答を高めることを目指す治療です。
自由診療として行われる免疫療法については、治療効果・安全性・費用について慎重な確認が必要です。必ず担当医に相談し、セカンドオピニオンも活用しながら、十分な情報収集の上で判断することをお勧めします。
免疫療法は、すべての患者さんに適しているわけではありません。
治療を検討する際には、以下の点を担当医と確認することが重要です。
免疫療法を受けるためには、ある程度の体力・全身状態が必要です。「パフォーマンスステータス(PS)」と呼ばれる指標で評価され、状態が著しく低下している場合は適応外となることがあります。
肝臓・腎臓・心臓などの主要臓器の機能が、治療に耐えられる状態かどうかを確認します。免疫チェックポイント阻害薬は、免疫関連の副作用(irAE)として、肺・肝臓・腸・内分泌腺など全身のさまざまな臓器に炎症を引き起こす可能性があるため、治療前の評価が欠かせません。
関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどの自己免疫疾患がある場合、免疫チェックポイント阻害薬によって病状が悪化するリスクがあります。既往症の詳細な確認が必要です。
前述のMSI-H、TMB-H、PD-L1発現などのバイオマーカー検査を行うことで、免疫療法の効果が期待できるかどうかをある程度予測できます。再発時には、こうした検査を積極的に受けることをお勧めします。

免疫療法は「副作用が少ない」と言われることがありますが、これは正確ではありません。
従来の化学療法で起こるような副作用(脱毛、強い吐き気など)は比較的少ないとされていますが、免疫療法には免疫療法特有の副作用があります。
免疫チェックポイント阻害薬では、免疫が過剰に活性化することで、皮膚・肺・肝臓・腸・腎臓・内分泌腺など、全身のさまざまな臓器に炎症が起きる「免疫関連有害事象(irAE)」が生じることがあります。個人差が大きく、いつ、どのような副作用が起きるか予測しにくいため、副作用に十分対応できる体制が整った医療機関で治療を受けることが重要です。
「副作用が少ない」ではなく、「副作用の種類が異なる」と理解することが、免疫療法と正しく向き合う第一歩です。
副作用が疑われる症状が現れた際には、速やかに担当医に相談することが大切です。早期発見・早期対応が、重篤化を防ぐ鍵となります。

東京都千代田区紀尾井町に位置するICVS東京クリニックは、進行がん・再発がんに特化したがん免疫療法を専門的に提供するクリニックです。
同クリニックが中心に据えているのが、HITV療法(Human Initiated Therapeutic Vaccine Therapy)です。
HITV療法では、「免疫システムの司令塔」と呼ばれる樹状細胞を活用します。CT画像を確認しながら樹状細胞を腫瘍へ直接注入する「CTガイド下投与」を行うことで、がん細胞の情報を高精度で免疫細胞へ伝達することを目指しています。
腫瘍へ投与された樹状細胞ががん細胞の情報を学習し、キラーT細胞(CTL)へ伝達することで、腫瘍自体が免疫細胞を生み出す「ワクチン工場」のような役割を持つと説明されています。また、血液中を巡回する免疫細胞によって、画像診断では確認できない微細ながん細胞への攻撃も期待されており、転移や再発予防を目指した治療として位置づけられています。
ICVS東京クリニックでは、患者さんの病状・生活環境・検査データをもとに個別の治療計画を提案しており、院内には細胞培養加工施設(CPC)を備え、専任スタッフによる細胞管理が行われています。
自由診療として提供される免疫療法については、治療効果・安全性・費用について慎重に確認し、担当医とも十分に相談した上で判断されることをお勧めします。詳細は公式サイトでご確認ください。
再発の告知を受けた後、多くの患者さんは「もう終わりだ」と感じます。
しかし、がん治療の選択肢は確実に広がっています。免疫療法の登場により、かつては有効な治療法がなかったがん種でも、長期生存が得られるケースが報告されるようになりました。
あなたが今、治療の選択肢に悩んでいるなら、ぜひセカンドオピニオンを活用してください。
担当医以外の専門医の意見を聞くことは、決して失礼なことではありません。むしろ、最善の治療を選ぶための賢明な行動です。免疫療法の専門クリニックへの相談も、その選択肢の一つです。
どうか、一人で抱え込まないでください。
本記事では、再発がんに対する免疫療法の可能性について解説しました。
再発がんの治療は、決して一本道ではありません。免疫療法という選択肢を知ることで、新たな可能性が開けることがあります。
ICVS東京クリニックでは、進行がん・再発がんに特化した免疫療法の専門的な相談を受け付けています。東京・千代田区での受診はもちろん、全国からのご相談にも対応しています。治療の選択肢について、ぜひ一度ご相談ください。
▶ ICVS東京クリニック 公式サイトはこちら
再発後の治療を前向きに考えたい方へ
東京都千代田で免疫療法や再発時の治療相談をしたい方は、医療法人社団ICVS東京クリニックへご相談ください。
現在の状況に合わせた治療方針を確認したい方にも対応しています。
ICVS東京クリニック 理事長 蓮見 賢一郎

埼玉医科大学卒業。
東京大学医科学研究所を経て、現在は米国法人 蓮見国際研究財団理事長。
世界各国で『国際がんワクチン・シンポジウム』を開催し、がん免疫療法の啓蒙と研究活動を推進している。
米国Thomas Jefferson 大学 Kimmel Cancer Center に研究講座を開設、同大学の客員教授。
ブルガリアPleven 医科大学より、がん免疫療法の研究活動に対して名誉博士号授与。
その他、米国Maryland 州立大学、ドイツ Erlangen 大学との共同研究や、マレーシア国民大学(UKM)との臨床試験を行っている。